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02 潜入捜査
16 Vesta (差異)
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「私、夕食いらない……」
「ハイドラ」
ファビアと部屋に戻ると、ハイドラが啜り泣いていた。彼女の目からは涙が止まらない。ファビアがそっと隣に座って肩を抱いた。
「どうしたの?」
カッシュに尋ねると、カッシュは黙って部屋を出て、少し離れた壁に腕を組んで寄りかかった。
「ちょっとうつ気味になっちゃったみたいなんだ。ずっと泣いてて……。自分になんてオーナーさえいなかったって」
「そう……。どうしよう、サンドイッチとかクラッカーみたいなものでも持って行こうか? お腹減るよね」
「ヴェスタ、きみって……落ち込んだことないの?」
「えっ! あ、あるよ!」
「落ち込むって言うか……絶望、かな。絶望感」
絶望感。
「もうどん詰まりなんだ。明日を待つことに苦痛しかない。そんな気持ち……」
「カッシュもそんな気持ちになったことあるの?」
カッシュは不思議そうな顔をして俺を見た。
「オーナーから捨てられた時、そんな気持ちにならなかった? 自分にはもう、生きる意味も価値もない。ハイドラはもともとオーナーに大切にされたことがないから……」
ハイドラの話は先日聞いていた。
ハイドラは、レプリカントだけを揃えた風俗店のキャストだった。オーナーは経営母体の法人。目覚めたその日から、プレインストールされた技術で店に立った。
「平気で言うのよね。締まりが悪くなってきたとか、飽きたなとか。ヒューマンのキャストにもそんなこと言うのかしらと思った。ずっと命令口調のやつも多いし」
ある日彼女は「思ってたのと違う」と言われて、初見の客からぼこぼこに殴られた。死ぬかと思うくらいに。這ってなんとか非常ボタンを押すと、入ってきたヒューマンの店員は「お客様、当店のキャストが申し訳ございませんでした」と言った。
どうして? 私は? 何か悪いことをした? 手当すらしてもらえず、「ダメになったら払い下げだな」とだけ言われた。元はとったからいいかな、と。
絶望感。
ファビアが部屋から出てきて、そっとしておきましょう、と言った。3人で食堂に行く。食事が目の前に置かれてからも、二人は進みが悪かった。
「ハイドラ、元気なかったね。大丈夫かな?」
一人早く食べ終わってしまって何となく言うと、ファビアがぎっとこちらを睨んだ。
「……ヴェスタは、なんでそんなに元気なの」
「えっ」
「いつもへらへらして。ほんとに心配してる? 勝手にどこかに行っちゃったりしてさ。何なの? あたしたちと違うつもり?」
「そんな……」
はっとした。そういえば他のみんなが笑った顔をほとんど見ていない。
「おかしい……かな?」
「あんたを見てると、むかつくのよ! あんただって行くところなんかないでしょ! あんたなんか、捨てられた政府払い下げのくせに! 何の価値もないくせに!」
「ファビア」
カッシュがファビアを止めようとしたけど、ファビアはやめなかった。
「いつも、関係ないって顔してさ……。なんでここにいるの……」
「ごめん。そんなつもりじゃ……」
でもそうだったのかも知れない。俺はバルがいるから、どこか他人事のように思っていたのかも知れない。それが気づかないうちに……。
「あんたの代わりなんていくらでもいるんだから! だから捨てられたんでしょ!」
ファビアがぱっと席を立って出て行ってしまった。カッシュが少し迷って、こっちに「ちょっと」と言ってファビアの方を追いかけて行った。
なんだか泣きたくなった。
部屋に戻って自分のブースに入る。カッシュとファビアはまだ帰ってきてなくて、ハイドラのブースには明かりがついていないけど気配はある。
バルが他の人と組むことになったら、というのはずっと漠然と思っていた不安だった。代わりなんかいくらでもいる。それは本当のことだと思う。俺だって四人目なんだから。俺でないとだめだって理由は一つもない……。
今回だって、俺がだめだから一人でやってみろってこの案件が来たのに、結局バルにおんぶに抱っこしている。たぶんバルには、もっとふさわしい人がいると思う……。職場でもきっと、みんなそう思ってる。だからバルにはもっとベテランのバディをあてて、俺には別な仕事をって話になったんだ。
すっかり頭から飛んでいた。バカだ……。こんな風に言われないと気づかないなんて。
「……バル……」
『おーい!』
「!」
『俺のこと忘れてるだろ!』
「ザムザ」
耳の中のビートルが話し始めた。そうだった!
『今のバディは俺なんだからさあ~。定期連絡にしようぜ』
「ごめん」
聞かれてた? 恥ずかしくてかっと体が熱くなる。
『あのね、ヴェスタが今いる場所について調べたよ。どうやら元々はある大企業の保養所だったみたいだね。でも老朽化と、立地が悪すぎて去年手放してる』
「今は誰が持ち主なの?」
『これがね、わからないんだ。登記上はある法人の名義になってるんだけど、これを調べると実態のないペーパーカンパニーなんだね。手続きをしたやつの名前だけわかってる。ブレンダン・コーツ……。ただ、彼も行方不明だ』
「ブレンダン・コーツ……」
『戸籍が見つからなくて。偽名なのか、レプリカントなのか……そっちは? なんかわかった?』
「わからない……。昼間一人になれなくて。夜は夜で怪しまれるかなって」
『持久戦かなあ。まあいいや。焦ってお前に何かあったらバルトロイに殺されるよ』
「……そんなこと、ないよ」
『そうかな? おっかなかったけどなあ~』
「おっかなかった?」
『うん。顔合わせしたときかな? レプリカントで捜査官はスゲーって言ったら……』
「あれはさ。バルはレプリカントの差別が嫌いだから」
『いやー、殺気! ビリッときたね。俺だって別に貶そうとしたわけじゃないんだぜ? なのにさ~』
そう。バルだけは一度も言ったことがない。レプリカントのくせにとも、セクサロイドとも。レプリカント人権保護局の捜査官たちだって、他の人はこっそり俺に言ってくるのに。
セクサロイド。バル専用オナホちゃん。レプリカントのくせに捜査官だなんて、局長と寝たのか? ふと一人になってしまった時に体を触られることもある。だから一人でエレベーターに乗るのは嫌い……。
『バルトロイとは本当に付き合ってないの?』
「う……付き合ってないよ……」
『ふーん? まあいいや。時間あったらさ、一つお願いがあるんだ。個人的な頼みなんだけど……』
「ハイドラ」
ファビアと部屋に戻ると、ハイドラが啜り泣いていた。彼女の目からは涙が止まらない。ファビアがそっと隣に座って肩を抱いた。
「どうしたの?」
カッシュに尋ねると、カッシュは黙って部屋を出て、少し離れた壁に腕を組んで寄りかかった。
「ちょっとうつ気味になっちゃったみたいなんだ。ずっと泣いてて……。自分になんてオーナーさえいなかったって」
「そう……。どうしよう、サンドイッチとかクラッカーみたいなものでも持って行こうか? お腹減るよね」
「ヴェスタ、きみって……落ち込んだことないの?」
「えっ! あ、あるよ!」
「落ち込むって言うか……絶望、かな。絶望感」
絶望感。
「もうどん詰まりなんだ。明日を待つことに苦痛しかない。そんな気持ち……」
「カッシュもそんな気持ちになったことあるの?」
カッシュは不思議そうな顔をして俺を見た。
「オーナーから捨てられた時、そんな気持ちにならなかった? 自分にはもう、生きる意味も価値もない。ハイドラはもともとオーナーに大切にされたことがないから……」
ハイドラの話は先日聞いていた。
ハイドラは、レプリカントだけを揃えた風俗店のキャストだった。オーナーは経営母体の法人。目覚めたその日から、プレインストールされた技術で店に立った。
「平気で言うのよね。締まりが悪くなってきたとか、飽きたなとか。ヒューマンのキャストにもそんなこと言うのかしらと思った。ずっと命令口調のやつも多いし」
ある日彼女は「思ってたのと違う」と言われて、初見の客からぼこぼこに殴られた。死ぬかと思うくらいに。這ってなんとか非常ボタンを押すと、入ってきたヒューマンの店員は「お客様、当店のキャストが申し訳ございませんでした」と言った。
どうして? 私は? 何か悪いことをした? 手当すらしてもらえず、「ダメになったら払い下げだな」とだけ言われた。元はとったからいいかな、と。
絶望感。
ファビアが部屋から出てきて、そっとしておきましょう、と言った。3人で食堂に行く。食事が目の前に置かれてからも、二人は進みが悪かった。
「ハイドラ、元気なかったね。大丈夫かな?」
