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北方領ペルゼミネ編
第79話 謁見
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ハルヴァ城――謁見の間。
高峰颯太が初めてハルヴァ王と会談する場所である。
赤い絨毯が道のように真っ直ぐと敷かれ、屈強な兵士たちが両サイドに立ち並んでいる。その真ん中を、堂々と胸を張って歩くアンジェリカとビクビクしながら進む颯太――やがて、
「よく来てくれた」
威厳溢れる声に呼ばれて、颯太は顔を上げる。
視線の先にいたのがハルヴァの王――アルフォン14世その人だ。
「余がハルヴァ国王――アルフォン14世だ」
「た、高峰颯太と申します」
当たり前の話だが、会社の上司とは漂うオーラが別格だ。
ただ単に年を重ねてきただけではない。国を背負って生きてきた者しか出せない、燃えるような眼差しと風格――これが「王」たる所以か。
とりあえず、粗相のないように敬語や態度には細心の注意を払わなくてはいけない。
「すでにガブリエルの方から話しは行っているとは思うが……タカミネ・ソータ、君には竜医のブリギッテ・サウアーズと共にペルゼミネを訪問してもらいたい」
「陛下。なぜ、タカミネ・ソータさんが選ばれたのでしょうか?」
疑問をぶつけたのはアンジェリカだった。
場慣れしているのか度胸が桁違いにいいのか、まったく怯む様子もなく、ぶれることない視線をアルフォン王へ送っている。
「簡単なことだよ――彼の能力を使い、ペルゼミネで起きている問題を解決してきてもらいたいのだ」
予想通りの回答。
しかし、その答えではそれではアンジェリカを納得させることはできない。
「彼の能力――竜の言霊の件を他国に漏らすのは……」
それはまさに、先ほどガブリエルにぶつけたのと同じ質問。
「うむ。望ましいことではないというのは百も承知――だが、ペルゼミネに起きている事態は後々このハルヴァにも悪影響を及ぼす可能性がある。その不安の種を早期に摘み取るという意味で……君の能力を使用して収束を図る必要があると判断したのだ」
「ペルゼミネで起きている事態……それは一体なんでしょうか?」
颯太が問うと、白銀の髭を数回撫でて、アルフォン王が答えた。
「現在、ペルゼミネで管理されているドラゴンに謎の奇病が蔓延している」
「謎の奇病……でございますか?」
「ああ――それも、死に至る可能性が強い病だ」
「死」という単語が出て瞬間、颯太とアンジェリカの表情が曇る。
「すでにペルゼミネでは数匹のドラゴンがこの病により危機的な状況に瀕していると報告があった。恐ろしいのは、この病気は感染力が強いということだ」
「感染症……人間側への影響はあるのでしょうか?」
「まったく不明だ。そもそも、この病は過去に例のあるものなのか、それすらまだ解明されていない状況にある。――だが、ドラゴンたちの衰弱振りから、決定的な治療を施さない限り命を落とすのは明白だと言う」
ペルゼミネに起きている事態。
その中身は、ドラゴンの間で流行している感染症のことだった。
「使者が持ってきた手紙の書面には、このままでは、他国のドラゴンにも影響が出る可能性があると記されていた。さらに、4大国家の竜医を集め、この奇病についての治療法を模索する検討会の開催をしたいとも書かれていた」
「……サウアーズ医師とタカミネ・ソータをペルゼミネに派遣し、その奇病の治療法を確立する――そのきっかけをハルヴァから派遣した2人がもたらしたとなったら、他国のハルヴァを見る目は変わりますわね」
「ははは、見方によってはそうとも捉えられるな」
アルフォン王はサラッと流し笑ったが、アンジェリカはそれこそが今回の件の本質に違いないと確信した。
立場的に、ハルヴァは4大国家の中で間違いなく最下位の存在だろう。それが、今回のペルゼミネで起きたドラゴンの感染症の治療方法に大きく貢献することで、少しでもその地位を向上させようというのがアルフォン王の本音なのだろう――アンジェリカは今回の派遣をそう自己分析していた。
そして、その地位向上は颯太の能力を他国に公開するというリスクを冒してでも成し遂げたいということなのだろうとも感じ取っていた。
「そういうわけで、君とブリギッテ・サウアーズの2名には明朝にもペルゼミネに向けて出立してもらいたい。――ああ、それと、外交局のカレン・アルデンハークも同行したいと要望が出ているため、彼女も共にペルゼミネへ行くことになる」
「わかりました。その依頼、謹んでお受けいたします」
颯太は背筋を伸ばし、王へ一礼。
どうしても、サラリーマン時代の口調や仕草になってしまうが、周りの反応から別段おかしな点はなかったようで一安心する。
アルフォン王の依頼を颯太が受けたことで、謁見の間での王との会談はひとまず終了する運びとなった。多忙を極める王のスケジュールは分刻み。今度は旧レイノア王都の件についてフライアと会う予定らしかった。
会談時間はおよそ30分。
必要最低限の会話のみという短い時間であったが、颯太には無限に等しいとさえ思えるほどの感覚だった。
じっとりと浮かぶ額の汗を二の腕で拭うと、
「君の働きには期待しているぞ」
正面から受け止めるその言葉の重み。
今回は初めてとなる他国との関わり――それだけで緊張している颯太には、もはやダメ押しに近い言葉だ。
しかし――同時にやりがいも感じると思っていた。
謁見の間を出た颯太とアンジェリカは、それぞれの牧場へ戻るため城門前へと来ていた。
「あなたが留守にしていても大丈夫なように、こちらも手を打ちますわ」
「すまないな」
「その分はあなたの能力を有効活用させてもらうことで賄うとしますわ」
それが、マーズナーとリンスウッドの間で交わされた協力体制の条件だから――アンジェリカはそう付け足したが、単純に1人となってしまうキャロルを気遣ってのことだろう。
ただ、今回はメア、ノエル、イリウス、リート、パーキース、マキナとドラゴンの数は多いのでキャロルも寂しくはないだろうとは思うが。
「とりあえず、自分がやれることをしっかりやってくればそれでいいのですわ」
「そうだな。肝に銘じるよ」
お互いの健闘を祈り、2人はそれぞれの牧場へと戻って行った。
――その頃。
国防大臣執務室。
そこにはブロドリック国防大臣とカレン・アルデンハークの姿があった。
「ペルゼミネ、か……奇病とやらがどのようなものか気がかりではあるが、それでも、タカミネ・ソータの能力を他国に公表するとは思い切ったご決断をなさったな」
「しかし、タカミネ・ソータの能力をきっかけにしてその奇病の治療法が見つかれば、ハルヴァにとってこれ以上ないほど有益なことになります」
「それはそうじゃが……」
珍しく歯切れの悪いブロドリック。
何か、思うところがあるようだった。
「納得がいきませんか?」
「タカミネ・ソータをペルゼミネに派遣するという話についてはワシも賛成じゃ。……問題視しているのは外交局の動きじゃよ」
「!」
「あれだけタカミネ・ソータにこだわっておったのに、彼がペルゼミネに派遣されることが提案されてもなんのアクションも起こさなかった。ひと悶着あるかと思っておったが」
「…………」
外交局という言葉に、カレンは一瞬目を見開く。闇を暴くと、国防局と協力するスパイとなったカレンだが、現段階ではまだ所属は外交局となっている。そんな彼女にとっては複雑な心境だろう。
「カレンくん……この件について、君のところに何か情報は行っておるか?」
「ありません。恐らく、私たちのような若手には真意を伝えようとしないでしょう」
「そうか……」
外交局の閉塞感は、ブロドリックが想定していたよりもずっと深刻な状態であるのがカレンの発言から発覚した。それに伴い、やはり今の外交局には何やら表沙汰にできない闇の部分が存在しているとも感じた。
「ともかく、明日から私もタカミネ・ソータさんと一緒にペルゼミネに向かいます」
「その報告は受けているが……ソータの監視だけが目的か? それとも、外交的な役割もあるのか?」
「いえ。ペルゼミネとの交渉には別の方がつきます。私の目的はあくまでも……タカミネ・ソータさんの行動を監視することです」
ペルゼミネとの交渉に立ち会えないことへ不満はあるようだった。
「……君もいろいろと苦労しておるようだが、ワシらも外交局の動きには今後も注意をしていくつもりだ」
「よろしくお願いします。私も、出来る限りの協力はしていきますので」
カレンが退室するのを見届けると、ブロドリックは椅子に深く腰掛けて力なく息を吐いた。
「ペルゼミネ遠征……何事もなければよいがのぅ」
チラリと視線を窓へと移す。
