66 / 141
ろくじゅういち
しおりを挟む
「笑っていいか?」
オレは真顔で聞いてしまった。アルフォンスがイヤな顔をする。
「笑い事じゃないのは、君の方がよく分かってるじゃないか」
アルフォンスは大きなため息を吐いた。
「彼の気持ちに応えたりしたら、僕は攻略対象から悪役令息になってしまうよ」
「応えたりしたら、という言い方から考えると、アルフォンスはその彼を好きなんだ?」
「だから困ってるんだ」
肩を落とすアルフォンスにかける言葉がみつからない。
「実は、将来的には隣国に帰化しようかと思ってる」
爆弾発言に息を呑んだ!
「そ、それこそ国は?いや、家族は知ってるのか?」
「君に言うのが初めてだ」
アルフォンスが項垂れた。
「本気で、全力で逃げてるんだな」
「だからそう言ってるじゃないか!」
顔を赤くして、ぷりぷり怒るアルフォンスが可愛い。
「何がどうしてそんな事になったんだ?」
「王太子の婚約者の相談を受けてるのを見て、最初は怪しんでたんだって。でも、さらに観察してたら親身になってるのが分かって、見方が変わったんだそうだ」
アルフォンスは一旦言葉を切った。言いづらそうに続ける。
「生徒に対して真剣な僕を見てるうちに、自分は特別扱いしてもらいたくなったと言うんだ」
「断罪コースを回避させてあげるなら、そりゃ真剣になるよね」
「それをいい方に誤解されちゃって。彼が自分の成人の誕生日に告白しに来たんだ。4年の間はぐらかしてきたけどもう限界」
アルフォンスがニヤッと笑った。
「隣国へ帰化するのは、戦略的撤退だ」
隣国へアルフォンスが帰化するメリット。彼の今の顔から推察できること。一つ思い当たった。
「隣国は同性婚を認めてたな」
「そう。あの子が本当に本気で僕を欲しいなら・・・。手に入れられるようにしておいてあげる」
悪役令息にはなりたくない。でもあの子のことは好きだ。だから君の国を見にきたと、この国も同性婚を認めてるからねって、色気ダダ漏れの顔で言うアルフォンスを見て、次期宰相最有力候補に同情した。一筋縄ではいかない人を好きになっちゃったねー。うん。その子の健闘を祈って、オレはアルフォンスの頭をぽんぽんした。
オレは真顔で聞いてしまった。アルフォンスがイヤな顔をする。
「笑い事じゃないのは、君の方がよく分かってるじゃないか」
アルフォンスは大きなため息を吐いた。
「彼の気持ちに応えたりしたら、僕は攻略対象から悪役令息になってしまうよ」
「応えたりしたら、という言い方から考えると、アルフォンスはその彼を好きなんだ?」
「だから困ってるんだ」
肩を落とすアルフォンスにかける言葉がみつからない。
「実は、将来的には隣国に帰化しようかと思ってる」
爆弾発言に息を呑んだ!
