107 / 111
新しい日常
第107話 警備体制の変更
しおりを挟む
「何とか間に合いそうね。カウラちゃんこれ食べる?」
アメリアはガムを取り出し、カウラを見つめた。カウラはそのまま左手を差し伸べる。
「アタシも食うからな。誠はどうする?」
「ああ、僕もいただきます」
ガムを配るアメリア。片側三車線の道路が次第に詰まり始めた。
「車だと通用門の検問でいつもこれだもんね。どうにかならないのかしら」
「ここじゃあアサルト・モジュールや戦闘機なんかも作ってるんだ。セキュリティーはそれなりに凝ってくれなきゃ困る」
工場前での未登録車両の検査などのために渋滞している道。ガムを噛みながらかなめは腕を組む。しかし、意外に車の流れは速く、正門の自動認識ゲートをあっさりと通過することになった。
車は工場の中を進む。積荷を満載した電動モーター駆動の大型トレーラーが行きかうのがいかにも工場の敷地内らしい。
「誠ちゃん、よく原付でこの通りを走れるわね。トレーラーとかすれ違うの怖くない?」
「ああ、慣れてますから」
アメリアの問いに答えながら、すれ違うトレーラーを眺めていた。三台が列を成し、荷台に戦闘機の翼のようにも見える部品を満載して大型トレーラーがすれ違う。四人の顔を撫でるのはトレーラーのモーターが発する熱風ではなくクーラーから出る冷気だった。カウラは工場の建物の尽きたはずれ、コンクリートで覆われた司法局実働部隊駐屯地へと進んだ。
「身分証、持ってるわよね」
アメリアがそう言いながらバッグから自分の身分証を出す。
「それとこれ、返しとくわ」
アメリアに彼女の愛銃、スプリングフィールドXDM40を渡した。
車は工場の中を順調に進み、部隊の警備担当者のいるゲートへとたどり着いた。
「意外に早く着いたんじゃないの?」
カウラの車を見つけて振り返った警備の隊員が形ばかりの敬礼をしてくる。かなめは誠の身分証を受け取ると自分のものと一緒にカウラに渡した。
「すいません……身分証を……」
その小柄な隊員がカウラのいる運転席をのぞき込んだ。
「おい!顔見てわからねえのか?このぼんくら!」
「すいません。おとといの正体不明の敵に神前が襲われた一件で警備はしっかりとの本部からのお達しがあって……。手間をとらせてすいません。一応私達も公務員なんで上の指示が出たら……すいません」
カウラはそばかすの隊員に四人の身分証を詰め所の部下に渡す。彼が言うことが海で出たアロハシャツの襲撃者のことだと思い出して誠は苦笑いを浮かべた。
「しかし、大変よね、技術部も。全員チェックするようになったの?」
「まあ……。同盟機構の政治屋さん達に一応姿勢だけは見せとかないと……菰田さんがうるさいんで」
アメリアの問いに警備任務中の技術部員はそう答えた。ゲートが開き、そのまま車が滑り込む。カウラはそのまま隊員の車が並ぶ駐車場の奥に進み停車した。
「もう来てるんだ、茜ちゃん……几帳面ねえ……親父さんとは大違い」
助手席から降りたアメリアが隣に止まっている白い高級セダンを見ながらそう言った。
「アメリア!遅いわよ!」
誠とかなめが狭いスポーツカーの後部座席から体を出すと、その目の前にはサラが来ていた。
「おはよう!別に遅刻じゃないでしょ?」
「おはようじゃないわよ!四人とも早く着替えて会議室に行きなさいよ!嵯峨筆頭捜査官がもう準備して待ってるんだから」
「どこ行くの?サラ」
「決まってるじゃないの!歓迎会の準備よ!」
サラはそう言うとそのまま走り去った。とりあえず急ぐべきだと言うことがわかった誠達はそのまま早足でハンガーに向かった。
アメリアはガムを取り出し、カウラを見つめた。カウラはそのまま左手を差し伸べる。
「アタシも食うからな。誠はどうする?」
「ああ、僕もいただきます」
ガムを配るアメリア。片側三車線の道路が次第に詰まり始めた。
「車だと通用門の検問でいつもこれだもんね。どうにかならないのかしら」
「ここじゃあアサルト・モジュールや戦闘機なんかも作ってるんだ。セキュリティーはそれなりに凝ってくれなきゃ困る」
工場前での未登録車両の検査などのために渋滞している道。ガムを噛みながらかなめは腕を組む。しかし、意外に車の流れは速く、正門の自動認識ゲートをあっさりと通過することになった。
車は工場の中を進む。積荷を満載した電動モーター駆動の大型トレーラーが行きかうのがいかにも工場の敷地内らしい。
「誠ちゃん、よく原付でこの通りを走れるわね。トレーラーとかすれ違うの怖くない?」
「ああ、慣れてますから」
アメリアの問いに答えながら、すれ違うトレーラーを眺めていた。三台が列を成し、荷台に戦闘機の翼のようにも見える部品を満載して大型トレーラーがすれ違う。四人の顔を撫でるのはトレーラーのモーターが発する熱風ではなくクーラーから出る冷気だった。カウラは工場の建物の尽きたはずれ、コンクリートで覆われた司法局実働部隊駐屯地へと進んだ。
「身分証、持ってるわよね」
アメリアがそう言いながらバッグから自分の身分証を出す。
「それとこれ、返しとくわ」
アメリアに彼女の愛銃、スプリングフィールドXDM40を渡した。
車は工場の中を順調に進み、部隊の警備担当者のいるゲートへとたどり着いた。
「意外に早く着いたんじゃないの?」
カウラの車を見つけて振り返った警備の隊員が形ばかりの敬礼をしてくる。かなめは誠の身分証を受け取ると自分のものと一緒にカウラに渡した。
「すいません……身分証を……」
その小柄な隊員がカウラのいる運転席をのぞき込んだ。
「おい!顔見てわからねえのか?このぼんくら!」
「すいません。おとといの正体不明の敵に神前が襲われた一件で警備はしっかりとの本部からのお達しがあって……。手間をとらせてすいません。一応私達も公務員なんで上の指示が出たら……すいません」
カウラはそばかすの隊員に四人の身分証を詰め所の部下に渡す。彼が言うことが海で出たアロハシャツの襲撃者のことだと思い出して誠は苦笑いを浮かべた。
「しかし、大変よね、技術部も。全員チェックするようになったの?」
「まあ……。同盟機構の政治屋さん達に一応姿勢だけは見せとかないと……菰田さんがうるさいんで」
アメリアの問いに警備任務中の技術部員はそう答えた。ゲートが開き、そのまま車が滑り込む。カウラはそのまま隊員の車が並ぶ駐車場の奥に進み停車した。
「もう来てるんだ、茜ちゃん……几帳面ねえ……親父さんとは大違い」
助手席から降りたアメリアが隣に止まっている白い高級セダンを見ながらそう言った。
「アメリア!遅いわよ!」
誠とかなめが狭いスポーツカーの後部座席から体を出すと、その目の前にはサラが来ていた。
「おはよう!別に遅刻じゃないでしょ?」
「おはようじゃないわよ!四人とも早く着替えて会議室に行きなさいよ!嵯峨筆頭捜査官がもう準備して待ってるんだから」
「どこ行くの?サラ」
「決まってるじゃないの!歓迎会の準備よ!」
サラはそう言うとそのまま走り去った。とりあえず急ぐべきだと言うことがわかった誠達はそのまま早足でハンガーに向かった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪徳公主と冷徹皇帝陛下の後宮薬膳茶
菱沼あゆ
キャラ文芸
冷徹非道と噂の皇帝陛下のもとに、これまた悪しき評判しかない異国の王女、琳玲がやってきた。
琳玲は皇后の位は与えられたが、離宮に閉じ込められる。
それぞれの思惑がある離宮の女官や侍女たちは、怪しい薬草で皇帝陛下たちを翻弄する琳玲を観察――。
悪徳公主と冷徹皇帝陛下と女官たちの日々は今日も騒がしい。
完 弱虫のたたかい方 (番外編更新済み!!)
水鳥楓椛
恋愛
「お姉様、コレちょーだい」
無邪気な笑顔でオネガイする天使の皮を被った義妹のラテに、大好きなお人形も、ぬいぐるみも、おもちゃも、ドレスも、アクセサリーも、何もかもを譲って来た。
ラテの後ろでモカのことを蛇のような視線で睨みつける継母カプチーノの手前、譲らないなんていう選択肢なんて存在しなかった。
だからこそ、モカは今日も微笑んだ言う。
「———えぇ、いいわよ」
たとえ彼女が持っているものが愛しの婚約者であったとしても———、
無限在庫チートで異世界を買い占める〜窓際おじさんが廃棄予定のカップ麺で廃村エルフと腹ペコ魔王を救済したら最強商会ができました〜
黒崎隼人
ファンタジー
物流倉庫で不良在庫の管理に追われるだけの42歳、窓際サラリーマンのタケシ。
ある日突然、彼は見知らぬ森の中へと転移してしまう。
彼に与えられたのは、地球で廃棄される運命にあったあらゆる物資を無尽蔵に引き出せる規格外のスキル「無限在庫処分」だった。
賞味期限間近のカップ麺、パッケージ変更で捨てられるレトルトカレー、そして型落ちの電動工具。
地球ではゴミとされるこれらの品々が、異世界では最強のチートアイテムと化す!
森で倒れていたエルフの少女リリアをカップ麺で救ったタケシは、領主の搾取によって滅亡寸前だった彼女の村を拠点とし、現代の物資と物流ノウハウを駆使して商会を立ち上げる。
美味しいご飯と圧倒的な利便性で異世界の人々の胃袋と生活を掴み、村は急速に発展。
さらには、深刻な食糧難で破綻寸前だった美少女魔王ルビア率いる魔王軍と「業務提携」を結び、最強の武力を物流の護衛として手に入れる!
剣も魔法も使わない。武器は段ボールと現代の知識だけ。
窓際おじさんが圧倒的な物量で悪徳領主の経済基盤をすり潰し、異世界の常識を塗り替えていく、痛快・異世界経営スローライフ、開幕!
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
追放された宮廷薬師、科学の力で不毛の地を救い、聡明な第二王子に溺愛される
希羽
ファンタジー
王国の土地が「灰色枯病」に蝕まれる中、若干25歳で宮廷薬師長に就任したばかりの天才リンは、その原因が「神の祟り」ではなく「土壌疲弊」であるという科学的真実を突き止める。しかし、錬金術による安易な「奇跡」にすがりたい国王と、彼女を妬む者たちの陰謀によって、リンは国を侮辱した反逆者の濡れ衣を着せられ、最も不毛な土地「灰の地」へ追放されてしまう。
すべてを奪われた彼女に残されたのは、膨大な科学知識だけだった。絶望の地で、リンは化学、物理学、植物学を駆使して生存基盤を確立し、やがて同じく見捨てられた者たちと共に、豊かな共同体「聖域」をゼロから築き上げていく。
その様子を影から見守り、心を痛めていたのは、第二王子アルジェント。宮廷で唯一リンの価値を理解しながらも、彼女の追放を止められなかった無力な王子だった。
【完結】孤独を抱いた英雄と、孤独に生まれた魔法使い〜元Sランクと訳あり美少年の共同生活〜
藤原遊
ファンタジー
かつて“英雄”と呼ばれた女冒険者と、魔族の血を引く訳あり美少年の共同生活。
静かな町外れで暮らす元Sランク剣士シズナ。
魔力が使えず、かつては戦場を駆け抜けた彼女は、今は人目を避けて暮らしている。
ある日、彼女は“人間ではない少年”を拾う。
魔王軍の血を引き、人間にも魔族にも馴染めなかった少年・リュカ。
異質な力に怯えながら、それでも彼は人の中で生きたかった。
「あなたの隣にいたい。守れるくらい、強くなって」
少年は英雄に恋をした。
孤独を知る二人が、“居場所”と“誰かの隣”を探す、あたたかくて少し切ない成長譚。
【完結】魔王を殺された黒竜は勇者を許さない
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
ファンタジー
幼い竜は何もかも奪われた。勇者を名乗る人族に、ただ一人の肉親である父を殺される。慈しみ大切にしてくれた魔王も……すべてを奪われた黒竜は次の魔王となった。神の名づけにより力を得た彼は、魔族を従えて人間への復讐を始める。奪われた痛みを乗り越えるために。
だが、人族にも魔族を攻撃した理由があった。滅ぼされた村や町、殺された家族、奪われる数多の命。復讐は連鎖する。
互いの譲れない正義と復讐がぶつかり合う世界で、神は何を望み、幼竜に力と名を与えたのか。復讐を終えるとき、ガブリエルは何を思うだろうか。
ハッピーエンド
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/03/02……完結
2023/12/21……エブリスタ、トレンド#ファンタジー 1位
2023/12/20……アルファポリス、男性向けHOT 20位
2023/12/19……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる