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超時空世界の赤ちゃんが誕生してしまった
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「俺も入れてくれ~!」 「あたしも入りたい!」 「入れろ~~~!」
プチ楽園刑務所が公開されると、自業自得学園に大騒動が起こった。
今まで自業自得のお勉強で苦悩していた魂たちが、我さきにと、その楽園刑務所に殺到したのだ。
楽園刑務所はまだ小さな規模だったので、自業自得学園にいる生徒たち全員を収容することができなかったので、抽選となった。
「そんなの不公平だ!」 「抽選はいかさまだろう!」などと抽選にもれた囚人たちが叫んでいる。
テスターとして楽園刑務所に入所した囚人たちからの話を聞いてしまっているので、何としても楽園刑務所に入ろうと必死なのだ。
楽園刑務所作りのアルバイトに参加したいとの要望も殺到したために、どんどんと自業自得学園の楽園化が劇的に進み始めた。
ついには自業自得学園の生徒のほとんどがそのアルバイトに募集する事態となってしまった。
アルバイトをすれば、その貢献度に応じて、今までの自業自得の罪がいろいろと減刑されることになったので、無理もない。
その結果、雪だるま式に楽園刑務所を実現するぞという意志が、自業自得学園を満たし拡大し始めた。
巨大な楽園刑務所の実現成功を目指した元気玉のようなものが、成長してゆく……
そのエネルギーはどんどんと煮詰まり、ついには小さな恒星のように輝き始めた。
その光は自業自得学園にあった無数の暗い自業自得の牢獄を照らしはじめた。
その結果、まだ牢獄内にいた生徒たちの意志も、次々と変容してゆく……
核反応も顔負けだ。何かが今にも爆発しそうだ。
「大丈夫か……おい、これ……」ムゲンはさすがにちょっと心配になってくる。
「あら、心配無用よ、あなた、これは進化の光ですからね」などと全知ちゃんは平気な顔で言う。
超時空体はこういうのを見慣れているらしい。
「でも、ここまで急に成長するのはめずらしいことねえ」などと言っている。
輪ゴム効果というか、暗い世界に長くいた分だけ、明るい世界への進化がすごいのかもしれない。
弾けるような光を放っている。
ウオーン、ウオーン、ウオーン……と得体のしれない音まで出し始めた……
全知ちゃんは、微笑みながらその光の玉にそっと手を触れる……(おいおい、大丈夫かよ!)
すると、案の定、その光の玉は爆発した……
ムゲンは頭を抱えてうずくまってしまった。
だが、
「ふふふ、とうとう次元上昇しちゃいましたね」などと全知ちゃんは動じずに嬉しそうにしているではないか。
その光のあった場所だけ、確かに何か時空間が変になっている。
「あなた、これが超時空世界の生まれたての赤ちゃんなんですよ」などと言う。
「えー!超時空世界の赤ちゃん!」
「そう、良き意志が一定レベルに高まって集まるとこうして超時空世界の赤ちゃんが生まれてくるのよ」
「それは知らなかったな~!すげ~な、おい」と経験豊富なムゲンも感動している。
ちなみに、囚人であった生徒たちは進化して超時空体になるための見習いレベルに達していた。
「おい、なんでこうなるんだ?」
ムゲンはさすがにこれは何となく不条理だなと思った。
俺がまだ意識体なのに……なんでこんなに劇的に進化してしまうんだ……と思ったのだ。
「それはあなたがレベルがまだ低いからに決まっているじゃないですか」
などと全知ちゃんはいけしゃーしゃーと言う。
ムっとしたムゲンは、
「俺は、分身族であり続けるために、超時空体になるための修行をわざわざ中断してわざと意識体のままでいるんだから、レベルとかなんとかそんなの関係ないだろう?」と反論する。
「そうね、まあ、上とか下とかはもう関係ないわね。ただ違う次元の体験がいろいろできるようになったってことね」
などとレクチャーしてくれる。
まあ、肉体として生きていたのが、霊体とかに変身したとか、そういう感じなのかもしれない。
体験強制ピラミッドシステムがあったときには、そこに上とか下とか身分制度みたいなものがあったけど、まあ、それがなくなったわけだからどんな次元の体になってもそれを楽しめればいいのだと理解する。
