(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

(8) 好きなのを選びなさい

コムの目の前に侍女の手で書類袋が置かれた。。侍女は何か言いたげに笑顔で見る。目が期待にキラキラ。何だ、面白い事なのか。


(これは、お嬢様の召使い達が知ってるな。噂が好きだからー。)


ミリエネッタ令嬢は、ニッコリとした。


「それは、私が選んだ。お前の花嫁候補の令嬢達なのよーん♪」


何と、コムの結婚相手だと？そんな事、考えてもみなかった少年。まだ、16歳だから家族を養っていけないし。


「お嬢様、気持ちは嬉しいのですが。僕は結婚しても養えないしー。」

「大丈夫だ、心配するな。私が養ってやるから。子供ができても同じ。私が養ってやるから。こう見えても、金持ちなのだ！(自慢)」


あなたがお金持ちなのは、都中の人間なら知ってます。そういう事じゃなくて。


「私がコムの為に選んだ姫達だ。よく見て決めれば良い。」


よく見てと言われても、困ります。奴隷なんだから、主人の命令で相手を見つける事は分かってます。繁殖の為にですけど。

ミリエネッタ令嬢は、取り出した小さなケースから魔石を取り出す。


「これは、ジュリエッタ・ハベロ子爵令嬢だ。ゴメス商会に魔道具で写すように頼んでおいた物だ。」


魔道具に写すとは？絵に写したのでしょうか？ミリエネッタ令嬢がテーブルに置いた魔石に手を置くと。絨毯の上に愛らしい令嬢が立ち上がる。


『初めまして、マリエネッタでございますーだー。』


コムは、目をパチパチ。どういう事だろう、ここに居るよ。お嬢様が、僕のお見合い相手とか言ってるよ。魔法で呼び出すなら言って下さい。

胸、ドキドキ～～ですよ！