10 / 15
憤怒は蜜愛に溶かされて
しおりを挟む
しかし口付けが下へ下へと行くと、呼吸するたびにコルセットの奥で腹が上下するのが嫌でも感じてしまう。すると、今まで彼の方へ向いていた意識が自分へと向いてきたのだった。
……醜い太った身体だこと。
全部、あんたのせいよ。
不意に自分への苛立ちが爆発した。そして私は、コルセットを巻いた腹を拳で殴ろうとした。
しかしその瞬間。グーは大きな手に包み込まれてしまったのだった。
「え、あ……」
呆気に取られていると、大きな手が脇の下を思いっきり擽ってきたのだった。
「……っ、ひ、ぁ、っ!? ……っ、ちょ、ドゴール様、ぁ、」
「ふ、やられっぱなしは性にあわないんだ」
よろけたところで、ドゴールは私をベッドの上に押し倒したのだった。
「ん……エレナ」
「ぁ、……んんっ」
深い深い口付けの後、ドゴールは私の身体に愛撫とキスをし始めた。
ナイトドレス越しに、熊の吐息が身体に当たる。しかし私の了解無しに彼が服を取り払うことは無い。つまりナイトドレスは、彼と私を隔てる鉄格子と言ったところである。
柔らかな檻の外で、熊は私を待ち構えているのだ。
「……は、っ、」
「ぁ、……んっ、」
ドゴールと迎えた初めての夜。私は、ナイトドレスを脱がされる直前に泣いてしまった。美しさの型にはまれなかった自分の身体を見て彼に嫌われると考えたら、恐ろしさのあまり涙が出てきたのだ。
彼に全てを晒すことが出来るようになるまで、多くの時間を要したことは事実だ。けれども、彼は焦らすことなく待っていてくれたのである。
まだ直に触れられていないというのに、身体はすっかり熱を孕んでいた。
「ドゴール様」
愛しい名を呼び、私は彼の鼻先にキスをした。その行為はいつしか、‘‘良し’’という私なりの意思表示となっていた。
「ん、……分かった」
大きな手が、コルセットとナイトドレスとドロワーズを取り払う。そしてドゴールは、直ぐさま私を抱きすくめたのだった。
「……っ、ぁ、っ、あ、ん」
淫蜜により蕩け始めていた秘所が、太ましい指で解されていく。熊の手が蜜をかき混ぜる音が自分の耳にまで届いて恥ずかしい。嫌だ嫌だと首を振るものの、ドゴールが指を止めることはなかった。
彼は分かっているのだ。私が今何を一番欲しているのかを。
「……っ、ふ、もう良さそうだな」
絶頂の気配を感じかけた矢先、ドゴールは指を引き抜いた。そして、ゆっくりと私の脚を大きく開かせたのだった。
「……っ」
彼の下腹部に目を向けると、硬く反り返った‘‘尻尾’’が姿を現していた。
熊の尻尾は太くて短い。しかし彼のそれは、太くて長い。まるでそびえ立つ塔のようだ。そこは彼が唯一怪我を負っていない場所で傷跡は無いものの、いつ見てもその猛々しさに息を呑んでしまうのだった。
ペニスの先端には透明な先走りが滲んでおり、ドゴールは自身に淫蜜を絡めるように性器同士を擦り合わせ始めた。
「あ、……ドゴール様、ぁ、……っ、」
熱が陰唇に擦り付けられる度に、喘ぎ声が漏れる。しかし意地悪な熊は、快楽により零れた涙を舌先で舐め取るばかりで奥には来てくれない。これ以上先には、私から誘わなければならないのだ。
「……っ、は……、ドゴール、様……っ、もっと、奥、いらして、」
「ん、……っ、そうか」
「ひ、ぁ、ああああっ」
ずん、と熱杭が身体を貫いた瞬間、私は悲鳴をあげた。胎内が侵入してきた大きな存在を締め付けたことにより、熊は切なげに眉を寄せた。
しかし、ドゴールは間髪を容れずに抜き差しを始めたのだった。
「ひ、あっ、ドゴール様、ぁ、」
「……っ、は、エレナ……っ、は、」
ドゴールを受け入れたことで、私の下腹部はやや膨らんでいるようにも見える。しかし不思議なことに、太ったという嫌悪感は微塵も感じない。むしろ、愛する男と一つになれたという幸福感すら抱いていた。
……醜い太った身体だこと。
全部、あんたのせいよ。
不意に自分への苛立ちが爆発した。そして私は、コルセットを巻いた腹を拳で殴ろうとした。
しかしその瞬間。グーは大きな手に包み込まれてしまったのだった。
「え、あ……」
呆気に取られていると、大きな手が脇の下を思いっきり擽ってきたのだった。
「……っ、ひ、ぁ、っ!? ……っ、ちょ、ドゴール様、ぁ、」
「ふ、やられっぱなしは性にあわないんだ」
よろけたところで、ドゴールは私をベッドの上に押し倒したのだった。
「ん……エレナ」
「ぁ、……んんっ」
深い深い口付けの後、ドゴールは私の身体に愛撫とキスをし始めた。
ナイトドレス越しに、熊の吐息が身体に当たる。しかし私の了解無しに彼が服を取り払うことは無い。つまりナイトドレスは、彼と私を隔てる鉄格子と言ったところである。
柔らかな檻の外で、熊は私を待ち構えているのだ。
「……は、っ、」
「ぁ、……んっ、」
ドゴールと迎えた初めての夜。私は、ナイトドレスを脱がされる直前に泣いてしまった。美しさの型にはまれなかった自分の身体を見て彼に嫌われると考えたら、恐ろしさのあまり涙が出てきたのだ。
彼に全てを晒すことが出来るようになるまで、多くの時間を要したことは事実だ。けれども、彼は焦らすことなく待っていてくれたのである。
まだ直に触れられていないというのに、身体はすっかり熱を孕んでいた。
「ドゴール様」
愛しい名を呼び、私は彼の鼻先にキスをした。その行為はいつしか、‘‘良し’’という私なりの意思表示となっていた。
「ん、……分かった」
大きな手が、コルセットとナイトドレスとドロワーズを取り払う。そしてドゴールは、直ぐさま私を抱きすくめたのだった。
「……っ、ぁ、っ、あ、ん」
淫蜜により蕩け始めていた秘所が、太ましい指で解されていく。熊の手が蜜をかき混ぜる音が自分の耳にまで届いて恥ずかしい。嫌だ嫌だと首を振るものの、ドゴールが指を止めることはなかった。
彼は分かっているのだ。私が今何を一番欲しているのかを。
「……っ、ふ、もう良さそうだな」
絶頂の気配を感じかけた矢先、ドゴールは指を引き抜いた。そして、ゆっくりと私の脚を大きく開かせたのだった。
「……っ」
彼の下腹部に目を向けると、硬く反り返った‘‘尻尾’’が姿を現していた。
熊の尻尾は太くて短い。しかし彼のそれは、太くて長い。まるでそびえ立つ塔のようだ。そこは彼が唯一怪我を負っていない場所で傷跡は無いものの、いつ見てもその猛々しさに息を呑んでしまうのだった。
ペニスの先端には透明な先走りが滲んでおり、ドゴールは自身に淫蜜を絡めるように性器同士を擦り合わせ始めた。
「あ、……ドゴール様、ぁ、……っ、」
熱が陰唇に擦り付けられる度に、喘ぎ声が漏れる。しかし意地悪な熊は、快楽により零れた涙を舌先で舐め取るばかりで奥には来てくれない。これ以上先には、私から誘わなければならないのだ。
「……っ、は……、ドゴール、様……っ、もっと、奥、いらして、」
「ん、……っ、そうか」
「ひ、ぁ、ああああっ」
ずん、と熱杭が身体を貫いた瞬間、私は悲鳴をあげた。胎内が侵入してきた大きな存在を締め付けたことにより、熊は切なげに眉を寄せた。
しかし、ドゴールは間髪を容れずに抜き差しを始めたのだった。
「ひ、あっ、ドゴール様、ぁ、」
「……っ、は、エレナ……っ、は、」
ドゴールを受け入れたことで、私の下腹部はやや膨らんでいるようにも見える。しかし不思議なことに、太ったという嫌悪感は微塵も感じない。むしろ、愛する男と一つになれたという幸福感すら抱いていた。
10
あなたにおすすめの小説
私に毒しか吐かない婚約者が素直になる魔法薬を飲んだんですけど、何も変わりませんよね?そうですよね!?
春瀬湖子
恋愛
ロヴィーシャ伯爵家には私ことクリスタしか子供がおらず、その為未来の婿としてユースティナ侯爵家の次男・テオドールが婚約者として来てくれたのだが、顔を合わせればツンツンツンツン毒ばかり。
そんな彼に辟易しつつも、我が家の事情で婚約者になって貰った為に破棄なんて出来るはずもなく⋯
売り言葉に買い言葉で喧嘩ばかりの現状を危惧した私は、『一滴垂らせば素直になれる』という魔法薬を手に入れたのだが、何故かテオドールが瓶ごと一気飲みしてしまって!?
素直になれないツンデレ令息×拗らせ令嬢のラブコメです。
※他サイト様にも投稿しております
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
幸福な初恋の終わり方~王子は傷もの令嬢を寵愛す~
二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
令嬢ヨアンナは、顔にある痘痕が理由で婚約が決まらないでいた。そんな折、父親から次の誕生日を迎える前に結婚相手が見つからなければ、修道院送りにすると宣告される。
彼女は結婚相手を探すために渋々夜会に参加するが、引っ込み思案が故上手くいかない。しかしある夜会で、ヨアンナは大国ラフタシュの王女テレサに気に入られる。そして彼女は王室の宮殿に招かれ、テレサの兄ヘンリクと出会う。やがて三人は事ある毎に行動を共にするようになる。
奔放な兄妹と過ごす日々は、いつしかヨアンナの生活を彩っていく。そしてヘンリクとの仲も深まっていくが、別れの日は刻一刻と迫っていて……?
コワモテ軍人な旦那様は彼女にゾッコンなのです~新婚若奥様はいきなり大ピンチ~
二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
政治家の令嬢イリーナは社交界の《白薔薇》と称される程の美貌を持ち、不自由無く華やかな生活を送っていた。
彼女は王立陸軍大尉ディートハルトに一目惚れするものの、国内で政治家と軍人は長年対立していた。加えて軍人は質実剛健を良しとしており、彼女の趣味嗜好とはまるで正反対であった。
そのためイリーナは華やかな生活を手放すことを決め、ディートハルトと無事に夫婦として結ばれる。
幸せな結婚生活を謳歌していたものの、ある日彼女は兄と弟から夜会に参加して欲しいと頼まれる。
そして夜会終了後、ディートハルトに華美な装いをしているところを見られてしまって……?
イケメン恋人が超絶シスコンだった件
ツキノトモリ
恋愛
学内でも有名なイケメン・ケイジに一目惚れされたアイカ。だが、イケメンはアイカ似の妹を溺愛するシスコンだった。妹の代わりにされてるのではないかと悩んだアイカは別れを告げるが、ケイジは別れるつもりはないらしくーー?!
真面目な王子様と私の話
谷絵 ちぐり
恋愛
婚約者として王子と顔合わせをした時に自分が小説の世界に転生したと気づいたエレーナ。
小説の中での自分の役どころは、婚約解消されてしまう台詞がたった一言の令嬢だった。
真面目で堅物と評される王子に小説通り婚約解消されることを信じて可もなく不可もなくな関係をエレーナは築こうとするが…。
※Rシーンはあっさりです。
※別サイトにも掲載しています。
冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い
森本イチカ
恋愛
妹じゃなくて、女として見て欲しい。
14歳年下の凛子は幼馴染の優にずっと片想いしていた。
やっと社会人になり、社長である優と少しでも近づけたと思っていた矢先、優がお見合いをしている事を知る凛子。
女としてみて欲しくて迫るが拒まれてーー
★短編ですが長編に変更可能です。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる