80 / 246
番外編 南国での休暇
第100話 南の楽園
しおりを挟む
ペルゼミネから旧レイノア王都へ立ち寄り、そのままマーズナー家の馬車に乗ってやってきたのは南方領ガドウィン。
馬車の中でカレンと共に睡眠を取っていた颯太は、御者からの到着の一報で目を覚まし、外へと出た。初めて足を踏み入れたガドウィンの第一印象は、
「暑いな」
じっとりとまとわりつくような暑さに素直な反応を見せる颯太。
気温については事前に聞いていたのでそれほどの驚きはなかったが、やはりそれまで雪と氷に覆われたペルゼミネにいたことを考えるとそのギャップは凄まじいものがある。服装もペルゼミネ仕様というのも体感温度が増している要因であった。
すでに周りは夜の闇に包まれており、薄暗くなっていたが、着いた街――ガドウィンの王都近くだというだけあって時間帯の割に賑やかだった。
「長旅お疲れ様」
初めて見るガドウィンの街並みに興味津々といった感じの颯太へ話しかけてきたのは、
「久しぶりですわね。ペルゼミネはいかがでしたか?」
「アンジェリカ!」
いつものお嬢様らしいドレスのような姿ではなく、過ごしやすさを重視したカジュアルな出で立ちのアンジェリカであった。一見すると、颯太のいた世界の「Tシャツ+ジーパン」という現代日本でも十分通じるファッションだが、これはこのガドウィンの伝統的な服装であるらしかった。
「あなたもまずは着替えなさいな。その格好は見ているだけで暑苦しいですわ」
「まあ……つい先日までペルゼミネにいたからなぁ」
「たしかにこの気温でこの格好はキツイですね」
今なら宿でアムが言っていたことが理解できる2人だった。
「ですから、早く着替えなさい。あ、それと、カレンさんの分も用意してありますわよ」
「ありがとうございます」
――と、いうわけで、颯太とカレンは到着も早々にアンジェリカの顔馴染みの店だと言う近くの店舗で着替えをすることになった。颯太が渡された服はいわゆるアロハシャツのような派手なもので、ズボンも丈の短いハーフパンツが用意されていた。
「今までの服に比べるとかなり軽い感じがするな」
「あら、良く似合っているじゃない」
見立て人であるアンジェリカからは高い評価を得たが、
「ありがとう。しかし、これで仕事をするのは……」
「仕事?」
「え? ガドウィンで何か仕事があるから行って来いってことじゃなかったのか?」
「ああ……まだ理由については教えられていないのね」
アンジェリカの口ぶりから、どうも仕事絡みではないようだが、だとしたら一体なぜこのガドウィンへ向かうよう指示が飛んだのだろうか。
その理由を、アンジェリカは簡潔に述べた。
「休暇よ」
「……なぬ?」
「休暇。ブロドリック大臣から命じられた強制休暇を満喫するために楽園の異名を持つガドウィンへ来たのよ」
「きょ、強制休暇って……」
初めて聞く単語だった。
かつての仕事場――現代日本の中小企業では有給休暇という名ばかりの休暇があったが、それと似た原理なのだろうか。
「強制休暇か……初めて聞く言葉だ」
「わたくしも初めて聞きましたわ」
「…………」
どうやら強制休暇とやらはこの世界においても一般的なものではないらしい。
「ともかく、せっかくの機会ですから存分に体を休めましょう。あ、ちなみにブリギッテさんも休暇を与えられたようでこちらに来ていますわ」
「あ、ああ……でも、宿は」
「マーズナー家の別荘がありますの」
「……どこにでもあるんだな、別荘」
サラリーマン時代は休日が死ぬほど待ち遠しかった。ただ、だからと言って何をするわけでもなく、掃除や洗濯に追われ、疲れを取りがてらネットをチラ見している間に夜になって、晩ご飯の用意をして風呂に入って寝る――そんな、無味無臭な休日を過ごしていた。
しかし、考えてみたら、この世界に来て、ドラゴンの牧場で働くようになってから、休みらしい休みはなかった。
ドラゴンは生き物だ。その世話は毎日しなくてはいけない。おまけに、竜人族であるメアとノエルに加えて、赤ちゃんドラゴンのマキナも増えて忙しさはどんどん増していった。
なのに、不思議と「嫌だ」とか「さぼりたい」とか、一度として考えたことはなかった。
朝、サラリーマン時代よりもずっと早くに起きて、倉庫からピッチフォークを引っ張り出して竜舎へ向かう。一通りの作業を終えてから朝食を取り、それからは朝の続き。昼食を取って太陽がオレンジ色になるまで続ける。
時間とにらめっこしていた頃がバカらしくなるくらいゆったりとした時が流れていた。こうして改めて振り返ることで、颯太は今の仕事に対して「やりがい」や「楽しみ」を持てていることを実感した。
「さあ、そろそろ行きましょう。――別荘ではリンスウッドの仲間たちが首を長くしてあなたを待っていますわよ」
◇◇◇
「ソータさん!」
マーズナーの別荘の庭では、キャロルとブリギッテがメアやノエルたちドラゴン組と一緒に遊んでいた。
「ソータ!」
「ソータさん!」
数日振りに会う颯太に、メアとノエルは笑顔で駆け寄って来る。
「久しぶりだな。元気そうで何よりだよ」
「ペルゼミネで事件に巻き込まれたと聞いてずっと心配していたのだぞ!」
「そうです! 大怪我もしたって聞きました!」
「怪我? いや、俺は特に怪我はしていないよ」
雪の森でローブの男とナインレウスと再戦したという話は聞いていたようだが、又聞きによる又聞きで正しい情報が伝達しきれていないようだった。
「間違った情報はやがて大きな亀裂へと発展しかねません。もっと情報統制を徹底しなければいけませんね」
「あ、ああ……そうだな」
かなり遠く離れた位置から指摘するカレン。
ただ、なんとなく、最初の頃に比べたら距離は近づいている――カレンの中でドラゴンに対する意識にわずかだが変化が訪れているようだ。
メアやノエルに抱きつけれている光景を見ていたブリギッテが口を開く。
「相変わらずドラゴンにモテるわね」
「……それは喜んでいいのかな?」
「いいんじゃない? 職業柄、好かれた方がいいでしょう?」
それはそうなのだが、なんとなく釈然としない颯太だった。
「じきに暗くなりますから屋敷へ入りましょう。明日の計画も立てませんといけませんし」
「明日の計画?」
「海で泳ごうって話です!」
瞳を輝かせて言うキャロル。
これは本当にバカンスってことになりそうだ。
「海か……水着でもあれば俺もひと泳ぎできるんだけど」
「男性用の水着ならありますわよ」
「あるの!?」
用意周到というかなんというか。
それより、ちゃんと水着という物が存在していたことに颯太は驚いた。下手をしたら全裸で泳ぐなんてこともあり得るかもしれないと危惧していたくらいだ。
「カレンさんのもありますからご安心くださいね」
「い、いえ、私は仕事で来ているので」
「あなたも強制休暇の対象になっているそうですわよ?」
「ええ!?」
今まで一番の驚きようだった。
外交局のブラックぶりが垣間見えた気がする。
「話の続きは屋敷でしましょう。お腹も空いたでしょう?」
「そうだな。もうペコペコだよ」
「実は私もです」
長旅を終えた颯太とカレンはその疲れを癒すべく、マーズナーの豪邸へ向かった。
馬車の中でカレンと共に睡眠を取っていた颯太は、御者からの到着の一報で目を覚まし、外へと出た。初めて足を踏み入れたガドウィンの第一印象は、
「暑いな」
じっとりとまとわりつくような暑さに素直な反応を見せる颯太。
気温については事前に聞いていたのでそれほどの驚きはなかったが、やはりそれまで雪と氷に覆われたペルゼミネにいたことを考えるとそのギャップは凄まじいものがある。服装もペルゼミネ仕様というのも体感温度が増している要因であった。
すでに周りは夜の闇に包まれており、薄暗くなっていたが、着いた街――ガドウィンの王都近くだというだけあって時間帯の割に賑やかだった。
「長旅お疲れ様」
初めて見るガドウィンの街並みに興味津々といった感じの颯太へ話しかけてきたのは、
「久しぶりですわね。ペルゼミネはいかがでしたか?」
「アンジェリカ!」
いつものお嬢様らしいドレスのような姿ではなく、過ごしやすさを重視したカジュアルな出で立ちのアンジェリカであった。一見すると、颯太のいた世界の「Tシャツ+ジーパン」という現代日本でも十分通じるファッションだが、これはこのガドウィンの伝統的な服装であるらしかった。
「あなたもまずは着替えなさいな。その格好は見ているだけで暑苦しいですわ」
「まあ……つい先日までペルゼミネにいたからなぁ」
「たしかにこの気温でこの格好はキツイですね」
今なら宿でアムが言っていたことが理解できる2人だった。
「ですから、早く着替えなさい。あ、それと、カレンさんの分も用意してありますわよ」
「ありがとうございます」
――と、いうわけで、颯太とカレンは到着も早々にアンジェリカの顔馴染みの店だと言う近くの店舗で着替えをすることになった。颯太が渡された服はいわゆるアロハシャツのような派手なもので、ズボンも丈の短いハーフパンツが用意されていた。
「今までの服に比べるとかなり軽い感じがするな」
「あら、良く似合っているじゃない」
見立て人であるアンジェリカからは高い評価を得たが、
「ありがとう。しかし、これで仕事をするのは……」
「仕事?」
「え? ガドウィンで何か仕事があるから行って来いってことじゃなかったのか?」
「ああ……まだ理由については教えられていないのね」
