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2.バタバタ!入学までにもイベント盛りだくさん!
変わってないけど変わってる!
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エドワードが俺の婚約者になって1ヶ月経った。
お互いの立場が変わったことで友人だと思ってた相手を意識してしまい、ドキドキの止まらない毎日……なんてなることもなく、至って平穏に過ごしている。
いやまあね、ドキドキしてるはしてるよ? でも、ちょっと意味が違う。
以前のエドワードは所謂客人で、何をするにも気を使っていた。だがそれが俺の婚約者という身内になって、無駄な遠慮というものをしなくなったらしい。
つまり何が言いたいかというと、余計な心労が無くなったエドワードの成長、半端ないってことだ。
細い枝のような腕は逞しく、少し見下ろした位置にあった頭は今や見上げなければならない位置にある。俺が軽々と抱きとめていた体も例外ではなく、今だったら手を引っ張ってもびくともしないどころか俺が引きずられるだろう。
そんな成長期が一気にきたんか? 状態のエドワード、顔つきも大変凛々しくなった。
同い年にしては少々幼いかな? って顔はみるみるうちに少年から青年のものへと育っていき、垣間見えてた可愛らしさがすっかり消えてキリリとした美形に様変わり。
しかし、性格なんてたった一ヶ月で以前とそう変わるものではない。それがどんな結果になるかというと、こうなる。
「……エド、ちょっと」
「ん?」
「回復はできるから、もう少し離れて……」
「なんでだ? いつもこうしてたが」
「そうなんだけど、近いんだって!!」
黙っていれば絵になる顔立ちを崩し、きょとんと不思議そうな表情をするエドワード。確かに回復するときは手を握って少しでも効果が高まるようにと体を近づけてやっていたが、イケメンに変貌したエドワードに近づかれるとなんだかそわそわしてしまう。
同性でも綺麗な人に憧れたり見惚れたりってことはあるものだろう。それは、別に恋愛性愛関係なく持つ物であり、恋してる! みたいなのとはまた別問題。そもそも、俺の恋愛対象は女の子だし。
だというのに、エドワードの動きの一つ一つにそこはかとない色気を感じてしまうのだ。
いや、前も目を伏せうっとりとしていた時があったけど! あの時は『守護』らなければ……の気持ちの方が強く、どっちかというと母性的なものが芽生えかけてたから!
それを押しのけておかしな気持ちにさせるなんて……エドワード、恐ろしい奴め……!
「……もしかして、疲れてるのか?」
「そうじゃないけど…………くっ、美形に甘えられるの、慣れないな……っ!」
元気になったエドワードはすっかり使用人にも認められており、俺の領地視察にもフードで髪を隠してだが同行するまでになっている。おかげで領民にも婚約者であるということが知られ、俺の補佐や細々としたお手伝いを真剣にする様子から好感度もうなぎ上りだ。
そのときのエドワードはかなり真剣な表情をしているのだが、今はまったくその面影の欠片もない。ギャップか? ギャップ萌えを狙っているのか!?
「侮れない男だ……!」
「何をそんなに悔しそうに……」
「ふん! そう簡単に俺をキュンキュンさせられると思ったら大間違いなんだからな! 覚悟しておけ!」
「???」
首を傾げるエドワードにそう宣言し、回復が終わると同時にソファから立ち上がる俺。これから俺は恒例のお勉強の時間なのである。
といっても、何年もの間地下室に閉じ込められていたエドワードもこの先どうなるにしろ知識は必要だろうと俺と一緒に勉強をするようになっていたため、結局向かう先は同じなのだが。
俺の後ろを慌ててついてくるエドワードを少し待ち、一緒にメイミさんの待つ部屋へ向かう。
始めは俺よりも知っていることが少なかったエドワード、しかし授業を重ねるにつれどんどん俺よりも知識を吸収し、今では一を聞いて十を知る天才っぷりを存分に発揮している。何だこいつ、どんだけハイスペックなんだよ。
だが一人でやるよりも相手がいた方がやる気にもつながり、結果俺の勉強もかなりはかどったところがある。途中途中で雑談なんかを挟んでくれるため、それが気分転換になったのもあるのだろう。感謝である。
だがエドワードが雑談の中で何気なく話した内容に、俺はぴしりと動きを止めた。
「え……第一王子の名前、って……」
「知らなかったのか?」
「し、知らなかった……教えては、いや、常識だから誰も言わないもんな……はは…………」
乾いた笑い声を漏らす俺。常識は聞いていかないとな、と婚約の話が出た時に再認識したというのに、うっかり大切なことを聞き忘れていた。
ここはゲームと同じ世界。起こる出来事で時間軸の予想ができると考えていたが、それよりも確実な情報として国の重役についている者の名前、というのがあった。
まぁゲームで細かく出るものでもないが、それでも俺が思い出すまでもなく覚えている名前というのもある。
カルロス・バステス。
