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世界改革のイメージと世界改革の成功結果と不自由な世界の支配者たちの試練
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「ちょっといつまでじゃれ合ってるのよ。早くそのあらゆる体験者たちを救える新世界ってのを創らなきゃいけないんでしょう?」
「いや、だからその新世界のイメージをだね……」
「ちょっと脱線しすぎ!」
「いいじゃない、いいじゃない、別に脱線しても」
「でも目標から外れてゆくとそれだけ目標の実現が遠ざかるでしょ」
「別に外れてないんじゃない?」
「そうかしら」
「だってイメージは大事でしょう? イメージできなきゃ実現化できないもの」
「それは甘太郎親分がしてくれるでしょうに」
「そんなことないわよ。親分だけに頼らずにできるだけみんながイメージした方が実現しやすくなるんだから」
「はいはいわかりました。でも不自由な世界では、ただイメージするだけでは実現化しないわよ。たくさんの魂が一生懸命に世界平和を願って祈り続けても実現化しないんだから」
「それはただお願いして祈るだけだからでしょう? 不自由な世界を不自由たらしめている不自由な世界の創造主や支配者たちに祈ってお願いしてもそれだけじゃ実現しないってだけでしょう?
わたしが言ってるのは、お願いするとか祈るとかじゃなくて、明確に自分の意志をもって実現化を目指してイメージするってことなの。
お願いじゃないんだから」
「わかってるわよ。それくらい。でも不自由な世界の魂たちのほとんどは、具体的にどうすべきかということをしっかり言わないと実行しないわよ。
イメージするだけでいいと言えば、本当にただイメージするだけで終わっちゃうわよ」
「そうねえ……意志の使い方をちゃんと教えてもらえていないからねえ……」
「でしょう? だから、とにかく不自由な世界では、実際に実現化させないとダメなのよ」
「いや、君はそう言うけどさ、その実現化を不自由な世界の支配者たちに妨害されているから実現化しないわけだろう?」
「だから、不自由な世界の支配者たちやその予備軍たちをとりあえず改心させるか無力化しなきゃ実現化させれないじゃない」
「そういうのはみんな自業自得学園送りにするってことになったんじゃなかった?」
「まあ、そうだけど、それは不自由な世界がもはや自力で世界改革できない場合の話でしょう? つまり現状の不自由な世界を実質消滅させる場合の話でしょう?」
現状の不自由な世界のまま世界改革するためには、どうしても具体的な改革成功という結果が必要なのよ」
「つまり現状の不自由な世界を継続する場合は、改革された世界をイメージするだけでは不十分で、改革成功の結果がどうしても必要だというわけか……」
「そうよ」
「世界改革のイメージはできました。でも、改革成功結果は伴いませんでした……では、ダメでしょう?」
「それはまあ、そうだけど……じゃあ、具体的にどんな世界改革結果を実現化させればいいんだい?」
「そうねえ……
例えば、人間族の場合で言えば、完全自給自足型の個人用快適図書館 みたいなのをすべての人間族に提供すれがいいんじゃないかしら?」
「なんだい、その完全自給自足型の個人用快適図書館ってのは?」
「ほら、さっきあんたが言っていたイメージを不自由な世界に具体化させるわけよ」
「具体的にはどんなものなの?」
「そうねえ、端的に言えば、無数の娯楽が楽しめて快適に生活し続けることができる個人用の宇宙船って感じね」
「それはまた、大きく出たね。現状の不自由な世界では、いきなりその実現化はハードルが高いんじゃないかな」
「そんなことないわよ。別にすぐに宇宙に出ていかなくてもいいんだから。ただ宇宙生活も可能な仕様ってだけで、それなら地上でも地下でも水中でも空中でも生活できちゃうでしょう?」
「なるほど……地上とか地下とか程度でいいのならハードルはぐっと低くなるね」
「でしょう? とにかくそこに入れば、外に出なくてもずっと自給自足生活ができて一人でも楽しみ続けれる快適生活システムって感じ」
「ふーん、でも一人っきりじゃあ、さびしくなるんじゃないかな」
「そうね、だからその個人用快適図書館には、他の個人用快適図書館と相手との心からの合意ができれば自由に交流できるようにしておくのよ」
「どうやって交流するの?」
「ほら、それはいろいろ可能でしょう? 電話もできるし、メールもできるし、テレビ電話なんかもできるし、参加型のゲームなんかもできるし、相手と気が合えばどこかで直接出会うこともできるようにしておけばいいのよ」
「まあ、可能かどうかと言えば、可能だろうね」
「であれば、別にさびしくなったりしないでしょう?」
