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とある祭りにて
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今日卒業式のあった日から30年
朝から車で30分位の港街でイベントがあるから、来てみたんだけど、閑散としてるな・・・まぁ、適当に露店冷やかしつつ面白そうなものがあれば買って、食べてメインのステージを楽しもうかね・・・っと
「先輩?」
ん?誰かな?と、振り向くとそこには会社の先輩が立っていたが・・・
「香織先輩・・・前から何度も言ってるじゃないですか?僕の方が中途採用で、年上だけど後輩なんですよ?」
そう、振り向いた先には25歳の「斎藤香織」先輩さんが、不思議なものを見るような目でコチラを見ていた
「でも、歳が20も離れてる人を・・・ほら、人生の先輩って事で?」
といつもこうなのだ・4・
腰まで伸ばしたストレートの黒髪をちょっと高い位置でポニテにし、薄いブルーのワンピースに秋口という事でカーデガンを羽織り、お洒落なバッグを・・・ん?
「香織先輩・・・その鞄からはみ出てるのはもしかして・・・新作ライダーの変身ベルトですか?」
とてもお洒落で可愛いと言うよりもカッコいいという言葉が似合いそうな彼女の手荷物には、まったく不釣合いな代物が顔を覗かせていたのだが、それに気付くと
「甥っ子がね?誕生日近いんだよね、そこの露店に欲しがってたベルトがあったから買ったのはいいんだけど、はみ出ちゃってね。というか先輩よく知ってますね」
新作のベルトっても、この30年近くの間に数十ものシリーズとして出てる上に、別枠の戦隊シリーズもいっぱい出てるから、子供から大人まで幅広く知名度はある
「そりゃ知ってるさ。初代の頃は僕も小学生でそのままシリーズ化されてれば今も嗜む程度には見てるからね」
他愛もない会話をしてるとなにやら丘の向こうが賑やかになりだした
「もうメインのステージが始まる時間だったっけ?」
「いえ、まだ早いですね?って、先輩もステージご目当てだったんですか?意外ですね?」
今回のこのイベントでステージ以外に目当てがあるなら教えて?それくらい知名度の低いなイベントなんだけど・・・
「でも、イベントってよりこれは・・・叫び声とかしてない?」
「そうですね?暴漢とか変質者とかでたんですかね?」
「いやいや、そんなのが出てきちゃまずいでしょ?先輩一人くらいなら守れると思いますけど?」
とりあえず男としてのセリフを言うと両手を頬にあてて顔を赤らせてクネクネ動き出す。
なにこの可愛い生き物?
ともすると、丘の上に全身黒尽くめの手にマシンガン?のようなものを持った人影が数名立っているのに気が付き、嫌な予感がした。
ほら、ヒーローショーならともかく、予告無しの変質者の集団って、ただただ恐怖の対象じゃない?しかも雰囲気がね?異常だったし?
そのまま口上も無しに手に持ったマシンガン?を構え・・・
「先輩失礼!」
横から拐うように先輩を抱き抱えてそのまま地面にゴロンと転がり、覆い被さってゴニョゴニョと呟き、自分の勘を信じてると
ダダダダダダ!と聴き慣れた音と共に悲鳴が辺りを支配し、静寂が訪れるまで数秒の間があった
そっと悟られぬよう周囲を確認すると、負傷した人の呻き声と、当たりどころの悪かった相方や知人が喚き叫び、どうしようか悩んでいると
「ちょっ!先輩!?こんな所でいきなり・・・心の準備が出来ないですよ?そりゃ、いつでもウェルカムですけど、まだ日も高い・・・・」
この子はなに言ってるんだ?この緊急事態に・・・
しかし、何なんだろうね?コイツらは。
考えてると念話?のような感覚がして、そちらに意識を向けると
「東翔さん?執行猶予の残り時間が10分となりました」
「30秒前に再度声をかけますので心の準備を」
あるぇ?もうそんな時間なのか・・・もう後数分で今のこの時間軸から30年前の時間軸に戻されるんなら、ここではっちゃけてもいいよね?最後だし?
というわけで、やるか!?
朝から車で30分位の港街でイベントがあるから、来てみたんだけど、閑散としてるな・・・まぁ、適当に露店冷やかしつつ面白そうなものがあれば買って、食べてメインのステージを楽しもうかね・・・っと
「先輩?」
ん?誰かな?と、振り向くとそこには会社の先輩が立っていたが・・・
「香織先輩・・・前から何度も言ってるじゃないですか?僕の方が中途採用で、年上だけど後輩なんですよ?」
そう、振り向いた先には25歳の「斎藤香織」先輩さんが、不思議なものを見るような目でコチラを見ていた
「でも、歳が20も離れてる人を・・・ほら、人生の先輩って事で?」
といつもこうなのだ・4・
腰まで伸ばしたストレートの黒髪をちょっと高い位置でポニテにし、薄いブルーのワンピースに秋口という事でカーデガンを羽織り、お洒落なバッグを・・・ん?
「香織先輩・・・その鞄からはみ出てるのはもしかして・・・新作ライダーの変身ベルトですか?」
とてもお洒落で可愛いと言うよりもカッコいいという言葉が似合いそうな彼女の手荷物には、まったく不釣合いな代物が顔を覗かせていたのだが、それに気付くと
「甥っ子がね?誕生日近いんだよね、そこの露店に欲しがってたベルトがあったから買ったのはいいんだけど、はみ出ちゃってね。というか先輩よく知ってますね」
新作のベルトっても、この30年近くの間に数十ものシリーズとして出てる上に、別枠の戦隊シリーズもいっぱい出てるから、子供から大人まで幅広く知名度はある
「そりゃ知ってるさ。初代の頃は僕も小学生でそのままシリーズ化されてれば今も嗜む程度には見てるからね」
他愛もない会話をしてるとなにやら丘の向こうが賑やかになりだした
「もうメインのステージが始まる時間だったっけ?」
「いえ、まだ早いですね?って、先輩もステージご目当てだったんですか?意外ですね?」
今回のこのイベントでステージ以外に目当てがあるなら教えて?それくらい知名度の低いなイベントなんだけど・・・
「でも、イベントってよりこれは・・・叫び声とかしてない?」
「そうですね?暴漢とか変質者とかでたんですかね?」
「いやいや、そんなのが出てきちゃまずいでしょ?先輩一人くらいなら守れると思いますけど?」
とりあえず男としてのセリフを言うと両手を頬にあてて顔を赤らせてクネクネ動き出す。
なにこの可愛い生き物?
ともすると、丘の上に全身黒尽くめの手にマシンガン?のようなものを持った人影が数名立っているのに気が付き、嫌な予感がした。
ほら、ヒーローショーならともかく、予告無しの変質者の集団って、ただただ恐怖の対象じゃない?しかも雰囲気がね?異常だったし?
そのまま口上も無しに手に持ったマシンガン?を構え・・・
「先輩失礼!」
横から拐うように先輩を抱き抱えてそのまま地面にゴロンと転がり、覆い被さってゴニョゴニョと呟き、自分の勘を信じてると
ダダダダダダ!と聴き慣れた音と共に悲鳴が辺りを支配し、静寂が訪れるまで数秒の間があった
そっと悟られぬよう周囲を確認すると、負傷した人の呻き声と、当たりどころの悪かった相方や知人が喚き叫び、どうしようか悩んでいると
「ちょっ!先輩!?こんな所でいきなり・・・心の準備が出来ないですよ?そりゃ、いつでもウェルカムですけど、まだ日も高い・・・・」
この子はなに言ってるんだ?この緊急事態に・・・
しかし、何なんだろうね?コイツらは。
考えてると念話?のような感覚がして、そちらに意識を向けると
「東翔さん?執行猶予の残り時間が10分となりました」
「30秒前に再度声をかけますので心の準備を」
あるぇ?もうそんな時間なのか・・・もう後数分で今のこの時間軸から30年前の時間軸に戻されるんなら、ここではっちゃけてもいいよね?最後だし?
というわけで、やるか!?
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