この遥かかなたへ〜詩帆の物語

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1. 詩帆とそらの再会

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  とある町の駅の構内。
 
  
  行き交う人混みの中で一人の少女が
  
  大きく膨らんだリユックを背負って、
  
  立っている。

  
  栗色の髪をゴムで後ろに束ねて、

  キラキラした大きい目をキョロキョロ
 
  させている。

  しばらくすると、
  
  足をドタバタさせながら、勢いよく、
  
  少女のところに走ってくる音が

  聞こえてきた。
  

  「詩帆ちゃん、こっちよ」


  駅の改札口を出て、うろちょろしている
  
  13才の少女、詩帆《しほ》に
  
  ぜいぜい、息を立てながら、

  一人の女性が声をかけた。
 

  「遅くなって、ごめんね。

   久しぶりだね、元気だった?そらよ。

   覚えてるかな?」
  

   詩帆は無表情で

   「はい」と

   ただ、一言返事をする。

 
   そらは詩帆の叔母で、
   
   詩帆の母の妹になるが、
  
   2人が顔を合わせるのは二回目になる。


   黒髪の,肩まであるボサボサの髪に
  
    黒縁のメガネ姿のそらは27歳で

      物腰の柔らかい女性だ。


   そらとは性格が反対で、自由奔放な

    姉は地元に帰ってくることが

   少なかった為、そらは詩帆とあまり

    話をしたことはなかった。

   
   「長旅、お疲れ様。詩帆ちゃん、

    今日からよろしくね。

    お母さんが戻るまでの間、
    
    二人仲良く暮らしましょうね」

    叔母のそらはにこやかな笑顔で
   
    微笑み、詩帆に握手を求める。

    
    詩帆は戸惑いながらも、
    
    そらの指の先まで、ちょんと、

    手を伸ばし、握手に応じたが、


    クールな表情は変わらない。
    
  
     
    そらは詩帆が少女らしからぬ、
    
    荒れた手をしてることに気づく。
    
    
    自由勝手な姉は家を留守にする
    
    ことが多いと聞いていた。

    きっと、1人で家事もしてた

    のだろうとそらは推測した。

    
    いったい、この子はどんな苦労を
    
    重ねてきたのだろう。


    そう思うと、そらの胸の奥が

    熱くなった。

    この子には特別に、優しくして

    あげなくては。

    眠っていたひそかな母性本能が

     そらの思いを強くさせた。
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