10 / 592
第二章:美少女魔法使いを育てる
第十話:青は藍より出でて
しおりを挟む
「それじゃあマナの容量を知る事にしよう。俺は今までマナのことを知らなかったからいきなり無茶をさせてしまったが、無茶と努力は違うからな。効率的に行こう」
「具体的にどうすれば良いですか?」
昨日の修行が無茶をしていたのは分かっていたらしい。レインは昨日よりは少しばかり楽そうな提案をする。
「1番得意な魔法は開花の魔法で間違いないか?」
「はい。多分この魔法だけならいつでも使えると思います」
「平和な魔法が得意で良かった。それなら最大規模の開花をマナが尽きるまで全力で使い続けろ。昨日の攻撃魔法以上の規模で少なくとも50回分以上、出来るな?」
訂正。全然楽ではなかった。
「よし、それじゃあ歩きながらやろう」そんなことを言いながら本当に歩き出すレインについて行きながら、サニィはイメージする。
しかし、昨日攻撃魔法以上の規模の開花となると、半径5m程。これを出来る限りやり続ける。1番得意とは言えこれを使い続けたことは無かった。一度自分の周囲を森にしてしまい、出られなくなって泣いたことがあるからだ。
今回は歩きながらなので、常に移動している。よって森が出来ることはないが、歩きながらだとイメージの難易度も上がる。
「花、花、花、と。おっとっと」
色とりどりの花を咲かせながら、たまに地面に躓いてしまうも、レインはすっと支えてくれる。
喋らなければ凄く良いのに。
ふとそんなことを思い、イメージが乱れると辺り一面にブルーグレーの花が咲く。レインの髪の色だ。
それに気づいて頰を染めたサニィが次に咲かせたのは藍の花。レインの瞳。
こうなってしまえば未熟な彼女はドツボにハマる。
顔を真っ赤にしながらも特訓は続け、ひたすら道中を真っ青に染め上げる。
そして、大体50回分程連続して使っただろうか。しかし、全くマナが枯渇する気配はない。
すると今までずっと黙っていたレインがようやく口を開く。
「途中から心の乱れは見て取れるが、昨日の特訓は活かせたな。今からは少しばかり話しながら続けよう。訓練は継続だ」
「如何な時で、も、イメージをする、訓練、です、ね?」
「そうだ。まあ、お前が動揺する様なことは言わないから安心して良い」
本当に変なことは言わないレインと楽しく会話を続けながら開花し続けるサニィの通る道は、新しい程に鮮やかな青色に染まっていく。
その日は一日中南に向かいながら訓練を継続させたが、遂にマナの枯渇は訪れなかった。
森の中を歩きながら、集中しながらの移動なので、その移動距離は18km程。
まだ大木の森は抜けないが、彼女の通った道はマナの花で美しい青に輝いていた。
「最大出力を知る方が優先かもしれないな。お前のマナ量は現状では無限だ」
そんなことを言うレインの表情も、サニィがこれまで見たこともない程に輝いていた。
少なくとも、自分の可能性を改めて知ったサニィには、そんな風に見えていた。
残り【1818→1817日】
「具体的にどうすれば良いですか?」
昨日の修行が無茶をしていたのは分かっていたらしい。レインは昨日よりは少しばかり楽そうな提案をする。
「1番得意な魔法は開花の魔法で間違いないか?」
「はい。多分この魔法だけならいつでも使えると思います」
「平和な魔法が得意で良かった。それなら最大規模の開花をマナが尽きるまで全力で使い続けろ。昨日の攻撃魔法以上の規模で少なくとも50回分以上、出来るな?」
訂正。全然楽ではなかった。
「よし、それじゃあ歩きながらやろう」そんなことを言いながら本当に歩き出すレインについて行きながら、サニィはイメージする。
しかし、昨日攻撃魔法以上の規模の開花となると、半径5m程。これを出来る限りやり続ける。1番得意とは言えこれを使い続けたことは無かった。一度自分の周囲を森にしてしまい、出られなくなって泣いたことがあるからだ。
今回は歩きながらなので、常に移動している。よって森が出来ることはないが、歩きながらだとイメージの難易度も上がる。
「花、花、花、と。おっとっと」
色とりどりの花を咲かせながら、たまに地面に躓いてしまうも、レインはすっと支えてくれる。
喋らなければ凄く良いのに。
ふとそんなことを思い、イメージが乱れると辺り一面にブルーグレーの花が咲く。レインの髪の色だ。
それに気づいて頰を染めたサニィが次に咲かせたのは藍の花。レインの瞳。
こうなってしまえば未熟な彼女はドツボにハマる。
顔を真っ赤にしながらも特訓は続け、ひたすら道中を真っ青に染め上げる。
そして、大体50回分程連続して使っただろうか。しかし、全くマナが枯渇する気配はない。
すると今までずっと黙っていたレインがようやく口を開く。
「途中から心の乱れは見て取れるが、昨日の特訓は活かせたな。今からは少しばかり話しながら続けよう。訓練は継続だ」
「如何な時で、も、イメージをする、訓練、です、ね?」
「そうだ。まあ、お前が動揺する様なことは言わないから安心して良い」
本当に変なことは言わないレインと楽しく会話を続けながら開花し続けるサニィの通る道は、新しい程に鮮やかな青色に染まっていく。
その日は一日中南に向かいながら訓練を継続させたが、遂にマナの枯渇は訪れなかった。
森の中を歩きながら、集中しながらの移動なので、その移動距離は18km程。
まだ大木の森は抜けないが、彼女の通った道はマナの花で美しい青に輝いていた。
「最大出力を知る方が優先かもしれないな。お前のマナ量は現状では無限だ」
そんなことを言うレインの表情も、サニィがこれまで見たこともない程に輝いていた。
少なくとも、自分の可能性を改めて知ったサニィには、そんな風に見えていた。
残り【1818→1817日】
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる