(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

「4」新しい国の作り方

(6) お嬢様の偽い者

王城へ参列した貴族達の前で王は宣言した。


「この度、新しい国が誕生した。「暁の零時(あかつきのれいじ)」という名前の国である。我が王太子の婚約者であるミリエネッタ令嬢が顧問を勤めるそうだ。皆の者も、宜しく頼むぞ！」


コムは、教わった通りに王の隣りへ進み出て優雅に挨拶をした。黄金の長い髪は王冠のよに結い上げられ美貌を引き立てている。男も女も見惚れてしまった。

王は、賓客を呼び出した。


「聖女ヘレナデレアール様、新しい王へ祝福を下さらぬか。このように、年若いゆえ女神の守護を。」


ゴテゴテと飾り立てた趣味の悪い女が進み出て来る。そして、声を張り上げて言うのだ。


「そうでございます。見る処、若い。何かに取り憑かれるかもしれません。我が家は、史上最強魔女の女帝ベルナデアールの子孫。受け継いできた神聖な力で特別な守護で御守り致します！」


と並べたてて、うんチャラ、でっチャラ、ドスコイと踊りになられました。その踊りの最中、持ってる団扇でバシバシとコムを叩く。


「厄落としでございます。ありがたく、お受けなさいー！」


一同、感心して鑑賞。1人、ミリエネッタ令嬢だけは、目が怒りに燃え上がっていたのでした。後で、どーなっても知りません。怒らせるから。