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三十二話 抱きしめたい
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連日の練習のせいか、セシリオは昼間けだるげにしてることが多くなった。
「今日もセシリオ様が眠たそうにしていらっしゃいますわ」
「やっぱり、ルイ殿下と…」
「下品な妄想はやめなさって!もしかしたら体調を崩されているのかも」
「でも、その…色っぽいですよね。今のセシリオ様…」
「はい…」
そんなクラスメイトの話は意にも介さずにセシリオは窓の外の景色を眺めていた。
ルイのクラスはちょうど体術の授業をしていた。
ルイは目立たないように手を抜いているらしく、わざとクラスメイトに負けたりしている。前までのセシリオなら気づかなかったが毎日ルイの体術を見ている今ならさすがにわかる。
「ずっと、ああして目立たないように生きてきたのかな…」
セシリオはそんなことに気を使ったことはなかった。そもそもセシリオの肩書と容姿では目立たずにはいられない。
でも、それはルイも同じだったはずだ。
ずっと目立たないように気を張って生きるのはどれほど大変なことなんだろう。セシリオにはわからなかった。
「今日、僕のこと見てたんですか?」
その日の練習でルイがそう聞いてきた。
「え?あぁ…はい、体術の授業の時、教室から」
「クラスメイトがあなたが自分たちの体育を見ていると大騒ぎしていました。婚約者の僕もそのばにいたっていうのに…本当にあなたは生徒のお姫様なんですね」
「そんなことないです」
体育ののぞき見なんてはしたないことをしてしまったと今さらながらセシリオは恥ずかしくなった。
「ルイ様はどうして目立たないようにしているんですか。今は僕の婚約者ですし、本気を出してもいいのでは…?」
「…そうですね。でも、敵が多いことには変わりありません。この国にいる限りは気を抜けない」
セシリオはルイがかわいそうに思えた。セシリオにだって敵はいる。セシリオの家柄や要旨は多くの者に嫉妬される。でも、セシリオがその人たちに怯えたことはほとんどない。だって、守ってくれる人がいるから。
ルイには、そんな人がいなかったのかもしれないと思うと、小さいころから今までのルイをみんなセシリオが抱きしめてまもってあげたくなった。
「今日も、練習ですね」
「…?はい」
「……いや、僕はいいのですが。でも、急に、しなくなると心配になるといいますか…」
「なにがですか?」
「……なんでもないです」
セシリオはルイの煮え切らない言葉に首を傾げた。
「今日もセシリオ様が眠たそうにしていらっしゃいますわ」
「やっぱり、ルイ殿下と…」
「下品な妄想はやめなさって!もしかしたら体調を崩されているのかも」
「でも、その…色っぽいですよね。今のセシリオ様…」
「はい…」
そんなクラスメイトの話は意にも介さずにセシリオは窓の外の景色を眺めていた。
ルイのクラスはちょうど体術の授業をしていた。
ルイは目立たないように手を抜いているらしく、わざとクラスメイトに負けたりしている。前までのセシリオなら気づかなかったが毎日ルイの体術を見ている今ならさすがにわかる。
「ずっと、ああして目立たないように生きてきたのかな…」
セシリオはそんなことに気を使ったことはなかった。そもそもセシリオの肩書と容姿では目立たずにはいられない。
でも、それはルイも同じだったはずだ。
ずっと目立たないように気を張って生きるのはどれほど大変なことなんだろう。セシリオにはわからなかった。
「今日、僕のこと見てたんですか?」
その日の練習でルイがそう聞いてきた。
「え?あぁ…はい、体術の授業の時、教室から」
「クラスメイトがあなたが自分たちの体育を見ていると大騒ぎしていました。婚約者の僕もそのばにいたっていうのに…本当にあなたは生徒のお姫様なんですね」
「そんなことないです」
体育ののぞき見なんてはしたないことをしてしまったと今さらながらセシリオは恥ずかしくなった。
「ルイ様はどうして目立たないようにしているんですか。今は僕の婚約者ですし、本気を出してもいいのでは…?」
「…そうですね。でも、敵が多いことには変わりありません。この国にいる限りは気を抜けない」
セシリオはルイがかわいそうに思えた。セシリオにだって敵はいる。セシリオの家柄や要旨は多くの者に嫉妬される。でも、セシリオがその人たちに怯えたことはほとんどない。だって、守ってくれる人がいるから。
ルイには、そんな人がいなかったのかもしれないと思うと、小さいころから今までのルイをみんなセシリオが抱きしめてまもってあげたくなった。
「今日も、練習ですね」
「…?はい」
「……いや、僕はいいのですが。でも、急に、しなくなると心配になるといいますか…」
「なにがですか?」
「……なんでもないです」
セシリオはルイの煮え切らない言葉に首を傾げた。
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