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番外編 南国での休暇
第102話 異世界生活を振り返る
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「夕食の準備が整いましたよー」
たっぷりと海を堪能し終えて屋敷へ戻ると、ちょうどマーズナー家のメイドさんが颯太たちを呼びに来た。
メニューは大きな鉄板にお肉や野菜、それに海の幸を乗せて食べる――いわゆるバーベキュースタイルのものだった。女性陣はメイドさんから手渡された上着を羽織って鉄板へと近づいて行った。その後ろから颯太もついていき、
「おぉ、豪勢だなぁ」
鉄板の大きさとその上に乗せられた食材に驚く。
「量も多いし、結構な額になったんじゃないですか?」
「ガドウィンは農業大国ですからね。他国では高価で手の出にくい食材も、ここでは格安で手に入るんですよ」
「海産物も凄いな」
「ご覧の通り、海も近いですからね。『食』に関する文化は4大国家の中では間違いなく一番でしょう」
マキナの件で世話になったメイド――ヘレナがトングを片手に解説してくれた。
「ついでと言ってはなんですが、今回は禁酒ということで」
そう言いながらチラリとブリギッテを見る。
どうやらその酒癖についてはマーズナーの間でも知れ渡っているらしい。
夕食会場にはメイドさんたちの他、リンスウッドとマーズナーの両牧場のドラゴンたちも参加している。
圧巻の光景だが、ここまでドラゴンがいるとなると、
「大丈夫か、カレン」
「……平気でしゅ」
全然平気そうじゃない顔で言うカレン。だが、
「こ、これからもっと竜騎士団と深く関わって行こうと決めたわけですから、い、いつまでもドラゴンを怖がっているわけにはいきましぇん」
決意表明。
その言葉を早速実行しようと、マーズナーのドラゴンたちへ歩み寄るが、
「グルルゥ?」
低い唸り声と鋭い眼光。
ドラゴンに携わる仕事をし、ドラゴンの言葉を理解できる颯太でも、ちょっと及び腰になってしまうほどの迫力を前に、カレンの決意は呆気なく消沈。回れ右をして颯太のもとへと帰還した。
――ちなみに、今の言葉を翻訳すると、「何か御用でしょうか?」と実に丁寧な応対をしていたのだが、何も知らない人間からすればただの威嚇にしか見えない。
「ま、まだまだこれから慣れていけばいいさ。誰だって急に苦手なものを克服できるわけじゃないんだし、な?」
「そ、ソータさん……」
己の不甲斐なさに涙目となっていたカレンの表情が一気に明るくなる。
と、思ったのも束の間。
「私はダメですね……」
ネガティブな発言――だが、その表情に暗さはない。
「旧レイノア王都奪還作戦、そして前回のペルゼミネでの一件――ソータさんに出会わなければ経験しなかった多くの出来事が、私の意識を変えました」
「意識を?」
「ええ。いかにこれまでの自分が狭い世界しか見ていなかったのか……それを嫌というほど思い知りました。竜騎士団に対する認識も変わりましたし」
それらすべてが颯太によってもたらされた変化だとカレンは言った。
「でも、カレン自身の努力によるところも大きいと思うけどな」
「私は……頑張らないといけませんから」
「? 何かあるのか?」
「いえ、その……私は早くに父親を病で亡くしていて、ずっと母親が女手一つで私を育ててくれたんです。でも、その時の無理がたたって、今は体を壊してずっと療養しているんです。だから、私がしっかりしないと……」
「……すまない。無神経に聞き過ぎたな」
「そ、そんなことないです! ソータさんは何も悪くありません! 私がちょっと含みのある言い方をしたから……」
カレンが人一倍努力し、仕事に邁進しているのにはそういった事情があったわけだ。
ふと――脳裏をよぎったのは前の世界にいる両親の存在。
自分の意思とは関係なくやって来たこの異世界。
日々を生きることに精一杯で、それ以外に何も考えられない状況だったからということもあるが――こうやって、穏やかな時間が流れて、いろんなことに思考を向けられるようになってきて、ようやく颯太はこれまで生活していた「元の世界」のことを考えることができた。
「父さん……母さん……元気にやっているかな」
この世界に来て1ヶ月以上が経過しているので、とっくに会社から実家に颯太が業務中に行方不明になったと連絡は行っているだろう。心配性の両親のことだから、きっと警察に捜索願を出しているはずだ。
そういえば、母方の祖母は最近になって体が急激に弱り出して入退院を繰り返していた。小さい頃から颯太を一番可愛がってくれていただけに、行方不明の一報を聞いてさらに病状を悪化させてはいないだろうか。
妻子もなく、親友と呼べる人間関係の構築に失敗し続けてきたことが、不幸中の幸いだと言うべきなのか――そう思うと、初めて自分がコミュ障でよかったと自虐的に笑える。最近ではそれも少しは改善されている兆しが見えていると颯太自身は感じているが。
――だが、もし、元の世界へ戻れる方法があるのだとしたら?
レグジートからのアドバイスを守り、颯太は自分が異世界人であることを誰にも告げてはいない。だが、いつか元の世界へ戻れるようになったら、その時は――どのような決断を下すのだろうか。
「ひとりで何を黄昏てんだ?」
ニュッと真横から顔を突き出してきたのはイリウスだった。
さっきまで隣にいたカレンは、ブリギッテたちに呼ばれて何やら話し込んでいる。
「せっかく周りは女ばかりだっていうのに……竜王の認めた男にしちゃ消極的過ぎるぜ。もっとこうガッツリいけよ。竜王だってたくさんの雌と子を作ったんだし」
「ドラゴン基準で考えるなよ」
「貞操観念だっけ? 嫌だねぇ、人間は。自らを鎖で縛りつけて何がおもしろいんだか」
「このバカの悪口に乗せられてはダメよ、ソータ」
反対側から顔を出したのはリンスウッド・ファーム紅一点のリートだった。
「人間には人間のルールってものがあるんだから。それに逆らったら悲しむ人もいる――キャロルお嬢ちゃんだってきっとそうよ」
「しかしなぁ……いくらなんでも勿体ないだろ。せめてあのカレンって子はどうだ? あの体つきは人間の雄からするとたまらんのだろ? な?」
「いや、『な?』と言われても……」
この流れで「その通り!」とは答え辛い。すると、
「あんたは賭けに勝ちたいだけでしょうが」
「賭け?」
何やら不穏なワードが出てきた。
「さっき、マーズナーのドラゴンたちと賭けをしていたのよ。あなたがここにいる誰と結ばれるかを賭けていたのよ。ちなみにイリウスはあのカレンって子に賭けていたわ」
「ちょっ!?」
「イリウス……」
「オーナーを賭けの対象にするとは!」と思ったのは一瞬で、その後に「でもそれってイリウスっぽいな」と笑ってしまう。
「あと、大穴としてメアとノエルも選択肢にあったわね」
「洒落にならんからやめてくれ」
さすがにあの2匹はまずい。種族とかどうとかじゃなく、ビジュアル的にまずい。
「大体、人間と竜人族が恋愛関係になることなんてあるのか?」
「風の噂で聞いたんだよ。どっかの国じゃ竜人族と恋に落ちた人間がいるらしいぜ。まあもっとも、今から10年くらい前に聞いた噂だけど」
「ふーん……」
今の状態では犯罪だが、何年か経って成人女性と変わらない外見に成長すればきっとモテるだろう。
「…………」
想像してしまう。
あの2匹と付き合うのではなく、結婚の報告に牧場へ男を連れてくる2匹の姿――もうそれは父親目線だった。
「おい……なんか満更でもない返答だったぞ?」
「もしかして、本当に本命はメアかノエル?」
「なんてこった……どうやら俺は眠れる野獣を起こしちまったみてぇだな」
こそこそ話しながら疑惑の眼差しを向けてくる2匹のドラゴン。
いい加減抗議でもしようかと思ったら、
「ねぇ、ソータ」
ブリギッテがやって来た。
「ん? 何?」
「私たちは明日、ガドウィン王都に買い物へ行こうかって話になったんけど……ソータも一緒に行くわよね?」
暗に「荷物持ちをしてくれ」という要求のようだ。
だが、遠くから期待の眼差しを向けているキャロルとカレンの姿を見てしまうと、とてもじゃないけど「NO」とは言えない。
「わかった。俺も行くよ」
「そうこなくっちゃ!」
こうして、強制休暇2日目はショッピングに決定。
颯太が了承したことを報告しにカレンたちのもとへ走るブリギッテの背中を見ながら、
「まあ……今はこの生活を大切にしよう」
タラレバを語っても仕方がない。
今、目の前にある現実を一生懸命に生きよう。
改めてそう誓うと、手招きしているキャロルたちのもとへゆっくりと歩を進めていった。
たっぷりと海を堪能し終えて屋敷へ戻ると、ちょうどマーズナー家のメイドさんが颯太たちを呼びに来た。
メニューは大きな鉄板にお肉や野菜、それに海の幸を乗せて食べる――いわゆるバーベキュースタイルのものだった。女性陣はメイドさんから手渡された上着を羽織って鉄板へと近づいて行った。その後ろから颯太もついていき、
「おぉ、豪勢だなぁ」
鉄板の大きさとその上に乗せられた食材に驚く。
「量も多いし、結構な額になったんじゃないですか?」
「ガドウィンは農業大国ですからね。他国では高価で手の出にくい食材も、ここでは格安で手に入るんですよ」
「海産物も凄いな」
「ご覧の通り、海も近いですからね。『食』に関する文化は4大国家の中では間違いなく一番でしょう」
マキナの件で世話になったメイド――ヘレナがトングを片手に解説してくれた。
「ついでと言ってはなんですが、今回は禁酒ということで」
そう言いながらチラリとブリギッテを見る。
どうやらその酒癖についてはマーズナーの間でも知れ渡っているらしい。
夕食会場にはメイドさんたちの他、リンスウッドとマーズナーの両牧場のドラゴンたちも参加している。
圧巻の光景だが、ここまでドラゴンがいるとなると、
「大丈夫か、カレン」
「……平気でしゅ」
全然平気そうじゃない顔で言うカレン。だが、
「こ、これからもっと竜騎士団と深く関わって行こうと決めたわけですから、い、いつまでもドラゴンを怖がっているわけにはいきましぇん」
決意表明。
その言葉を早速実行しようと、マーズナーのドラゴンたちへ歩み寄るが、
「グルルゥ?」
低い唸り声と鋭い眼光。
ドラゴンに携わる仕事をし、ドラゴンの言葉を理解できる颯太でも、ちょっと及び腰になってしまうほどの迫力を前に、カレンの決意は呆気なく消沈。回れ右をして颯太のもとへと帰還した。
――ちなみに、今の言葉を翻訳すると、「何か御用でしょうか?」と実に丁寧な応対をしていたのだが、何も知らない人間からすればただの威嚇にしか見えない。
「ま、まだまだこれから慣れていけばいいさ。誰だって急に苦手なものを克服できるわけじゃないんだし、な?」
「そ、ソータさん……」
己の不甲斐なさに涙目となっていたカレンの表情が一気に明るくなる。
と、思ったのも束の間。
「私はダメですね……」
ネガティブな発言――だが、その表情に暗さはない。
「旧レイノア王都奪還作戦、そして前回のペルゼミネでの一件――ソータさんに出会わなければ経験しなかった多くの出来事が、私の意識を変えました」
「意識を?」
「ええ。いかにこれまでの自分が狭い世界しか見ていなかったのか……それを嫌というほど思い知りました。竜騎士団に対する認識も変わりましたし」
それらすべてが颯太によってもたらされた変化だとカレンは言った。
「でも、カレン自身の努力によるところも大きいと思うけどな」
「私は……頑張らないといけませんから」
「? 何かあるのか?」
「いえ、その……私は早くに父親を病で亡くしていて、ずっと母親が女手一つで私を育ててくれたんです。でも、その時の無理がたたって、今は体を壊してずっと療養しているんです。だから、私がしっかりしないと……」
「……すまない。無神経に聞き過ぎたな」
「そ、そんなことないです! ソータさんは何も悪くありません! 私がちょっと含みのある言い方をしたから……」
カレンが人一倍努力し、仕事に邁進しているのにはそういった事情があったわけだ。
ふと――脳裏をよぎったのは前の世界にいる両親の存在。
自分の意思とは関係なくやって来たこの異世界。
日々を生きることに精一杯で、それ以外に何も考えられない状況だったからということもあるが――こうやって、穏やかな時間が流れて、いろんなことに思考を向けられるようになってきて、ようやく颯太はこれまで生活していた「元の世界」のことを考えることができた。
「父さん……母さん……元気にやっているかな」
この世界に来て1ヶ月以上が経過しているので、とっくに会社から実家に颯太が業務中に行方不明になったと連絡は行っているだろう。心配性の両親のことだから、きっと警察に捜索願を出しているはずだ。
そういえば、母方の祖母は最近になって体が急激に弱り出して入退院を繰り返していた。小さい頃から颯太を一番可愛がってくれていただけに、行方不明の一報を聞いてさらに病状を悪化させてはいないだろうか。
妻子もなく、親友と呼べる人間関係の構築に失敗し続けてきたことが、不幸中の幸いだと言うべきなのか――そう思うと、初めて自分がコミュ障でよかったと自虐的に笑える。最近ではそれも少しは改善されている兆しが見えていると颯太自身は感じているが。
――だが、もし、元の世界へ戻れる方法があるのだとしたら?
レグジートからのアドバイスを守り、颯太は自分が異世界人であることを誰にも告げてはいない。だが、いつか元の世界へ戻れるようになったら、その時は――どのような決断を下すのだろうか。
「ひとりで何を黄昏てんだ?」
ニュッと真横から顔を突き出してきたのはイリウスだった。
さっきまで隣にいたカレンは、ブリギッテたちに呼ばれて何やら話し込んでいる。
「せっかく周りは女ばかりだっていうのに……竜王の認めた男にしちゃ消極的過ぎるぜ。もっとこうガッツリいけよ。竜王だってたくさんの雌と子を作ったんだし」
「ドラゴン基準で考えるなよ」
「貞操観念だっけ? 嫌だねぇ、人間は。自らを鎖で縛りつけて何がおもしろいんだか」
「このバカの悪口に乗せられてはダメよ、ソータ」
反対側から顔を出したのはリンスウッド・ファーム紅一点のリートだった。
「人間には人間のルールってものがあるんだから。それに逆らったら悲しむ人もいる――キャロルお嬢ちゃんだってきっとそうよ」
「しかしなぁ……いくらなんでも勿体ないだろ。せめてあのカレンって子はどうだ? あの体つきは人間の雄からするとたまらんのだろ? な?」
「いや、『な?』と言われても……」
この流れで「その通り!」とは答え辛い。すると、
「あんたは賭けに勝ちたいだけでしょうが」
「賭け?」
何やら不穏なワードが出てきた。
「さっき、マーズナーのドラゴンたちと賭けをしていたのよ。あなたがここにいる誰と結ばれるかを賭けていたのよ。ちなみにイリウスはあのカレンって子に賭けていたわ」
「ちょっ!?」
「イリウス……」
「オーナーを賭けの対象にするとは!」と思ったのは一瞬で、その後に「でもそれってイリウスっぽいな」と笑ってしまう。
「あと、大穴としてメアとノエルも選択肢にあったわね」
「洒落にならんからやめてくれ」
さすがにあの2匹はまずい。種族とかどうとかじゃなく、ビジュアル的にまずい。
「大体、人間と竜人族が恋愛関係になることなんてあるのか?」
「風の噂で聞いたんだよ。どっかの国じゃ竜人族と恋に落ちた人間がいるらしいぜ。まあもっとも、今から10年くらい前に聞いた噂だけど」
「ふーん……」
今の状態では犯罪だが、何年か経って成人女性と変わらない外見に成長すればきっとモテるだろう。
「…………」
想像してしまう。
あの2匹と付き合うのではなく、結婚の報告に牧場へ男を連れてくる2匹の姿――もうそれは父親目線だった。
「おい……なんか満更でもない返答だったぞ?」
「もしかして、本当に本命はメアかノエル?」
「なんてこった……どうやら俺は眠れる野獣を起こしちまったみてぇだな」
こそこそ話しながら疑惑の眼差しを向けてくる2匹のドラゴン。
いい加減抗議でもしようかと思ったら、
「ねぇ、ソータ」
ブリギッテがやって来た。
「ん? 何?」
「私たちは明日、ガドウィン王都に買い物へ行こうかって話になったんけど……ソータも一緒に行くわよね?」
暗に「荷物持ちをしてくれ」という要求のようだ。
だが、遠くから期待の眼差しを向けているキャロルとカレンの姿を見てしまうと、とてもじゃないけど「NO」とは言えない。
「わかった。俺も行くよ」
「そうこなくっちゃ!」
こうして、強制休暇2日目はショッピングに決定。
颯太が了承したことを報告しにカレンたちのもとへ走るブリギッテの背中を見ながら、
「まあ……今はこの生活を大切にしよう」
タラレバを語っても仕方がない。
今、目の前にある現実を一生懸命に生きよう。
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