悪役令嬢? 何それ美味しいの? 溺愛公爵令嬢は我が道を行く

ひよこ1号

文字の大きさ
91 / 319
連載

釣り大会の開催

しおりを挟む
「では、釣りに参りましょう。ダンさんも良かったら是非、一緒に…」
「はい。参加します」

言うが早いか、ずっと黙って見守っていたシルヴァインが、マリアローゼをひょい、と抱き上げた。

「良かったら一緒の馬車で行くかい?席はあるが」
「いいえ、滅相もございません。…仲間と後から行きますんで」

今日はミルリーリウムやエイラは人と会う約束があるので宿に留まっていて、
行きは一緒に乗っていたアルベルトとテースタも、父と同じく城へと強行軍で戻っているので確かに空きはある。
が、慌てたようにダンに断られて、シルヴァインは頷き、マリアローゼは少し残念そうな顔をした。

「ではまた湖で」

すいっと、踵を返してシルヴァインが馬車へと歩いて行く。
床を片付けていたカンナとルーナも、掃除を教会の人に任せると後に続いた。
ユリアはのんびり付いてきながら呟く。

「圧が凄いんだよなぁ……」

それは兄に対しての突っ込みだったのだろう。
抱き上げられたので見てはいないが、兄は爽やかな笑顔だとしても妙な迫力と怖さがある。
相変わらずその兄のすごい圧を物ともしないユリアに、マリアローゼは感心した。
そして、肩越しにもぞもぞと出した小さな手を、ダンや町の人へ振り返すのであった。


馬車に揺られて、宿の前に馬車を停めて、徒歩で湖へ向かう。
湖に向かうとそこには驚きの光景が広がっていた。

冒険者だけでなく、町の人達まで大挙して押し寄せている。

「あら……今日は何かのお祭りか何かだったのかしら?」
「いいえ?釣り大会ですよ」

マリアローゼの疑問に、ユリアが光の速さで返事を返した。

「という訳で、私司会なので、行ってきますね!」

「えっ…司会…?」

何をするつもりなのか。

確かに湖沿いの煉瓦の歩道に、一段高い演壇が作られている。
ユリアは挨拶を交わしつつ…誰と挨拶してるのかは不明だが……演壇に登った。

「今日は栄えある釣り大会第一回、司会を務めさせて頂きます神殿騎士ユリアと申します!
まずは、今回の主賓であらせられる、マリアローゼ様とシルヴァイン様に盛大な拍手を!」

手で指し示されたシルヴァインと、シルヴァインに抱き上げられたマリアローゼは
拍手と雄叫びと黄色い歓声に包まれて、小さく手を振った。
事前に何も聞かされていないのはシルヴァインも同じようで、
引き攣った笑みを浮かべたマリアローゼに、微笑を浮かべながら、ぼそりと呟く。

「ユリアは叔父上の隠し子か何かなのかな?」

ああ、こういうところが似てるんだ……

とマリアローゼも納得して、ふむぅと唸った。
カンナも隣で乾いた笑いを漏らしている。

「ご参加頂く皆様には豪華!賞品も!ご用意が御座いますので、是非上位入賞を目指してください。
まずは5位入賞者には…この!もこもこふわふわの羊ちゃんのマリーちゃんを差し上げます」
「欲しいですわ!!!」

マリアローゼはシルヴァインにぎゅっと掴みかかった。

「えっ…でも、5位狙うのはちょっと難しいな…?」

「えっ?何々?マリアローゼ様が、欲しがっている?あの、可愛らしい女神、マリアローゼ様が?」

拡声器の魔道具(メガホン)を持ったユリアがそのまま垂れ流す。
周囲からはマリアローゼにあげてほしいという声が続々と寄せられて、
壇上のユリアはうんうん、と頷いた。

「皆様、賞品が減りますけど宜しいですか?」
「いいともー!」

これは何かの仕込みでは?と思うような返答が返されて、ユリアに手招きされたマリアローゼは、シルヴァインの腕から降りて壇上に駆け寄った。
しおりを挟む
感想 154

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。 ◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果

てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。 とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。 「とりあえずブラッシングさせてくれません?」 毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。 そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。 ※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~

いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。 地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。 「――もう、草とだけ暮らせればいい」 絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。 やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる―― 「あなたの薬に、国を救ってほしい」 導かれるように再び王都へと向かうレイナ。 医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。 薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える―― これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。 ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。