その先に広がる空は、不安に彩られたブロドリックの心境をあざ笑うかのように、雲ひとつ見当たらない澄んだ青色をしていた。
高峰颯太が初めてハルヴァ王と会談する場所である。
赤い絨毯が道のように真っ直ぐと敷かれ、屈強な兵士たちが両サイドに立ち並んでいる。その真ん中を、堂々と胸を張って歩くアンジェリカとビクビクしながら進む颯太――やがて、
「よく来てくれた」
威厳溢れる声に呼ばれて、颯太は顔を上げる。
視線の先にいたのがハルヴァの王――アルフォン14世その人だ。
「余がハルヴァ国王――アルフォン14世だ」
「た、高峰颯太と申します」
当たり前の話だが、会社の上司とは漂うオーラが別格だ。
ただ単に年を重ねてきただけではない。国を背負って生きてきた者しか出せない、燃えるような眼差しと風格――これが「王」たる所以か。
とりあえず、粗相のないように敬語や態度には細心の注意を払わなくてはいけない。
「すでにガブリエルの方から話しは行っているとは思うが……タカミネ・ソータ、君には竜医のブリギッテ・サウアーズと共にペルゼミネを訪問してもらいたい」
「陛下。なぜ、タカミネ・ソータさんが選ばれたのでしょうか?」
疑問をぶつけたのはアンジェリカだった。
場慣れしているのか度胸が桁違いにいいのか、まったく怯む様子もなく、ぶれることない視線をアルフォン王へ送っている。
「簡単なことだよ――彼の能力を使い、ペルゼミネで起きている問題を解決してきてもらいたいのだ」
予想通りの回答。
しかし、その答えではそれではアンジェリカを納得させることはできない。
「彼の能力――竜の言霊の件を他国に漏らすのは……」
それはまさに、先ほどガブリエルにぶつけたのと同じ質問。
「うむ。望ましいことではないというのは百も承知――だが、ペルゼミネに起きている事態は後々このハルヴァにも悪影響を及ぼす可能性がある。その不安の種を早期に摘み取るという意味で……君の能力を使用して収束を図る必要があると判断したのだ」
「ペルゼミネで起きている事態……それは一体なんでしょうか?」
颯太が問うと、白銀の髭を数回撫でて、アルフォン王が答えた。
「現在、ペルゼミネで管理されているドラゴンに謎の奇病が蔓延している」
「謎の奇病……でございますか?」
「ああ――それも、死に至る可能性が強い病だ」
「死」という単語が出て瞬間、颯太とアンジェリカの表情が曇る。
「すでにペルゼミネでは数匹のドラゴンがこの病により危機的な状況に瀕していると報告があった。恐ろしいのは、この病気は感染力が強いということだ」
「感染症……人間側への影響はあるのでしょうか?」
「まったく不明だ。そもそも、この病は過去に例のあるものなのか、それすらまだ解明されていない状況にある。――だが、ドラゴンたちの衰弱振りから、決定的な治療を施さない限り命を落とすのは明白だと言う」
ペルゼミネに起きている事態。
その中身は、ドラゴンの間で流行している感染症のことだった。
「使者が持ってきた手紙の書面には、このままでは、他国のドラゴンにも影響が出る可能性があると記されていた。さらに、4大国家の竜医を集め、この奇病についての治療法を模索する検討会の開催をしたいとも書かれていた」
「……サウアーズ医師とタカミネ・ソータをペルゼミネに派遣し、その奇病の治療法を確立する――そのきっかけをハルヴァから派遣した2人がもたらしたとなったら、他国のハルヴァを見る目は変わりますわね」
「ははは、見方によってはそうとも捉えられるな」
アルフォン王はサラッと流し笑ったが、アンジェリカはそれこそが今回の件の本質に違いないと確信した。
立場的に、ハルヴァは4大国家の中で間違いなく最下位の存在だろう。それが、今回のペルゼミネで起きたドラゴンの感染症の治療方法に大きく貢献することで、少しでもその地位を向上させようというのがアルフォン王の本音なのだろう――アンジェリカは今回の派遣をそう自己分析していた。
そして、その地位向上は颯太の能力を他国に公開するというリスクを冒してでも成し遂げたいということなのだろうとも感じ取っていた。
「そういうわけで、君とブリギッテ・サウアーズの2名には明朝にもペルゼミネに向けて出立してもらいたい。――ああ、それと、外交局のカレン・アルデンハークも同行したいと要望が出ているため、彼女も共にペルゼミネへ行くことになる」
「わかりました。その依頼、謹んでお受けいたします」
颯太は背筋を伸ばし、王へ一礼。
どうしても、サラリーマン時代の口調や仕草になってしまうが、周りの反応から別段おかしな点はなかったようで一安心する。
アルフォン王の依頼を颯太が受けたことで、謁見の間での王との会談はひとまず終了する運びとなった。多忙を極める王のスケジュールは分刻み。今度は旧レイノア王都の件についてフライアと会う予定らしかった。
会談時間はおよそ30分。
必要最低限の会話のみという短い時間であったが、颯太には無限に等しいとさえ思えるほどの感覚だった。
じっとりと浮かぶ額の汗を二の腕で拭うと、
「君の働きには期待しているぞ」
正面から受け止めるその言葉の重み。
今回は初めてとなる他国との関わり――それだけで緊張している颯太には、もはやダメ押しに近い言葉だ。
しかし――同時にやりがいも感じると思っていた。
謁見の間を出た颯太とアンジェリカは、それぞれの牧場へ戻るため城門前へと来ていた。
「あなたが留守にしていても大丈夫なように、こちらも手を打ちますわ」
「すまないな」
「その分はあなたの能力を有効活用させてもらうことで賄うとしますわ」
それが、マーズナーとリンスウッドの間で交わされた協力体制の条件だから――アンジェリカはそう付け足したが、単純に1人となってしまうキャロルを気遣ってのことだろう。
ただ、今回はメア、ノエル、イリウス、リート、パーキース、マキナとドラゴンの数は多いのでキャロルも寂しくはないだろうとは思うが。
「とりあえず、自分がやれることをしっかりやってくればそれでいいのですわ」
「そうだな。肝に銘じるよ」
お互いの健闘を祈り、2人はそれぞれの牧場へと戻って行った。
――その頃。
国防大臣執務室。
そこにはブロドリック国防大臣とカレン・アルデンハークの姿があった。
「ペルゼミネ、か……奇病とやらがどのようなものか気がかりではあるが、それでも、タカミネ・ソータの能力を他国に公表するとは思い切ったご決断をなさったな」
「しかし、タカミネ・ソータの能力をきっかけにしてその奇病の治療法が見つかれば、ハルヴァにとってこれ以上ないほど有益なことになります」
「それはそうじゃが……」
珍しく歯切れの悪いブロドリック。
何か、思うところがあるようだった。
「納得がいきませんか?」
「タカミネ・ソータをペルゼミネに派遣するという話についてはワシも賛成じゃ。……問題視しているのは外交局の動きじゃよ」
「!」
「あれだけタカミネ・ソータにこだわっておったのに、彼がペルゼミネに派遣されることが提案されてもなんのアクションも起こさなかった。ひと悶着あるかと思っておったが」
「…………」
外交局という言葉に、カレンは一瞬目を見開く。闇を暴くと、国防局と協力するスパイとなったカレンだが、現段階ではまだ所属は外交局となっている。そんな彼女にとっては複雑な心境だろう。
「カレンくん……この件について、君のところに何か情報は行っておるか?」
「ありません。恐らく、私たちのような若手には真意を伝えようとしないでしょう」
「そうか……」
外交局の閉塞感は、ブロドリックが想定していたよりもずっと深刻な状態であるのがカレンの発言から発覚した。それに伴い、やはり今の外交局には何やら表沙汰にできない闇の部分が存在しているとも感じた。
「ともかく、明日から私もタカミネ・ソータさんと一緒にペルゼミネに向かいます」
「その報告は受けているが……ソータの監視だけが目的か? それとも、外交的な役割もあるのか?」
「いえ。ペルゼミネとの交渉には別の方がつきます。私の目的はあくまでも……タカミネ・ソータさんの行動を監視することです」
ペルゼミネとの交渉に立ち会えないことへ不満はあるようだった。
「……君もいろいろと苦労しておるようだが、ワシらも外交局の動きには今後も注意をしていくつもりだ」
「よろしくお願いします。私も、出来る限りの協力はしていきますので」
カレンが退室するのを見届けると、ブロドリックは椅子に深く腰掛けて力なく息を吐いた。
「ペルゼミネ遠征……何事もなければよいがのぅ」
チラリと視線を窓へと移す。
その先に広がる空は、不安に彩られたブロドリックの心境をあざ笑うかのように、雲ひとつ見当たらない澄んだ青色をしていた。
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