まあ、進化すればするほど楽しめる体験の幅が広がるという感じになるのだろう。
見ていると、超時空世界の赤ん坊は、次第に勝手に大きくなっていった。
お乳とかそういうのはいらないらしい。
そしてとうとうその赤ん坊は自業自得学園よりも大きくなってしまった。
すると、自業自得学園全体が超時空世界になってしまった。
意識体の世界と超時空体のあいのこ状態から、完全に超時空世界に進化してしまったのだ。
なんということだ……
時間も空間ももはや意味がなくなってしまった。
そこにいる以上、誰もが時空間を自由に意識するだけで移動できるようになってしまった。
つまりは牢獄は牢獄でなくなってしまった……
まさかこんなことになるなんて……ムゲンは思ってもいない。
完全に想定外だ。
だがしかし、理想世界の設計図を同時に飲み込んでくれたおかげて、その超時空世界の赤ん坊は自らの世界にその設計図を取り込んでくれたらしい。
つまり、一瞬にして楽園刑務所……というか、理想世界の設計図通りの新世界がそこに出現したのだ。
体験の自治権はその超時空世界に入ればどんな体験者にも自動的に完ぺきに保証提供された。
最高法規を推進する意志をもった超時空世界は、超時空体験図書館から無数の体験を自らの世界に取り込んでいった。
その取り込んだ体験群には「体験の自治権」がはく奪されるタイプの体験は除外されていた。
そんな生きた意志をもった時空間を超越した世界……
今までの超時空聖体のように「良き意志」を育成するためにつらいお勉強などを与えようと思わない新世界がそこに誕生した。
しかもその世界は次第にどんどんと大きくなり、周囲の世界を飲み込みはじめた。
さすがのムゲンもそこまでのことが起こるとは思っていなかったので、あせりはじめた。
次々と飲み込まれてゆく世界の中にはムゲンの分身体たちがたくさんいるのだ。
「あいつら、大丈夫なのか?……」と心配でしょうがない。
分身体通信システムを起動して様子を確認してみる。大丈夫だろうか……
すると、
「なんか意識と肉体が分離しちゃっています」とか、「今夢の世界にいるみたいです」とか、「なんか病気の苦痛が全部消えています」とか、なんか変な感じになっているようだ。
どうやら一応無事のようなのでムゲンは少し安心する。
それにしてもなんでこんなことになったのだろうか……
全知ちゃんに説明を求める。
「それはですね、あなた、結局世界ってものは、意志から生成されていたんです」
「意志?」ムゲンは聞き返す。
「そう、意志によってあらゆる世界は生成されているの。だから、その世界生成の意志を上回る意志が育つとその世界を創造した意志が上回った意志に取り込まれてしまうのよ」
「それは確か前に聞いたな……でも今回みたいな状態でそうしたことが発生するの?」
「それは、意志のレベルを見るスカウターとかで見れば、ある程度は予測できるんだけど、今回はさすがにあたしたちも想定外だったわ。まさか赤ちゃんがこんなところから生まれるなんて……でも素晴らしいことよ、こんな場所に超時空世界の赤ちゃんが生まれるなんて」
「ということは、ここにいるみんなが親ということになるの?」
「そうねえ、まあ、それに近い感じね。でも、超時空世界では子育ては必要ないの。必要なものがそろわないと超時空世界は生まれてこないから、すでに必要なものがそろったってことだから……あとは赤ちゃんが自分の意志で成長を続けてゆくことになるわ」
その説明を聞くと、皆すげーすげーと目をこすったり、泣き出したり、ニコニコしたり、いろいろなリアクションをしていた。
ちなみに、ムゲンは意識体のままでまだいたいという願いがあったので、意識体のままとなっただけで、願えば超時空体にいつでも進化できる状態になっていたらしい。
どうやら理想世界の設計図を取り込んだために、体験者たちが自分の意識次元まで自由に選べるようにしてくれたらしい。
「はあ? それって大判振るまいすぎるだろう!」と思うも、そうなってしまったものはしょうがない。というか体験選択の自由が増えたのだから文句などない。
「よかったわねえ、あなた……」などと全知ちゃんは嬉しそうだ。
他の体験者たちも宝くじの一等賞が宝くじを買ってもいないのに、当たった……みたいな感じで感動したり、目を丸くしたりしていた。
「あきらめず意志すれば何事も成る……」ムゲンはそうした理解を得た。
プチ楽園刑務所が公開されると、自業自得学園に大騒動が起こった。
今まで自業自得のお勉強で苦悩していた魂たちが、我さきにと、その楽園刑務所に殺到したのだ。
楽園刑務所はまだ小さな規模だったので、自業自得学園にいる生徒たち全員を収容することができなかったので、抽選となった。
「そんなの不公平だ!」 「抽選はいかさまだろう!」などと抽選にもれた囚人たちが叫んでいる。
テスターとして楽園刑務所に入所した囚人たちからの話を聞いてしまっているので、何としても楽園刑務所に入ろうと必死なのだ。
楽園刑務所作りのアルバイトに参加したいとの要望も殺到したために、どんどんと自業自得学園の楽園化が劇的に進み始めた。
ついには自業自得学園の生徒のほとんどがそのアルバイトに募集する事態となってしまった。
アルバイトをすれば、その貢献度に応じて、今までの自業自得の罪がいろいろと減刑されることになったので、無理もない。
その結果、雪だるま式に楽園刑務所を実現するぞという意志が、自業自得学園を満たし拡大し始めた。
巨大な楽園刑務所の実現成功を目指した元気玉のようなものが、成長してゆく……
そのエネルギーはどんどんと煮詰まり、ついには小さな恒星のように輝き始めた。
その光は自業自得学園にあった無数の暗い自業自得の牢獄を照らしはじめた。
その結果、まだ牢獄内にいた生徒たちの意志も、次々と変容してゆく……
核反応も顔負けだ。何かが今にも爆発しそうだ。
「大丈夫か……おい、これ……」ムゲンはさすがにちょっと心配になってくる。
「あら、心配無用よ、あなた、これは進化の光ですからね」などと全知ちゃんは平気な顔で言う。
超時空体はこういうのを見慣れているらしい。
「でも、ここまで急に成長するのはめずらしいことねえ」などと言っている。
輪ゴム効果というか、暗い世界に長くいた分だけ、明るい世界への進化がすごいのかもしれない。
弾けるような光を放っている。
ウオーン、ウオーン、ウオーン……と得体のしれない音まで出し始めた……
全知ちゃんは、微笑みながらその光の玉にそっと手を触れる……(おいおい、大丈夫かよ!)
すると、案の定、その光の玉は爆発した……
ムゲンは頭を抱えてうずくまってしまった。
だが、
「ふふふ、とうとう次元上昇しちゃいましたね」などと全知ちゃんは動じずに嬉しそうにしているではないか。
その光のあった場所だけ、確かに何か時空間が変になっている。
「あなた、これが超時空世界の生まれたての赤ちゃんなんですよ」などと言う。
「えー!超時空世界の赤ちゃん!」
「そう、良き意志が一定レベルに高まって集まるとこうして超時空世界の赤ちゃんが生まれてくるのよ」
「それは知らなかったな~!すげ~な、おい」と経験豊富なムゲンも感動している。
ちなみに、囚人であった生徒たちは進化して超時空体になるための見習いレベルに達していた。
「おい、なんでこうなるんだ?」
ムゲンはさすがにこれは何となく不条理だなと思った。
俺がまだ意識体なのに……なんでこんなに劇的に進化してしまうんだ……と思ったのだ。
「それはあなたがレベルがまだ低いからに決まっているじゃないですか」
などと全知ちゃんはいけしゃーしゃーと言う。
ムっとしたムゲンは、
「俺は、分身族であり続けるために、超時空体になるための修行をわざわざ中断してわざと意識体のままでいるんだから、レベルとかなんとかそんなの関係ないだろう?」と反論する。
「そうね、まあ、上とか下とかはもう関係ないわね。ただ違う次元の体験がいろいろできるようになったってことね」
などとレクチャーしてくれる。
まあ、肉体として生きていたのが、霊体とかに変身したとか、そういう感じなのかもしれない。
体験強制ピラミッドシステムがあったときには、そこに上とか下とか身分制度みたいなものがあったけど、まあ、それがなくなったわけだからどんな次元の体になってもそれを楽しめればいいのだと理解する。
まあ、進化すればするほど楽しめる体験の幅が広がるという感じになるのだろう。
見ていると、超時空世界の赤ん坊は、次第に勝手に大きくなっていった。
お乳とかそういうのはいらないらしい。
そしてとうとうその赤ん坊は自業自得学園よりも大きくなってしまった。
すると、自業自得学園全体が超時空世界になってしまった。
意識体の世界と超時空体のあいのこ状態から、完全に超時空世界に進化してしまったのだ。
なんということだ……
時間も空間ももはや意味がなくなってしまった。
そこにいる以上、誰もが時空間を自由に意識するだけで移動できるようになってしまった。
つまりは牢獄は牢獄でなくなってしまった……
まさかこんなことになるなんて……ムゲンは思ってもいない。
完全に想定外だ。
だがしかし、理想世界の設計図を同時に飲み込んでくれたおかげて、その超時空世界の赤ん坊は自らの世界にその設計図を取り込んでくれたらしい。
つまり、一瞬にして楽園刑務所……というか、理想世界の設計図通りの新世界がそこに出現したのだ。
体験の自治権はその超時空世界に入ればどんな体験者にも自動的に完ぺきに保証提供された。
最高法規を推進する意志をもった超時空世界は、超時空体験図書館から無数の体験を自らの世界に取り込んでいった。
その取り込んだ体験群には「体験の自治権」がはく奪されるタイプの体験は除外されていた。
そんな生きた意志をもった時空間を超越した世界……
今までの超時空聖体のように「良き意志」を育成するためにつらいお勉強などを与えようと思わない新世界がそこに誕生した。
しかもその世界は次第にどんどんと大きくなり、周囲の世界を飲み込みはじめた。
さすがのムゲンもそこまでのことが起こるとは思っていなかったので、あせりはじめた。
次々と飲み込まれてゆく世界の中にはムゲンの分身体たちがたくさんいるのだ。
「あいつら、大丈夫なのか?……」と心配でしょうがない。
分身体通信システムを起動して様子を確認してみる。大丈夫だろうか……
すると、
「なんか意識と肉体が分離しちゃっています」とか、「今夢の世界にいるみたいです」とか、「なんか病気の苦痛が全部消えています」とか、なんか変な感じになっているようだ。
どうやら一応無事のようなのでムゲンは少し安心する。
それにしてもなんでこんなことになったのだろうか……
全知ちゃんに説明を求める。
「それはですね、あなた、結局世界ってものは、意志から生成されていたんです」
「意志?」ムゲンは聞き返す。
「そう、意志によってあらゆる世界は生成されているの。だから、その世界生成の意志を上回る意志が育つとその世界を創造した意志が上回った意志に取り込まれてしまうのよ」
「それは確か前に聞いたな……でも今回みたいな状態でそうしたことが発生するの?」
「それは、意志のレベルを見るスカウターとかで見れば、ある程度は予測できるんだけど、今回はさすがにあたしたちも想定外だったわ。まさか赤ちゃんがこんなところから生まれるなんて……でも素晴らしいことよ、こんな場所に超時空世界の赤ちゃんが生まれるなんて」
「ということは、ここにいるみんなが親ということになるの?」
「そうねえ、まあ、それに近い感じね。でも、超時空世界では子育ては必要ないの。必要なものがそろわないと超時空世界は生まれてこないから、すでに必要なものがそろったってことだから……あとは赤ちゃんが自分の意志で成長を続けてゆくことになるわ」
その説明を聞くと、皆すげーすげーと目をこすったり、泣き出したり、ニコニコしたり、いろいろなリアクションをしていた。
ちなみに、ムゲンは意識体のままでまだいたいという願いがあったので、意識体のままとなっただけで、願えば超時空体にいつでも進化できる状態になっていたらしい。
どうやら理想世界の設計図を取り込んだために、体験者たちが自分の意識次元まで自由に選べるようにしてくれたらしい。
「はあ? それって大判振るまいすぎるだろう!」と思うも、そうなってしまったものはしょうがない。というか体験選択の自由が増えたのだから文句などない。
「よかったわねえ、あなた……」などと全知ちゃんは嬉しそうだ。
他の体験者たちも宝くじの一等賞が宝くじを買ってもいないのに、当たった……みたいな感じで感動したり、目を丸くしたりしていた。
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