(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

「2書」 ミリエネッタ令嬢という女の子は

(6) 優しくしよう

そっーとそっーと入るリミエネッタお嬢様のお部屋。床に撒き散らしたよな星図の紙。昨夜も空を見てらしたのでしょう。


「あの、お嬢様。言いにくいのですが。」


転がり込むよに寝台へダイビングしたと分かる少女が1名。着替えもせずに寝台に乗っておられました。お疲れのとこ、申し訳ありません。


「アレッサンドロクスドニベーチェ王太子様が、廊下にですね。どういたしましょうか？」


本当は、どうしたも、こうしたも無い。何故かというと、あの悪魔付き王太子と対等に付き合えるのはミリエネッタお嬢様だけだから。

王太子の名前を聞いて少女は片足を上げた。左足で蹴飛ばしたつもりなのか。


「ムニャムニャ、アレッサンドロクスドニベーチェのバーカ！」


執事見習いは、驚いて当たりを見回す。なんて事だ、誰かに聞かれたら処刑だぞ。次の王様になる王太子に「バーカ」とは。

声を潜めて注意した。見習い執事の雇い主は、お嬢様ですから。お嬢様が逮捕されたら路頭に迷うしかない。

だが、眠りの中に居るミリエネッタ令嬢は本来の13歳のままなので幼い行動をしているだけなのだ。


「あの、あのですね。お嬢様？婚約者ですので、優しく言い聞かせるとか。」

「馬鹿だから、バカなのじゃ。会いたくないと伝えよ！」


ご説明していませんでしたが、普段はお優しいのに寝起きのお嬢様は人が変わったよに辛辣(しんらつ)なのです。


バキバキバギーン！！


しまった、聞かれたか。目を吊り上げて怒った王太子がドアを破って入って来るではないか。恐ろしい事になった、どうしよう。

それにしても、王太子は地獄耳でおられる。