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『余韻をぶち壊す毒電波通信』
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『余韻をぶち壊す毒電波通信』
それから。
夕陽で部屋の中が真っ赤にそまり、やがて月の灯りが窓から差し込んでも。
「んっんっ! あっ、はあっ!」
夏木さんの声は止む事なく、オレもまた夏木さんの肌から離れる事はなかった。
「夏木さん、いくよ?」
「口、口に、欲しい!」
言葉を濁す事もなく、欲求を告げる夏木さん。
「んぐっ! ……あっ……ぷはぁ……うむっ」
喉奥に吐き出されるたび苦しくうめくが、ペニスを口から抜いた途端、追いすがるようにペニスを舌で追いかけてくる。
「……京クン、まだ、できるの……?」
夏木さんも男の生理というものを知識として理解しているんだろう。
何度も続けてできるものではないと知っていながらオレのペニスがしおれないのを見て、夏木さんが不思議そうに問いかけてきた。
――頭の中でうるさく響く声を無視してオレは。
「もちろん。夏木さ……青葉ももっとしたい?」
「うん、あっ!」
オレは夏木さんの汗で湿った首筋にキスをしながら、再び押し倒した。
***
夏木さんが気を失ったのは、五度目の精液を飲み込んだ後だった。
夏木さんが気絶という眠りに落ちたので、近くのシーツをその裸体にかけたオレは。
「お待たせしました、神様」
『ああ、良かった。聞こえていないかと思ってました。ですがそれはそれで私の声を無視していたわけですよね。なかなかいい度胸をお持ちのご様子』
ずーっと頭の中で呼びかけ続けていた神様にようやく返事を返す。
「さすがに最中に声をかけられても……急に神様と会話を始めたらおかしく思われるでしょう?」
『そうですね。でも私には関係ないので』
自己中心的な神様だ。
「それで……今回は?」
『スキル発動の確認です。先輩から貴方の面倒をちやんと見るように言われているので』
ああ、前世のパリピっぽい神様か。
こっちの神様より力が上っぽいけど、砕けたカンジの神様だった。
「前世の神様には感謝していますとお伝えください」
『ええ、お伝えしましょう。私には?』
「……感謝しております」
『よろしい。では今回のスキルですが……ふむ、間違いなく『絶倫吐精』ですね。詳細を知りたいですか?』
「名前からして一瞬で理解しましたが、一応くわしく教えていただけますか?」
絶頂吐精に続けて、絶倫吐精。実にストレートなスキルネームだ。
しかもシナジー効果もありそうな所が憎らしい。
『絶倫吐精は体力の続く限り射精を可能とします』
「字面通りですね」
『ただし今回はデメリット付きです』
「……なんて?」
デメリット、だと?
もしや命にかかわる系とか、何かを代償にする、とか?
『ふふ。だから何度も最中に呼びかけたんですよ? お返事しなかった悪い子にはいい薬ですね?』
オレが深刻そうになった途端、神様が頭の中で嬉しそうな声を響かせる。
「……以後、気を付けます」
『よろしい。ふふ、脅しすぎましたね。大した事できはないですよ。一回の射精につき、代謝が相応に激しくなるだけです。要するに、とても疲れる、というだけですね。若い今の体であれば失った分、たくさんゴハンを食べればいいですよ?』
「……安心しました」
良かった。
というか、それって。
「神様、もっと具体的に説明してもらってもいいですか?」
『具体的に、ですか?』
「一回の射精でどれくらい疲労、というか、消耗するのか」
『うーん。そうですねぇ……あなた方人間の使う数字の概算でいうなら、一回につき500キロカロリー位ですかね。これは他の運動量を除外していますから、行為そのものはもっと消耗しているはずですよ? ふふ。途中で体力が尽きて気絶なんてしないように、お気をつけて』
クスクスと笑う神様だったが、オレは素晴らしいスキルに感動していた。
「ありがとうございます。素晴らしいスキルです」
『満足そうで何よりです。ではまた次のスキル発動まだお達者で』
「あ、神様」
『なにか?』
「スキル発動の条件ってなんなんですか?」
『……んー。それぞれのスキルによって発動条件が違うのでなんとも。今回の場合は、気合で三連発、というものでしたが』
確かに三回目で限界を感じた途端、急に回復した感覚があった。
