(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

「2書」 ミリエネッタ令嬢という女の子は

(30) 商品の注文

ミリエネッタ令嬢は、大王へ向けて呪文を唱え出した。震える空気。これは、本気です。慌ててコムが止めに入る。


「止めて下さい、お嬢様。僕が仲良くしますから。大王を消さないで。せっかく、蘇ったのに！」


大王も命乞い。こんな風に簡単に追っ払われては大王としての価値も無いではないか。


「なにゃなにゃー(まだ、孕ませてないぞ！)」


やり残しておるのだ、心残りだ。ミリエネッタ令嬢は、クスリと笑った。


「まあ、無欲な人が欲を持つなんて嬉しい事。じゃ、コムに預けましょう。宜しくね。」


どうして、許す気になったのかは分からないが。ともかく、大王はコムの預かりになひました。









せっかく、助かったのだから仲良くして長生きしてもらわないと。仲良くするには、どうしたら？


(やっぱり、孕ませるって事なのかな？)


そんなに、やりたいのなら協力して仲良くかろう。問題は。


「どうすれば、出来るの？(子供には理解不能)」

「なにゃなにゃ(孕ませたいと思った事が無かったからな)」


事を為すには、生身の身体が必要。大王の身体は魔力で造られた物なので代わりが必要。そうだ、便利な魔法ネットサービスがあるではないか。

通販は普通の買い物と同じと2人は考えていた。だが、事は簡単では無かったのだ。


「こんにちは、ゴメス商会です。お買い上げの商品をお持ちしました。商品の取り扱い説明をさせて頂きます。」


そう言ってミリエネッタ令嬢に面会を求める若い女。何でも、都にあるゴメス商会支部の所長なのだそうだ。

コム、慌てる。そうだろう、お嬢様には内緒の買い物だから。注文したばかりなのに、翌日に配達するなんて。早すぎる！