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第46話

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「凪さん!」
「え、どうしたの。出てくるの速いね」
「あ……あの……幻滅しないで……」


 パチパチと瞬きをする彼に縋るように擦り寄る。


「何を言ってるのかわからないけど……」
「俺が凪さんを求めすぎて、すごく淫乱に見えても、幻滅しないで……」
「……真樹は今大真面目なんだよね?」
「当たり前です!凪さんに幻滅されて嫌われたくない……」


 肩に手が置かれ、彼の力に従って体を離す。
 不安で、けど大真面目だから顔を上げた。


「幻滅なんてしないし、嫌いにもならないよ。俺がした事で真樹がそうなるなら嫌じゃない。安心して。」
「それは……俺がキスをいっぱいせがんだり、もっと触ってって言っても嫌じゃないってこと?」
「嫌じゃない。俺を欲しいって思ってくれてるんだろ。俺自身としても、アルファとしても、真樹から求められることは喜びでしかない。」


 アルファの本能としてオメガから求められる事も、凪さんの気持ちとして俺から求められる事も、それは全部嬉しいらしい。
 安心して彼に抱き着き、深く息を吐く。
 よかった。嫌われないで済む。

 そのまま頬ずりすると頭を撫でられ、そのまま暫く優しい時間を過ごした。


 ***


 その日の夜から、凪さんと別々で寝ることになった。
 これは自分が暴走してしまうかもしれないからと、凪さんが提案してくれたこと。


 凪さんとは金曜日の夜──つまり三日後に、初めてセックスをする予定……だと思う。
 次の日が休みの時がって言っていたから、それなら金曜日か土曜日だと……俺は勝手に思っているわけだが。

 三日しかないけれど、何か準備をしておくべきなのだろうか。
 雰囲気作りとかも大切なのかもしれない。今までそんな事を考えてこなかった。


「好きな人とするのって、こんなに緊張するのか……。」


 まだ時間はあるのにドキドキする。

 そういえば、凪さんのアレは大きかった。
 俺の中にちゃんと入るのかな。
 発情期中ならまだしも、そうじゃないわけだし……。

 慣らした方がいいのかもしれない。
 そう思うと行動は早くて、四つ這いになって指を咥えて唾液で濡らす。そして胸をベッドに付けて下着の中に手を入れ、後孔に触れた。
 何度も深く息を吐いて力が抜けた時に中指が少し入って、そのままゆっくりと奥に進めていく。


「っ、気持ち、悪……」


 でも凪さんと繋がるためだから、頑張らないと。


「ふぅ……」


 全く気持ちよくないけど、彼に触られれば良くなるのだろうか。
 まずい。少し怖くなってきた。


「もうちょっと……」


 前に凪さんに触ってもらった時は指が二本くらい入っていた気がする。
 それを思い出して余計に焦って、上手く出来ずにその日は諦めて不貞寝するように眠った。
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