あれがスキルを得た瞬間か。
『絶倫吐精』を得た今、今後は三度目だろうと四度目だろうと体力がある限り、続けられるわけだ。
他にもアンロックできるスキルがあるなら手に入れたい所だが。
「他のスキルの発動条件、教えて頂くわけには?」
『貴方が困る顔が見たいので教えません。ちなみにすでに発動してするスキルが他にもありますよ。もし気づいたら詳しく教えてあげましょう』
「え?」
『大丈夫。そちらのスキルにデメリットはありませんから。では今回はこのへんで。私も忙しいので』
ブチン、という音が頭の中にノイズのように走ると。
「神様? 神様?」
返事がない。
いつもなら悪態や愚痴の一つでもつくところだが。
「……今回はオレも悪かったし」
夏木さんとの最中に、呼びかけ続けたのはオレの体力が失われるという事を伝えるためだったのだろう。
なんにしろ絶倫吐精という、ネーミングセンスはともかく、素晴らしいスキルを手に入れた。
すでに発動しているスキルというのも気になるが、デメリットがないのなら気にしなくてもいいだろう。
しかし、絶倫吐精のデメリットはすごいな! なにせこれで。
「暴飲暴食しても太らない!」
美少年だろうが食べれば太る。
そしてオレは、炭水化物も、甘い物も、油ものも大好きだ。
さすがに酒は控えるが、成人後もこのスキルが有効のままなら前世のようなメタボに悩まされる事もないはず。
「輝かしい未来を手に入れてしまった」
中年太りという来るべき未来の恐怖が一つ取り除かれた。
「欲を言えば……」
頭を撫でる。
美少年が人生経験を積んで美青年になり、やがてイケオジになった時。
「髪、どうなんだろう?」
髪を失うというのは、神に見捨てられたと同義だ。
今度のスキル解放時に神様に聞いてみよう。
などと、オレは隣で静かな寝息を立てる夏木さんをよそに、考えふけっていたのだった。
それから。
夕陽で部屋の中が真っ赤にそまり、やがて月の灯りが窓から差し込んでも。
「んっんっ! あっ、はあっ!」
夏木さんの声は止む事なく、オレもまた夏木さんの肌から離れる事はなかった。
「夏木さん、いくよ?」
「口、口に、欲しい!」
言葉を濁す事もなく、欲求を告げる夏木さん。
「んぐっ! ……あっ……ぷはぁ……うむっ」
喉奥に吐き出されるたび苦しくうめくが、ペニスを口から抜いた途端、追いすがるようにペニスを舌で追いかけてくる。
「……京クン、まだ、できるの……?」
夏木さんも男の生理というものを知識として理解しているんだろう。
何度も続けてできるものではないと知っていながらオレのペニスがしおれないのを見て、夏木さんが不思議そうに問いかけてきた。
――頭の中でうるさく響く声を無視してオレは。
「もちろん。夏木さ……青葉ももっとしたい?」
「うん、あっ!」
オレは夏木さんの汗で湿った首筋にキスをしながら、再び押し倒した。
***
夏木さんが気を失ったのは、五度目の精液を飲み込んだ後だった。
夏木さんが気絶という眠りに落ちたので、近くのシーツをその裸体にかけたオレは。
「お待たせしました、神様」
『ああ、良かった。聞こえていないかと思ってました。ですがそれはそれで私の声を無視していたわけですよね。なかなかいい度胸をお持ちのご様子』
ずーっと頭の中で呼びかけ続けていた神様にようやく返事を返す。
「さすがに最中に声をかけられても……急に神様と会話を始めたらおかしく思われるでしょう?」
『そうですね。でも私には関係ないので』
自己中心的な神様だ。
「それで……今回は?」
『スキル発動の確認です。先輩から貴方の面倒をちやんと見るように言われているので』
ああ、前世のパリピっぽい神様か。
こっちの神様より力が上っぽいけど、砕けたカンジの神様だった。
「前世の神様には感謝していますとお伝えください」
『ええ、お伝えしましょう。私には?』
「……感謝しております」
『よろしい。では今回のスキルですが……ふむ、間違いなく『絶倫吐精』ですね。詳細を知りたいですか?』
「名前からして一瞬で理解しましたが、一応くわしく教えていただけますか?」
絶頂吐精に続けて、絶倫吐精。実にストレートなスキルネームだ。
しかもシナジー効果もありそうな所が憎らしい。
『絶倫吐精は体力の続く限り射精を可能とします』
「字面通りですね」
『ただし今回はデメリット付きです』
「……なんて?」
デメリット、だと?
もしや命にかかわる系とか、何かを代償にする、とか?
『ふふ。だから何度も最中に呼びかけたんですよ? お返事しなかった悪い子にはいい薬ですね?』
オレが深刻そうになった途端、神様が頭の中で嬉しそうな声を響かせる。
「……以後、気を付けます」
『よろしい。ふふ、脅しすぎましたね。大した事できはないですよ。一回の射精につき、代謝が相応に激しくなるだけです。要するに、とても疲れる、というだけですね。若い今の体であれば失った分、たくさんゴハンを食べればいいですよ?』
「……安心しました」
良かった。
というか、それって。
「神様、もっと具体的に説明してもらってもいいですか?」
『具体的に、ですか?』
「一回の射精でどれくらい疲労、というか、消耗するのか」
『うーん。そうですねぇ……あなた方人間の使う数字の概算でいうなら、一回につき500キロカロリー位ですかね。これは他の運動量を除外していますから、行為そのものはもっと消耗しているはずですよ? ふふ。途中で体力が尽きて気絶なんてしないように、お気をつけて』
クスクスと笑う神様だったが、オレは素晴らしいスキルに感動していた。
「ありがとうございます。素晴らしいスキルです」
『満足そうで何よりです。ではまた次のスキル発動まだお達者で』
「あ、神様」
『なにか?』
「スキル発動の条件ってなんなんですか?」
『……んー。それぞれのスキルによって発動条件が違うのでなんとも。今回の場合は、気合で三連発、というものでしたが』
確かに三回目で限界を感じた途端、急に回復した感覚があった。
あれがスキルを得た瞬間か。
『絶倫吐精』を得た今、今後は三度目だろうと四度目だろうと体力がある限り、続けられるわけだ。
他にもアンロックできるスキルがあるなら手に入れたい所だが。
「他のスキルの発動条件、教えて頂くわけには?」
『貴方が困る顔が見たいので教えません。ちなみにすでに発動してするスキルが他にもありますよ。もし気づいたら詳しく教えてあげましょう』
「え?」
『大丈夫。そちらのスキルにデメリットはありませんから。では今回はこのへんで。私も忙しいので』
ブチン、という音が頭の中にノイズのように走ると。
「神様? 神様?」
返事がない。
いつもなら悪態や愚痴の一つでもつくところだが。
「……今回はオレも悪かったし」
夏木さんとの最中に、呼びかけ続けたのはオレの体力が失われるという事を伝えるためだったのだろう。
なんにしろ絶倫吐精という、ネーミングセンスはともかく、素晴らしいスキルを手に入れた。
すでに発動しているスキルというのも気になるが、デメリットがないのなら気にしなくてもいいだろう。
しかし、絶倫吐精のデメリットはすごいな! なにせこれで。
「暴飲暴食しても太らない!」
美少年だろうが食べれば太る。
そしてオレは、炭水化物も、甘い物も、油ものも大好きだ。
さすがに酒は控えるが、成人後もこのスキルが有効のままなら前世のようなメタボに悩まされる事もないはず。
「輝かしい未来を手に入れてしまった」
中年太りという来るべき未来の恐怖が一つ取り除かれた。
「欲を言えば……」
頭を撫でる。
美少年が人生経験を積んで美青年になり、やがてイケオジになった時。
「髪、どうなんだろう?」
髪を失うというのは、神に見捨てられたと同義だ。
今度のスキル解放時に神様に聞いてみよう。
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