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tomaburo

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日常編

第2話

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俺は巾着の中身の金を数えながら歩いていた。
硬貨の数を計算した結果3000コルしかない。
こんなはした金では満足に生活できないだろう。

因みに今の世の中大体100コルからしか物が買えない時代になっている。
100コルあれば飯一食分、500コルで宿に一週間ぐらい泊まれる程度だ。

1000コルから安物の武器や防具が買えて、上質な物になると一気に値段は跳ね上がる。

普通の人から見たら3000コルと言う金額は十分とはいかないものの、やりくりすれば一ヶ月ぐらいは普通に持つ額だ。

だが俺は違う。

この体型を見てほしい。
見かけ通り食欲旺盛で服なんかも伸縮性がない奴だとすぐに破れてしまう(特に股の部分)。

宿代と合わせるとそれはもういい額になってしまう。
3000コルなんか俺は二週間で使い切る自信がある。

なら少しは節約しろよって思うかもしれないが出来ないから。

だって俺無駄遣いしてないし。

飯を食わないとモンスターとの戦闘時に満足いくパフォーマンスができなくなってしまう。
それが原因で死に直結したら元も子もないだろう。

でもあれは無駄遣いだったなぁと思う。
このベットの下に置いてある本。

『誰でも使える魔法講座~初級編~』
この本1冊6000コル。
正直ぼったくりだろうなと思ったけど、この本を売っている優しそうなおじさんが勧めて来たので押しに負けて買ってしまった。

チクショウ!

やっぱりぼったくりだった。
この前も言った通り俺は魔法が使えない。
この本に書いてある準備運動である魔法の体内循環すら出来なかった。

話がそれたが、今はそんな事より目の前の問題だ。
金をどうやって稼ぐか。
Fランクの冒険者が出来る依頼なんて限度があるし、いくら掛け持ちしてやっても其処まで稼ぎが無い。

最近までこれでやりくりできてたんだけど、この国の王様が変わって物価が上昇してから何時もの稼ぎじゃ苦しい状況になっている。

「で、なんか良い案ないの?レミィたん」
「知らないわよ。あんたの問題でしょう。自分でなんとかしなさいよ」

俺は金欠問題に対して歩きながら考えている内に、自然とレミィたんの所に来ていた。
ギルドの受付嬢である彼女は頬杖をついて此方を呆れ混じりな顔で見ている。

「もう五年の付き合いじゃん。そんな冷たい態度を取らずに俺と一緒にこの問題を解決していこうぜ」
「あんたの問題なんだから自分で解決しなさいよ」

栗目に呆れを滲ませるレミィたん。
俺はめげずにレミィたんに助けを求めると、レミィたんは溜め息混じりに『分かったわよ』と言って一つの提案をしてくれた。

「ちょうどお金を稼ぎたい貴方にうってつけの依頼があるわよ」
「まじで?やった!どう言うの?」

レミィたんは依頼用紙を取り出し俺に渡してきた。
そこに書いてあった内容は――――――オーク討伐。

無理だ。
オークってEランクの依頼だぞ。
なんでFランクの俺がその依頼を?
そもそもその依頼を受けるランクまで達してないからできないだろう。
何かの間違いだな。

「レミィたん、用紙間違ってるよ」
「間違って無いわよ。よく見なさい。ただのオーク討伐じゃないわよ」

俺は再度用紙をよく見ると、怪我を負い弱体化したオークの討伐と書いてあった。

「なにこれ?弱体化してるっていっても相手はオークだぜ?攻撃当たったらただじゃあ済まないと思うんだけど」

俺のお腹はシールドじゃないからな?
レミィたんにこの事を伝えると『大丈夫』と一言。

「なんで?」
「このオークが負っている怪我は致命的なものらしいわ。それこそFランクの冒険者に依頼を頼める程まで弱体化しているのよ。しかも単体で行動してると言う情報も入ってきてるし」
「でもなぁ~」

俺がうじうじと迷っているとレミィたんは『早く決めて』と催促してくる。

「報酬はいんだけどなぁ。オークとか戦った事ないし。どうしよう」
「やらないんだったらいいわよ。他に回すから」
「それもやだなぁ。そこそこの大金ゲットのチャンスだし、そうやすやすと諦めらめきれないって言うか」
「なら取り敢えずそのオーク見てきたら?別に依頼を達成できなかったからってペナルティが発生する訳でもないし」

それもそうだな。
よし、まぁ行くだけ行ってくるか。
倒せそうだったらその方向で。

「ありがとうレミィたん。じゃあ行ってくるよ」
「はいはい、いってらっしゃい」

俺は、適当に手を振るレミィたんに見送られながらオークの討伐に向かった。












「ねぇ、レミィ。頻繁に来てるあの太った奴とどう言う関係なの?」

レミィがフドルの姿を見送った後、受付の同僚が話しかけてきた。

「腐れ縁かなぁそろそろ」
「えー、それにしては仲が良いって言うか、あの人の前だと何時も楽しそうじゃん」
「そう?別に何時もと変わらないと思うけど」
「嘘だぁ。全然違うよ。あんた普段は無口なのにあの人の前だと凄い喋ってるし、それにさっきの依頼用紙もわざわざ貴方が見つけてきたものでしょう?」
「べ、別に。あいつがお金に困ってるの知ってたし、たまたま丁度良さそうな依頼があったから取っといただけよ」

レミィはとんがった耳をヒクヒクさせながら少し焦った様子で答えた。

「焦っちゃて。かわいいなぁレミィは」
「ちょっと、頭撫でないでよ」

レミィは撫でられている手を払い、そっぽを向いた。

チラリとフドルが出て行った方向を見る。
彼がどんな姿で帰ってくるのか、大体の予想ができてしまい、レミィは笑みを浮かべるのだった。
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