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第三幕(最終章)真実追究編
47 浄化される闇
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「そんなの簡単ですよ、通報が入ったんです。あなたが賊に王宮から此処へ連れ去られたと。そいつは社交界で、ヴァイオレッタ殿を殺そうとした犯人だ。さぁ、こっちへ来て下さい」
「で、彼を殺したあと、ワタクシも抹殺する。そういう魂胆なんでしょう?」
「何を言っているんです?」
「ワタクシの眼は誤魔化せませんよ? いえ、今のワタクシなら分かる。その双眸。悪魔の力に呑まれた瞳です。ねぇ、フレイア。あなたが振るう刃は正義のためではなかったのですか?」
「ええ、勿論正義のためですよ」
フレイアの持つ刃が轟音と共に猛る。纏った闘気が蒸気のように彼の身体を朱く染め上げている。そして、一瞬周囲を見渡した彼は、予想だにしない言葉を発する。
「此処、懐かしいですね。俺があのとき燃やしたまま遺っているだなんて」
「なんですって!?」
「言葉のままですよ。まぁ、あのときは父上の命令でしたけどね。この世界に聖女は一人しか居ない。俺の父は神殿直属の騎士だった。偽物は排除しなくてはならない。古き、神殿の教えですよ」
「じゃあ……あのとき、この教会を燃やしたのも……」
「ええ、俺です」
「見損なったわ……フレイア!」
いや、フレイアはきっと悪魔の力によって操られているだけなんだ。ワタクシは彼を救ってあげないといけない。ヴァイオレッタとして……ではない。聖女として。
「俺は主の命令を聞くだけです。悪魔の事はよく分かりませんが、主の言葉を聞くと、頭が冴えて来るんですよね。なんかこう、やるべき事がはっきりして来るんですよ。正義のために悪を排除するんですよ、この手で。そうすることで、俺の炎は……滾る!」
前へ出ようとしたところ、横に居たジルバートがワタクシを制止する。
「こういう奴は一度、力で抑えこむ方が早い。俺様が抑え込んでやる。聖女の力とやらで後は悪魔の力を浄化すればいい」
「ええ、分かったわ」
ジルバートがワタクシの前へ立ち、漆黒の魔剣をフレイアへ向ける。フレイアは満足そうにワタクシと彼を見据えた後、充分に滾らせた炎をこちらへ放った。
「話は終わったかい? では、行くぞ! クオーツ闘気法――流閃・焔牙《ファング》」
炎の渦が激しくうねりを伴い、真っ直ぐにこちらへ襲い掛かる。対するジルバートが魔剣をひと振りすると、漆黒の渦が彼の前に顕現し、炎は漆黒の渦へと吸い込まれてしまう。
と、同時。その場から姿を消したジルバートの魔剣がフレイアを斬り払う。紅蓮の刃で受け止めた騎士団長を一気に後方へと吹き飛ばし、そして……。
「混沌の魔剣――時空魔断裂」
「くっ! 咆哮・焔圧」
一瞬離れた瞬間、空間を引き裂いたジルバートの魔剣。その斬撃は空間ごとその場を斬り裂く、魔の斬撃。フレイアはかつてアイゼン王子を吹き飛ばした、圧縮した闘気を放ち爆発させるあの技を放つも、ジルバートの魔剣がその技ごと真っ二つに引き裂いてしまう。ジルバートの遥か後方で爆発が起き、フレイアは眼前に迫る斬撃をすんでのところで躱す。斬撃は、教会の敷地を超え、森の樹木が次々に薙ぎ倒されていく。
全部避け切れなかったのだろう。身につけていた銀色のプレートアーマーは斬り裂かれ、右肩口から左脇腹にかけて大きな刀傷がついている。自身の傷を確かめたフレイアは何を思ったか、鎧を脱ぎ捨てる。手甲に脛当て、身につけている防具を外していく。上半身の肉体を曝け出し、防具のない姿になった騎士団長は、満足そうに呟く。
「なんだ。これじゃあ鎧の意味ねーじゃないか。だが、久し振りに本気で闘えるってもんだ」
「そうか、それはよかった」
一体何がいいのかが分からない。この極限状態で笑う、この二人の考えが分からない。だけど、気づけばワタクシは両手で祈りのポーズを作ったまま、息を呑んで二人の一挙手一投足を見守っていた。
「――咆哮・焔弾!」
騎士団長のギアがあがった。火球は爆発する寸前、魔剣により吸収される。が、既にジルバートとの距離を詰めたフレイアが目にも止まらぬ剣戟でジルバートの魔剣を打ち払っていく。通常ならばきっと、近づくだけで灼熱の炎に呑まれ、塵になっている。それほどの熱量。ジルバートが闇の魔力で自身を覆い、魔剣同様炎を打ち消しているのだろう。しかし、全てを打ち消しているかに見えたジルバートだったが、二人の刀身が重なり合った瞬間、至近距離での爆発が起きる。一瞬出来た隙をフレイアは逃さない。
「――嵐龍・焔環」
「ジルバート!」
灼熱の炎が竜巻のように巻き上がり、ジルバートはその中に呑み込まれてしまう。彼の身体は宙へ浮き、全身を焼かれ、地面へと叩きつけられる。地に伏した刃の鋩を向ける騎士団長。
「終わりだ。あとは塵も残らないよう、火葬してやろう」
「それは叶わぬ話だ」
「なん……だと!? ぐぁあああああ!」
次の瞬間、ジルバートと騎士団長を囲むように魔法陣が出現し、黒い光が天上へと伸びる。刹那フレイアが苦悶の表情となり、地面へと蹲る。と、同時、ジルバートの傷がみるみる塞がれていき、蹲るフレイアの前に彼は立ち上がる。
「混沌の魔剣――背水の陣。その闇に染まった炎、俺様が貰ってやる」
「や、やめろぉおおおおお」
赤い闘気も刀身を燃やしていた炎も、全てを喰らう闇の魔法陣。これは恐らく対象の魔力や闘気を喰らい、自身の傷を癒す逆転魔法。フレイアへ魔剣の刀身を向けたまま、こちらへ視線を向けるジルバート。どうやら今がその時という事らしい。
「待たせたな、ヴァイオレッタ。さぁ、初めてくれ」
「心配したわ、ジルバート。わかりました」
闇の魔法陣の中、苦悶の表情から精気が失われたような虚ろな表情になっている騎士団長の傍へ近づき、ワタクシはあの言葉を紡ぐ。
「悪しき者は還るべき場所へ、正しき者は導かれん。人の子の魂よ、いつの日も清らかであれ。女神ミューズよ、今こそ我に力を! エンゲリオン=キュアノス」
ワタクシの瞳が蒼く光った瞬間。それまで黒い光に包まれていた闇の魔法陣が白く上書きされていく。そして、光に包まれたフレイアの奥底に潜んでいたどす黒いうねりのような何かが彼の中から外へと漏れ出し、聖なる光によって浄化されていく。悪魔による呪縛から解放され、温かな光に包まれたフレイアの瞳が元の隻眼へと変化し、やがて瞳に光が戻る。
「俺は……今まで……一体、何を……」
「もう、大丈夫ですよ」
ワタクシの微笑む顔を見たフレイアは、安堵した表情のまま、気を失うのだった――
「で、彼を殺したあと、ワタクシも抹殺する。そういう魂胆なんでしょう?」
「何を言っているんです?」
「ワタクシの眼は誤魔化せませんよ? いえ、今のワタクシなら分かる。その双眸。悪魔の力に呑まれた瞳です。ねぇ、フレイア。あなたが振るう刃は正義のためではなかったのですか?」
「ええ、勿論正義のためですよ」
フレイアの持つ刃が轟音と共に猛る。纏った闘気が蒸気のように彼の身体を朱く染め上げている。そして、一瞬周囲を見渡した彼は、予想だにしない言葉を発する。
「此処、懐かしいですね。俺があのとき燃やしたまま遺っているだなんて」
「なんですって!?」
「言葉のままですよ。まぁ、あのときは父上の命令でしたけどね。この世界に聖女は一人しか居ない。俺の父は神殿直属の騎士だった。偽物は排除しなくてはならない。古き、神殿の教えですよ」
「じゃあ……あのとき、この教会を燃やしたのも……」
「ええ、俺です」
「見損なったわ……フレイア!」
いや、フレイアはきっと悪魔の力によって操られているだけなんだ。ワタクシは彼を救ってあげないといけない。ヴァイオレッタとして……ではない。聖女として。
「俺は主の命令を聞くだけです。悪魔の事はよく分かりませんが、主の言葉を聞くと、頭が冴えて来るんですよね。なんかこう、やるべき事がはっきりして来るんですよ。正義のために悪を排除するんですよ、この手で。そうすることで、俺の炎は……滾る!」
前へ出ようとしたところ、横に居たジルバートがワタクシを制止する。
「こういう奴は一度、力で抑えこむ方が早い。俺様が抑え込んでやる。聖女の力とやらで後は悪魔の力を浄化すればいい」
「ええ、分かったわ」
ジルバートがワタクシの前へ立ち、漆黒の魔剣をフレイアへ向ける。フレイアは満足そうにワタクシと彼を見据えた後、充分に滾らせた炎をこちらへ放った。
「話は終わったかい? では、行くぞ! クオーツ闘気法――流閃・焔牙《ファング》」
炎の渦が激しくうねりを伴い、真っ直ぐにこちらへ襲い掛かる。対するジルバートが魔剣をひと振りすると、漆黒の渦が彼の前に顕現し、炎は漆黒の渦へと吸い込まれてしまう。
と、同時。その場から姿を消したジルバートの魔剣がフレイアを斬り払う。紅蓮の刃で受け止めた騎士団長を一気に後方へと吹き飛ばし、そして……。
「混沌の魔剣――時空魔断裂」
「くっ! 咆哮・焔圧」
一瞬離れた瞬間、空間を引き裂いたジルバートの魔剣。その斬撃は空間ごとその場を斬り裂く、魔の斬撃。フレイアはかつてアイゼン王子を吹き飛ばした、圧縮した闘気を放ち爆発させるあの技を放つも、ジルバートの魔剣がその技ごと真っ二つに引き裂いてしまう。ジルバートの遥か後方で爆発が起き、フレイアは眼前に迫る斬撃をすんでのところで躱す。斬撃は、教会の敷地を超え、森の樹木が次々に薙ぎ倒されていく。
全部避け切れなかったのだろう。身につけていた銀色のプレートアーマーは斬り裂かれ、右肩口から左脇腹にかけて大きな刀傷がついている。自身の傷を確かめたフレイアは何を思ったか、鎧を脱ぎ捨てる。手甲に脛当て、身につけている防具を外していく。上半身の肉体を曝け出し、防具のない姿になった騎士団長は、満足そうに呟く。
「なんだ。これじゃあ鎧の意味ねーじゃないか。だが、久し振りに本気で闘えるってもんだ」
「そうか、それはよかった」
一体何がいいのかが分からない。この極限状態で笑う、この二人の考えが分からない。だけど、気づけばワタクシは両手で祈りのポーズを作ったまま、息を呑んで二人の一挙手一投足を見守っていた。
「――咆哮・焔弾!」
騎士団長のギアがあがった。火球は爆発する寸前、魔剣により吸収される。が、既にジルバートとの距離を詰めたフレイアが目にも止まらぬ剣戟でジルバートの魔剣を打ち払っていく。通常ならばきっと、近づくだけで灼熱の炎に呑まれ、塵になっている。それほどの熱量。ジルバートが闇の魔力で自身を覆い、魔剣同様炎を打ち消しているのだろう。しかし、全てを打ち消しているかに見えたジルバートだったが、二人の刀身が重なり合った瞬間、至近距離での爆発が起きる。一瞬出来た隙をフレイアは逃さない。
「――嵐龍・焔環」
「ジルバート!」
灼熱の炎が竜巻のように巻き上がり、ジルバートはその中に呑み込まれてしまう。彼の身体は宙へ浮き、全身を焼かれ、地面へと叩きつけられる。地に伏した刃の鋩を向ける騎士団長。
「終わりだ。あとは塵も残らないよう、火葬してやろう」
「それは叶わぬ話だ」
「なん……だと!? ぐぁあああああ!」
次の瞬間、ジルバートと騎士団長を囲むように魔法陣が出現し、黒い光が天上へと伸びる。刹那フレイアが苦悶の表情となり、地面へと蹲る。と、同時、ジルバートの傷がみるみる塞がれていき、蹲るフレイアの前に彼は立ち上がる。
「混沌の魔剣――背水の陣。その闇に染まった炎、俺様が貰ってやる」
「や、やめろぉおおおおお」
赤い闘気も刀身を燃やしていた炎も、全てを喰らう闇の魔法陣。これは恐らく対象の魔力や闘気を喰らい、自身の傷を癒す逆転魔法。フレイアへ魔剣の刀身を向けたまま、こちらへ視線を向けるジルバート。どうやら今がその時という事らしい。
「待たせたな、ヴァイオレッタ。さぁ、初めてくれ」
「心配したわ、ジルバート。わかりました」
闇の魔法陣の中、苦悶の表情から精気が失われたような虚ろな表情になっている騎士団長の傍へ近づき、ワタクシはあの言葉を紡ぐ。
「悪しき者は還るべき場所へ、正しき者は導かれん。人の子の魂よ、いつの日も清らかであれ。女神ミューズよ、今こそ我に力を! エンゲリオン=キュアノス」
ワタクシの瞳が蒼く光った瞬間。それまで黒い光に包まれていた闇の魔法陣が白く上書きされていく。そして、光に包まれたフレイアの奥底に潜んでいたどす黒いうねりのような何かが彼の中から外へと漏れ出し、聖なる光によって浄化されていく。悪魔による呪縛から解放され、温かな光に包まれたフレイアの瞳が元の隻眼へと変化し、やがて瞳に光が戻る。
「俺は……今まで……一体、何を……」
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