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3.ワクワク!待ちに待ってた学園生活!
内容の分からない呼び出しって怖いよね
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起こされるよりも前にバッチリ目が覚め、朝食は好物のオムレツ。天気も良く、行きの馬車では今日あたり推しについて何か情報が聞けそうだとエドワードが言う。
なんか……いい朝だな! 今日は凄い良いことがありそうな予感!
そんなことを考えウキウキと教室に到着した俺を出迎えたのは、待機していた従者の人から手渡された、昼の休憩時間に話があるというカルロスからの呼び出しの手紙でした。
「終わった……」
さよなら俺の学園生活。俺は草葉の陰から推しとゲームシナリオを見守ることにするよ……。
……いや、だって呼び出しって、完全にあの渡り廊下のことだよね。あの時は見逃してくれたけど、やっぱり怪しすぎるって思われたんだよね!?
退学はないにしても王族に危険人物と目をつけられたんならもう……詰みでは!?
「はぁ……もう駄目だぁ……」
「……殿下からの呼び出しか。カノン、なんでまた?」
「あー……昨日の。渡り廊下で第一王子殿下と会ったって話、したでしょ? あの時、俺相当怪しかったから……」
「なるほど。……だが、呼び出しまでされることなのか?」
「されることだからコレがあるんでしょう……」
打ちひしがれる俺を見かねて手紙を覗き込んだエドワードは、俺とは違ったところを気にしている。
ていうか、そうだよ。俺だけならまだしも、これで婚約者であるエドワードにも瑕疵がある、なんてことになったら……!
「え、エド……あのね?」
「嫌だぞ。ん……これには一人で、なんて書かれてないし、俺が付いて行っても問題ないな」
「そんなことしたら逃げ道が!」
「カノン。俺に言ってくれた言葉は、嘘だったのか……?」
「う……」
眉を寄せ、悲しげな顔をするエドワードに俺は二の句が告げなくなる。多分だけど、俺が婚約解消を願い出ようとしたのを察したようだ。
確かに俺から婚約をどうこうするつもりはないって言ってはいたけど、それも場合によるだろう。だから婚約を解消して「彼は何も関係ないんです!」で完全に俺と切り離そうかと思ってたんだけど、エドワード本人に拒否された。どころか俺についてくるとまで言いだす始末。
ま、まぁ、悪い話だって決まった訳じゃないから……。エドワードに俺がおっちょこちょいだって補足してもらえば、少なくとも悪意はないって伝えられるかもしれないし。うん、ちょっと解消に踏み切るには早計だったかもな。別に、エドワードの捨てられた犬みたいな目に負けたわけじゃないからな!
でもできるなら俺一人の方が悪い話だったときに迷惑かけないよな、とエドワードを置いていくつもりだったが、休憩時間になるとべったりエドワードが俺にへばりついてきた。そんな気はしてた。
諦めて、指定された場所に向かう俺とエドワード。学園内にある王族と招待された人しか入れないという中庭に辿り着き、入り口に立っていた兵士さんに渡されていた手紙を見せて待つこと数分。
「ああ、待たせてしまったかな」
座ってお待ちくださいと言われるがまま椅子に腰掛け、出されたお茶を前にどうすべきか悩みまくる俺の耳に、昨日も聞いた美声が届く。
誰が来たか、なんて見なくても分かる。慌てて立ち上がった俺はそのまま胸に手を当て深く頭を下げ、まずは昨日の失態のイメージを払拭すべく敬意を示した。
「頭を上げてくれ。よく来てくれたな」
「は、はいっ! このように素晴らしい場所にお招きいただき、ありがたく存じます!」
「ここは、他人の目がないからな。……ところで、そちらの者は?」
「あっ、そのですね……」
「お初にお目にかかります。フォーリン辺境伯家当主、エドワード・フォーリンでございます」
「……君が」
「はい。我が妹をご寵愛いただき、第一王子殿下には感謝の念に堪えません」
一度顔を上げたあと、カルロスの問いかけに再度礼を取りながら名乗るエドワード。そういや目の前のことにいっぱいいっぱいで頭から飛んでたが、エドワードの妹はカルロスの婚約者候補なんだった。
しかし、エドワードの言い方だと『妹を大切にしてくれてるよね?』という圧を感じる。大丈夫だろうか。なんか、カルロスたちを信頼してないみたいに取られて不敬! って処されないだろうか?
「寵愛……ああ、その通りだ。離れて暮らす妹のことが心配かもしれないが、リズには何不自由なく過ごせるよう気を配っているから安心してほしい」
平気そうだわ。むしろなんだろう、ちょっとカルロス喜んでないか? 娘の結婚相手として父親に認められるぞ! みたいな系統のやる気を感じる。ちゃっかり愛称で呼んでるところも親密感をそれとなく表してるな。
エドワードもそれに気付いたのか、微妙に複雑そうな表情。そうだよな。大切にはされてるみたいでよかったけど、それはそれとしていざ肉親絡みのコイバナを聞かされるとなると妙な居心地悪さがあるもんだ。俺も里香が「告白されちゃった♡」ってニヤつきながら言ってきたとき、祝う気持ちと共にそこはかとない気まずさがあったから分かる。
そんななんとも表現しがたい空気の中、ふとカルロスの方を向くとその奥、入り口近くに誰かが立っているのが見えた。兵士さんではなく、ふわりと広がっているスカートから考えるに女子生徒。
しかし王族専用中庭、しかもカルロスが使っている時間にどうして女生徒が? 普通の生徒は立ち入り禁止の場所だが、もしかしてヒロインとの出会いイベントをここでやるのか……? と訝しむ俺の視線に、つられたようにエドワードとカルロスも顔を向けた。
「…………気付くのか……」
「? なにか……?」
「いや、よく周りを見ていると思って。きっと君たちは気にしてると考えたんだが、間違っていなかったようだ。……リズ、こちらへ」
……一瞬だけカルロスが全くの無表情になって俺を見た気がしたけど、気のせいだよな……。
見慣れた笑顔で手招きをしたカルロスに、半分隠れてこちらを窺っていた女生徒が優雅に歩いてくる。どうやら彼女も招待されていたようだ。
腰まである真っ赤で綺麗な髪。白く見えるほど色素の薄い瞳に違わず、近付くほどにビリビリと放たれる魔力の重さに皮膚がチリついた。
カルロスの口ぶりと呼んだ名前から、察せないほど俺も馬鹿ではない。彼女こそカルロスの婚約者候補、エドワードの双子の妹、そして俺の幼馴染である女性、エリザベス・フォーリン。
……なんだろうけど……まったくもって既視感を持てない。いやなんとなーく懐かしさは感じるんだけど、見覚え的なものは一切ない。
なんならエドワードより親しくしてた(メイミさん談)相手とあって顔を見れば記憶が湧き出てきたりするかもなー、とか考えていたが、見事なまでに杞憂。
しかし、この場合どう反応すればいいだろうか。
「始めまして!」はおかしいし、かといって「久しぶり!」も俺に記憶がない以上嘘になる。外聞が悪いからと記憶喪失(建前)であることはなるべく隠してもいるため、カルロスのいる場でいきなり暴露するのも少々問題があると思うし。
いや、そもそも紹介される側なのだからまずは黙ってるべきか? なんてとりあえず笑顔を張りつけながら考える俺。
そんな俺の葛藤を知ってか知らずか、カルロスは現れた婚約者候補に柔らかい視線を向けており、エドワードは年単位でしばらく会っていなかった兄妹の元気な姿に嬉しそう。その2人を見るエリザベスもにこにこしていて、まさにやさしいせかいというやつだ。
だが、その親し気な空間に俺は踏み込めない。本当なら”カノン”も仲間入りできるが、”嘉音”では無理だ。……ま、仕方ないけど。
でも、そう頭で思っても感情というものは時に自分自身にも制御できない。放っておかれている訳じゃないがちょっとだけ悲しくなってしまった俺は思わずエドワードの服を摘まんでしまい、すぐさま気付いたエドワードが勢いよく俺の方を向いたことに逆に驚いた。
「おわ……だ、大丈夫か? 首、捻ってない?」
「あ、ああ、平気だ……」
「あら、私ったら。お兄様に久しぶりに会えたからって、少々無礼でしたね」
「無礼?」
「私、そちらにおりますエドワードの妹、エリザベスと申します。フォーリン辺境伯家の令嬢として、カルロス様の婚約者候補を務めさせていただいておりますわ」
「……ん?」
「カルロス様から合わせたい者がいるというお話を聞いておりましたのに……。挨拶もせず、申し訳ありませんでした。お名前をお伺いしても?」
そう、制服のスカートを摘まんでぺこりと頭を下げるエリザベス。俺コレ知ってる、カーテシーってやつだ! ドレスじゃないため本当にちょんと摘まんでいるだけだが、様になっているあたり内からにじみ出る気品みたいなものが完璧なんだろう。
……って、そうじゃない。そうじゃないよ! すっごいおかしなこと言われてたよな!?
