393 / 592
第十一章:血染めの鬼姫と妖狐と
第百五十六話:初めてですわね。
しおりを挟む
夜、二人は翌日行う予定の決闘について語り合った。
オリヴィアが勝った場合にはアーツとの婚約。とは言ったものの、墓地で泣きじゃくるエリーを見て、流石にそれはやめておこうと提案したところ、負けないから問題無いと返された。それにムキになったオリヴィアは、ならば勝って結婚させてあげますわと鼻息を荒くする。
エリーが勝った場合には、エリーのやりたいことをやる。それに、オリヴィアが全力で力を貸すということ。
ルールは、互いに月光無しの、武器一本での勝負。
オリヴィアは宝剣『秤のレイピア』銘は【ささみ3号】
エリーの宝剣は、【長剣レイン】
確実な死を与えられる状況、または参ったと言わせれば勝ち。
武器が限定的なことを除けば、いつもと全く変わらないルールだ。
そしてそれは同時に、今までずっと八つの宝剣を使い続けていたエリーの不利を示す。
「本当に、武器は用意しなくて良いんですの?」
そう尋ねるオリヴィアに、エリーはゆっくりと首を振った。
「私は師匠の走馬灯を受け取ったんだよ。つまり、師匠の技術が直接私の中に入って来てる。むしろオリ姉こそ月光使わせてあげようか」
「ふふふ、冗談。お師匠様に止めを刺したのはわたくしですわ。月光ならエリーさんが使った方がよろしいのではなくて?」
「あ、月光で思い出した。後で師匠から聞いた話があるから聞いてくれる?」
「ええ、もちろん。では、始めましょうか」
いつの間にか、周囲にはブロンセンの人々が集まっていた。
毎月決闘を繰り広げていた二人の、久しぶりのブロンセンでの決闘だ。
皆が皆、二人共を見守っている。どっちが勝つかと言う楽しみよりも、怪我をしないかという心配の方が先に立っている。毎月行われた決闘も、エリーの成長と共に激しくなってきている。
旅に立っていた二人が強敵と戦い、どれだけ成長したかと考えれば、今回の決闘は怪我が心配で仕方がない。なんと言っても、あのレインを下したと言うのだ。
『藍の魔王レイン』
そんな風に呼ばれ始めたその男は、かつてよりも弱くなっていたらしい。
しかしそれでも、ブロンセンの人々はあの男を倒すということそのものをイメージ出来なかった。
あの男が世界を滅ぼすつもりなら、5年も前に滅びているのが当然なのだ。
全く王都の連中は、と多くの市民が思っていた。
そんな中、エリーとオリヴィアの戦いは始まった。
互いの力は均衡していた。
真っ先に感じた印象は、お互いにレインの弟子だということ。
レインと久しぶりに相対して、改めてそう思う。
隙の無い高速で完璧な体運びのオリヴィアに、相手の隙を作り出す予測不能な一手を繰り出すエリー。そのどちらもが、師匠によく似ている。
オリヴィアの剣はエリーの予測不能な動きに対応しきれず、エリーもまた、隙など存在しないオリヴィアを崩せない。
レインには届かないものの、驚く程に強い。
それが、互いが剣を交えた最初の印象だった。
「オリ姉、訓練止めると弱くなるんじゃなかったの?」
「わたくしもそうだと思ってましたわ。でも」
何故か戦える。それよりも、エリーが強い。
弱くなっても引き分けには持ち込めると思っていた。元々、アーツの為、国の為とは言っても、エリーの意思を無視した結婚などさせるつもりはなかった。負けたとしても、素直に引き下がるつもりでいた。
それが、体は全く衰えていない。魔王が生まれてから訓練を怠ってしまっていたけれど、むしろ以前よりも世界が遅く感じる位だ。本気で師匠と相打ちになったのが原因か、何かは分からないけれど。
しかしそれでも、エリーは付いてくる。
いや、付いてくるどころか、一瞬気を抜いたら負けてしまう程。
師匠の走馬灯を受け取ったエリーは、その圧倒的な濃度の戦いの記録を身に刻んだのだろう。
「本当に、強くなりましたわね、エリーさん」
「オリ姉もね。正直勝てるつもりだったよ」
一体どれほどの時間戦っただろうか。気づけば周囲は暗くなっていた。
意地になった末だろうか、無理にでも倒してしまおうと互いに全力を尽くした結果、体力の限界が同時に訪れた。今まで魔王相手以外では、魔物ではまず出すことがなかった、本気の本気。体力に気を使うことなど、まるで考えない攻防は、最終的に同時に二人が倒れることで幕を下ろした。
「初めてですわね。引き分けなんて」
「だね。この場合はどうなるの?」
勝った方が月光の所持者。
それが今までのルール。エリーの偶然の一勝を除けば、全てにオリヴィアが勝ってきていた。引き分けは一度たりともなく、はっきりと白黒が付いていた。
「んー。この場合は、どっちかが月光の所持者でもう一方の願いを聞く感じ?」
「そうですわね、ではわたくしは月光をいただきますわ」
