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第2章 魔法と領地巡りの儀式
『73、装置を探せ』
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「うわ、何これ。あの悪徳領主はどれだけ仕掛けたんだよ」
部屋に戻り、地下牢にあった罠付きの装置の在りかを調べた結果、50近くあった。
しかも街のいたるところに配置されているため、解除が限りなく面倒臭い。
「でも・・・破壊するしかないよね。誰かが傷ついたら困るし」
「そうだね。それが終わったら、断罪しないで行こうかな。あんたも反省しているんでしょ?」
正直に言うと、こうしている時間さえも惜しく感じてしまう。
カルスの腕に彫られた痛々しい奴隷紋を見るたびに、言いようのない不安が襲ってくる。
いつ気を狂わせて自殺しようとしたり、俺たちに牙を剥くか分からない。
それはカルスも同じで、むしろ彼が一番怖いと思うが。
自分が自分でなくなってしまって、大切な人を傷つけてしまうかもしれないのだ。
俺だったら絶対に耐えられない。
でもボーランの説得もあったとはいえ、カルスは俺についてくることを選んでくれた。
ありがたいと今でも思っている。
恩返しと言ってはおかしいかもしれないが、早く苦しみから解放してあげたいのだ。
「そうですね。私は息子が帰ってきたら出頭するつもりです」
「それなら良かった。不正も自分から率先してやるっていう感じに見えないし」
そう言うと、ジュライは淡く微笑んだ。
やっぱりその中には悲哀の感情が多く含まれており、痛々しい。
「街に行こう。今はまだジュライさんが領主なんだから。民たちを守ってあげないと」
「そうですね。精一杯やらせていただきます」
張りきるジュライとともに街に繰り出し、メンバーを3つに分ける。
完全に効率重視というやつだ。
「僕とフェブアーで東の地区。ボーランとマイセスで真ん中の地区。カルスとジュライさんで西の地区を回っていこう。数的にはカルスのところが少し多いかも」
「心配ありません。必ず生きて帰ってきますから」
カルスの心強い言葉とともにそれぞれの地区に散った俺たちはさっそく躓く。
どこに装置があるのか分からないのだ。
「地図によると、ここに1つあるはずだよね・・・無くない?」
「無いですね・・・マイセスのように気配を感じることが出来ればいいのですが」
しばらく探し続けた俺たちは、やがて1本の木にたどり着いた。
街のシンボルにもなっている、樹齢300年の木である。
噂では、初代国王であるマスタル=グラッザドが直々に植えた木とも言われる神聖な木。
その木の枝に黒光りする装置が括りつけられていたのだ。
「王族の遺産ともいえる木に結んでおくだなんて、僕たちをバカにしているのかな?
「――もしかしてメイザが装置を付けたところは王族ゆかりの地なのかもしれませんね」
俺の言う通り、王族をバカにする目的で街にばら撒いたとしたらあり得る話ではある。
しかもこの街の人は王族に深い信仰心があるから、人通りも多い。
その分だけ、民衆が闇の矢に打ち抜かれる可能性が高まるということだ。
「僕たちが行ったら騒ぎになっちゃうかもだけど・・・行かないで後悔するよりかは・・・」
「行って後悔した方がいいですね。もちろん後悔しないのが一番ですが」
冗談めかして言うフェブアーに、高ぶっていた気持ちが少し収まった感じがする。
次の場所は初代国王が立てたといわれている教会だった。
グラッザド家の聖地となっている教会の庭には、蹲ったシスターらしき影。
胸を押さえている手は赤黒く染まっている。
「大丈夫ですか?」
「リレン王子!これ以上は近づかないで下さい!どこから狙われているか・・・」
やっぱり装置に射貫かれたようだ。
俺がシスターに回復魔法をかけている間、フェブアーには装置の処理をお願いした。
やがてヒュッという剣が風を切る音が聞こえたから大丈夫そうだな。
そう思った俺はシスターの1人と教会に入り、寝かせるための敷物を持って戻る。
「フェブアー、これの上にシスターを寝かせてあげて」
「了解いたしました」
本来なら俺がやってあげたいが、幼児の体ではままならない。
シスターの安全を確認してから、俺たちは装置破壊の続きをこなして館に帰った。
既に時刻は16鐘と夕方に差し掛かっている。
どうやら残りの人たちも装置はすべて破壊しつくしてくれたらしく、魔導具にも反応は無い。
「これで終わったね。後は人質の安全を確保してからだ」
「分かっております。子供さえ戻ってきてくれれば私はどうなっても構いません」
ジュライは何度も頭を下げた。
俺たちはむしろ断罪する側なのに、お礼を言われるという矛盾に居心地の悪さを感じる。
「今日は豪華な料理を用意させますので、それまでお休みください」
「分かった。ありがとう」
部屋に戻った俺たちはソファーに座りながら今後の予定を話し合う。
とりあえずやるといった感じで、実際は早くヂーク郡に行こうと言い出すに決まっている。
それほどまでにカルスの腕に彫られた奴隷紋というのは暗い影を落としていた。
「今後はどうする?一応、明日には旅立てるけど」
「さっさと行きましょう。ここでボーっとしてカルスに何かあってからでは遅いわ」
やや食い気味にマイセスが言い切った。
他のみんなも異論はないようで、軽く頷いている者もいれば無表情の者もいる。
共通しているのは反論を発さないというところだろう。
「それじゃ、明日にはヂーク郡に向かおうと思う。――旅もいよいよ佳境だな」
「そうね。ここまで長かったわ。特にドク郡は」
フローリーが昔を懐かしむように呟けば、マイセスが首を横に振った。
「そんなことは無いわ!私はフローリ―と・・・愛する妹ともっと旅をしたかった」
「それは私もだけど・・・だったら学校が始まる前に2人で旅をしない?」
非常に魅力的な提案をするも、マイセスは目を伏せた。
忘れかけていたが、彼女はイルマス教国という国の巫女姫という役職を賜っている。
そう簡単に抜け出すわけにはいかないのだろう。
いろいろと面倒な手続きが必要そうだし、今回だって神託のおかげみたいなところがある。
「どうかしら・・・神託がこのまま解決しなければ旅は出来ると思うわ」
「でも・・・神託はちゃんと解決しなきゃ」
今にも泣きだしそうな声を聞いたマイセスが優しく微笑み、フローリーの肩に手を置く。
緑色の光が舞っているところから見て、鎮静化の魔法でも使ったのだろうか。
「私はあなたが望むのなら辞めてもいい覚悟があるわよ?」
「巫女姫を辞めちゃうってこと!?ダメだよそんなの!私は今のままでいい!」
「そう。必ず時間は作ってあげるから安心しなさい。こう見えても顔は結構広いのよ?」
立場が立場だし、色々な人と関わる機会が多そうだもんな。
「うん!私は待っているから。時間が出来たら2人で・・・家族で出かけよう?」
「お父様にも久しぶりに会いたいわ。フローリーの件は怒らないと」
姉妹で盛り上がっている間、夕焼けに染まる街を見ながら黄昏ているのはカルスだ。
そこにフェブアーが近づいて、腕の紋章を撫でる。
「まだ、皆の迷惑になるんじゃないかとか馬鹿なことを考えているのか?」
「ううん。昔とは見え方が違うなって思っただけ。この色が不気味に思えたもんだ」
空を見上げて、カルスが顔を綻ばせる。
俺とボーランも隣に並んでオレンジ色に塗られた風景を眺めたからか。
「でも今は温かく感じます。こんな私でも必要としてくれる人がいる。守りたい人がいる」
「その点に関しては同意だな。この夕焼けは温かい」
俺も同じことを思っていたし、ボーランもそう思っていただろう。
俺たちの旅は大きな転換期を迎え、いよいよ最終決戦に近付いてきた。
この国がどうなっていくのかは俺たちの手にかかっているのだと思うと、何か緊張するな。
必ずいい国にしてみせる。
この目標を忘れないように、俺は何度でもこの言葉を口にするだろう。
部屋に戻り、地下牢にあった罠付きの装置の在りかを調べた結果、50近くあった。
しかも街のいたるところに配置されているため、解除が限りなく面倒臭い。
「でも・・・破壊するしかないよね。誰かが傷ついたら困るし」
「そうだね。それが終わったら、断罪しないで行こうかな。あんたも反省しているんでしょ?」
正直に言うと、こうしている時間さえも惜しく感じてしまう。
カルスの腕に彫られた痛々しい奴隷紋を見るたびに、言いようのない不安が襲ってくる。
いつ気を狂わせて自殺しようとしたり、俺たちに牙を剥くか分からない。
それはカルスも同じで、むしろ彼が一番怖いと思うが。
自分が自分でなくなってしまって、大切な人を傷つけてしまうかもしれないのだ。
俺だったら絶対に耐えられない。
でもボーランの説得もあったとはいえ、カルスは俺についてくることを選んでくれた。
ありがたいと今でも思っている。
恩返しと言ってはおかしいかもしれないが、早く苦しみから解放してあげたいのだ。
「そうですね。私は息子が帰ってきたら出頭するつもりです」
「それなら良かった。不正も自分から率先してやるっていう感じに見えないし」
そう言うと、ジュライは淡く微笑んだ。
やっぱりその中には悲哀の感情が多く含まれており、痛々しい。
「街に行こう。今はまだジュライさんが領主なんだから。民たちを守ってあげないと」
「そうですね。精一杯やらせていただきます」
張りきるジュライとともに街に繰り出し、メンバーを3つに分ける。
完全に効率重視というやつだ。
「僕とフェブアーで東の地区。ボーランとマイセスで真ん中の地区。カルスとジュライさんで西の地区を回っていこう。数的にはカルスのところが少し多いかも」
「心配ありません。必ず生きて帰ってきますから」
カルスの心強い言葉とともにそれぞれの地区に散った俺たちはさっそく躓く。
どこに装置があるのか分からないのだ。
「地図によると、ここに1つあるはずだよね・・・無くない?」
「無いですね・・・マイセスのように気配を感じることが出来ればいいのですが」
しばらく探し続けた俺たちは、やがて1本の木にたどり着いた。
街のシンボルにもなっている、樹齢300年の木である。
噂では、初代国王であるマスタル=グラッザドが直々に植えた木とも言われる神聖な木。
その木の枝に黒光りする装置が括りつけられていたのだ。
「王族の遺産ともいえる木に結んでおくだなんて、僕たちをバカにしているのかな?
「――もしかしてメイザが装置を付けたところは王族ゆかりの地なのかもしれませんね」
俺の言う通り、王族をバカにする目的で街にばら撒いたとしたらあり得る話ではある。
しかもこの街の人は王族に深い信仰心があるから、人通りも多い。
その分だけ、民衆が闇の矢に打ち抜かれる可能性が高まるということだ。
「僕たちが行ったら騒ぎになっちゃうかもだけど・・・行かないで後悔するよりかは・・・」
「行って後悔した方がいいですね。もちろん後悔しないのが一番ですが」
冗談めかして言うフェブアーに、高ぶっていた気持ちが少し収まった感じがする。
次の場所は初代国王が立てたといわれている教会だった。
グラッザド家の聖地となっている教会の庭には、蹲ったシスターらしき影。
胸を押さえている手は赤黒く染まっている。
「大丈夫ですか?」
「リレン王子!これ以上は近づかないで下さい!どこから狙われているか・・・」
やっぱり装置に射貫かれたようだ。
俺がシスターに回復魔法をかけている間、フェブアーには装置の処理をお願いした。
やがてヒュッという剣が風を切る音が聞こえたから大丈夫そうだな。
