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お魚争奪戦
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「何て、何て、可愛らしいんだマリアローゼ!
お花の妖精さんかな?でもただの妖精さんじゃないな?
そうか!妖精のお姫様か!」
何と言う三段論法だろうか。
マリアローゼは褒められているのに、何だかとっても居心地が悪くなっていた。
「…ルーナがドレスを選んでくれましたの。飾ってくれたのもルーナですわ」
褒めるならルーナを!
と転嫁すると、ジェレイドはルーナに視線を向けた。
「ふむ。君が専属侍女殿か。幼いのに腕は確かだし、将来有望だね。
これからもロゼたんを宜しく頼むよ」
「畏まりました。邁進いたします」
はて?
今変な単語を耳にしたのだが…?
ロゼたん?
まさかの転生者…?
転生者の大安売りか?
ぽかんと口を開けてジェレイドを見上げるマリアローゼに、ジェレイドは手を差し出した。
「さあ、席まで短い距離だけど、エスコート致しましょう。我が妖精姫」
そういえば。
あの、忌まわしい王城での二つ名は、この人が出所ではないのだろうか?
と疑いが芽生えるが、とりあえず差し出された手に、マリアローゼはちょこんと手を乗せた。
「ありがとう存じます、おじ…レイ様」
叔父様と言いかけると、一気に表情が曇ったので、マリアローゼは名前を言い直した。
だが、流石に目下でもなければ、従業員でもない相手を呼び捨てには出来ない。
納得したようで、名前を呼ぶとジェレイドはにっこりと笑顔を浮かべた。
本来なら宿のテラスや食堂で食事を楽しみたいところだが、警備の関係上自室で取らざるを得ない。
居間は食事の度に家具を入れ替えるという、何とも迷惑な労力がかかっていた。
だが、ギラッファが公爵邸から伴なって来た従僕達で、力仕事は問題ないようだ。
旅の間は給仕もエイラがしていたが、今は従僕達が屋敷でのように働いている。
「こちらは今朝、マリアローゼ様とシルヴァイン様がお釣りになられたお魚になります」
基本的に1皿に1品盛り付けて、皿ごと目の前に置かれていく。
取り分けずに、客や主人が給仕された料理を皿に盛るのは、子供のいない晩餐会の時だ。
運ばれてきた食事の説明を、ピンと背筋を伸ばしたギラッファが恭しく伝える。
「食べるのが勿体ないな。一口食べて残りは保管しておこうか…」
などと不穏な事を言い出すジェレイドに、マリアローゼは眉を下げて抗議した。
「腐らせてしまいますわ。どうぞ、レイ様の血肉にしてくださいませ」
栄養にしてくれないと、魚達も命を失った意味がないのだ。
という意味でしかないのだが、マリアローゼの方を見たジェレイドは笑顔の中に狂気を覗かせている。
「何だか興奮するね?!」
「しないでくださいませ」
ぴしゃりと断るが、嬉しそうに魚を食べ始めたので、とりあえずはまあいいか、とマリアローゼも魚を食べ始めた。
淡水魚だけあって淡白ではあるが、付け合せの野菜や香草でとても良い風味を醸している。
「美味しいですわ」
ほう、と息をつきながら堪能している横で、ジェレイドは部屋の壁際にあるテーブルに視線を送った。
白い布を掛けられたテーブルの上には、皿に盛られた残りの魚が銀盆に並んでいる。
「残りも全部貰おうか」
「俺が食べます」
「私が食べます」
ジェレイドの依頼に、シルヴァインとユリアも声を重ねる。
いきなり争奪戦の勃発である。
「僕が一番年上だからね」
「俺は育ちざかりですから」
「私だって今日はめちゃくちゃカロリー消費してるんで」
一歩も退く様子はないし、分け合うという道を自ら放棄しているので、マリアローゼが仲裁に入った。
「全員同じ数で分けてくださいませ。余ったものはルーナとノクスに下げ渡しますわ。
わたくしのお魚さんなので、異論は認めませんことよ」
キッ、と眉を吊り上げて、叱るつもりで言っているのだが、その様子を見た三人は笑顔だ。
納得いかない。
お花の妖精さんかな?でもただの妖精さんじゃないな?
そうか!妖精のお姫様か!」
何と言う三段論法だろうか。
マリアローゼは褒められているのに、何だかとっても居心地が悪くなっていた。
「…ルーナがドレスを選んでくれましたの。飾ってくれたのもルーナですわ」
褒めるならルーナを!
と転嫁すると、ジェレイドはルーナに視線を向けた。
「ふむ。君が専属侍女殿か。幼いのに腕は確かだし、将来有望だね。
これからもロゼたんを宜しく頼むよ」
「畏まりました。邁進いたします」
はて?
今変な単語を耳にしたのだが…?
ロゼたん?
まさかの転生者…?
転生者の大安売りか?
ぽかんと口を開けてジェレイドを見上げるマリアローゼに、ジェレイドは手を差し出した。
「さあ、席まで短い距離だけど、エスコート致しましょう。我が妖精姫」
そういえば。
あの、忌まわしい王城での二つ名は、この人が出所ではないのだろうか?
と疑いが芽生えるが、とりあえず差し出された手に、マリアローゼはちょこんと手を乗せた。
「ありがとう存じます、おじ…レイ様」
叔父様と言いかけると、一気に表情が曇ったので、マリアローゼは名前を言い直した。
だが、流石に目下でもなければ、従業員でもない相手を呼び捨てには出来ない。
納得したようで、名前を呼ぶとジェレイドはにっこりと笑顔を浮かべた。
本来なら宿のテラスや食堂で食事を楽しみたいところだが、警備の関係上自室で取らざるを得ない。
居間は食事の度に家具を入れ替えるという、何とも迷惑な労力がかかっていた。
だが、ギラッファが公爵邸から伴なって来た従僕達で、力仕事は問題ないようだ。
旅の間は給仕もエイラがしていたが、今は従僕達が屋敷でのように働いている。
「こちらは今朝、マリアローゼ様とシルヴァイン様がお釣りになられたお魚になります」
基本的に1皿に1品盛り付けて、皿ごと目の前に置かれていく。
取り分けずに、客や主人が給仕された料理を皿に盛るのは、子供のいない晩餐会の時だ。
運ばれてきた食事の説明を、ピンと背筋を伸ばしたギラッファが恭しく伝える。
「食べるのが勿体ないな。一口食べて残りは保管しておこうか…」
などと不穏な事を言い出すジェレイドに、マリアローゼは眉を下げて抗議した。
「腐らせてしまいますわ。どうぞ、レイ様の血肉にしてくださいませ」
栄養にしてくれないと、魚達も命を失った意味がないのだ。
という意味でしかないのだが、マリアローゼの方を見たジェレイドは笑顔の中に狂気を覗かせている。
「何だか興奮するね?!」
「しないでくださいませ」
ぴしゃりと断るが、嬉しそうに魚を食べ始めたので、とりあえずはまあいいか、とマリアローゼも魚を食べ始めた。
淡水魚だけあって淡白ではあるが、付け合せの野菜や香草でとても良い風味を醸している。
「美味しいですわ」
ほう、と息をつきながら堪能している横で、ジェレイドは部屋の壁際にあるテーブルに視線を送った。
白い布を掛けられたテーブルの上には、皿に盛られた残りの魚が銀盆に並んでいる。
「残りも全部貰おうか」
「俺が食べます」
「私が食べます」
ジェレイドの依頼に、シルヴァインとユリアも声を重ねる。
いきなり争奪戦の勃発である。
「僕が一番年上だからね」
「俺は育ちざかりですから」
「私だって今日はめちゃくちゃカロリー消費してるんで」
一歩も退く様子はないし、分け合うという道を自ら放棄しているので、マリアローゼが仲裁に入った。
「全員同じ数で分けてくださいませ。余ったものはルーナとノクスに下げ渡しますわ。
わたくしのお魚さんなので、異論は認めませんことよ」
キッ、と眉を吊り上げて、叱るつもりで言っているのだが、その様子を見た三人は笑顔だ。
納得いかない。
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