あっさりと、オリヴィアは言う。流石にあれだけ泣いたエリーを見て、政略結婚に応じろなどと言う事は出来はしない。国は確かに大切だし、アーツも可愛い弟だ。それでも、オリヴィアにとってはエリーも同じく可愛い妹で、そして一番のライバルでもあるのだ。
オリヴィアの選択肢など、始めから無いに等しかった。
「いいの?」
「ええ。エリーさんは、すべきことがあるのでしょう?」
オリヴィアは微笑む。
エリーにとって大切なものは、非常に少ない。母、師匠、オリヴィア、女将、大将、ブロンセンの人々、魔王討伐隊の面々、そして、唯一の友人であるアリエル。
それを知れば、「もっと広い世界に目を向けろ」なんていう風に、多くの者は言うだろう。
しかし、誰しもが綺麗な心を持っているわけではない。
心を読めるエリーがそれだけを大切なものをする理由は、簡単だ。エリー自身の心が耐えられる限界。
それが、その狭い範囲の大切なもの達。
エリーは、まだ15歳の少女。僅か15歳にして盗賊に出身地の人を殺されている、自らも人質になっている、ドラゴンを前に母親を守ろうとしている、人殺しを経験している、魔王と剣を交えている、そして、読みたくもない心を読めてしまう、そんな少女だ。
運良く良い人達に恵まれた為に、エリーは魔王を倒すまでに至った。
しかし広い世界に目を向けることで、そんな彼女の心は簡単に蝕まれてしまう。
師匠が消えれば、家出をしてしまう。師匠が魔王となって討たれれば、その周囲の掌を返したような反応に、滅びれば良かったと泣いてしまう。
そんな、とても弱い少女だ。
今まではオリヴィアが一緒に居たことで、そんな弱い部分を互いに守ることが出来た。
しかし、これから来る未来はそうはいかない。
だから、オリヴィアは微笑む。
「エリーさんは、やりたいことをすべきですわ。わたくしはそれを応援することが、これからわたくし自身がやりたいことでもありますもの」
そう言ってなんとか立ち上がり、月光を手に取る。
全ての光を吸収する黒と煌びやかな金の文様が刻まれたその剣はオリヴィアに応える様に月明かりを反射する。
「それじゃ、エリーさん。今日はお師匠様から聞いた話を聞かせてくださいな」
「ん、了解、オリ姉」
オリヴィアが差し出した手を取って立ち上がる。
それと同時に、固唾を飲んで見守っていたブロンセンの住民達が一斉に膝をついた。
息を吐かせぬ攻防に見入っていた彼らは、今になってようやく気が抜けた途端、体の力も抜けてしまった様だった。
オリヴィアが勝った場合にはアーツとの婚約。とは言ったものの、墓地で泣きじゃくるエリーを見て、流石にそれはやめておこうと提案したところ、負けないから問題無いと返された。それにムキになったオリヴィアは、ならば勝って結婚させてあげますわと鼻息を荒くする。
エリーが勝った場合には、エリーのやりたいことをやる。それに、オリヴィアが全力で力を貸すということ。
ルールは、互いに月光無しの、武器一本での勝負。
オリヴィアは宝剣『秤のレイピア』銘は【ささみ3号】
エリーの宝剣は、【長剣レイン】
確実な死を与えられる状況、または参ったと言わせれば勝ち。
武器が限定的なことを除けば、いつもと全く変わらないルールだ。
そしてそれは同時に、今までずっと八つの宝剣を使い続けていたエリーの不利を示す。
「本当に、武器は用意しなくて良いんですの?」
そう尋ねるオリヴィアに、エリーはゆっくりと首を振った。
「私は師匠の走馬灯を受け取ったんだよ。つまり、師匠の技術が直接私の中に入って来てる。むしろオリ姉こそ月光使わせてあげようか」
「ふふふ、冗談。お師匠様に止めを刺したのはわたくしですわ。月光ならエリーさんが使った方がよろしいのではなくて?」
「あ、月光で思い出した。後で師匠から聞いた話があるから聞いてくれる?」
「ええ、もちろん。では、始めましょうか」
いつの間にか、周囲にはブロンセンの人々が集まっていた。
毎月決闘を繰り広げていた二人の、久しぶりのブロンセンでの決闘だ。
皆が皆、二人共を見守っている。どっちが勝つかと言う楽しみよりも、怪我をしないかという心配の方が先に立っている。毎月行われた決闘も、エリーの成長と共に激しくなってきている。
旅に立っていた二人が強敵と戦い、どれだけ成長したかと考えれば、今回の決闘は怪我が心配で仕方がない。なんと言っても、あのレインを下したと言うのだ。
『藍の魔王レイン』
そんな風に呼ばれ始めたその男は、かつてよりも弱くなっていたらしい。
しかしそれでも、ブロンセンの人々はあの男を倒すということそのものをイメージ出来なかった。
あの男が世界を滅ぼすつもりなら、5年も前に滅びているのが当然なのだ。
全く王都の連中は、と多くの市民が思っていた。
そんな中、エリーとオリヴィアの戦いは始まった。
互いの力は均衡していた。
真っ先に感じた印象は、お互いにレインの弟子だということ。
レインと久しぶりに相対して、改めてそう思う。
隙の無い高速で完璧な体運びのオリヴィアに、相手の隙を作り出す予測不能な一手を繰り出すエリー。そのどちらもが、師匠によく似ている。
オリヴィアの剣はエリーの予測不能な動きに対応しきれず、エリーもまた、隙など存在しないオリヴィアを崩せない。
レインには届かないものの、驚く程に強い。
それが、互いが剣を交えた最初の印象だった。
「オリ姉、訓練止めると弱くなるんじゃなかったの?」
「わたくしもそうだと思ってましたわ。でも」
何故か戦える。それよりも、エリーが強い。
弱くなっても引き分けには持ち込めると思っていた。元々、アーツの為、国の為とは言っても、エリーの意思を無視した結婚などさせるつもりはなかった。負けたとしても、素直に引き下がるつもりでいた。
それが、体は全く衰えていない。魔王が生まれてから訓練を怠ってしまっていたけれど、むしろ以前よりも世界が遅く感じる位だ。本気で師匠と相打ちになったのが原因か、何かは分からないけれど。
しかしそれでも、エリーは付いてくる。
いや、付いてくるどころか、一瞬気を抜いたら負けてしまう程。
師匠の走馬灯を受け取ったエリーは、その圧倒的な濃度の戦いの記録を身に刻んだのだろう。
「本当に、強くなりましたわね、エリーさん」
「オリ姉もね。正直勝てるつもりだったよ」
一体どれほどの時間戦っただろうか。気づけば周囲は暗くなっていた。
意地になった末だろうか、無理にでも倒してしまおうと互いに全力を尽くした結果、体力の限界が同時に訪れた。今まで魔王相手以外では、魔物ではまず出すことがなかった、本気の本気。体力に気を使うことなど、まるで考えない攻防は、最終的に同時に二人が倒れることで幕を下ろした。
「初めてですわね。引き分けなんて」
「だね。この場合はどうなるの?」
勝った方が月光の所持者。
それが今までのルール。エリーの偶然の一勝を除けば、全てにオリヴィアが勝ってきていた。引き分けは一度たりともなく、はっきりと白黒が付いていた。
「んー。この場合は、どっちかが月光の所持者でもう一方の願いを聞く感じ?」
「そうですわね、ではわたくしは月光をいただきますわ」
あっさりと、オリヴィアは言う。流石にあれだけ泣いたエリーを見て、政略結婚に応じろなどと言う事は出来はしない。国は確かに大切だし、アーツも可愛い弟だ。それでも、オリヴィアにとってはエリーも同じく可愛い妹で、そして一番のライバルでもあるのだ。
オリヴィアの選択肢など、始めから無いに等しかった。
「いいの?」
「ええ。エリーさんは、すべきことがあるのでしょう?」
オリヴィアは微笑む。
エリーにとって大切なものは、非常に少ない。母、師匠、オリヴィア、女将、大将、ブロンセンの人々、魔王討伐隊の面々、そして、唯一の友人であるアリエル。
それを知れば、「もっと広い世界に目を向けろ」なんていう風に、多くの者は言うだろう。
しかし、誰しもが綺麗な心を持っているわけではない。
心を読めるエリーがそれだけを大切なものをする理由は、簡単だ。エリー自身の心が耐えられる限界。
それが、その狭い範囲の大切なもの達。
エリーは、まだ15歳の少女。僅か15歳にして盗賊に出身地の人を殺されている、自らも人質になっている、ドラゴンを前に母親を守ろうとしている、人殺しを経験している、魔王と剣を交えている、そして、読みたくもない心を読めてしまう、そんな少女だ。
運良く良い人達に恵まれた為に、エリーは魔王を倒すまでに至った。
しかし広い世界に目を向けることで、そんな彼女の心は簡単に蝕まれてしまう。
師匠が消えれば、家出をしてしまう。師匠が魔王となって討たれれば、その周囲の掌を返したような反応に、滅びれば良かったと泣いてしまう。
そんな、とても弱い少女だ。
今まではオリヴィアが一緒に居たことで、そんな弱い部分を互いに守ることが出来た。
しかし、これから来る未来はそうはいかない。
だから、オリヴィアは微笑む。
「エリーさんは、やりたいことをすべきですわ。わたくしはそれを応援することが、これからわたくし自身がやりたいことでもありますもの」
そう言ってなんとか立ち上がり、月光を手に取る。
全ての光を吸収する黒と煌びやかな金の文様が刻まれたその剣はオリヴィアに応える様に月明かりを反射する。
「それじゃ、エリーさん。今日はお師匠様から聞いた話を聞かせてくださいな」
「ん、了解、オリ姉」
オリヴィアが差し出した手を取って立ち上がる。
それと同時に、固唾を飲んで見守っていたブロンセンの住民達が一斉に膝をついた。
息を吐かせぬ攻防に見入っていた彼らは、今になってようやく気が抜けた途端、体の力も抜けてしまった様だった。
0
あなたにおすすめの小説
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる