20 / 43
佐城沙知はまだ恋を知らない
二十話 『あたし』
しおりを挟む
あたし、佐城沙知は幼い頃から身体が弱かった。
ちょっと出掛ければ風邪を引くし、ちょっと運動すれば、熱が出る。中学生に上がるまで、あたしは健康診断で『異常なし』って言われたことが一回もないくらいには体が弱い。
大体病院か自室で過ごしている毎日で、今でも頻度は減ったけどそれは変わらない。
姉である沙々お姉ちゃんは全く健康だ。むしろ、病気とは無縁なくらいに元気だ。それはあたしの憧れでもあり、ある意味羨ましい。あたしには備わってない元気さだから。
あたしとお姉ちゃんの身体的特徴は全く同じで見た目では区別がつかないくらいだった。
あたしと同じ整っていて可愛い顔立ちだからよくいろんな人から間違われる。
それがちょっとコンプレックスなあたしはいつからかお姉ちゃんが絶対にしないポニーテールにするようになった。
病弱だったあたしはあんまり元気ではなかったから、口数も少ないし、あまり外で遊ぶタイプじゃなかった。だから、学校に友だちも居なかったし、そもそも学校に行けてないからあまり会う機会はなかった。
ここでも対照的にお姉ちゃんは友だちが多くて、毎日いろんな友だちと遊んでいる。
それにお姉ちゃんは頭が良いから色んな勉強も簡単にできちゃうし、運動神経もいいから何でもできる自慢の姉。あたしはそんなお姉ちゃんが大好きだった。
だから小さい頃からずっと憧れているのと同じくらいにコンプレックスだった。
そんなあたしの毎日の楽しみは教育テレビの科学コーナーと動物の生態映像を見ることだった。
幼稚園や学校に行けず、することのないあたしにとってその時間が唯一の楽しみだった。
「さあ、今日はどんな実験をしようかな」
あたしはウキウキしながらベッドで横になりながらテレビを見ている。
今日は何が見られるかな? どんな結果になるのかな? 何でそうなるのかな? そんな気持ちで番組をみていた。その時間があたしにとってはワクワクするもののひとつだった。
あと、動物が好きなあたしにお父さんは色んな生き物の図鑑を買ってきては、興味を引き出せるように工夫してくれた。
だからあたしは色んな実験や生き物に興味が持てるようになったし、気づけばそれが好きになっていった。あたしの趣味は本や図鑑を見て勉強をする時間が増えていった。
でもいつもテレビとかで実験や動物の映像を見ると、どうしても疑問に思うことがあるの。
そんな時はお父さんかお母さんに聞いたりして、教えて貰ったりした。
時には二人が答えられないときがある。そういうときは一緒になって調べてくれたりしてそれが分かった時の達成感も、とても嬉しいものだった。
答えを探して、見つけることができた時の喜びはテレビで見たときより、遥かに大きかった。
いつしか実験や動物の映像や本をみるといつもあたしはこう思うようになってしまったんだ……『知りたい』って……。
そんなあたしの知的好奇心に火が付いて、気づけば色んなことを知ろうと、様々なことを学んでいた。
世界にはこんなにも面白いものが広がっていて、楽しいことが沢山あるのに、それを知ろうとしないなんてもったいない。あたしはそう思うようになっていたんだ。
だけど、世界の色んなことを知るたびにあたしは絶望した。知れば知るほど、あたしは知ることしかできないんだと分かった。
世界はこんなにも面白いのに、身体が弱いせいで体験することができない。
それにあたしの知的好奇心が知るべきではない事実を知ってしまったことで、あたしは悩む羽目になった。
それは今でも悩んでいるほどの大きな事実で、このあたしの行動がお姉ちゃんを大いに困らせたのは、言うまでのない。
むしろ、この事実があたしにとってお姉ちゃんを唯一の特別にしてしまった。
けど、そんなバカみたいな過ちを犯したくせに、知ることへの好奇心はあたしの中にあり続けた。
知ることの楽しさと恐さ。その両方を知りあたしはまた新しい何かを探していった。
中学になり、学校も週に三回くらいは通えるくらいには、身体も少しは健康になってきた。
だから、今度は友だちを作って色々と経験したいと思っていた。
そうすれば、この病弱なあたしでも少しは楽しく過ごせると思うから。
けど、それはできなかった。
幼い頃から人付き合いが最小限だったあたしは同年代の女子とは感性が合わなくて、合わせようとしてもうざがられる。男子からは成長したあたしの身体をジロジロ見られる。
それに結局身体が弱いことには変わらず、友だちになれそうでも遊びには行けないから、次第にあたしのことを煙たがるようになっていった。
その要素が重なりあって、あたしはクラスで浮いていた。
元々家で一人で過ごす時間が多かったから学校で一人になっても平気ではあった。
別にこんな人たちと付き合う価値もないと、覚える必要がないと、勝手に見下すことで何も考えないようにした。見ない振りをした。
結局、中学のときもあたしの相手をしてくれるのは、お姉ちゃんだけ。お姉ちゃんとテストの順位を競っているのが、一番楽しかった。
あと、学校に通い続けたのは、学校の備品を借りられるからその点だけは学校に通う価値はあると思った。
そして、高校に入学すると、入学早々に自分の身体でやらかしたのは、今でも記憶に新しい。
そのせいでお姉ちゃんにはとても迷惑をかけたのはよく覚えている。
高校に入って、まずしたことはあたしのためだけの科学部を作ったこと。
せっかく学校に通って、学校の備品を使えるんだったら、部活動として、堂々と使えるようにしようとあたしは思いついたんだ。
部長はあたしになり、部員はお姉ちゃんになった。あとは名前だけ貸してもらったお姉ちゃんの知り合いで何とか部活の申請はできた。
その部活動の内容はあたしの知的好奇心を満たすための実験。お姉ちゃんは他事で忙しそうだから、部長としてあたしがその部を一人で受け持った。
そしてあたしの部活は始動したんだ。
一ヶ月何も問題なく、活動していたからか、お姉ちゃんもあたしも気が緩んだのか、ちょっと調子に乗っていたと思う。
いつもはお姉ちゃんに科学部の部室まで送ってもらってた。けど、その日はお姉ちゃんが先生の頼み事で忙しいらしくて、一人で教室で待っているようにお姉ちゃんに言われていた。
でも、あたしは最近身体の調子が良かったかは調子乗って一人で部室に向かっていた。
高校生になって身体も丈夫になったと勘違いして、意気揚々と部室まで歩いて向かった。
けど、あたしは部室までの半分の満たない距離で力尽きて、廊下で倒れた。
マズイ……。このままじゃあ、あたしここで死ぬかもしれない……。そんな不安な思いを抱えながら、あたしは廊下で倒れていた。
「マジで……死ぬ……」
そんな声が自然に出て、体も動かず、意識も朦朧としてきた。
けど、そんな時に誰かが声をかけてきた。
「あの……大丈夫ですか……」
男の人の声が聞こえた。それにこっちに近づいてくる足音が聞こえてくる。あたしは藁にも縋る思いで、その声の主に助けを求めることにした。
「ひっ!!」
あたしが急に脚を掴んだせいで、男の子は尻餅を付いてしまう。けど、あたしはそんなことを気にせず、最後の力を振り絞って、死にものぐるいで声を出した。
「あたしを……第二科学室まで……連れてって……」
「分かった!! 分かったから!! とりあえず脚を離してください!!」
男の子がそういうとあたしは脚を掴んだままだったことに気が付く。脚から手を離して、あたしは助けてくれる男の子の顔を見る。
その人が彼──島田頼那くんだった。
ちょっと出掛ければ風邪を引くし、ちょっと運動すれば、熱が出る。中学生に上がるまで、あたしは健康診断で『異常なし』って言われたことが一回もないくらいには体が弱い。
大体病院か自室で過ごしている毎日で、今でも頻度は減ったけどそれは変わらない。
姉である沙々お姉ちゃんは全く健康だ。むしろ、病気とは無縁なくらいに元気だ。それはあたしの憧れでもあり、ある意味羨ましい。あたしには備わってない元気さだから。
あたしとお姉ちゃんの身体的特徴は全く同じで見た目では区別がつかないくらいだった。
あたしと同じ整っていて可愛い顔立ちだからよくいろんな人から間違われる。
それがちょっとコンプレックスなあたしはいつからかお姉ちゃんが絶対にしないポニーテールにするようになった。
病弱だったあたしはあんまり元気ではなかったから、口数も少ないし、あまり外で遊ぶタイプじゃなかった。だから、学校に友だちも居なかったし、そもそも学校に行けてないからあまり会う機会はなかった。
ここでも対照的にお姉ちゃんは友だちが多くて、毎日いろんな友だちと遊んでいる。
それにお姉ちゃんは頭が良いから色んな勉強も簡単にできちゃうし、運動神経もいいから何でもできる自慢の姉。あたしはそんなお姉ちゃんが大好きだった。
だから小さい頃からずっと憧れているのと同じくらいにコンプレックスだった。
そんなあたしの毎日の楽しみは教育テレビの科学コーナーと動物の生態映像を見ることだった。
幼稚園や学校に行けず、することのないあたしにとってその時間が唯一の楽しみだった。
「さあ、今日はどんな実験をしようかな」
あたしはウキウキしながらベッドで横になりながらテレビを見ている。
今日は何が見られるかな? どんな結果になるのかな? 何でそうなるのかな? そんな気持ちで番組をみていた。その時間があたしにとってはワクワクするもののひとつだった。
あと、動物が好きなあたしにお父さんは色んな生き物の図鑑を買ってきては、興味を引き出せるように工夫してくれた。
だからあたしは色んな実験や生き物に興味が持てるようになったし、気づけばそれが好きになっていった。あたしの趣味は本や図鑑を見て勉強をする時間が増えていった。
でもいつもテレビとかで実験や動物の映像を見ると、どうしても疑問に思うことがあるの。
そんな時はお父さんかお母さんに聞いたりして、教えて貰ったりした。
時には二人が答えられないときがある。そういうときは一緒になって調べてくれたりしてそれが分かった時の達成感も、とても嬉しいものだった。
答えを探して、見つけることができた時の喜びはテレビで見たときより、遥かに大きかった。
いつしか実験や動物の映像や本をみるといつもあたしはこう思うようになってしまったんだ……『知りたい』って……。
そんなあたしの知的好奇心に火が付いて、気づけば色んなことを知ろうと、様々なことを学んでいた。
世界にはこんなにも面白いものが広がっていて、楽しいことが沢山あるのに、それを知ろうとしないなんてもったいない。あたしはそう思うようになっていたんだ。
だけど、世界の色んなことを知るたびにあたしは絶望した。知れば知るほど、あたしは知ることしかできないんだと分かった。
世界はこんなにも面白いのに、身体が弱いせいで体験することができない。
それにあたしの知的好奇心が知るべきではない事実を知ってしまったことで、あたしは悩む羽目になった。
それは今でも悩んでいるほどの大きな事実で、このあたしの行動がお姉ちゃんを大いに困らせたのは、言うまでのない。
むしろ、この事実があたしにとってお姉ちゃんを唯一の特別にしてしまった。
けど、そんなバカみたいな過ちを犯したくせに、知ることへの好奇心はあたしの中にあり続けた。
知ることの楽しさと恐さ。その両方を知りあたしはまた新しい何かを探していった。
中学になり、学校も週に三回くらいは通えるくらいには、身体も少しは健康になってきた。
だから、今度は友だちを作って色々と経験したいと思っていた。
そうすれば、この病弱なあたしでも少しは楽しく過ごせると思うから。
けど、それはできなかった。
幼い頃から人付き合いが最小限だったあたしは同年代の女子とは感性が合わなくて、合わせようとしてもうざがられる。男子からは成長したあたしの身体をジロジロ見られる。
それに結局身体が弱いことには変わらず、友だちになれそうでも遊びには行けないから、次第にあたしのことを煙たがるようになっていった。
その要素が重なりあって、あたしはクラスで浮いていた。
元々家で一人で過ごす時間が多かったから学校で一人になっても平気ではあった。
別にこんな人たちと付き合う価値もないと、覚える必要がないと、勝手に見下すことで何も考えないようにした。見ない振りをした。
結局、中学のときもあたしの相手をしてくれるのは、お姉ちゃんだけ。お姉ちゃんとテストの順位を競っているのが、一番楽しかった。
あと、学校に通い続けたのは、学校の備品を借りられるからその点だけは学校に通う価値はあると思った。
そして、高校に入学すると、入学早々に自分の身体でやらかしたのは、今でも記憶に新しい。
そのせいでお姉ちゃんにはとても迷惑をかけたのはよく覚えている。
高校に入って、まずしたことはあたしのためだけの科学部を作ったこと。
せっかく学校に通って、学校の備品を使えるんだったら、部活動として、堂々と使えるようにしようとあたしは思いついたんだ。
部長はあたしになり、部員はお姉ちゃんになった。あとは名前だけ貸してもらったお姉ちゃんの知り合いで何とか部活の申請はできた。
その部活動の内容はあたしの知的好奇心を満たすための実験。お姉ちゃんは他事で忙しそうだから、部長としてあたしがその部を一人で受け持った。
そしてあたしの部活は始動したんだ。
一ヶ月何も問題なく、活動していたからか、お姉ちゃんもあたしも気が緩んだのか、ちょっと調子に乗っていたと思う。
いつもはお姉ちゃんに科学部の部室まで送ってもらってた。けど、その日はお姉ちゃんが先生の頼み事で忙しいらしくて、一人で教室で待っているようにお姉ちゃんに言われていた。
でも、あたしは最近身体の調子が良かったかは調子乗って一人で部室に向かっていた。
高校生になって身体も丈夫になったと勘違いして、意気揚々と部室まで歩いて向かった。
けど、あたしは部室までの半分の満たない距離で力尽きて、廊下で倒れた。
マズイ……。このままじゃあ、あたしここで死ぬかもしれない……。そんな不安な思いを抱えながら、あたしは廊下で倒れていた。
「マジで……死ぬ……」
そんな声が自然に出て、体も動かず、意識も朦朧としてきた。
けど、そんな時に誰かが声をかけてきた。
「あの……大丈夫ですか……」
男の人の声が聞こえた。それにこっちに近づいてくる足音が聞こえてくる。あたしは藁にも縋る思いで、その声の主に助けを求めることにした。
「ひっ!!」
あたしが急に脚を掴んだせいで、男の子は尻餅を付いてしまう。けど、あたしはそんなことを気にせず、最後の力を振り絞って、死にものぐるいで声を出した。
「あたしを……第二科学室まで……連れてって……」
「分かった!! 分かったから!! とりあえず脚を離してください!!」
男の子がそういうとあたしは脚を掴んだままだったことに気が付く。脚から手を離して、あたしは助けてくれる男の子の顔を見る。
その人が彼──島田頼那くんだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる