幼馴染の引き立て役に徹してきたモブ令嬢、突然の魔力解放により王太子に執着されて逃げ出せません

麦畑ムギ

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 「…ということですわ、お分かりでしょう?ですからプリシラさんに付きまとうのはもうおやめになって。何の取り柄もない、魔力すらない貴女がウロチョロしていると目障りですの」

 「……」

 「…お返事ぐらいなさったらいかが?これだけ分かりやすくお話しして差し上げたのですから、さすがに貴女でも理解できたでしょう?」

 いら立った様子の令嬢Aを、Bが優しくとりなした。

 「まあまあ、きっとショックだったのですわ。そうでしょう、オリヴィアさん?でも誰かが言ってあげる必要がありますもの、悪くおとりになっちゃ嫌よ」

 「………ああ、申し訳ありません。話が長すぎる上に内容が薄すぎて退屈だったので、途中から考え事をしておりました。同じことを何度も何度も繰り返されるおかげで、おっしゃりたいことは大体分かりましたけれど」

 オリヴィアは無表情でそう言い、ふぁ、と小さくあくびをした。申し訳程度に、揃えた指で口元を隠しながら。
 
 「なッ…!!」

 「もうよろしいですか?実はわたくし予定がありまして、早く行かなければいけませんの。…他人を非難なさる前に、いきなり現れて都合も聞かずまくし立てるのはおやめになった方がよろしいわ。人として下品ですし、無礼ですから」

 オリヴィアは静かにそう言うと、彼女の名前の由来ともなったオリーブ色の目でAとBを真っ直ぐに見据えた。
 そして、ひるんだ彼女たちに美しく礼をし、ホワイトベージュの長い髪をひるがえして去って行った。

 こんなふうに大切な時間を無駄にされることが、オリヴィアは嫌だった。

 「今度こそ潮時ね。…いいえ、遅すぎたんだわ」

 そう独りごち、オリヴィアは自分を待つ馬車の元へ足早に歩いて行った。
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