理想世界の創り方

派遣甘太郎軍団

「ムゲンさん、しっかりしてください！」


甘太郎の分身体たちが、ムゲンに呼びかける。


「はあ？　なに、きみたちは？」


「いえ、僕たちは派遣甘太郎軍団です」


「軍団？」


「いえ、まあ軍団というのはちょっとかっこつけて言ってみただけです。劣化してしまったムゲンさんのお世話をするためにやってきました」


「そうなの？　お世話してくれるんだ」


「はい。愛と勇気でお世話します」


「それはすごい」


「とりあえず僕たちが新世界の広報を引き継ぎますから、ムゲンさんは、メモ役と超時空甘太郎さんとの中継役に徹してください！」


「え？」


「え？って、何か問題でも？」


「いや、俺の出番はなくなるの？」


「ですから、そのメモ役と中継役をお願いします」


「まあ、いいか～」


「劣化状態が回復するまで休んでください」


「休んでいいんだ」


「はい。超時空甘太郎さんからそのように指示されました」


「それなら休もうかなあ」


「時のない部屋でゲームとかしててもいいそうです」


「え？メモ役と中継役は？」


「時のない部屋から遠隔でやってくれてもいいそうです」


「在宅ワークでいいってこと？」


「はい。でもいざという時には、僕たちを統合しにきてください」


「いざという時～？　ってどんな時？」


「それは超時空甘太郎親分の依頼があった時です。ムゲンさん」


「それまでは、遊んでていいのか？」


「いえ、休んでいてください」


「いや、休むだけって暇すぎるだろ」


「じゃあ、無理しない範囲で適当に遊んでください」


「それならまあいっかなあ」


こうして超時空甘太郎から派遣された派遣甘太郎軍団が不自由な世界というブラック企業に果敢に挑戦をはじめた。