気がつけば彼に抱かれていました

美凪ましろ

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第五部――『おれの、たからもの』

◆1

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 ――ひとは皆。愛を求めて彷徨う生き物だ。


 と彼は思う。荷物受け取り所で荷物を受け取り、ガラス扉のゲートへと足を踏み込む。待合所と受取所を仕切る壁は一面ガラス張りとなっており、トーテムポールみたいな人間集団がこちらから見えている。皆、しゃがんだり中腰になったり、自分の後ろの人間にも飛行機を降りてきた客が見えるようにとの配慮つき。しかも集団は左右二手に別れており、あいだにひと二人程度並んで歩ける、レッドカーペットでも敷けそうなくらいの通路を確保している。客が歩くことを優先する日本人の真面目な気質に彼は薄く笑った。

 おそらくこれらの群衆の殆どは、大切な家族の帰省を待ち望む集団と来た。丈一郎は、彼らの表情のなかに、いまかいまかと待ち構える焦燥。再び家族に会えることへの期待感。その両方を認めた。――かつて羽田空港に妻子を迎えに行ったときの彼と同じく。

 彼は、妻である綾乃を先に行かせた。いつ見ても妻の歩き方は綺麗だ。抱っこひもで我が子を抱っこしている状態でも、さほど、スピードは変わらない。いつも、ゆったりと歩くのだ彼女は。それが。他者の目にまるでオスカー女優の放つ余裕をもってして感じられることに気づいているかは定かではないか。おそらく、否のほうであろう。

 重たい荷物を持ち、綾乃の後ろ姿越しに、いま歩いている降機客用の白い通路の――言うなればレッドカーペットの果て。真正面に、――丈一郎の目は男の姿を認めた。

 社会人ではありえない髪のいろ。黒崎一護を実写化したみたいな、オレンジのブリーチ。……自営業とはいえ、客商売なのだから、支障はないのか。ないらしい。『彼』のことだから。

 やや小柄なのを気にしてか、ふんぞり返るように腕を組んでいて。目は――割りと大きい。愛くるしい小動物みたいだ。

 だがその言動は小動物とは程遠い。いくら隠しても隠しきれないのだ。元ヤンの放つ凄みやオーラというものは。

 星を散りばめたような瞳が妹の姿を見つけると――

「あーたんんんん! こっち! こっちやでえええ!」

 ……どう考えても見失うはずなどないのに。立ち位置。髪の色からして……。

 だというのにアピールしまくる健気な兄貴よ。

「ひっさしぶりやなああーたん! さーさ! にぃにぃの胸に飛び込んでおいでー!」

 両手を大きく広げるのだが……。

 ――す。

 と、こころなしか、温度が下がって感じられる。丈一郎は肘に手をやる。能登は寒い。確かに寒い。――が。

 丈一郎の目に映る、綾乃の後ろ姿からは――冷気が感じられる。ひそひそ。ひそひそ。言動や髪の色が目立ちすぎるゆえ、周囲の注目を集めている。そのことに対する、……怒りか。

 おっと。スピードがあがった。

 荷物持ちの丈一郎は慌てて妻の背中を追いかける。――妻は。

 兄の正面に立つや否や、


「だーれがあーたんじゃああ!」


 手痛い一撃を見舞った。――容赦ない。食らう兄貴は自身の右手に倒れ込む。冷たい床に斜め座りしたまま、叩かれたほうの頬を押さえると妹を見上げ、

「……なにすんねや。にぃにぃの胸に飛び込んでこいておれゆーただけや――」

「じゃかあしい!」一蹴。丈一郎が妻の前に回り込んでみると――上気した頬。鼻の穴まで膨らんでいる状態。「兄貴ってば! いい加減にしましね毎回毎回!  もう――にぃにぃなんて呼ぶわけないやろがね兄貴のこと! あとわたしのことは名前で呼びましね!」

「……なこと言わんといてぇま綾乃ぉ」兄貴。涙目。元総長の形無し。「おれさぁ……せぇっかく綾乃が里帰りしてくれたんに、東京ばぁっか行っておってすれ違いで。……んとに。被る時期に展覧会なんてあったんまじで恨むわ。あーたんも優ちゃんも可愛がってあげれんかったん、めっさ後悔しとるねん。やしな……」ここで兄貴は立ちあがり、白い歯を見せて笑う。さー。仕切り直しやで。と。

「あーたん。おっかえりぃー!」

「……飛び込むわけないやろがね。てか話ちゃんと聞きましね。『綾乃』て呼ばんかったら今後一切兄貴と口聞いたげんからね」すい、と兄貴の腕の下をくぐる綾乃。振り返ると丈一郎に目を向け、「わたしら長旅で疲れとるさけさっさと帰らんか? ……兄貴。車で来とんのやろ? ひとり?」

「あったりまえやがいねえ!」――尻尾振って喜ぶ犬のよう。元総長の兄貴が……。「あーたんのためやったらどこへだって迎えに行ったるでえ!」

「……なこたゆうたかて」兄貴相手だと妻がやけにクールに見える。「羽田まで来てくれるんは流石に無理やろ? ……兄貴。できんこと最初からするする言う癖やめましね。みっともないわいね……」

「あっ綾乃ぉー」目をきらきらさせた兄貴が上方を指し、「土産! 土産な! 会社関係に買うてったほうがええやろ! ほら見て見ましね! あっちに売っとるで緑川せんべい! あれおまえごっつ好きやったろー。さーさにぃにぃがいっくらでも買うたるさけ!」

「んなとこで買わんかて。どーせたっかい空港プライスなげし。買うんやったら朝市のほうで……」

「はよしましね!」やや強引な感じで手を引いて妹を連れて行く兄貴。丈一郎はどうしたものか逡巡したのちに、ポジションを変えぬことを決断した。――しばらく二人きりにしておいたほうが良いだろうと。二階へと続くエスカレーターを見上げ、出入り口から吹いてくるやや冷たい風に春の気配を感じ。「はよせんかいね!」「兄貴わたしはよ歩けんが見て分かるやろいね! 空気嫁! うるさすぎて優ちゃん起きてしまうがいね!」「あーたんのほうこそ声大きいわ!」「黙れ兄貴!」「喋れあーたん!」「やから名前で呼べって――」……空気を読んでか眠りこける愛娘は引き続き静寂を保ってくれている様相。飛行機のなかでも静かで助かった。こちらまで響く仲睦まじい兄妹の大きな声を聞きながら彼は思う。


 ――ひとは皆。愛を求めて彷徨う生き物だ。


 と。

 * * *


「さーさ。長旅で疲れとるやろ丈一郎くん。飲んで飲んで……」

「あ。すいません」と酒を注がれ会釈する。この家族に対して妙な気遣いは無用のようで。皆、フランクに接してくれる。丈一郎はその場に見合った自然な態度で応じる。まだ中身の入った瓶ビールを手に取り、「お義父さんのぶんも、注ぎますよ」程度の気遣いはする。

「ああ、ありがとう……」綾乃も兄の康平も母親似のようだ。義父は天皇家っぽい目の細いひとだ。人の良さが人相に出ている。柔和な笑みを丈一郎に返すと、

「早いもんやねえ……。もう六ヶ月なんやなあ……」

「――はい」正直。気がつけば娘は大きくなっていた、その感覚のほうが強い。妊娠も育児も女性の側の仕事だったから。――綾乃に任せきりだったから。その罪悪を打ち消し、義父の言葉を受けて丈一郎は微笑んだ。

 当の優香は座敷の隅っこでおすわりをし、離乳食を与えられている最中。いまは手軽に持ち歩ける離乳食が豊富で便利だ。スプーンでちびちび与える綾乃の目は穏やかで、――従兄はDSに夢中。彼の妹のほうは母親と一緒に赤ちゃんを眺めている様相。……あの年齢でDSを買い与えるべきものか。友達が持ってるから仕方ないのか。自分が親となったときに社会的に物事を見てみると真相はより複雑である。……優ちゃんの場合、どうするよと。

 分からない問題は先送りにする主義である。丈一郎が、義父の語る仕事の話に相槌を打っていると、――庭に面する縁側でぽつねんと携帯をいじっていた義兄が、手招きをする。――丈ちゃん。こっち来いやと。

 丈一郎は義父に声をかけ、義兄のほうへと移動する。……義兄はなにも。流行りのアプリ狂いなどでもツィッターLINE信者でもない。

 ただ単に。

 ……本日撮りまくった姪っ子・優香の画像を眺めてにへにへしているだけの話である――。こういう男のほうこそ子育てに向いているのかもしれない。そう感じざるをえない、丈一郎である。

「へー。これなんかめっさ可愛いっすね」なんだか自分の声が棒読みに感じられる。これなら学芸会で木の枝を演じるほうがましだ。「あっこれなんか今日一番のベストショットじゃないっすか」――さりげなく義兄へのヨイショも忘れない。姪っ子を抱っこする康平の画像。康平も優香もバッチリカメラ目線で、奇跡の一枚だ。――だが。

 なのに。

 ひやり。

 としたものをなにか感じた。背中に、衣類を引っ張って氷でも入れられたかのような。見れば。

 ――義兄の目線。

 淡く、グレーがかったその瞳が丈一郎を見据えている。そこから解き放たれる感情が丈一郎を、刺す。

 笑みを浮かべたまま義兄の口が動く。ロボットみたいだ――と丈一郎は思った。「ほしたら……なんで」

「なんで」たまらず合いの手を入れる丈一郎。

「なんで――

『ああなる』までほうっておいたかんかなあ、――あんたは」

 口許は確かに笑っている。だが。目がまったく笑っていない。

 蛇に睨まれた蛙だ。と、丈一郎は自分のことを思った。

 背中に冷たさがまだ残っている。――殺意。

(これは、殺意だ……!)

 シスコンの義兄が見せる凄みに『当てられる』丈一郎である。歯の根が合わず、かちかちかち……奥歯が震えだす。

 ゆるーり。

 丈一郎を襲った一連の感情を見届け、くはっ、と義兄である康平は顔を背け笑った。「……たく。ションベンちびったような顔しとる」

「義兄(にい)さんが……、脅かすからですよ」涼しい顔でコップを手に取る義兄に続き慌ててビールを喉に流し込む。でなければ自分の人間としての対面を保てそうになかった。そのくらいの――迫力。

 冗談抜きで。

 今後、自分が綾乃を傷つけるようなことがあればこの男は黙っちゃいない――。

 暴力的なまでの妹への愛情、及び執念のようなものを、丈一郎は感じ取ったのであった。

「まーでも」言葉を止め義兄が振り返る。目が、座敷で赤ちゃんを囲み盛り上がる一同へと向けられる。「冗談抜きで。あんさんがあれ以上放っておいたら、ガチで介入しとった。

 ……探偵雇う寸前のところまで行ったわ」

 ……探偵。

 訝しげな顔をする丈一郎に対し、「ほら。あの『家具屋』」と康平が補足を入れる。

「あんたらが仰山家具買うてった石崎(いしざき)鉄大(てった)ってやつな……。あいつな。

 副業で探偵しとるんやで」

 丈一郎は、いまのマンションに引っ越す直前にお世話になった家具屋の営業の顔を思い浮かべてみる。……彼からは『凄み』もなにも感じられなかったのだが。義兄の口ぶりからするに『会』絡みだと考えるのが妥当だ。

 なんせ。彼らが所属していたのは『永迂光愚蓮会』。その名の通り、東(ひがし)工業高校に通う者が中心となって作り上げた不良集団である。――が。綾乃の情報によると。

 弱い者いじめは一切しなかった。規律は厳しく。会のルールを守らない者は年長者であっても皆の前で詫びを入れさせられる――んだったとか。

 なかには小学生や中学生の会員もいたらしいが、年次がうえであれば年下であっても先輩。年功序列の体は取っていても、実力に応じて出世も可能。

 綾乃から得た情報を丈一郎が脳内で展開していると、「だいたいなあ。分かるもんやで」と義兄。

「あーたんのこったぁ、あれ以上にちっさい頃から見とるから、……なんやろな。

 困ったときや行き詰ったとき。――変な話。

 テレパシー、みたいなもんで、……感じられるときがあんねや」

 吸うか? と煙草を差し出す義兄。ゆうに二十畳は超える座敷で煙が赤子に届く距離ではないことを視認のうえ、丈一郎は応じ、

「――やからなあ。

 きょーのあーたんの顔見て、おれぁ……」

 安心、したわいね。

 ゆっくり。

 丈一郎のほうへと顔を傾け義兄は微笑する。「せやから。……『二度と』。

『あんな顔』させたらあかんで自分。……あーたんも優ちゃんも誰もかれもなんもかんもなあ。

 おかんが命がけで産んでくれた……、

 大切な命やねんから……」

「はい……」丈一郎は頷いた。外面もなにも取っ払った、ただひとりのことだけを思う、素直な人間の姿がそこにはあった。なにも――

 理屈など、必要ない。

 感情がただあるだけ――。

「さー。説教はこんくらいにして」にぃっ、と白い歯を見せて義兄は笑う。「丈ちゃん! 飲め! 飲んで飲んで食えや!」

 丈一郎は義兄に酒を注がれやや困った顔をする。「……義兄さん。禁煙始めたって言ってませんでしたっけ……?」

「忘れた!」と義兄は叫ぶ。「んなもん忘れた! 吸いたいときに吸う! 女のあれと同じで!」

 すかさず妹の声が飛ぶ。「兄貴! 下品!」

 かはは、と喉を鳴らし笑う。「おれなあ! あーたんの、そーゆー律儀に突っ込むとこ、ごっつ好っきやねん!」

「兄貴は好きでもわたしは嫌いよ。ばーか」べー、と舌を出す綾乃の姿は……滅多に見られない。

 どうやらこの兄といると様々な感情を表出させられるようで。……年に一回は。最低でも一回は。

 この仲睦まじき兄と妹を会わせてやりたい……。

 丈一郎は煙草に口をつけ、空気を肺に流し込み、滅多に味わえぬ恍惚を味わいつつ……、

 誓いを胸に、立てる。

(二度と、綾乃を傷つけたりしない……)

 ひとは。――ひとりでは生きられない。この世に生を受けた以上は頼るが必然。

 ならば。

 その愛を全身に感じ。誰かに感謝しながら生きていく道を選びたい。――優香にも、そのような道を歩んで欲しい。

 傷つけられたからといって報復するのではなく。

 傷つきを糧にできるような――そんな強い子に育って欲しい、と。

 灰皿に煙草を押しつけた。これでもう充分。コップを手に取ると義兄も同じ行動を選択していた。考えることは同じらしい。さーさ行くで。と義兄は腰を浮かせ、

「優ちゃんいじり倒しまくりの旅(ミステリーツアー)へようこそぉ……今回はスーパーひとしくんで行きます」

 ちょ、兄貴! と綾乃が叫ぶ。「煙草臭いひとは来んといて! 風呂入ってから来ましね!」

「えー……」

「えーでもなんでも駄目なものは駄目やわいね! そもそも同じ部屋で吸うこと自体、ありえんて!」

「せかやらちゃんと換気して距離置いて……」

「風呂! とにかく風呂!」

 綾乃の剣幕に、しゃあないな。と義兄は丈一郎を振り仰ぎ、「ほんなら男同士。連れションならぬ連れ風呂と行きましょか。一緒に入んねやったら野郎よりも女の子のほうが嬉しいんにな。おれ……」

 聞こえないふりを貫く妻と娘。――徹底している。

 義父といえば遠巻きに娘孫集団を眺めちびちびビールを飲んでおり、義母はみんなのために忙しく台所で働いている。座敷に出した大テーブルのうえは能登の刺身を始めとする料理でいっぱい。義兄の妻の里織は綾乃の子育ての悩み相談に乗りながらも嫁として要所要所で席を外し皿を片付けるなど義母の手伝いに回っている。

 いい家族だな。

 と丈一郎は率直に思った。それは――

 互いが互いを思いやる美しい人間の姿。それを目の当たりにし。だからこそ。もっともっと――

(幸せにしてやる)

 風呂に入ったら優香の沐浴をやってやろう。――いや。

(義兄さんにやらせたほうが喜ぶか……?)

 果たして綾乃がYESとNOのどちらを選択するのか。己の内側から湧き上がる感情に身を任せ。人生の楽しみを謳歌しつつ。

 丈一郎は、先を行く義兄の背中へと続いた。

 きっと。綾乃に問いかけたならば彼女はこう応えることだろう。


 ――望むところよ。


 ―完―
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みんなの感想(5件)

はな
2022.01.29 はな

恋人時代も楽しめたけど、産後のリアルが表現されてて良かったと思う。ただ章毎に誰目線か分かると良かった。最後の章も読み進めて、綾乃の兄か…ってなった。中盤に子どもが二人に増えてる話があり、話が前後してちょっと分かりにくかった。

2022.01.30 美凪ましろ

 はなさま
 貴重な感想をありがとうございます!!

 そうですね、仰る通りで、話のタイトルで誰視点か分かる仕掛けにしたほうが分かりやすかったですね。
 産後のリアルについては賛否両論ありますが、ひとまず、楽しんで頂けたようでよかったです♪
 ありがとうございました。

解除
kuro
2021.06.29 kuro

産後の母親像がリアル過ぎて思い出されて泣きました。ほんとそれ。周囲の風潮、ママの態度含めてほんとに相互理解からだと思います。世の中の子育てママ頑張れ。

イデオロギーとか哲学的思想とかも含まれていてとても興味深く読ませて貰いました。いろいろ考えさせられる作品でした。ライト?ノベルだったかなぁ?なんて(笑)他の作品も読んでみたいと思いました!

解除
kuro
2021.06.29 kuro

産後の母親像がリアル過ぎて、思い出されて泣きました。今回は上手く諭されて改心された旦那で良い結果となりましたが、義兄の話通りそのまま悪い結果に繋がることも多い現実に心が痛みました。この話を悩むママ達や無理解な人々に知らせたいです。改善はされてきてますが子育て環境まだまだだし、ママの態度も含めてほんとに相互理解からですね。

それまでの恋愛部分もイデオロギーとか哲学的思想も入ってて興味深く読ませて貰いました。いろいろ考えさせられる作品でライト?ノベルだったかなぁ?と思ったりして(笑)
他の作品も読んでみたいと思いました。もちろんライトなノベルでも!

2021.06.29 美凪ましろ

 お二つくださり、ありがとうございます。こちらに返信させて頂きますね♪
 熱意のこもった感想、ありがとうございます!

 わたしの方針としては、けいちゃんを責める意図はなく。
 ……学校教育とか、環境にも責任はあると思うんですよね。
 少なくとも、わたし世代は、生理用品が配られたのは小学校の高学年で、しかも、男子にバレて恥ずかしい思いをした記憶がありますが。
『馬鹿にする』『恥ずかしい思いをさせられる』現実自体が、ズレていると思うんですよね。
 諸外国は性教育にもっと力入れてますし。
 どっかで語りましたが、フィンランドでは、小学生にコンドーム配って使用方法まで教えるんですよ。
 ……に比べると、日本の、性に対する風潮って、いつまでも古臭くて……歯がゆく思っております。
 母親が不倫したら『子どもはどうすんだ!! 母親失格!!』って責任問われるのに、父親が不倫しても、妻への責任を言及するだけで、『子どもの世話をしていない! 父親失格!!』って観点で責めるひとほぼいないじゃないですか。その点でずれていると。……子育てって母親だけの祐ではないんですがね。理解すすみませんね。

『気がつけば』は、冒頭はよくあるTL小説って感じで、終盤からねじれた一条の実態、けいちゃんの無理解っぷりに、がっかりする読者も多いようなんですが。わたし的には書きたいものを書けたので満足しております。ほほほ。
 何故かアルファのほうでは好評です。

 アルチュセールは、社会科学者の代表格的存在で。その分野を知るひとであれば必ず触れる思想家です。
 この手の恋愛小説に持ち込んだのはわたしが初めてだと思ってますね。
 誇らしく思っております。

 無理解な他者にブチ切れる、被害者感情を持つのは女性として当然……なことではあるんですが。
 それだけではなにも、変わりません。
 あくまで、達観した視点で、社会問題を見つめつつ、では、どうすれば無理解を理解に変換させられるのか? そこに毎回ウェイトを置いて書いているつもりではあるので、伝わっているようで嬉しいです♪

 この度はありがとうございました!!
 (#^^#)

解除

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