「まあ、他の人との合意が成立した場合は直接会うことも自由にできるのなら、問題ないかもなあ」
「そうそう、あくまで心からの合意が成立した場合だけ直接会うことができるわけ。そうすると犯罪事件とかがほとんどなくなるのよ。
それに、その個人用快適図書館に入っているうちは、他者にリアルで悪いことができないわけでしょう?悪いことする相手がいないんだから」
「それは確かにそうだね。でも電話やメールやゲームで悪口言ったりすることはできそうだよね」
「そんなの電話なら嫌になればすぐにその電話を切ればいいし、メールしたくなければ返事をしなくてもいいわけだし、参加型ゲームとかならゲーム終了ボタンを押せば、いつでも抜け出せるわけだから、安全度が桁違いに高いでしょう?」
「なるほど、それはまあそうだね。でも自給自足っていっても一体食べ物とかはどうやって自給自足するんだい?」
「そうね、例えば、室内植物栽培システムを組み込めばいいんじゃないかしら。プランクトンや菌類なんかを利用する手もあるし、人工光合成システムなんかで元素から必要な食べ物を合成するシステムなんかを組み込めばいいわね」
「そんなシステムあるのかい?」
「これから創ればいいじゃない。それか、食べなくても生きて行けるようにするって方法もあるわ」
「それはちょっと無理があるんじゃないかな」
「そんなことないわよ。不自由な世界でも何も食べないで生活できている人間族が一定数いるんだから」
「そんなのは、みんな嫌がるんじゃないかな」
「嫌ならそれを選ばなきゃいいだけだから問題ないでしょう? あくまで選べるオプションって感じ。そもそも他の生命たちの命を奪って食べるから死んじゃうんだから、魂として死にたくなければ、他の生命たちを食べない方がいいのよ」
「でも現状の不自由な世界の人間族たちには難しいんじゃないかい?」
「だから選べるオプションだって言ってるじゃない。選択肢はいろいろあった方がいいでしょう?」
「まあ、あくまで選べる選択肢ということなら、いいかもね」
「そうそう、あくまで選べる選択肢。できるだけたくさんの素敵な選択肢を提供するのよ」
「なるほど、それって図書館という名前になってるけど、本でもたくさん持ち込むのかい?」
「まあ、それでもいいけど、デジタルデータ化すればほとんど無数の本が読めるようになるし、できればさらに進化させて、その個人用快適図書館内で意識を高めて超時空体験図書館にもアクセスできるように意識の修行もできるようにしておくといいわね。
そうなれば、もう自分の意識一つで無限の体験にアクセスできるようになるんだから」
「なるほど、それも選べる選択肢ってわけか」
「そう、それも選べる選択肢にするの」
「でも、それをするためには、それを選べないようにしている障害を取り除かないといけないんじゃないかな」
「そうね、超時空体験図書館様に頼めば取り除いてくれるんじゃないかしら」
「うーん、たぶん、超時空体験図書館様は、資格がある魂にしかその道を開かなと思うけど、それなりには協力はしてくれるかもしれないね」
「不自由な世界がそうした世界改革に本気で前向きなら協力してくれるんじゃないかしら」
「まあ、可能性はあるかもね」
「まあ、それがもしすぐには無理となっても普通に楽しめるシステムを組み込むことはできるはずよ。世界が平和で楽しみに満ちた状態になってゆけば、どんどんと自動的により楽しめる世界への道が開いてゆくものでしょう?」
「まあ、確かに……それはそうだね」
「どう? あたしのアイデアは」
「うーん、どうだろうね、そういう状態になったら、不自由な世界の政治とか経済とかはどうなるの?」
「政治とか経済? そんなもの必要ないじゃないの。だって、みんな自給自足できて必要十分に楽しめるようになっていたら、他に何かやらなきゃいけないことってある?」
「いや、そんなことになったら失業者がたくさん出てしまうんじゃない?」
「いいじゃない。みんなで仲良く失業すれば」
「いいの?」
「だって誰も生活に困らないんだから」
「嫌がる人もいるんじゃないかな」
「嫌なら他の誰かの迷惑にならない範囲でやりたい仕事をすればいいのよ。つまり、仕事をしてもしなくてもいいわけよ。それで何か問題ある?」
「うーん、そう言われると問題らしき問題が見つからないなあ……」
「そうでしょう? どうしても政治ゲームがしたければ、政治ゲーム好きが集まって演劇部つくって政治ゲームすればいいんだし……経済ゲームもしたければ演劇やゲームでできるでしょう?なんだってつまりしたければそれなりにできるのよ、やらなきゃいけないお仕事がなくなるんだから、みんな暇になるんだから」
「ああ、つまり、みんなで失業して大いに自由に遊べってことか」
「そうよ、そうでなきゃ、つまらないでしょう? リアルな戦争だとか、経済恐慌だとか、パンデミックだとか、絶対必要ないじゃない」
「でも、その完全自給自足型の快適生活図書館って、一体、誰が創るんだい?」
「それは不自由な世界の全員で造ってしまうのよ。不自由な世界中の国や会社や自治体や個人や神や悪魔やその他の霊的存在族たちや宇宙人族たちが全員で目指せばこの程度のことは簡単に実現するわよ」
「そのみんなで協力してっていうのが難しいのが不自由な世界なんだけどな……」
「だから、これは不自由な世界の魂たちの試験なのよ。自力でなんとかできないわけじゃないってこと。やる気になればできるわけ、できないことじゃないってことね、本気でやればできるわけ」
「じゃあ、僕たちは何もしなくてもいいの?」
「だってあたしたちは、現状の不自由な世界を消して、もっともっと自由な世界にしてしまいたいわけでしょう? だから不自由な世界の魂たちの大半が現状の不自由な世界の存続を願っている間は、とりあえず自力でがんばってもらうのがいいんじゃないかしら」
「自力でって言ってもねえ……実質、不自由な世界は倫理的に問題ある創造主や支配者たちがやりたい放題できるようにされてしまっているからなあ……」
「だから、その不自由な世界の創造主や支配者たちの試験なのよ。その試験に不合格なら自業自得学園送りって話だったわよね。
まあ、このあたしの提案以外の良い選択肢がないというわけじゃないと思うけど、少なくともあなたの言っていたイメージに近い状態にはしなきゃいけないわよね。
あたしは、ただ、そのイメージに近い世界を実現化できる提案を試しにしてみただけよ。
つまり、やる気さえあれば、そして実行すれば、ぜんぜん不可能じゃないってこと」
「それはまあそうだけど、やる気になるかなあ……」
「不自由な世界が消えるかどうか、自業自得学園送りになるかどうか……という話だもの……やる気にならなければ、自業自得世界送りなんだから改心する者も少しはいるはずよ」
「少しじゃダメなんじゃないかい?」
「いいのよ。少しでも改心する魂がいれば、その魂は救われるんだから」
「それってすでに自力改革が無理だって思ってるってこと?」
「そうじゃないわよ。確かに可能性は低いけど、知性と自由意志はちゃんとあるんだから、あとはやるかやらないか、世界改革するぞという断固たる意志を持てるかどうかね」
「でも自力任せでほっといたら失敗しそうな気がするなあ……」
「その時は、不自由な世界の不自由なシステムごと消せばいいのよ。この試験はそのための必要手続きでもあるわけよ」
「それって手助けしたらダメってことかい?」
「そんなことはないわ。でも中途半端に手助けすると、ずるずると被害者や犠牲者が生まれ続けることになりかねないからそうならないような手助けをすべきじゃないかしらね」
「なかなか匙加減が微妙だなあ……」
「それはしょうがないじゃない。不自由な世界の魂たちの意志や気持ち次第で手助けすべき最善の匙加減の程度が変わってしまうんだから」
「なるほど……世界改革を実行する気が全くない者に下手に手助けをするのは逆効果になったりするわけか……」
「そうね、例えば体験の自治権をあらゆる魂に提供する気がまったくなくて、むしろあらゆる魂の体験の自治権を無理やり奪ってやろうと確信犯で断固意志しているような魂たちを助けたりすれば逆効果どころの話じゃなくて、わたしたちも犯罪行為の加担者になりかねないってことね」
「いやだなあ……僕らはともかくまだ未熟な甘太郎ジュニアたちは、誰にでも甘いから、騙されてその加担者になりかねないなあ……」
「そうね、だから不自由な世界は自力改革試験期間中は、あまり無理しないで超時空体験図書館様や超時空聖体様たちにお任せしておいた方がいいわ」
経験豊富な甘太郎の分身体たちは、そんな話をしたりしていた。
「いや、だからその新世界のイメージをだね……」
「ちょっと脱線しすぎ!」
「いいじゃない、いいじゃない、別に脱線しても」
「でも目標から外れてゆくとそれだけ目標の実現が遠ざかるでしょ」
「別に外れてないんじゃない?」
「そうかしら」
「だってイメージは大事でしょう? イメージできなきゃ実現化できないもの」
「それは甘太郎親分がしてくれるでしょうに」
「そんなことないわよ。親分だけに頼らずにできるだけみんながイメージした方が実現しやすくなるんだから」
「はいはいわかりました。でも不自由な世界では、ただイメージするだけでは実現化しないわよ。たくさんの魂が一生懸命に世界平和を願って祈り続けても実現化しないんだから」
「それはただお願いして祈るだけだからでしょう? 不自由な世界を不自由たらしめている不自由な世界の創造主や支配者たちに祈ってお願いしてもそれだけじゃ実現しないってだけでしょう?
わたしが言ってるのは、お願いするとか祈るとかじゃなくて、明確に自分の意志をもって実現化を目指してイメージするってことなの。
お願いじゃないんだから」
「わかってるわよ。それくらい。でも不自由な世界の魂たちのほとんどは、具体的にどうすべきかということをしっかり言わないと実行しないわよ。
イメージするだけでいいと言えば、本当にただイメージするだけで終わっちゃうわよ」
「そうねえ……意志の使い方をちゃんと教えてもらえていないからねえ……」
「でしょう? だから、とにかく不自由な世界では、実際に実現化させないとダメなのよ」
「いや、君はそう言うけどさ、その実現化を不自由な世界の支配者たちに妨害されているから実現化しないわけだろう?」
「だから、不自由な世界の支配者たちやその予備軍たちをとりあえず改心させるか無力化しなきゃ実現化させれないじゃない」
「そういうのはみんな自業自得学園送りにするってことになったんじゃなかった?」
「まあ、そうだけど、それは不自由な世界がもはや自力で世界改革できない場合の話でしょう? つまり現状の不自由な世界を実質消滅させる場合の話でしょう?」
現状の不自由な世界のまま世界改革するためには、どうしても具体的な改革成功という結果が必要なのよ」
「つまり現状の不自由な世界を継続する場合は、改革された世界をイメージするだけでは不十分で、改革成功の結果がどうしても必要だというわけか……」
「そうよ」
「世界改革のイメージはできました。でも、改革成功結果は伴いませんでした……では、ダメでしょう?」
「それはまあ、そうだけど……じゃあ、具体的にどんな世界改革結果を実現化させればいいんだい?」
「そうねえ……
例えば、人間族の場合で言えば、完全自給自足型の個人用快適図書館 みたいなのをすべての人間族に提供すれがいいんじゃないかしら?」
「なんだい、その完全自給自足型の個人用快適図書館ってのは?」
「ほら、さっきあんたが言っていたイメージを不自由な世界に具体化させるわけよ」
「具体的にはどんなものなの?」
「そうねえ、端的に言えば、無数の娯楽が楽しめて快適に生活し続けることができる個人用の宇宙船って感じね」
「それはまた、大きく出たね。現状の不自由な世界では、いきなりその実現化はハードルが高いんじゃないかな」
「そんなことないわよ。別にすぐに宇宙に出ていかなくてもいいんだから。ただ宇宙生活も可能な仕様ってだけで、それなら地上でも地下でも水中でも空中でも生活できちゃうでしょう?」
「なるほど……地上とか地下とか程度でいいのならハードルはぐっと低くなるね」
「でしょう? とにかくそこに入れば、外に出なくてもずっと自給自足生活ができて一人でも楽しみ続けれる快適生活システムって感じ」
「ふーん、でも一人っきりじゃあ、さびしくなるんじゃないかな」
「そうね、だからその個人用快適図書館には、他の個人用快適図書館と相手との心からの合意ができれば自由に交流できるようにしておくのよ」
「どうやって交流するの?」
「ほら、それはいろいろ可能でしょう? 電話もできるし、メールもできるし、テレビ電話なんかもできるし、参加型のゲームなんかもできるし、相手と気が合えばどこかで直接出会うこともできるようにしておけばいいのよ」
「まあ、可能かどうかと言えば、可能だろうね」
「であれば、別にさびしくなったりしないでしょう?」
「まあ、他の人との合意が成立した場合は直接会うことも自由にできるのなら、問題ないかもなあ」
「そうそう、あくまで心からの合意が成立した場合だけ直接会うことができるわけ。そうすると犯罪事件とかがほとんどなくなるのよ。
それに、その個人用快適図書館に入っているうちは、他者にリアルで悪いことができないわけでしょう?悪いことする相手がいないんだから」
「それは確かにそうだね。でも電話やメールやゲームで悪口言ったりすることはできそうだよね」
「そんなの電話なら嫌になればすぐにその電話を切ればいいし、メールしたくなければ返事をしなくてもいいわけだし、参加型ゲームとかならゲーム終了ボタンを押せば、いつでも抜け出せるわけだから、安全度が桁違いに高いでしょう?」
「なるほど、それはまあそうだね。でも自給自足っていっても一体食べ物とかはどうやって自給自足するんだい?」
「そうね、例えば、室内植物栽培システムを組み込めばいいんじゃないかしら。プランクトンや菌類なんかを利用する手もあるし、人工光合成システムなんかで元素から必要な食べ物を合成するシステムなんかを組み込めばいいわね」
「そんなシステムあるのかい?」
「これから創ればいいじゃない。それか、食べなくても生きて行けるようにするって方法もあるわ」
「それはちょっと無理があるんじゃないかな」
「そんなことないわよ。不自由な世界でも何も食べないで生活できている人間族が一定数いるんだから」
「そんなのは、みんな嫌がるんじゃないかな」
「嫌ならそれを選ばなきゃいいだけだから問題ないでしょう? あくまで選べるオプションって感じ。そもそも他の生命たちの命を奪って食べるから死んじゃうんだから、魂として死にたくなければ、他の生命たちを食べない方がいいのよ」
「でも現状の不自由な世界の人間族たちには難しいんじゃないかい?」
「だから選べるオプションだって言ってるじゃない。選択肢はいろいろあった方がいいでしょう?」
「まあ、あくまで選べる選択肢ということなら、いいかもね」
「そうそう、あくまで選べる選択肢。できるだけたくさんの素敵な選択肢を提供するのよ」
「なるほど、それって図書館という名前になってるけど、本でもたくさん持ち込むのかい?」
「まあ、それでもいいけど、デジタルデータ化すればほとんど無数の本が読めるようになるし、できればさらに進化させて、その個人用快適図書館内で意識を高めて超時空体験図書館にもアクセスできるように意識の修行もできるようにしておくといいわね。
そうなれば、もう自分の意識一つで無限の体験にアクセスできるようになるんだから」
「なるほど、それも選べる選択肢ってわけか」
「そう、それも選べる選択肢にするの」
「でも、それをするためには、それを選べないようにしている障害を取り除かないといけないんじゃないかな」
「そうね、超時空体験図書館様に頼めば取り除いてくれるんじゃないかしら」
「うーん、たぶん、超時空体験図書館様は、資格がある魂にしかその道を開かなと思うけど、それなりには協力はしてくれるかもしれないね」
「不自由な世界がそうした世界改革に本気で前向きなら協力してくれるんじゃないかしら」
「まあ、可能性はあるかもね」
「まあ、それがもしすぐには無理となっても普通に楽しめるシステムを組み込むことはできるはずよ。世界が平和で楽しみに満ちた状態になってゆけば、どんどんと自動的により楽しめる世界への道が開いてゆくものでしょう?」
「まあ、確かに……それはそうだね」
「どう? あたしのアイデアは」
「うーん、どうだろうね、そういう状態になったら、不自由な世界の政治とか経済とかはどうなるの?」
「政治とか経済? そんなもの必要ないじゃないの。だって、みんな自給自足できて必要十分に楽しめるようになっていたら、他に何かやらなきゃいけないことってある?」
「いや、そんなことになったら失業者がたくさん出てしまうんじゃない?」
「いいじゃない。みんなで仲良く失業すれば」
「いいの?」
「だって誰も生活に困らないんだから」
「嫌がる人もいるんじゃないかな」
「嫌なら他の誰かの迷惑にならない範囲でやりたい仕事をすればいいのよ。つまり、仕事をしてもしなくてもいいわけよ。それで何か問題ある?」
「うーん、そう言われると問題らしき問題が見つからないなあ……」
「そうでしょう? どうしても政治ゲームがしたければ、政治ゲーム好きが集まって演劇部つくって政治ゲームすればいいんだし……経済ゲームもしたければ演劇やゲームでできるでしょう?なんだってつまりしたければそれなりにできるのよ、やらなきゃいけないお仕事がなくなるんだから、みんな暇になるんだから」
「ああ、つまり、みんなで失業して大いに自由に遊べってことか」
「そうよ、そうでなきゃ、つまらないでしょう? リアルな戦争だとか、経済恐慌だとか、パンデミックだとか、絶対必要ないじゃない」
「でも、その完全自給自足型の快適生活図書館って、一体、誰が創るんだい?」
「それは不自由な世界の全員で造ってしまうのよ。不自由な世界中の国や会社や自治体や個人や神や悪魔やその他の霊的存在族たちや宇宙人族たちが全員で目指せばこの程度のことは簡単に実現するわよ」
「そのみんなで協力してっていうのが難しいのが不自由な世界なんだけどな……」
「だから、これは不自由な世界の魂たちの試験なのよ。自力でなんとかできないわけじゃないってこと。やる気になればできるわけ、できないことじゃないってことね、本気でやればできるわけ」
「じゃあ、僕たちは何もしなくてもいいの?」
「だってあたしたちは、現状の不自由な世界を消して、もっともっと自由な世界にしてしまいたいわけでしょう? だから不自由な世界の魂たちの大半が現状の不自由な世界の存続を願っている間は、とりあえず自力でがんばってもらうのがいいんじゃないかしら」
「自力でって言ってもねえ……実質、不自由な世界は倫理的に問題ある創造主や支配者たちがやりたい放題できるようにされてしまっているからなあ……」
「だから、その不自由な世界の創造主や支配者たちの試験なのよ。その試験に不合格なら自業自得学園送りって話だったわよね。
まあ、このあたしの提案以外の良い選択肢がないというわけじゃないと思うけど、少なくともあなたの言っていたイメージに近い状態にはしなきゃいけないわよね。
あたしは、ただ、そのイメージに近い世界を実現化できる提案を試しにしてみただけよ。
つまり、やる気さえあれば、そして実行すれば、ぜんぜん不可能じゃないってこと」
「それはまあそうだけど、やる気になるかなあ……」
「不自由な世界が消えるかどうか、自業自得学園送りになるかどうか……という話だもの……やる気にならなければ、自業自得世界送りなんだから改心する者も少しはいるはずよ」
「少しじゃダメなんじゃないかい?」
「いいのよ。少しでも改心する魂がいれば、その魂は救われるんだから」
「それってすでに自力改革が無理だって思ってるってこと?」
「そうじゃないわよ。確かに可能性は低いけど、知性と自由意志はちゃんとあるんだから、あとはやるかやらないか、世界改革するぞという断固たる意志を持てるかどうかね」
「でも自力任せでほっといたら失敗しそうな気がするなあ……」
「その時は、不自由な世界の不自由なシステムごと消せばいいのよ。この試験はそのための必要手続きでもあるわけよ」
「それって手助けしたらダメってことかい?」
「そんなことはないわ。でも中途半端に手助けすると、ずるずると被害者や犠牲者が生まれ続けることになりかねないからそうならないような手助けをすべきじゃないかしらね」
「なかなか匙加減が微妙だなあ……」
「それはしょうがないじゃない。不自由な世界の魂たちの意志や気持ち次第で手助けすべき最善の匙加減の程度が変わってしまうんだから」
「なるほど……世界改革を実行する気が全くない者に下手に手助けをするのは逆効果になったりするわけか……」
「そうね、例えば体験の自治権をあらゆる魂に提供する気がまったくなくて、むしろあらゆる魂の体験の自治権を無理やり奪ってやろうと確信犯で断固意志しているような魂たちを助けたりすれば逆効果どころの話じゃなくて、わたしたちも犯罪行為の加担者になりかねないってことね」
「いやだなあ……僕らはともかくまだ未熟な甘太郎ジュニアたちは、誰にでも甘いから、騙されてその加担者になりかねないなあ……」
「そうね、だから不自由な世界は自力改革試験期間中は、あまり無理しないで超時空体験図書館様や超時空聖体様たちにお任せしておいた方がいいわ」
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