一人早く食べ終わってしまって何となく言うと、ファビアがぎっとこちらを睨んだ。
「……ヴェスタは、なんでそんなに元気なの」
「えっ」
「いつもへらへらして。ほんとに心配してる? 勝手にどこかに行っちゃったりしてさ。何なの? あたしたちと違うつもり?」
「そんな……」
はっとした。そういえば他のみんなが笑った顔をほとんど見ていない。
「おかしい……かな?」
「あんたを見てると、むかつくのよ! あんただって行くところなんかないでしょ! あんたなんか、捨てられた政府払い下げのくせに! 何の価値もないくせに!」
「ファビア」
カッシュがファビアを止めようとしたけど、ファビアはやめなかった。
「いつも、関係ないって顔してさ……。なんでここにいるの……」
「ごめん。そんなつもりじゃ……」
でもそうだったのかも知れない。俺はバルがいるから、どこか他人事のように思っていたのかも知れない。それが気づかないうちに……。
「あんたの代わりなんていくらでもいるんだから! だから捨てられたんでしょ!」
ファビアがぱっと席を立って出て行ってしまった。カッシュが少し迷って、こっちに「ちょっと」と言ってファビアの方を追いかけて行った。
なんだか泣きたくなった。
部屋に戻って自分のブースに入る。カッシュとファビアはまだ帰ってきてなくて、ハイドラのブースには明かりがついていないけど気配はある。
バルが他の人と組むことになったら、というのはずっと漠然と思っていた不安だった。代わりなんかいくらでもいる。それは本当のことだと思う。俺だって四人目なんだから。俺でないとだめだって理由は一つもない……。
今回だって、俺がだめだから一人でやってみろってこの案件が来たのに、結局バルにおんぶに抱っこしている。たぶんバルには、もっとふさわしい人がいると思う……。職場でもきっと、みんなそう思ってる。だからバルにはもっとベテランのバディをあてて、俺には別な仕事をって話になったんだ。
すっかり頭から飛んでいた。バカだ……。こんな風に言われないと気づかないなんて。
「……バル……」
『おーい!』
「!」
『俺のこと忘れてるだろ!』
「ザムザ」
耳の中のビートルが話し始めた。そうだった!
『今のバディは俺なんだからさあ~。定期連絡にしようぜ』
「ごめん」
聞かれてた? 恥ずかしくてかっと体が熱くなる。
『あのね、ヴェスタが今いる場所について調べたよ。どうやら元々はある大企業の保養所だったみたいだね。でも老朽化と、立地が悪すぎて去年手放してる』
「今は誰が持ち主なの?」
『これがね、わからないんだ。登記上はある法人の名義になってるんだけど、これを調べると実態のないペーパーカンパニーなんだね。手続きをしたやつの名前だけわかってる。ブレンダン・コーツ……。ただ、彼も行方不明だ』
「ブレンダン・コーツ……」
『戸籍が見つからなくて。偽名なのか、レプリカントなのか……そっちは? なんかわかった?』
「わからない……。昼間一人になれなくて。夜は夜で怪しまれるかなって」
『持久戦かなあ。まあいいや。焦ってお前に何かあったらバルトロイに殺されるよ』
「……そんなこと、ないよ」
『そうかな? おっかなかったけどなあ~』
「おっかなかった?」
『うん。顔合わせしたときかな? レプリカントで捜査官はスゲーって言ったら……』
「あれはさ。バルはレプリカントの差別が嫌いだから」
『いやー、殺気! ビリッときたね。俺だって別に貶そうとしたわけじゃないんだぜ? なのにさ~』
そう。バルだけは一度も言ったことがない。レプリカントのくせにとも、セクサロイドとも。レプリカント人権保護局の捜査官たちだって、他の人はこっそり俺に言ってくるのに。
セクサロイド。バル専用オナホちゃん。レプリカントのくせに捜査官だなんて、局長と寝たのか? ふと一人になってしまった時に体を触られることもある。だから一人でエレベーターに乗るのは嫌い……。
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