(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

「3」 ムスタカス家の子息

(12) こちらも始まってます

ミリエネッタ令嬢に注意されたので、庭師から手に入れた花束を手に顔を出すコム１５歳。


「この花も、貴女の美しさには負けます！(棒読み)」


事務室で一緒に仕事をしている社員達がクスクスと笑う。マルグリットは恥ずかしくなって花束をモギ取った。

マニュアル本の台詞の丸暗記。大根役者。何だか、イラッとします。だから、強張った笑顔で礼を言った。


「ま、ありがとうございます。嬉しいです、わ！(嬉しいわけ無いでしょ)」


まるで、子供の世話をしてる気分。私の元婚約者は、それは上手でしたの。家が倒産したら婚約破棄されましたけど。


「マルグリットお嬢様ー！(読み上げ)お仕事の後に町に出かけま、せんか。僕は、偽い大ダコの入った特大タコ焼き、が、好きっ！」


よりによって、大きな口を開けないと食べれない大ダコ焼きですって。冗談では済ませられません。大きな口を開けてたと貴族界で笑い話にされてしまいますわ。


「そうですの。残念ですわ、残業ですのよ。お１人で行ってらして。」

「はーい(撃沈)」


ショボーンと少年はミリエネッタ令嬢のもとへ行く。


「お嬢様、ご命令通りにやりました。けどう。」

「けどう？」

「僕、好かれてないみたいだから。」

「好かれてない？そうなのですか、へー。」


私の可愛いコム。大王の生まれ変わり。虐めたら承知しません！