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番外編 南国での休暇
第103話 観光地巡り
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翌朝。
別荘から馬車で数十分――ガドウィン王都へ到着。
海沿いにあるその王都は、ハルヴァやペルゼミネと大きな違いがあった。
「へぇ、ここは港が併設しているのか」
ショッピングと楽しむブリギッテとキャロルとアンジェリカ――そして竜人族3人娘たちを遠巻きに眺めながら、近くのベンチに腰を下ろして颯太が隣に座るカレンに言う。
「漁業はガドウィンを支える産業のひとつですからね。この広大な海で獲れる海産物が人々の生活を支えているんです」
「なるほどね」
風が吹くたびに鼻腔をくすぐる潮の香り。
子どもの頃、釣りが趣味だった父親といった海を思い出す。
「海が好きなんですか?」
「あ、ま、まあね。それより、買い物はもういいのか?」
「それが……私ってあまり買い物とかしなくて……いつも必要最低限の物しか買わないんですよ。だから、何を買ったらいいかよくわからなくて」
なんとなくそんな感じはしていた。
「俺も似たようなものだからな。気にすることはないよ」
「ソータさんも?」
「うん、まあ……」
この世界に来る前まで、普段着ている服といえば母親から仕送りしてもらった物をずっと使っていた。こっちへ来てから自分でも買うようになったが、未だに、キャロルたちの語るショッピングの醍醐味とやらは理解できていない。
「それにしても、ガドウィンの王都も賑やかだな」
「商業規模自体はハルヴァよりも小さいですが、関わる人たちの活気は見劣りしませんね」
王都の規模で言えばペルゼミネやハルヴァよりも小さいが、海の向こうにいくつもの島があって、そこにも多くの人々が住んでいるという。
港には多くの船が停泊していた。
それらはすべて木製で、明らかに手作りのものだ。
大きいものでも6mくらい――漁船というにはかなり小型の印象を受ける。
船には1人か2人が乗り込んでおり、船底にくっつけていた網を港へ上げている。網の中には色とりどりの魚が詰まっていた。その色合いは、颯太の世界の南国――まさにガドウィンのような国にいる魚に似ていた。
「漁師の数も多いな」
「王都で暮らしている人より、島で暮らしている人の方が多いくらいですからね」
「そうなのか?」
「それぞれの島には古くからそこで生活を営む先住民の方々が住んでいて、今もその伝統ある生活を送っているそうです。彼らにとっては生まれ育った島の文化が一番肌に合っているということなのでしょう」
「伝統文化を重んじているわけか。……技術大国のペルゼミネとは真逆だな」
魔鉱石を応用して鉄道をはじめ、あらゆる面で進んだ技術力を誇っていたペルゼミネ――その国力に驚かされたが、大自然を相手に生身でぶつかっているガドウィンの民の力強さにも目を見張るものがある。
漁師たちの動きを目で追っていた颯太だったが、ある場所でその動きが止まった。
桟橋の先から約10m先――海にいくつか立っている高さ2mほどの柱のてっぺんに、女の子が座っていた。
ただ、よく見てみると、その子は普通の女の子ではなかった。
左右の側頭部から伸びる長さの異なる角。
先っぽがふたつに分かれた尻尾。
あれは、
「あの子……竜人族か?」
「そうよ。このガドウィンの海を守る《海竜》シフォンガルタ。あの子がいる限り、ガドウィンの海はいつだって平和なの」
「! アムさん!」
颯太たちの座るベンチの背後に、いつの間にか現れたのはペルゼミネで生活を共にしていたガドウィンの竜医――アムだった。
「久しぶりね、ソータ、カレン。ブリギッテは元気?」
「ええ。――というか、ブリギッテなら今もあのお店で買い物をしていますよ」
握手をしながらカレンが伝えた。
「それにしても水臭いわねぇ。ガドウィンに来ているんなら声をかけてくれたらいいのに」
「アムさんの竜医院があるのって、たしかアレンシア島区でしたよね?」
「そうよ。自然豊かな景観が観光地としても有名だけど、ドラゴンに関する遺跡も多いんだから」
「ドラゴンに関する遺跡?」
そんなものがあるなんて初耳だった。
「あそこにいるシフォンガルタもその遺跡を住処としていた竜人族よ」
「遺跡を住処に? じゃあ、ドラゴンの遺跡っていうのは……」
「そう――竜人族の出生に関係する遺跡だと言われているわ。もっとも、代々各島を統治する族長によって語り継がれた伝承の域を出ないんだけどね」
根も葉もない言い伝えか、はたまた真実か。
個人的にも颯太の興味を引く話だ。
改めて、海竜へと視線を戻すと、
「お? 今日も海竜様はいい笑顔だ」
「これなら明日の漁も大漁間違いなしだな!」
「ああして海竜様が笑っておられるから、ワシらは臆することなく海に出られる――ありがたい話じゃ」
漁師たちはニコニコ微笑む海竜シフォンガルタをありがたがっているようだ。
「シフォンガルタの能力は、海の荒れ具合を予期することができるのよ。でも、言葉では伝えられないから、あんな風に笑ったり、困った顔をすることで海の状態を漁師たちに教えているの。みんなの漁が無事に成功するために」
「そうだったのか……」
戦闘要員ではなく、あくまでも人々のために使う能力のようだ。
「そういう竜人族もいるのか……遺跡の見学とかってやっているんですか?」
「基本的に誰でも見ることができるわ」
「なら、行ってみましょうよ」
ドラゴンが苦手なカレンも興味を抱いたようだ。
それから、ショッピング中のブリギッテたちとアムが合流。遺跡見学について話をすると反対意見ゼロの圧倒的賛成。思えば、全員がドラゴン関連の仕事(竜人族付き)に就いているわけなので、興味がないはずがなかった。
「なら、明日の朝にここの港へ船を用意しておくわ。竜医仲間が来島するってわかったら、きっと島のみんなも歓迎してくれるし」
「助かりますよ」
「そうと決まったら、今日はこの王都周辺を案内するわ」
「じゃあ、まずは――」
ぐぅ~。
可愛らしく鳴るキャロルのお腹。
「あ、も、もうそろそろお昼の時間だったな」
精一杯のフォローだったつもりだが、どうも不発だったらしく、カレンに右足の甲を、ブリギッテに左足の甲を踏んづけられた。
「ま、お腹が減っていたらこれからいろいろと見て回るのに不都合よね。――いいわ。王都で一番人気のお店に案内してあげる」
それからはアムがリクエストに応えてさまざまな店を案内した。
また、王都からほど近くにある景勝地も馬車を使い、見て回った。
渓谷、岬、展望台に火山公園――4大国家間の関係が良好となった近年では、他国からの観光客を積極的に呼び込むため、それらスポットは道路や施設などが国費によって整備されていた。
「技術ではペルゼミネに及ばない。商業ではハルヴァに及ばない。医療ではダステニアに及ばない――このガドウィンが他国と肩を並べるには、この国が他よりも胸を張れるところを全面に押し出すべきだと王国議会で決定したの」
「それが、この自然豊かな景観を利用した観光業なんですね」
颯太はガドウィン自慢の観光スポットのひとつ――ウェルゴ大滝を眺めながら、アムに言った。
「でも、それは決して平坦な道ではなかった……伝統を重んじる各島の族長たち――まあ、うちの父も含まれるんだけど、とにかく大反対だったの。ガドウィンの歴史そのものである山や滝を見世物にするのかって。危うく国内で戦争になりそうなほどの過熱ぶりだったわ」
「その考えもわからないではないな……」
「結局、女王自らが説得に訪れてなんとか事なきを得たけどね」
「女王? そうか、ガドウィンの王は女性なのか……」
まだ会ったことはないが、こちらも機会があれば是非会ってみたいと思う颯太だった。
「凄い滝ですね!」
「まさに天から降り注ぐ恵みの水って感じよね」
「圧巻ですわ」
「ここまでの滝はハルヴァにはありませんね」
女性陣もその迫力を前に唸る。
たしかに、前にテレビで見た世界三大瀑布にも負けない大迫力――最大落差は80mくらいあるだろうか。世界が世界なら、間違いなく世界遺産として登録されているだろう。
「でも、その女王の英断があったから、俺たちはこの美しい光景を楽しむことができているんですよね」
「そうね。私も女王の判断は間違っていなかったと思っているわ。最初は頑なに大反対していた父も、島への来訪客が増えた最近じゃ『女王陛下は素晴らしい慧眼をお持ちですな!』なんてすっかり手の平を返しているわ」
やれやれといった具合に肩をすくめるアム。
とにもかくにも、ガドウィンの大自然を目の当たりにし、心身ともに癒された颯太たち。
――だが、彼らはまだ知らない。
旧レイノア王都で、ある『異変』が起きていたことを。
別荘から馬車で数十分――ガドウィン王都へ到着。
海沿いにあるその王都は、ハルヴァやペルゼミネと大きな違いがあった。
「へぇ、ここは港が併設しているのか」
ショッピングと楽しむブリギッテとキャロルとアンジェリカ――そして竜人族3人娘たちを遠巻きに眺めながら、近くのベンチに腰を下ろして颯太が隣に座るカレンに言う。
「漁業はガドウィンを支える産業のひとつですからね。この広大な海で獲れる海産物が人々の生活を支えているんです」
「なるほどね」
風が吹くたびに鼻腔をくすぐる潮の香り。
子どもの頃、釣りが趣味だった父親といった海を思い出す。
「海が好きなんですか?」
「あ、ま、まあね。それより、買い物はもういいのか?」
「それが……私ってあまり買い物とかしなくて……いつも必要最低限の物しか買わないんですよ。だから、何を買ったらいいかよくわからなくて」
なんとなくそんな感じはしていた。
「俺も似たようなものだからな。気にすることはないよ」
「ソータさんも?」
「うん、まあ……」
この世界に来る前まで、普段着ている服といえば母親から仕送りしてもらった物をずっと使っていた。こっちへ来てから自分でも買うようになったが、未だに、キャロルたちの語るショッピングの醍醐味とやらは理解できていない。
「それにしても、ガドウィンの王都も賑やかだな」
「商業規模自体はハルヴァよりも小さいですが、関わる人たちの活気は見劣りしませんね」
王都の規模で言えばペルゼミネやハルヴァよりも小さいが、海の向こうにいくつもの島があって、そこにも多くの人々が住んでいるという。
港には多くの船が停泊していた。
それらはすべて木製で、明らかに手作りのものだ。
大きいものでも6mくらい――漁船というにはかなり小型の印象を受ける。
船には1人か2人が乗り込んでおり、船底にくっつけていた網を港へ上げている。網の中には色とりどりの魚が詰まっていた。その色合いは、颯太の世界の南国――まさにガドウィンのような国にいる魚に似ていた。
「漁師の数も多いな」
「王都で暮らしている人より、島で暮らしている人の方が多いくらいですからね」
「そうなのか?」
「それぞれの島には古くからそこで生活を営む先住民の方々が住んでいて、今もその伝統ある生活を送っているそうです。彼らにとっては生まれ育った島の文化が一番肌に合っているということなのでしょう」
「伝統文化を重んじているわけか。……技術大国のペルゼミネとは真逆だな」
魔鉱石を応用して鉄道をはじめ、あらゆる面で進んだ技術力を誇っていたペルゼミネ――その国力に驚かされたが、大自然を相手に生身でぶつかっているガドウィンの民の力強さにも目を見張るものがある。
漁師たちの動きを目で追っていた颯太だったが、ある場所でその動きが止まった。
桟橋の先から約10m先――海にいくつか立っている高さ2mほどの柱のてっぺんに、女の子が座っていた。
ただ、よく見てみると、その子は普通の女の子ではなかった。
左右の側頭部から伸びる長さの異なる角。
先っぽがふたつに分かれた尻尾。
あれは、
「あの子……竜人族か?」
「そうよ。このガドウィンの海を守る《海竜》シフォンガルタ。あの子がいる限り、ガドウィンの海はいつだって平和なの」
「! アムさん!」
颯太たちの座るベンチの背後に、いつの間にか現れたのはペルゼミネで生活を共にしていたガドウィンの竜医――アムだった。
「久しぶりね、ソータ、カレン。ブリギッテは元気?」
「ええ。――というか、ブリギッテなら今もあのお店で買い物をしていますよ」
握手をしながらカレンが伝えた。
「それにしても水臭いわねぇ。ガドウィンに来ているんなら声をかけてくれたらいいのに」
「アムさんの竜医院があるのって、たしかアレンシア島区でしたよね?」
「そうよ。自然豊かな景観が観光地としても有名だけど、ドラゴンに関する遺跡も多いんだから」
「ドラゴンに関する遺跡?」
そんなものがあるなんて初耳だった。
「あそこにいるシフォンガルタもその遺跡を住処としていた竜人族よ」
「遺跡を住処に? じゃあ、ドラゴンの遺跡っていうのは……」
「そう――竜人族の出生に関係する遺跡だと言われているわ。もっとも、代々各島を統治する族長によって語り継がれた伝承の域を出ないんだけどね」
根も葉もない言い伝えか、はたまた真実か。
個人的にも颯太の興味を引く話だ。
改めて、海竜へと視線を戻すと、
「お? 今日も海竜様はいい笑顔だ」
「これなら明日の漁も大漁間違いなしだな!」
「ああして海竜様が笑っておられるから、ワシらは臆することなく海に出られる――ありがたい話じゃ」
漁師たちはニコニコ微笑む海竜シフォンガルタをありがたがっているようだ。
「シフォンガルタの能力は、海の荒れ具合を予期することができるのよ。でも、言葉では伝えられないから、あんな風に笑ったり、困った顔をすることで海の状態を漁師たちに教えているの。みんなの漁が無事に成功するために」
「そうだったのか……」
戦闘要員ではなく、あくまでも人々のために使う能力のようだ。
「そういう竜人族もいるのか……遺跡の見学とかってやっているんですか?」
「基本的に誰でも見ることができるわ」
「なら、行ってみましょうよ」
ドラゴンが苦手なカレンも興味を抱いたようだ。
それから、ショッピング中のブリギッテたちとアムが合流。遺跡見学について話をすると反対意見ゼロの圧倒的賛成。思えば、全員がドラゴン関連の仕事(竜人族付き)に就いているわけなので、興味がないはずがなかった。
「なら、明日の朝にここの港へ船を用意しておくわ。竜医仲間が来島するってわかったら、きっと島のみんなも歓迎してくれるし」
「助かりますよ」
「そうと決まったら、今日はこの王都周辺を案内するわ」
「じゃあ、まずは――」
ぐぅ~。
可愛らしく鳴るキャロルのお腹。
「あ、も、もうそろそろお昼の時間だったな」
精一杯のフォローだったつもりだが、どうも不発だったらしく、カレンに右足の甲を、ブリギッテに左足の甲を踏んづけられた。
「ま、お腹が減っていたらこれからいろいろと見て回るのに不都合よね。――いいわ。王都で一番人気のお店に案内してあげる」
それからはアムがリクエストに応えてさまざまな店を案内した。
また、王都からほど近くにある景勝地も馬車を使い、見て回った。
渓谷、岬、展望台に火山公園――4大国家間の関係が良好となった近年では、他国からの観光客を積極的に呼び込むため、それらスポットは道路や施設などが国費によって整備されていた。
「技術ではペルゼミネに及ばない。商業ではハルヴァに及ばない。医療ではダステニアに及ばない――このガドウィンが他国と肩を並べるには、この国が他よりも胸を張れるところを全面に押し出すべきだと王国議会で決定したの」
「それが、この自然豊かな景観を利用した観光業なんですね」
颯太はガドウィン自慢の観光スポットのひとつ――ウェルゴ大滝を眺めながら、アムに言った。
「でも、それは決して平坦な道ではなかった……伝統を重んじる各島の族長たち――まあ、うちの父も含まれるんだけど、とにかく大反対だったの。ガドウィンの歴史そのものである山や滝を見世物にするのかって。危うく国内で戦争になりそうなほどの過熱ぶりだったわ」
「その考えもわからないではないな……」
「結局、女王自らが説得に訪れてなんとか事なきを得たけどね」
「女王? そうか、ガドウィンの王は女性なのか……」
まだ会ったことはないが、こちらも機会があれば是非会ってみたいと思う颯太だった。
「凄い滝ですね!」
「まさに天から降り注ぐ恵みの水って感じよね」
「圧巻ですわ」
「ここまでの滝はハルヴァにはありませんね」
女性陣もその迫力を前に唸る。
たしかに、前にテレビで見た世界三大瀑布にも負けない大迫力――最大落差は80mくらいあるだろうか。世界が世界なら、間違いなく世界遺産として登録されているだろう。
「でも、その女王の英断があったから、俺たちはこの美しい光景を楽しむことができているんですよね」
「そうね。私も女王の判断は間違っていなかったと思っているわ。最初は頑なに大反対していた父も、島への来訪客が増えた最近じゃ『女王陛下は素晴らしい慧眼をお持ちですな!』なんてすっかり手の平を返しているわ」
やれやれといった具合に肩をすくめるアム。
とにもかくにも、ガドウィンの大自然を目の当たりにし、心身ともに癒された颯太たち。
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