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第2章 魔法と領地巡りの儀式
『74、狙われた優秀な者』
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「ようこそ我がヂーク郡へ。このジューン=ナズとディッセが歓迎いたします」
「よろしくね。この郡が唯一の休息地なんだから」
俺は現在、ヂーク郡の領主館の前で、6回目のお出迎えを受けていた。
目の前には今年で10歳になったという少年と、黒服の若い執事が恭しく控えている。
彼が父上の送った超優秀な補佐役、ディッセ=ホーラムであろう。
「それではお風呂にご案内いたします。旅のお疲れを癒してくださいませ」
こちらを気にかけてくれるその姿は優秀な執事そのもので、俺も頬を緩めた。
それにしても断罪が無いというのはこんなにも楽なのだろうか。
証拠を焦って探さなくてもいいし、裏がありそうな領主たちと対戦する必要もない。
もちろん嵐の前の静けさに過ぎないのは分かっている。
カルスは今も奴隷紋をつけられたままだし、ダリマ郡の民衆は圧政に苦しんでいるのだ。
だけど・・・今日くらいは楽しんでもいいんじゃないかな?と俺は思った。
それはボーランたちも同じ考えらしく、今はお風呂で溶けてしまいそうな顔をしている。
カルスも腕を気にしながらではあるが相好を崩していた。
俺もゆっくり浸かろうと湯船に肩まで沈めた時、扉から何者かが侵入してきたのを感じた。
気配を隠しているところから推測するにヂーク郡の者では無いだろう。
「グア・・・そこにいる奴は誰ですか・・・?これは本当にマズイ・・・」
カルスの方からガバッという妙な音がしたので振り返ると、彼は湯船に顔を浸けていた。
奴隷紋による自殺行為だと分かったのか、ボーランが対処に回る。
俺は咄嗟に湯船から出ると、気配の方に向かって走り出す。
ここで気配を逃がしてしまうのは避けなければならないと本能的に感じていたのだ。
気配が遠ざかっていく。
「おい、待て!まだお前には聞きたいことが山ほどあるんだよ!」
叫びながら追いかけていくが、もちろん相手が止まるはずも無く、逃がしてしまった。
風呂場から出て行かれては追うわけにはいかない。
「カルス?大丈夫だった?」
すぐに反転して浴槽に戻ると、床に横たわったカルスがいた。
その顔は心なしか青ざめているように見えて俺は思わず息を呑んだ。
「水を飲みすぎたんだね。僕たちはさっさと着替えてカルスさんを寝かせてあげないと」
「そうだね。もしマズかったらフローリーに回復魔法をかけてもらわないと」
意見が一致した俺たちは2人がかりでカルスを脱衣所まで運び、着替えて廊下に出た。
「お帰りなさいませ。それではお部屋にご案内いたします」
「手伝ってほしいんだけど。デナム郡でつけられた奴隷紋でカルスが自殺未遂した」
ドアの前に立っていたディッセに事情を端的に話すと、彼は瞠目した。
すぐに脱衣所に入りカルスの状態を確認し、問題ないと分かると身を翻す。
「すぐに当館の執事を幾人か呼んでまいります」
「お願い。ここから移動させないと仲間が回復魔法を使えないからね」
本当は俺も使えるので使ってもいいのだが、フローリーが使った方が効果が高い。
カルスのことを考えるのならば彼女を待つべきだろう。
幸いにも命には別条は無かったのだから、ここで下手に動くのは愚策である。
程なくして黒服の執事が4人ほど脱衣所に入ってきて、緻密な連携で服を着せていく。
「凄いですね・・・うちの執事にこんな連携がとれるかどうか・・・」
「まだ領主様が若いので、連携を取っておかないと不測の事態が起こりかねませんから」
ボーランの感心したような呟きに、ディッセが胸を張った・・・のか。
5分ほどでカルスは自室のベッドに運ばれて、俺とフローリーがそばにつくことになった。
回復魔法もかけおわり、スヤスヤと寝息を立てている。
本気で心配している俺たちのもとに1人の少年が近づいてきた。
身なりなどからしてジューンであろう。
「リレン王子、我が軍を使って捜索させた結果ですが男を確保することに失敗しました」
「そうなの?また襲ってくる可能性もあるということか」
自分の大切な執事を殺そうとした奴なんて許すはずもないし、許してはいけない。
こう見えても俺は怒っているのだ。
出来れば捕まえておいて、こってりと尋問しておきかった。
だが、ジューンはバツが悪そうに顔を伏せてボソボソと呟くように答える。
「捕まえたのですが謎の粉を飲んで自殺しました。毒は予想外と言うほかありませんね」
「やられたか。メイザの奴、どこまでも証拠を掴ませないな」
正直、こうなってしまっては八方塞りである。
メイザが頼み、奴隷紋を発動させたという証拠が無くなってしまった。
その後、トイレを済ませてからカルスの部屋に戻る途中で部屋が騒がしいことに気づく。
出る前まではいなかったフェブアーやマイセスの声も聞こえる。
「まさか!――やっぱり・・・カルスが目覚めたんだ!」
「リレン様、心配をおかけして申し訳ありませんでした。もう大丈夫です」
このような時まで俺を気遣ってくれるカルスに涙ぐみそうになる。
しかし、前世では思春期男子だった俺である。
そのような気配は微塵も感じさせないように俯き、言葉を紡いでいく。
「ダメだよ。ちゃんと休んでないと」
「分かりました。リレン様がそう言うのでしたらお休みさせていただきます」
微笑ましいという表情をするカルスに首を傾げる。
ふと周りを見回せばフローリーとフェブアーは苦笑しており、マイセスは無表情。
ボーランとジューンは達観したように何度も頷いていた。
・・・何なの?みんな気味悪いんだけど。
しばらくみんなで他愛も無い話をしていると、ディッセが入ってきた。
「皆さん、とりあえず夕食に致しませんか?趣向を凝らした食事の数々が揃っております」
「それは名案かもね。皆が一堂に会すから会議とかがしやすい」
ディッセの提案にジューンが賛成の意を示すと、後ろにいたフェブアーも笑う。
その後は話し合いをしながら夕食を食べ、自室に戻ると疲れが襲い掛かってくる。
「あのさ・・・カルスは怖くないの?僕はメイザと戦うのが怖い。正直言って勝てるかどうかも分からない相手だからね。・・・指揮を執る僕がこんなんじゃいけないんだろうけど」
夜の部屋で2人きりという妙なシチュエーションのせいなのだろうか。
今なら本当の気持ちを吐露できる気がした。
「私も怖いですよ。奴隷紋が発動してしまったら、大切な主を傷つけてしまう。肉体的になのか精神的になのかは分かりませんけどね」
カルスは、今も腕に彫られている痛々しい紋章を指でなぞった。
その瞳は悲しげで、俺は二の句が継げない。
どう反応するべきか思案していると、何かが壊れた破砕音が部屋の空気を震わせた。
俺とカルスは顔を見あわせて、どちらからともなく部屋を飛び出す。
ジューンの執務室から激しい剣戟が聞こえて来ている。
カルスを先頭にして突入すると黒装束の男とディッセが対峙しているのが見えた。
ジューンは壁際の赤いボタンを押そうと動いているが、男の魔法に阻まれているのか。
あのボタンは非常ボタンか何かだろう。
「カルスはディッセさんの援護をしてあげて。僕はボタンを押しに行く」
「承知いたしました。お気をつけて」
正直に言うと、自殺未遂をさせられたばかりのカルスに気を付けて欲しい。
ただ、あの男に俺が立ち向かうには少々荷が重いんだよな。
「そっちこそ気を付けてね。三ノ型、白薔薇!そして指輪の結界、発動!」
十分な光量を持つ白薔薇を発動させて結界を作る。
壊されないうちにとダッシュしてボタンに近付こうとするが、この体ではボタンまでが遠い。
男の攻撃が容赦なく結界に叩きこまれていく。
それにしても凄い技量だなと思う。
カルスとディッセという決して弱くはない2人を同時に相手していながら攻撃している。
俺には出来ない芸当だな。
「ジューンもボタンに向かって走れ!2人がかりでボタンに取りつくんだ!」
「分かりました!ディッセを守るために!」
執事を大切に思っているのであろうジューンが魔法の雨の中、必死に喰らいつく。
俺も結界が壊れないうちにと思ってギアを上げた。
2人がほぼ同時にボタンを押せる距離までたどり着き、ジューンがボタンを押し込んだ。
途端に館に設置されたライトが淡い橙色に染まる。
「これで兵士たちが駆けつけてくれるはずです。それまで僕たちも援護しましょう」
「そうだね。ここで逃がすのだけは避けないと」
ジューンが剣を握りしめ、ディッセとカルスの間から敵に躍りかかる。
ボーランに匹敵するほどの素早く正確な剣捌きに、防戦一方となる黒装束の男。
少しでも気を抜けば俺の魔法が襲う。
兵士たちが来るまでの時間稼ぎという目的は達成されそうだと思ったとき、それは起きた。
ヂーク郡最悪の攻防戦と呼ばれる所以になる出来事が。
「よろしくね。この郡が唯一の休息地なんだから」
俺は現在、ヂーク郡の領主館の前で、6回目のお出迎えを受けていた。
目の前には今年で10歳になったという少年と、黒服の若い執事が恭しく控えている。
彼が父上の送った超優秀な補佐役、ディッセ=ホーラムであろう。
「それではお風呂にご案内いたします。旅のお疲れを癒してくださいませ」
こちらを気にかけてくれるその姿は優秀な執事そのもので、俺も頬を緩めた。
それにしても断罪が無いというのはこんなにも楽なのだろうか。
証拠を焦って探さなくてもいいし、裏がありそうな領主たちと対戦する必要もない。
もちろん嵐の前の静けさに過ぎないのは分かっている。
カルスは今も奴隷紋をつけられたままだし、ダリマ郡の民衆は圧政に苦しんでいるのだ。
だけど・・・今日くらいは楽しんでもいいんじゃないかな?と俺は思った。
それはボーランたちも同じ考えらしく、今はお風呂で溶けてしまいそうな顔をしている。
カルスも腕を気にしながらではあるが相好を崩していた。
俺もゆっくり浸かろうと湯船に肩まで沈めた時、扉から何者かが侵入してきたのを感じた。
気配を隠しているところから推測するにヂーク郡の者では無いだろう。
「グア・・・そこにいる奴は誰ですか・・・?これは本当にマズイ・・・」
カルスの方からガバッという妙な音がしたので振り返ると、彼は湯船に顔を浸けていた。
奴隷紋による自殺行為だと分かったのか、ボーランが対処に回る。
俺は咄嗟に湯船から出ると、気配の方に向かって走り出す。
ここで気配を逃がしてしまうのは避けなければならないと本能的に感じていたのだ。
気配が遠ざかっていく。
「おい、待て!まだお前には聞きたいことが山ほどあるんだよ!」
叫びながら追いかけていくが、もちろん相手が止まるはずも無く、逃がしてしまった。
風呂場から出て行かれては追うわけにはいかない。
「カルス?大丈夫だった?」
すぐに反転して浴槽に戻ると、床に横たわったカルスがいた。
その顔は心なしか青ざめているように見えて俺は思わず息を呑んだ。
「水を飲みすぎたんだね。僕たちはさっさと着替えてカルスさんを寝かせてあげないと」
「そうだね。もしマズかったらフローリーに回復魔法をかけてもらわないと」
意見が一致した俺たちは2人がかりでカルスを脱衣所まで運び、着替えて廊下に出た。
「お帰りなさいませ。それではお部屋にご案内いたします」
「手伝ってほしいんだけど。デナム郡でつけられた奴隷紋でカルスが自殺未遂した」
ドアの前に立っていたディッセに事情を端的に話すと、彼は瞠目した。
すぐに脱衣所に入りカルスの状態を確認し、問題ないと分かると身を翻す。
「すぐに当館の執事を幾人か呼んでまいります」
「お願い。ここから移動させないと仲間が回復魔法を使えないからね」
本当は俺も使えるので使ってもいいのだが、フローリーが使った方が効果が高い。
カルスのことを考えるのならば彼女を待つべきだろう。
幸いにも命には別条は無かったのだから、ここで下手に動くのは愚策である。
程なくして黒服の執事が4人ほど脱衣所に入ってきて、緻密な連携で服を着せていく。
「凄いですね・・・うちの執事にこんな連携がとれるかどうか・・・」
「まだ領主様が若いので、連携を取っておかないと不測の事態が起こりかねませんから」
ボーランの感心したような呟きに、ディッセが胸を張った・・・のか。
5分ほどでカルスは自室のベッドに運ばれて、俺とフローリーがそばにつくことになった。
回復魔法もかけおわり、スヤスヤと寝息を立てている。
本気で心配している俺たちのもとに1人の少年が近づいてきた。
身なりなどからしてジューンであろう。
「リレン王子、我が軍を使って捜索させた結果ですが男を確保することに失敗しました」
「そうなの?また襲ってくる可能性もあるということか」
自分の大切な執事を殺そうとした奴なんて許すはずもないし、許してはいけない。
こう見えても俺は怒っているのだ。
出来れば捕まえておいて、こってりと尋問しておきかった。
だが、ジューンはバツが悪そうに顔を伏せてボソボソと呟くように答える。
「捕まえたのですが謎の粉を飲んで自殺しました。毒は予想外と言うほかありませんね」
「やられたか。メイザの奴、どこまでも証拠を掴ませないな」
正直、こうなってしまっては八方塞りである。
メイザが頼み、奴隷紋を発動させたという証拠が無くなってしまった。
その後、トイレを済ませてからカルスの部屋に戻る途中で部屋が騒がしいことに気づく。
出る前まではいなかったフェブアーやマイセスの声も聞こえる。
「まさか!――やっぱり・・・カルスが目覚めたんだ!」
「リレン様、心配をおかけして申し訳ありませんでした。もう大丈夫です」
このような時まで俺を気遣ってくれるカルスに涙ぐみそうになる。
しかし、前世では思春期男子だった俺である。
そのような気配は微塵も感じさせないように俯き、言葉を紡いでいく。
「ダメだよ。ちゃんと休んでないと」
「分かりました。リレン様がそう言うのでしたらお休みさせていただきます」
微笑ましいという表情をするカルスに首を傾げる。
ふと周りを見回せばフローリーとフェブアーは苦笑しており、マイセスは無表情。
ボーランとジューンは達観したように何度も頷いていた。
・・・何なの?みんな気味悪いんだけど。
しばらくみんなで他愛も無い話をしていると、ディッセが入ってきた。
「皆さん、とりあえず夕食に致しませんか?趣向を凝らした食事の数々が揃っております」
「それは名案かもね。皆が一堂に会すから会議とかがしやすい」
ディッセの提案にジューンが賛成の意を示すと、後ろにいたフェブアーも笑う。
その後は話し合いをしながら夕食を食べ、自室に戻ると疲れが襲い掛かってくる。
「あのさ・・・カルスは怖くないの?僕はメイザと戦うのが怖い。正直言って勝てるかどうかも分からない相手だからね。・・・指揮を執る僕がこんなんじゃいけないんだろうけど」
夜の部屋で2人きりという妙なシチュエーションのせいなのだろうか。
今なら本当の気持ちを吐露できる気がした。
「私も怖いですよ。奴隷紋が発動してしまったら、大切な主を傷つけてしまう。肉体的になのか精神的になのかは分かりませんけどね」
カルスは、今も腕に彫られている痛々しい紋章を指でなぞった。
その瞳は悲しげで、俺は二の句が継げない。
どう反応するべきか思案していると、何かが壊れた破砕音が部屋の空気を震わせた。
俺とカルスは顔を見あわせて、どちらからともなく部屋を飛び出す。
ジューンの執務室から激しい剣戟が聞こえて来ている。
カルスを先頭にして突入すると黒装束の男とディッセが対峙しているのが見えた。
ジューンは壁際の赤いボタンを押そうと動いているが、男の魔法に阻まれているのか。
あのボタンは非常ボタンか何かだろう。
「カルスはディッセさんの援護をしてあげて。僕はボタンを押しに行く」
「承知いたしました。お気をつけて」
正直に言うと、自殺未遂をさせられたばかりのカルスに気を付けて欲しい。
ただ、あの男に俺が立ち向かうには少々荷が重いんだよな。
「そっちこそ気を付けてね。三ノ型、白薔薇!そして指輪の結界、発動!」
十分な光量を持つ白薔薇を発動させて結界を作る。
壊されないうちにとダッシュしてボタンに近付こうとするが、この体ではボタンまでが遠い。
男の攻撃が容赦なく結界に叩きこまれていく。
それにしても凄い技量だなと思う。
カルスとディッセという決して弱くはない2人を同時に相手していながら攻撃している。
俺には出来ない芸当だな。
「ジューンもボタンに向かって走れ!2人がかりでボタンに取りつくんだ!」
「分かりました!ディッセを守るために!」
執事を大切に思っているのであろうジューンが魔法の雨の中、必死に喰らいつく。
俺も結界が壊れないうちにと思ってギアを上げた。
2人がほぼ同時にボタンを押せる距離までたどり着き、ジューンがボタンを押し込んだ。
途端に館に設置されたライトが淡い橙色に染まる。
「これで兵士たちが駆けつけてくれるはずです。それまで僕たちも援護しましょう」
「そうだね。ここで逃がすのだけは避けないと」
ジューンが剣を握りしめ、ディッセとカルスの間から敵に躍りかかる。
ボーランに匹敵するほどの素早く正確な剣捌きに、防戦一方となる黒装束の男。
少しでも気を抜けば俺の魔法が襲う。
兵士たちが来るまでの時間稼ぎという目的は達成されそうだと思ったとき、それは起きた。
ヂーク郡最悪の攻防戦と呼ばれる所以になる出来事が。
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