「……エリザ、カノンだ。カノン・アルベントだよ」
「まぁ! 貴方様が兄の婚約者の……。どうか、兄をよろしくお願いしますね?」
「……リズ?」
「あ、あれ……?」
「エリザ……もしかして……」
男三人揃ってあげた戸惑いの声に、きょとんとした顔のエリザベス。
ふと、思い出したのは前にちらりとエドワードに話されたこと。俺と同じく倒れたらしいエリザベスだが、手紙を見るに元気そうだ、という話。
性格が倒れる前と後でガラリと変わったところも症状が似てる、ってことだったが、俺と違って数日経つと記憶は元に戻ったって話だったはずだ。
だけど。だけどだ。
ほとんどの記憶は取り戻したが、一部分だけすっかり抜け落ちてたとしたら。
「……カノンのこと、覚えていない……?」
呆然と隣から漏れた内容は、俺が考えていたことと同じ。
どうやら、エリザベスは俺のことが頭の中からすっぽり消えてなくなっているようだった。
なんか……いい朝だな! 今日は凄い良いことがありそうな予感!
そんなことを考えウキウキと教室に到着した俺を出迎えたのは、待機していた従者の人から手渡された、昼の休憩時間に話があるというカルロスからの呼び出しの手紙でした。
「終わった……」
さよなら俺の学園生活。俺は草葉の陰から推しとゲームシナリオを見守ることにするよ……。
……いや、だって呼び出しって、完全にあの渡り廊下のことだよね。あの時は見逃してくれたけど、やっぱり怪しすぎるって思われたんだよね!?
退学はないにしても王族に危険人物と目をつけられたんならもう……詰みでは!?
「はぁ……もう駄目だぁ……」
「……殿下からの呼び出しか。カノン、なんでまた?」
「あー……昨日の。渡り廊下で第一王子殿下と会ったって話、したでしょ? あの時、俺相当怪しかったから……」
「なるほど。……だが、呼び出しまでされることなのか?」
「されることだからコレがあるんでしょう……」
打ちひしがれる俺を見かねて手紙を覗き込んだエドワードは、俺とは違ったところを気にしている。
ていうか、そうだよ。俺だけならまだしも、これで婚約者であるエドワードにも瑕疵がある、なんてことになったら……!
「え、エド……あのね?」
「嫌だぞ。ん……これには一人で、なんて書かれてないし、俺が付いて行っても問題ないな」
「そんなことしたら逃げ道が!」
「カノン。俺に言ってくれた言葉は、嘘だったのか……?」
「う……」
眉を寄せ、悲しげな顔をするエドワードに俺は二の句が告げなくなる。多分だけど、俺が婚約解消を願い出ようとしたのを察したようだ。
確かに俺から婚約をどうこうするつもりはないって言ってはいたけど、それも場合によるだろう。だから婚約を解消して「彼は何も関係ないんです!」で完全に俺と切り離そうかと思ってたんだけど、エドワード本人に拒否された。どころか俺についてくるとまで言いだす始末。
ま、まぁ、悪い話だって決まった訳じゃないから……。エドワードに俺がおっちょこちょいだって補足してもらえば、少なくとも悪意はないって伝えられるかもしれないし。うん、ちょっと解消に踏み切るには早計だったかもな。別に、エドワードの捨てられた犬みたいな目に負けたわけじゃないからな!
でもできるなら俺一人の方が悪い話だったときに迷惑かけないよな、とエドワードを置いていくつもりだったが、休憩時間になるとべったりエドワードが俺にへばりついてきた。そんな気はしてた。
諦めて、指定された場所に向かう俺とエドワード。学園内にある王族と招待された人しか入れないという中庭に辿り着き、入り口に立っていた兵士さんに渡されていた手紙を見せて待つこと数分。
「ああ、待たせてしまったかな」
座ってお待ちくださいと言われるがまま椅子に腰掛け、出されたお茶を前にどうすべきか悩みまくる俺の耳に、昨日も聞いた美声が届く。
誰が来たか、なんて見なくても分かる。慌てて立ち上がった俺はそのまま胸に手を当て深く頭を下げ、まずは昨日の失態のイメージを払拭すべく敬意を示した。
「頭を上げてくれ。よく来てくれたな」
「は、はいっ! このように素晴らしい場所にお招きいただき、ありがたく存じます!」
「ここは、他人の目がないからな。……ところで、そちらの者は?」
「あっ、そのですね……」
「お初にお目にかかります。フォーリン辺境伯家当主、エドワード・フォーリンでございます」
「……君が」
「はい。我が妹をご寵愛いただき、第一王子殿下には感謝の念に堪えません」
一度顔を上げたあと、カルロスの問いかけに再度礼を取りながら名乗るエドワード。そういや目の前のことにいっぱいいっぱいで頭から飛んでたが、エドワードの妹はカルロスの婚約者候補なんだった。
しかし、エドワードの言い方だと『妹を大切にしてくれてるよね?』という圧を感じる。大丈夫だろうか。なんか、カルロスたちを信頼してないみたいに取られて不敬! って処されないだろうか?
「寵愛……ああ、その通りだ。離れて暮らす妹のことが心配かもしれないが、リズには何不自由なく過ごせるよう気を配っているから安心してほしい」
平気そうだわ。むしろなんだろう、ちょっとカルロス喜んでないか? 娘の結婚相手として父親に認められるぞ! みたいな系統のやる気を感じる。ちゃっかり愛称で呼んでるところも親密感をそれとなく表してるな。
エドワードもそれに気付いたのか、微妙に複雑そうな表情。そうだよな。大切にはされてるみたいでよかったけど、それはそれとしていざ肉親絡みのコイバナを聞かされるとなると妙な居心地悪さがあるもんだ。俺も里香が「告白されちゃった♡」ってニヤつきながら言ってきたとき、祝う気持ちと共にそこはかとない気まずさがあったから分かる。
そんななんとも表現しがたい空気の中、ふとカルロスの方を向くとその奥、入り口近くに誰かが立っているのが見えた。兵士さんではなく、ふわりと広がっているスカートから考えるに女子生徒。
しかし王族専用中庭、しかもカルロスが使っている時間にどうして女生徒が? 普通の生徒は立ち入り禁止の場所だが、もしかしてヒロインとの出会いイベントをここでやるのか……? と訝しむ俺の視線に、つられたようにエドワードとカルロスも顔を向けた。
「…………気付くのか……」
「? なにか……?」
「いや、よく周りを見ていると思って。きっと君たちは気にしてると考えたんだが、間違っていなかったようだ。……リズ、こちらへ」
……一瞬だけカルロスが全くの無表情になって俺を見た気がしたけど、気のせいだよな……。
見慣れた笑顔で手招きをしたカルロスに、半分隠れてこちらを窺っていた女生徒が優雅に歩いてくる。どうやら彼女も招待されていたようだ。
腰まである真っ赤で綺麗な髪。白く見えるほど色素の薄い瞳に違わず、近付くほどにビリビリと放たれる魔力の重さに皮膚がチリついた。
カルロスの口ぶりと呼んだ名前から、察せないほど俺も馬鹿ではない。彼女こそカルロスの婚約者候補、エドワードの双子の妹、そして俺の幼馴染である女性、エリザベス・フォーリン。
……なんだろうけど……まったくもって既視感を持てない。いやなんとなーく懐かしさは感じるんだけど、見覚え的なものは一切ない。
なんならエドワードより親しくしてた(メイミさん談)相手とあって顔を見れば記憶が湧き出てきたりするかもなー、とか考えていたが、見事なまでに杞憂。
しかし、この場合どう反応すればいいだろうか。
「始めまして!」はおかしいし、かといって「久しぶり!」も俺に記憶がない以上嘘になる。外聞が悪いからと記憶喪失(建前)であることはなるべく隠してもいるため、カルロスのいる場でいきなり暴露するのも少々問題があると思うし。
いや、そもそも紹介される側なのだからまずは黙ってるべきか? なんてとりあえず笑顔を張りつけながら考える俺。
そんな俺の葛藤を知ってか知らずか、カルロスは現れた婚約者候補に柔らかい視線を向けており、エドワードは年単位でしばらく会っていなかった兄妹の元気な姿に嬉しそう。その2人を見るエリザベスもにこにこしていて、まさにやさしいせかいというやつだ。
だが、その親し気な空間に俺は踏み込めない。本当なら”カノン”も仲間入りできるが、”嘉音”では無理だ。……ま、仕方ないけど。
でも、そう頭で思っても感情というものは時に自分自身にも制御できない。放っておかれている訳じゃないがちょっとだけ悲しくなってしまった俺は思わずエドワードの服を摘まんでしまい、すぐさま気付いたエドワードが勢いよく俺の方を向いたことに逆に驚いた。
「おわ……だ、大丈夫か? 首、捻ってない?」
「あ、ああ、平気だ……」
「あら、私ったら。お兄様に久しぶりに会えたからって、少々無礼でしたね」
「無礼?」
「私、そちらにおりますエドワードの妹、エリザベスと申します。フォーリン辺境伯家の令嬢として、カルロス様の婚約者候補を務めさせていただいておりますわ」
「……ん?」
「カルロス様から合わせたい者がいるというお話を聞いておりましたのに……。挨拶もせず、申し訳ありませんでした。お名前をお伺いしても?」
そう、制服のスカートを摘まんでぺこりと頭を下げるエリザベス。俺コレ知ってる、カーテシーってやつだ! ドレスじゃないため本当にちょんと摘まんでいるだけだが、様になっているあたり内からにじみ出る気品みたいなものが完璧なんだろう。
……って、そうじゃない。そうじゃないよ! すっごいおかしなこと言われてたよな!?
「……エリザ、カノンだ。カノン・アルベントだよ」
「まぁ! 貴方様が兄の婚約者の……。どうか、兄をよろしくお願いしますね?」
「……リズ?」
「あ、あれ……?」
「エリザ……もしかして……」
男三人揃ってあげた戸惑いの声に、きょとんとした顔のエリザベス。
ふと、思い出したのは前にちらりとエドワードに話されたこと。俺と同じく倒れたらしいエリザベスだが、手紙を見るに元気そうだ、という話。
性格が倒れる前と後でガラリと変わったところも症状が似てる、ってことだったが、俺と違って数日経つと記憶は元に戻ったって話だったはずだ。
だけど。だけどだ。
ほとんどの記憶は取り戻したが、一部分だけすっかり抜け落ちてたとしたら。
「……カノンのこと、覚えていない……?」
呆然と隣から漏れた内容は、俺が考えていたことと同じ。
どうやら、エリザベスは俺のことが頭の中からすっぽり消えてなくなっているようだった。
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