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出会い
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「知らない天井だわ」
定番の一言を口にして私はゆっくり体を起こして伸びをし、ユリアの記憶にはあるから『知ってる天井』だったなと思い直す。
それからサイドテーブルに置かれた水差しからコップに水を注ぐと、手を翳しほどよく冷やした。
冷たい水のおかげで、ぼんやりしていた頭がしゃっきりと整う。
「魔法って便利!」
窓の外はすっかり明るい。
私は今日の予定を確認しようと、水差しの横のベルを振った。
「おはようございます、ユリア様」
「お、おはようございます」
扉を開けて、スッとジョンが現れる。その隣をおっかなびっくりワゴンを押しながらアレクが着いてきて挨拶をした。ワゴンの上の桶で洗顔用の水が跳ねているのを彼は困った顔で見ている。
「大丈夫ですよ、アレク。ユリア様はそのくらいの事でお怒りにはなりません」
どうフォローしようかと考えている間に、ジョンが彼に言葉をかけてくれる。
さすがジョン! 私は鷹揚に頷いて、アレクに顔を向けた。
「すっかり、綺麗になったわね」
くすんでいた髪は、部屋に差し込む陽の光を受けてキラキラと光っているし、食事と睡眠で少しは落ち着いたのか、暗い色が消えた瞳は透き通るようなまさにアイスブルー。
大人用のサイズ小さめの侍従服を袖や裾をなんとか捲って着込んでいるが、きちんと整えたアレクは、多少おどおどとしている所を除けば、どこに出しても恥ずかしくないまさに『美少年』だった。
さすが主人公だなあと眺めていると、おずおずとアレクが進み出てくる。
「あの、ありがとう、ございます」
アレクが、がばりと頭を下げる姿に、私はできるかぎり優しく微笑んだ。……多分、冷笑に見えるだろうけど。
案の定、ちょっとアレクは怯えた顔になって、それから頭を振ってまっすぐ私を見る。
「ユリア様のおかげで、手足ももう痛くないです」
「よかったわ、ではせいぜい働いて返してもらうわよ」
「はい!」
素直な返事。
さて、そうは言ったものの、元々の世界の感覚があると子供を働かせるっていうのも、ちょっと抵抗が……。でもユリアの記憶にあるこの世界では、ある程度の年齢になれば、働くのは当然の事だし。
定番の一言を口にして私はゆっくり体を起こして伸びをし、ユリアの記憶にはあるから『知ってる天井』だったなと思い直す。
それからサイドテーブルに置かれた水差しからコップに水を注ぐと、手を翳しほどよく冷やした。
冷たい水のおかげで、ぼんやりしていた頭がしゃっきりと整う。
「魔法って便利!」
窓の外はすっかり明るい。
私は今日の予定を確認しようと、水差しの横のベルを振った。
「おはようございます、ユリア様」
「お、おはようございます」
扉を開けて、スッとジョンが現れる。その隣をおっかなびっくりワゴンを押しながらアレクが着いてきて挨拶をした。ワゴンの上の桶で洗顔用の水が跳ねているのを彼は困った顔で見ている。
「大丈夫ですよ、アレク。ユリア様はそのくらいの事でお怒りにはなりません」
どうフォローしようかと考えている間に、ジョンが彼に言葉をかけてくれる。
さすがジョン! 私は鷹揚に頷いて、アレクに顔を向けた。
「すっかり、綺麗になったわね」
くすんでいた髪は、部屋に差し込む陽の光を受けてキラキラと光っているし、食事と睡眠で少しは落ち着いたのか、暗い色が消えた瞳は透き通るようなまさにアイスブルー。
大人用のサイズ小さめの侍従服を袖や裾をなんとか捲って着込んでいるが、きちんと整えたアレクは、多少おどおどとしている所を除けば、どこに出しても恥ずかしくないまさに『美少年』だった。
さすが主人公だなあと眺めていると、おずおずとアレクが進み出てくる。
「あの、ありがとう、ございます」
アレクが、がばりと頭を下げる姿に、私はできるかぎり優しく微笑んだ。……多分、冷笑に見えるだろうけど。
案の定、ちょっとアレクは怯えた顔になって、それから頭を振ってまっすぐ私を見る。
「ユリア様のおかげで、手足ももう痛くないです」
「よかったわ、ではせいぜい働いて返してもらうわよ」
「はい!」
素直な返事。
さて、そうは言ったものの、元々の世界の感覚があると子供を働かせるっていうのも、ちょっと抵抗が……。でもユリアの記憶にあるこの世界では、ある程度の年齢になれば、働くのは当然の事だし。
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