「そ、それこそ国は?いや、家族は知ってるのか?」
「君に言うのが初めてだ」
アルフォンスが項垂れた。
「本気で、全力で逃げてるんだな」
「だからそう言ってるじゃないか!」
顔を赤くして、ぷりぷり怒るアルフォンスが可愛い。
「何がどうしてそんな事になったんだ?」
「王太子の婚約者の相談を受けてるのを見て、最初は怪しんでたんだって。でも、さらに観察してたら親身になってるのが分かって、見方が変わったんだそうだ」
アルフォンスは一旦言葉を切った。言いづらそうに続ける。
「生徒に対して真剣な僕を見てるうちに、自分は特別扱いしてもらいたくなったと言うんだ」
「断罪コースを回避させてあげるなら、そりゃ真剣になるよね」
「それをいい方に誤解されちゃって。彼が自分の成人の誕生日に告白しに来たんだ。4年の間はぐらかしてきたけどもう限界」
アルフォンスがニヤッと笑った。
「隣国へ帰化するのは、戦略的撤退だ」
隣国へアルフォンスが帰化するメリット。彼の今の顔から推察できること。一つ思い当たった。
「隣国は同性婚を認めてたな」
「そう。あの子が本当に本気で僕を欲しいなら・・・。手に入れられるようにしておいてあげる」
悪役令息にはなりたくない。でもあの子のことは好きだ。だから君の国を見にきたと、この国も同性婚を認めてるからねって、色気ダダ漏れの顔で言うアルフォンスを見て、次期宰相最有力候補に同情した。一筋縄ではいかない人を好きになっちゃったねー。うん。その子の健闘を祈って、オレはアルフォンスの頭をぽんぽんした。
127
あなたにおすすめの小説
悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで
二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。
嫌われ将軍(おっさん)ですがなぜか年下の美形騎士が離してくれない
天岸 あおい
BL
第12回BL大賞・奨励賞を受賞しました(旧タイトル『嫌われ将軍、実は傾国の愛されおっさんでした』)。そして12月に新タイトルで書籍が発売されます。
「ガイ・デオタード将軍、そなたに邪竜討伐の任を与える。我が命を果たすまで、この国に戻ることは許さぬ」
――新王から事実上の追放を受けたガイ。
副官を始め、部下たちも冷ややかな態度。
ずっと感じていたが、自分は嫌われていたのだと悟りながらガイは王命を受け、邪竜討伐の旅に出る。
その際、一人の若き青年エリクがガイのお供を申し出る。
兵を辞めてまで英雄を手伝いたいというエリクに野心があるように感じつつ、ガイはエリクを連れて旅立つ。
エリクの野心も、新王の冷遇も、部下たちの冷ややかさも、すべてはガイへの愛だと知らずに――
筋肉おっさん受け好きに捧げる、実は愛されおっさん冒険譚。
※12/1ごろから書籍化記念の番外編を連載予定。二人と一匹のハイテンションラブな後日談です。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
冷酷無慈悲なラスボス王子はモブの従者を逃がさない
北川晶
BL
冷徹王子に殺されるモブ従者の子供時代に転生したので、死亡回避に奔走するけど、なんでか婚約者になって執着溺愛王子から逃げられない話。
ノワールは四歳のときに乙女ゲーム『花びらを恋の数だけ抱きしめて』の世界に転生したと気づいた。自分の役どころは冷酷無慈悲なラスボス王子ネロディアスの従者。従者になってしまうと十八歳でラスボス王子に殺される運命だ。
四歳である今はまだ従者ではない。
死亡回避のためネロディアスにみつからぬようにしていたが、なぜかうまくいかないし、その上婚約することにもなってしまった??
十八歳で死にたくないので、婚約も従者もごめんです。だけど家の事情で断れない。
こうなったら婚約も従者契約も撤回するよう王子を説得しよう!
そう思ったノワールはなんとか策を練るのだが、ネロディアスは撤回どころかもっと執着してきてーー!?
クールで理論派、ラスボスからなんとか逃げたいモブ従者のノワールと、そんな従者を絶対逃がさない冷酷無慈悲?なラスボス王子ネロディアスの恋愛頭脳戦。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結】義妹(いもうと)を応援してたら、俺が騎士に溺愛されました
未希かずは(Miki)
BL
第13回BL大賞 奨励賞 受賞しました。
皆さまありがとうございます。
「ねえ、私だけを見て」
これは受けを愛しすぎて様子のおかしい攻めのフィンと、攻めが気になる受けエリゼオの恋のお話です。
エリゼオは母の再婚により、義妹(いもうと)ができた。彼には前世の記憶があり、その前世の後悔から、エリゼオは今度こそ義妹を守ると誓う。そこに現れた一人の騎士、フィン。彼は何と、義妹と両想いらしい。まだ付き合えていない義妹とフィンの恋を応援しようとするエリゼオ。けれどフィンの優しさに触れ、気付けば自分がフィンを好きになってしまった。
「この恋、早く諦めなくちゃ……」
本人の思いとはうらはらに、フィンはエリゼオを放っておかない。
この恋、どうなる!? じれキュン転生ファンタジー。ハピエンです。
現在番外編を連載中。
リナルド×ガルディア。王族と近衞騎士の恋。
――忠誠を誓った相手を、愛してはいけないと思っていた。切ない身分差、年の差の恋。恋の自覚は、相手が成人してからになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる