(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

茶ティム

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「3」 ムスタカス家の子息

(22) 思い出したぞ

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他人の幸せを望まない者が居るのが人間社会。当然、今夜も波乱の兆し。

効率を重視するミリエネッタ令嬢は招待した僅かな客達の為に料理を外部へ発注した。その料理が馬車で運び込まれて来る。


「式場は、こちらでございます。此方へ料理を。」


召使いは案内している途中で倒れ伏す。運んで来た料理1つの出した魔道具で魔法を掛けられたからだ。立ったまま石になる。


「目的地は、あちらだ。行くぞ!」


彼らは持って来た料理の皿を放り出し集まるとミリエネッタ令嬢の執務室へと走り出す。誰かに依頼された刺客だったのだ。

何時ものようにマイペースでやっていくミリエネッタ令嬢のお仕事。たった14歳で5、6人分もの働きぶり。部下を増やしても片付けるのが大変。


「ミリエネッタ令嬢、御覚悟されよ!」


そう喚きながら押し入って来る族。部下達は慣れたもので自分の机の脱出シュートのボタンを押す。


ガタンガタン、シュッー!


あっという間にに、執務室にはミリエネッタ令嬢が1人。これは、ミリエネッタ自身で考えた非難マニュアル。すでに、ミリエネッタ令嬢も脱出した後。


「卑怯だぞ、逃げるとは!」


ミリエネッタ令嬢の身代わり人形を腹を立てて殴り付けても遅い。反対に人形が眠りガスを放射。大勢で来て逃げおおせたのは数人。無駄な犯行だった。

逃げる犯人をイーグルが追いかけて魔法爆弾を投げつけられ、爆風に飛ばされて失神。後は怪我人も無く終了。


「我が家の宝だぞ、息子は!」


子息を溺愛するムスタカス氏は、少し頭を打っただけなのに死ぬの生きるのと大騒ぎ。イーグルは、直ぐに意識を取り戻して叫んだ。


「思い出した、呪いを掛けられた時の事を。あいつのせいだ!」


あいつとは?皆んなが戸惑うが、本人は悔しがるばかり。


「あの時、あんな事を!」


呪いを掛けられた衝撃で混乱していた頭が、爆風に打ちつけられて正常化。甦る声。



『ぐずぐずしないで。男なら、行ってらっしゃいませな!』


1年前、悪質な魔法使いを退治に行った時の事。討伐隊にミリエネッタ令嬢も参加していた。口と態度の大きい金持ちの子息に癇癪を起こして行動した少女。


ボコッーー!(メガヒット)


あろう事か、皆んなが丁重に扱うイーグルの尻を蹴飛ばして魔法使いの前に行かせてしまったのだ。

おかげ様で1番に魔法使いから海坊主の呪いを受けてしまいました。全部、ミリエネッタ令嬢のせいです。


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