ゲームの攻略対象であり、里香の推しである王子。
そして、目覚めてから時折話題に出ていた第一王子が、その当人であるらしいのだ。
お互いの立場が変わったことで友人だと思ってた相手を意識してしまい、ドキドキの止まらない毎日……なんてなることもなく、至って平穏に過ごしている。
いやまあね、ドキドキしてるはしてるよ? でも、ちょっと意味が違う。
以前のエドワードは所謂客人で、何をするにも気を使っていた。だがそれが俺の婚約者という身内になって、無駄な遠慮というものをしなくなったらしい。
つまり何が言いたいかというと、余計な心労が無くなったエドワードの成長、半端ないってことだ。
細い枝のような腕は逞しく、少し見下ろした位置にあった頭は今や見上げなければならない位置にある。俺が軽々と抱きとめていた体も例外ではなく、今だったら手を引っ張ってもびくともしないどころか俺が引きずられるだろう。
そんな成長期が一気にきたんか? 状態のエドワード、顔つきも大変凛々しくなった。
同い年にしては少々幼いかな? って顔はみるみるうちに少年から青年のものへと育っていき、垣間見えてた可愛らしさがすっかり消えてキリリとした美形に様変わり。
しかし、性格なんてたった一ヶ月で以前とそう変わるものではない。それがどんな結果になるかというと、こうなる。
「……エド、ちょっと」
「ん?」
「回復はできるから、もう少し離れて……」
「なんでだ? いつもこうしてたが」
「そうなんだけど、近いんだって!!」
黙っていれば絵になる顔立ちを崩し、きょとんと不思議そうな表情をするエドワード。確かに回復するときは手を握って少しでも効果が高まるようにと体を近づけてやっていたが、イケメンに変貌したエドワードに近づかれるとなんだかそわそわしてしまう。
同性でも綺麗な人に憧れたり見惚れたりってことはあるものだろう。それは、別に恋愛性愛関係なく持つ物であり、恋してる! みたいなのとはまた別問題。そもそも、俺の恋愛対象は女の子だし。
だというのに、エドワードの動きの一つ一つにそこはかとない色気を感じてしまうのだ。
いや、前も目を伏せうっとりとしていた時があったけど! あの時は『守護』らなければ……の気持ちの方が強く、どっちかというと母性的なものが芽生えかけてたから!
それを押しのけておかしな気持ちにさせるなんて……エドワード、恐ろしい奴め……!
「……もしかして、疲れてるのか?」
「そうじゃないけど…………くっ、美形に甘えられるの、慣れないな……っ!」
元気になったエドワードはすっかり使用人にも認められており、俺の領地視察にもフードで髪を隠してだが同行するまでになっている。おかげで領民にも婚約者であるということが知られ、俺の補佐や細々としたお手伝いを真剣にする様子から好感度もうなぎ上りだ。
そのときのエドワードはかなり真剣な表情をしているのだが、今はまったくその面影の欠片もない。ギャップか? ギャップ萌えを狙っているのか!?
「侮れない男だ……!」
「何をそんなに悔しそうに……」
「ふん! そう簡単に俺をキュンキュンさせられると思ったら大間違いなんだからな! 覚悟しておけ!」
「???」
首を傾げるエドワードにそう宣言し、回復が終わると同時にソファから立ち上がる俺。これから俺は恒例のお勉強の時間なのである。
といっても、何年もの間地下室に閉じ込められていたエドワードもこの先どうなるにしろ知識は必要だろうと俺と一緒に勉強をするようになっていたため、結局向かう先は同じなのだが。
俺の後ろを慌ててついてくるエドワードを少し待ち、一緒にメイミさんの待つ部屋へ向かう。
始めは俺よりも知っていることが少なかったエドワード、しかし授業を重ねるにつれどんどん俺よりも知識を吸収し、今では一を聞いて十を知る天才っぷりを存分に発揮している。何だこいつ、どんだけハイスペックなんだよ。
だが一人でやるよりも相手がいた方がやる気にもつながり、結果俺の勉強もかなりはかどったところがある。途中途中で雑談なんかを挟んでくれるため、それが気分転換になったのもあるのだろう。感謝である。
だがエドワードが雑談の中で何気なく話した内容に、俺はぴしりと動きを止めた。
「え……第一王子の名前、って……」
「知らなかったのか?」
「し、知らなかった……教えては、いや、常識だから誰も言わないもんな……はは…………」
乾いた笑い声を漏らす俺。常識は聞いていかないとな、と婚約の話が出た時に再認識したというのに、うっかり大切なことを聞き忘れていた。
ここはゲームと同じ世界。起こる出来事で時間軸の予想ができると考えていたが、それよりも確実な情報として国の重役についている者の名前、というのがあった。
まぁゲームで細かく出るものでもないが、それでも俺が思い出すまでもなく覚えている名前というのもある。
カルロス・バステス。
ゲームの攻略対象であり、里香の推しである王子。
そして、目覚めてから時折話題に出ていた第一王子が、その当人であるらしいのだ。
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