そう思った俺はシスターの1人と教会に入り、寝かせるための敷物を持って戻る。
「フェブアー、これの上にシスターを寝かせてあげて」
「了解いたしました」
本来なら俺がやってあげたいが、幼児の体ではままならない。
シスターの安全を確認してから、俺たちは装置破壊の続きをこなして館に帰った。
既に時刻は16鐘と夕方に差し掛かっている。
どうやら残りの人たちも装置はすべて破壊しつくしてくれたらしく、魔導具にも反応は無い。
「これで終わったね。後は人質の安全を確保してからだ」
「分かっております。子供さえ戻ってきてくれれば私はどうなっても構いません」
ジュライは何度も頭を下げた。
俺たちはむしろ断罪する側なのに、お礼を言われるという矛盾に居心地の悪さを感じる。
「今日は豪華な料理を用意させますので、それまでお休みください」
「分かった。ありがとう」
部屋に戻った俺たちはソファーに座りながら今後の予定を話し合う。
とりあえずやるといった感じで、実際は早くヂーク郡に行こうと言い出すに決まっている。
それほどまでにカルスの腕に彫られた奴隷紋というのは暗い影を落としていた。
「今後はどうする?一応、明日には旅立てるけど」
「さっさと行きましょう。ここでボーっとしてカルスに何かあってからでは遅いわ」
やや食い気味にマイセスが言い切った。
他のみんなも異論はないようで、軽く頷いている者もいれば無表情の者もいる。
共通しているのは反論を発さないというところだろう。
「それじゃ、明日にはヂーク郡に向かおうと思う。――旅もいよいよ佳境だな」
「そうね。ここまで長かったわ。特にドク郡は」
フローリーが昔を懐かしむように呟けば、マイセスが首を横に振った。
「そんなことは無いわ!私はフローリ―と・・・愛する妹ともっと旅をしたかった」
「それは私もだけど・・・だったら学校が始まる前に2人で旅をしない?」
非常に魅力的な提案をするも、マイセスは目を伏せた。
忘れかけていたが、彼女はイルマス教国という国の巫女姫という役職を賜っている。
そう簡単に抜け出すわけにはいかないのだろう。
いろいろと面倒な手続きが必要そうだし、今回だって神託のおかげみたいなところがある。
「どうかしら・・・神託がこのまま解決しなければ旅は出来ると思うわ」
「でも・・・神託はちゃんと解決しなきゃ」
今にも泣きだしそうな声を聞いたマイセスが優しく微笑み、フローリーの肩に手を置く。
緑色の光が舞っているところから見て、鎮静化の魔法でも使ったのだろうか。
「私はあなたが望むのなら辞めてもいい覚悟があるわよ?」
「巫女姫を辞めちゃうってこと!?ダメだよそんなの!私は今のままでいい!」
「そう。必ず時間は作ってあげるから安心しなさい。こう見えても顔は結構広いのよ?」
立場が立場だし、色々な人と関わる機会が多そうだもんな。
「うん!私は待っているから。時間が出来たら2人で・・・家族で出かけよう?」
「お父様にも久しぶりに会いたいわ。フローリーの件は怒らないと」
姉妹で盛り上がっている間、夕焼けに染まる街を見ながら黄昏ているのはカルスだ。
そこにフェブアーが近づいて、腕の紋章を撫でる。
「まだ、皆の迷惑になるんじゃないかとか馬鹿なことを考えているのか?」
「ううん。昔とは見え方が違うなって思っただけ。この色が不気味に思えたもんだ」
空を見上げて、カルスが顔を綻ばせる。
俺とボーランも隣に並んでオレンジ色に塗られた風景を眺めたからか。
「でも今は温かく感じます。こんな私でも必要としてくれる人がいる。守りたい人がいる」
「その点に関しては同意だな。この夕焼けは温かい」
俺も同じことを思っていたし、ボーランもそう思っていただろう。
俺たちの旅は大きな転換期を迎え、いよいよ最終決戦に近付いてきた。
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