アンジェリカの口ぶりから、どうも仕事絡みではないようだが、だとしたら一体なぜこのガドウィンへ向かうよう指示が飛んだのだろうか。
その理由を、アンジェリカは簡潔に述べた。
「休暇よ」
「……なぬ?」
「休暇。ブロドリック大臣から命じられた強制休暇を満喫するために楽園の異名を持つガドウィンへ来たのよ」
「きょ、強制休暇って……」
初めて聞く単語だった。
かつての仕事場――現代日本の中小企業では有給休暇という名ばかりの休暇があったが、それと似た原理なのだろうか。
「強制休暇か……初めて聞く言葉だ」
「わたくしも初めて聞きましたわ」
「…………」
どうやら強制休暇とやらはこの世界においても一般的なものではないらしい。
「ともかく、せっかくの機会ですから存分に体を休めましょう。あ、ちなみにブリギッテさんも休暇を与えられたようでこちらに来ていますわ」
「あ、ああ……でも、宿は」
「マーズナー家の別荘がありますの」
「……どこにでもあるんだな、別荘」
サラリーマン時代は休日が死ぬほど待ち遠しかった。ただ、だからと言って何をするわけでもなく、掃除や洗濯に追われ、疲れを取りがてらネットをチラ見している間に夜になって、晩ご飯の用意をして風呂に入って寝る――そんな、無味無臭な休日を過ごしていた。
しかし、考えてみたら、この世界に来て、ドラゴンの牧場で働くようになってから、休みらしい休みはなかった。
ドラゴンは生き物だ。その世話は毎日しなくてはいけない。おまけに、竜人族であるメアとノエルに加えて、赤ちゃんドラゴンのマキナも増えて忙しさはどんどん増していった。
なのに、不思議と「嫌だ」とか「さぼりたい」とか、一度として考えたことはなかった。
朝、サラリーマン時代よりもずっと早くに起きて、倉庫からピッチフォークを引っ張り出して竜舎へ向かう。一通りの作業を終えてから朝食を取り、それからは朝の続き。昼食を取って太陽がオレンジ色になるまで続ける。
時間とにらめっこしていた頃がバカらしくなるくらいゆったりとした時が流れていた。こうして改めて振り返ることで、颯太は今の仕事に対して「やりがい」や「楽しみ」を持てていることを実感した。
「さあ、そろそろ行きましょう。――別荘ではリンスウッドの仲間たちが首を長くしてあなたを待っていますわよ」
◇◇◇
「ソータさん!」
マーズナーの別荘の庭では、キャロルとブリギッテがメアやノエルたちドラゴン組と一緒に遊んでいた。
「ソータ!」
「ソータさん!」
数日振りに会う颯太に、メアとノエルは笑顔で駆け寄って来る。
「久しぶりだな。元気そうで何よりだよ」
「ペルゼミネで事件に巻き込まれたと聞いてずっと心配していたのだぞ!」
「そうです! 大怪我もしたって聞きました!」
「怪我? いや、俺は特に怪我はしていないよ」
雪の森でローブの男とナインレウスと再戦したという話は聞いていたようだが、又聞きによる又聞きで正しい情報が伝達しきれていないようだった。
「間違った情報はやがて大きな亀裂へと発展しかねません。もっと情報統制を徹底しなければいけませんね」
「あ、ああ……そうだな」
かなり遠く離れた位置から指摘するカレン。
ただ、なんとなく、最初の頃に比べたら距離は近づいている――カレンの中でドラゴンに対する意識にわずかだが変化が訪れているようだ。
メアやノエルに抱きつけれている光景を見ていたブリギッテが口を開く。
「相変わらずドラゴンにモテるわね」
「……それは喜んでいいのかな?」
「いいんじゃない? 職業柄、好かれた方がいいでしょう?」
それはそうなのだが、なんとなく釈然としない颯太だった。
「じきに暗くなりますから屋敷へ入りましょう。明日の計画も立てませんといけませんし」
「明日の計画?」
「海で泳ごうって話です!」
瞳を輝かせて言うキャロル。
これは本当にバカンスってことになりそうだ。
「海か……水着でもあれば俺もひと泳ぎできるんだけど」
「男性用の水着ならありますわよ」
「あるの!?」
用意周到というかなんというか。
それより、ちゃんと水着という物が存在していたことに颯太は驚いた。下手をしたら全裸で泳ぐなんてこともあり得るかもしれないと危惧していたくらいだ。
「カレンさんのもありますからご安心くださいね」
「い、いえ、私は仕事で来ているので」
「あなたも強制休暇の対象になっているそうですわよ?」
「ええ!?」
今まで一番の驚きようだった。
外交局のブラックぶりが垣間見えた気がする。
「話の続きは屋敷でしましょう。お腹も空いたでしょう?」
「そうだな。もうペコペコだよ」
「実は私もです」
長旅を終えた颯太とカレンはその疲れを癒すべく、マーズナーの豪邸へ向かった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。