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少女達の戦い
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ふう、と息をついて、リリーアリアは午前中に魔力を籠めた小粒の宝石に手を伸ばす。
掌の上に乗せて、心の中で命じる。
与えよ
宝石は何なく割れて、眠気や倦怠感が遠のいていく。
これで一つ確認が出来ましたわ。
言葉を発しなくても、接触して命じれば効果を発揮するのね。
そして籠めた魔力の量がそのまま返還されるのではなく、回復出来るのも体感で理解出来た。
次に試すのは、時間を置いてから魔力を籠める事が出来るかだ。
また同じく紫の小粒の宝石を手に取る。
それを紫の光が明滅するまで、魔力を注いでいく。
成功、出来たわ。
ならば、魔力を回復する宝石も問題ないわね。
「夜の為に、もう一度お昼寝致しましょう。わたくしの魔力ではあと3つの宝石は無理ですの」
「あの…アリア様、僭越ながらわたくしに試させて頂いても宜しいでしょうか?」
はた、とリリーアリアはマルグレーテを見た。
そして、頷いてから微笑む。
「お願い致しますわ。こちらの耳飾には、魔法を発動する際の距離を強化して頂きたいのです」
「畏まりました」
「ミアとメアも歌ってくださる?」
首を傾げながら頼むリリーアリアに、二人は勢い良く頷く。
リリーアリアが掌を閉じずに魔力を籠めていたのを見たからか、マルグレーテも耳飾も掌に載せて集中した。
そして、矢じりと同じく、金色の光を纏った瞬間に、彼女は切り上げて、リリーアリアを見て頷く。
視覚に頼るリリーアリアから見れば、恐ろしいほどの才覚だ。
「こちらも、頼んで良いかしら?魔法が影響を及ぼす範囲を広げて欲しいのです」
「畏まりました」
やはり、同じ様に難なくマルグレーテは難問を片付けた。
「では、この指輪には、魔法の持続時間を長くする魔法をお願い致しますわ」
「畏まりました」
指輪が金色の光に包まれる頃、マルグレーテは頭を傾げた。
「申し訳ありません。眠気が…」
「良いのです。さあ一緒に眠りましょう」
リリーアリアは荷物からリボンを取り出すと、青い宝石の台座に結び付けて、首から下げると三人と共にベッドに上がった。
「ルーティもメアもミアも有難う、3人とも大好きよ」
「メアもです」
「ミアもです」
「わたくしもです」
三者三様にリリーアリアの言葉に返事を返して、幸せな気持ちで眠りについたのである。
最初に目を覚ましたのはマルグレーテだった。
辺りは夕闇に沈み、部屋の中は橙色の光に満ちている。
マルグレーテを何より信頼してくれている主は、黒いベールを外して金色の睫を伏せてしっかりと目を閉じていた。
お役に立てて良かった……。
魔法の素養が無くて落ち込んだ時も励まし、何も出来なくても良いと言ってくれた。
魔力を籠める素養が見つかった時は、素晴らしいと手放しで褒め称えてくれた。
恩を返すつもりで側にいるのに、与えられるばかりなのではないか?と不安になる事もある。
リリーアリア殿下の望みを叶える事がわたくしの責務。
わたくしの命の使い方。
手をきゅっと握ると、ほんの少しぴくりと指が動く。
騒がしく明るい双子が目を覚ますまで、マルグレーテはリリーアリアの寝顔を見詰めていた。
掌の上に乗せて、心の中で命じる。
与えよ
宝石は何なく割れて、眠気や倦怠感が遠のいていく。
これで一つ確認が出来ましたわ。
言葉を発しなくても、接触して命じれば効果を発揮するのね。
そして籠めた魔力の量がそのまま返還されるのではなく、回復出来るのも体感で理解出来た。
次に試すのは、時間を置いてから魔力を籠める事が出来るかだ。
また同じく紫の小粒の宝石を手に取る。
それを紫の光が明滅するまで、魔力を注いでいく。
成功、出来たわ。
ならば、魔力を回復する宝石も問題ないわね。
「夜の為に、もう一度お昼寝致しましょう。わたくしの魔力ではあと3つの宝石は無理ですの」
「あの…アリア様、僭越ながらわたくしに試させて頂いても宜しいでしょうか?」
はた、とリリーアリアはマルグレーテを見た。
そして、頷いてから微笑む。
「お願い致しますわ。こちらの耳飾には、魔法を発動する際の距離を強化して頂きたいのです」
「畏まりました」
「ミアとメアも歌ってくださる?」
首を傾げながら頼むリリーアリアに、二人は勢い良く頷く。
リリーアリアが掌を閉じずに魔力を籠めていたのを見たからか、マルグレーテも耳飾も掌に載せて集中した。
そして、矢じりと同じく、金色の光を纏った瞬間に、彼女は切り上げて、リリーアリアを見て頷く。
視覚に頼るリリーアリアから見れば、恐ろしいほどの才覚だ。
「こちらも、頼んで良いかしら?魔法が影響を及ぼす範囲を広げて欲しいのです」
「畏まりました」
やはり、同じ様に難なくマルグレーテは難問を片付けた。
「では、この指輪には、魔法の持続時間を長くする魔法をお願い致しますわ」
「畏まりました」
指輪が金色の光に包まれる頃、マルグレーテは頭を傾げた。
「申し訳ありません。眠気が…」
「良いのです。さあ一緒に眠りましょう」
リリーアリアは荷物からリボンを取り出すと、青い宝石の台座に結び付けて、首から下げると三人と共にベッドに上がった。
「ルーティもメアもミアも有難う、3人とも大好きよ」
「メアもです」
「ミアもです」
「わたくしもです」
三者三様にリリーアリアの言葉に返事を返して、幸せな気持ちで眠りについたのである。
最初に目を覚ましたのはマルグレーテだった。
辺りは夕闇に沈み、部屋の中は橙色の光に満ちている。
マルグレーテを何より信頼してくれている主は、黒いベールを外して金色の睫を伏せてしっかりと目を閉じていた。
お役に立てて良かった……。
魔法の素養が無くて落ち込んだ時も励まし、何も出来なくても良いと言ってくれた。
魔力を籠める素養が見つかった時は、素晴らしいと手放しで褒め称えてくれた。
恩を返すつもりで側にいるのに、与えられるばかりなのではないか?と不安になる事もある。
リリーアリア殿下の望みを叶える事がわたくしの責務。
わたくしの命の使い方。
手をきゅっと握ると、ほんの少しぴくりと指が動く。
騒がしく明るい双子が目を覚ますまで、マルグレーテはリリーアリアの寝顔を見詰めていた。
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