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第三幕(最終章)真実追究編
54 世界に絶望した女の子
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「魔物よ、私を護りなさい!」
野に放っていた一体をこちらへ寄越したのだろう。ワタクシ達の前に巨躯を揺らし、トロールが立ちはだかる。
「女神の聖剣――聖戟・聖者の洗礼」
「は?」
飛び上がった王子が聖剣を真っ直ぐ振り下ろした剣戟は、ワタクシの何倍もの大きさをした魔物の巨大を真っ二つにしてしまう。トロールの肉体は、聖なる光に包まれ、魂諸共浄化され、その場で消失する。
王子が聖剣の鋒を宙に浮かぶモブメイドへ向けた瞬間、一筋の光がモブメイドの肩口を貫いた……ように見えたのだが、彼女の肩口に一切傷はついてない。しかし、彼女は宙に浮かんだまま顔を歪ませ、明らかに苦しみ始める。
「くそっ……その光はやめろ、頭が……痛い……」
王子は再びワタクシと手を取り、少しずつ宙に浮かぶモブメイドの傍へと近づいていく。
「王子、いくわよ」
「嗚呼」
「な、何をするつもり!?」
モブメイドへ向けて王子が剣を向けた状態で、ワタクシは言葉を紡ぐ。
「エンゲリオン=キュアノス ――魂の還元」
「や、やめろぉおおおおおお!」
刹那、モブメイドの身体は光に包まれる――
★★★
『あんたは捨てられた要らない子なのよ! 穢らわしい!』
鼠色の壁に囲まれた部屋。手脚を縛られた女の子は頭から水をかけられ、身体中を鞭で叩かれていた。派手なドレスに身を包んだ女性は、自分の気が済むまで罵声を浴びせ、彼女をひたすら叩く。
そう、これはミランダ・ショーンの魂に刻まれた記憶――
ある日、女性の夫が連れて来たその少女は、美しい銀髪をしていた。まるで、かつての聖女を彷彿とさせる銀髪。女はそれが許せなかった。女の夫は拾った子だと言ったが、神殿に居る聖女――ホワイトベルの子であると確信していた。
でも、真実はそうでなかったらしい。ホワイトベルの子はモブメイドであり、ミランダは、ホワイトベルの妹――グランベルとショーン伯爵との子であった。
ショーン伯爵は地位と名誉が欲しかっただけなのだ。次なる聖女候補である血筋の子を持っておけば、いずれ神殿のあるセイヴサイド領――ひいてはクイーンズヴァレーを牛耳る力を得る事が出来るかもしれない、と。
『残念だったわね、旦那様はもう、あなたのことは要らないんだってさ!』
『さぁ、召使いとして残してやってんだから、さっさと掃除しなさいよ』
継母が居ない日には、長女と次女、二人の姉妹に蹴られ、叩かれる。ショーン伯爵が心変わりしたのは、聖女候補の一人が一家諸共惨殺された日からだった。
ホワイト侯爵とホワイトベルの娘とされるミレイ令嬢が、女神の神託として、次期聖女候補として紹介された後、聖女候補とされていた子の一人が家を焼かれ、一家諸共命を落としたのだ。
ショーン伯爵は、地位と名誉より、自身の命を取った。そして、彼女――ミランダの存在を無いものとした。
自身の部屋で一人、夜な夜な泣き崩れる少女ミランダ。もう一滴の涙も流れない。そんな絶望の淵、部屋の片隅にあった熊のぬいぐるみが彼女に話しかけていた。
『こんなの絶対おかしいよね。君だけが不幸な世界、そんなもの僕はあってはならないと思うんだ』
『ひぃっ……くまが……喋った!?』
『怖がらなくていいんだ。僕はメフィスト。君の味方だよ』
『メフィ……スト?』
そして、世界に絶望した少女は、悪魔からこの世界の歴史と理を教わる事となる。
『ね? どう、僕と契約しようよ。きっと君が望む世界を提供出来るよ?』
『でも……そんな……人の心を操るなんて、私には……』
『簡単だよ、明日、この屋敷に君の主と密売をやっている商人が来る。試しにその商人を操ってみるといい』
そして、商人は彼女の手足となり、商人から貰った悪魔の鏡で、ミランダは家に閉じ籠もって居ながら世界各地の現状を把握する術を身につける。
『ねぇ、どうして君を虐める彼女達を殺さないんだい?』
『え? だって簡単に殺したら面白くないじゃない? それに、表向きには私を虐めているように仕向けた方が、悲劇のヒロインを演じる事が出来るでしょう?』
既にショーン伯爵家は彼女の手中に堕ちていたのだ。もうそうならば、ある疑問が浮かぶ。ヴァイオレッタ様が彼女を追放したあの日も、彼女の姉達は操られていたのか、と。
景色は白い光に包まれ、眼前にミランダ姿の彼女が薄っすら浮かび上がる。
「そう、あのとき私はヴァイオレッタを試したのよ。もし、あのとき彼女がモブメイド、あなたのように私を助けていたならば、一家諸共追放まではしなかったかもしれないわね」
「そう言う事だったの」
「でも、高飛車に、そして、悠々自適に振る舞うヴァイオレッタ様を妬んでいたのは事実。そして、モブメイド。あなたの事もね」
「え、わたし?」
「そう、あなたは聖女候補だと言う真実を隠されたまま、護られていた。私は愛情というものを知らないの。同じ聖女候補として産まれ、この仕打ちは何? だから私はヴァイオレッタもモブメイドも、燃やす事にした」
一体どうすれば、彼女を救う事が出来たのだろう。虐められていたその時に、もっと早く彼女へ手を差し伸べる事が出来たのなら、彼女も教会でわたしと一緒に暮らしていたのなら……。
「どうして……どうして……あなたが涙を流すのよ!」
「もっと早くに出逢えていたなら……あなたを救えたかもしれなかった……だからごめんなさい」
「なんでよ! 私はあなたを一度殺してるのよ! あなたが仕えていたヴァイオレッタも! 私は悪魔なの。救う価値なんてないのよ!」
「そんなことはないわ」
「ヴァイオレッタ……あんた!」
精神世界へヴァイオレッタ姿の彼女が顕現する。彼女はゆっくりとミランダの精神へと近づき、そして、心から謝罪する。
「謝って済むものではないけれど、ごめんなさい。生前のワタクシは傲慢だった。周りが全く見えていなかった。あなたがワタクシを追放し、殺してくれたお陰で、皮肉にも女神様がワタクシへチャンスをくれたの。あなたに感謝はすれど、もう恨んではいないわ」
「馬鹿な! そんなことがある訳」
モブメイド姿でわたしはミランダをそっと抱き締める。そして、ヴァイオレッタ様もわたしとミランダをそっと包み込む。
「やめて……やめてよ……こんな温もり……私は知らない……⁉」
彼女の精神が光に包まれた瞬間、彼女の精神体から黒い靄が噴き出し、上空で霧散する。温かい光に包まれた彼女は、顔を上げ、一筋の雫を零す。
「……ママ」
『……そう簡単には終わらせないよ?』
彼女の魂から声がして、世界が一瞬にして切り替わる。ヴァイオレッタ姿のわたしとミランダ姿のヴァイオレッタ様は互いに手を握った状態で、彼女の精神体へと入り込んでいた。強制的に彼女の精神体から引き剥がしたソレは、黒い塊となって、上空を蠢いていた。
上空に浮かんでいたモブメイドが、そのまま地面へと落下する。クラウン王子が素早くモブメイドの身体を受け止める。
「あなた……まさか⁉」
蠢く黒い塊はやがて、城の遥か上空にて異形の姿となり……。
「お初にお目にかかります。吾輩はメフィスト。ミランダの魂は吾輩がいただきました。これからこの世界は吾輩の力で終焉を迎える事でしょう」
諸悪の根源、伝承の黒き悪魔――メフィストは、この世のものとは思えない禍々しい妖気を纒ったまま、恭しく一礼した。
野に放っていた一体をこちらへ寄越したのだろう。ワタクシ達の前に巨躯を揺らし、トロールが立ちはだかる。
「女神の聖剣――聖戟・聖者の洗礼」
「は?」
飛び上がった王子が聖剣を真っ直ぐ振り下ろした剣戟は、ワタクシの何倍もの大きさをした魔物の巨大を真っ二つにしてしまう。トロールの肉体は、聖なる光に包まれ、魂諸共浄化され、その場で消失する。
王子が聖剣の鋒を宙に浮かぶモブメイドへ向けた瞬間、一筋の光がモブメイドの肩口を貫いた……ように見えたのだが、彼女の肩口に一切傷はついてない。しかし、彼女は宙に浮かんだまま顔を歪ませ、明らかに苦しみ始める。
「くそっ……その光はやめろ、頭が……痛い……」
王子は再びワタクシと手を取り、少しずつ宙に浮かぶモブメイドの傍へと近づいていく。
「王子、いくわよ」
「嗚呼」
「な、何をするつもり!?」
モブメイドへ向けて王子が剣を向けた状態で、ワタクシは言葉を紡ぐ。
「エンゲリオン=キュアノス ――魂の還元」
「や、やめろぉおおおおおお!」
刹那、モブメイドの身体は光に包まれる――
★★★
『あんたは捨てられた要らない子なのよ! 穢らわしい!』
鼠色の壁に囲まれた部屋。手脚を縛られた女の子は頭から水をかけられ、身体中を鞭で叩かれていた。派手なドレスに身を包んだ女性は、自分の気が済むまで罵声を浴びせ、彼女をひたすら叩く。
そう、これはミランダ・ショーンの魂に刻まれた記憶――
ある日、女性の夫が連れて来たその少女は、美しい銀髪をしていた。まるで、かつての聖女を彷彿とさせる銀髪。女はそれが許せなかった。女の夫は拾った子だと言ったが、神殿に居る聖女――ホワイトベルの子であると確信していた。
でも、真実はそうでなかったらしい。ホワイトベルの子はモブメイドであり、ミランダは、ホワイトベルの妹――グランベルとショーン伯爵との子であった。
ショーン伯爵は地位と名誉が欲しかっただけなのだ。次なる聖女候補である血筋の子を持っておけば、いずれ神殿のあるセイヴサイド領――ひいてはクイーンズヴァレーを牛耳る力を得る事が出来るかもしれない、と。
『残念だったわね、旦那様はもう、あなたのことは要らないんだってさ!』
『さぁ、召使いとして残してやってんだから、さっさと掃除しなさいよ』
継母が居ない日には、長女と次女、二人の姉妹に蹴られ、叩かれる。ショーン伯爵が心変わりしたのは、聖女候補の一人が一家諸共惨殺された日からだった。
ホワイト侯爵とホワイトベルの娘とされるミレイ令嬢が、女神の神託として、次期聖女候補として紹介された後、聖女候補とされていた子の一人が家を焼かれ、一家諸共命を落としたのだ。
ショーン伯爵は、地位と名誉より、自身の命を取った。そして、彼女――ミランダの存在を無いものとした。
自身の部屋で一人、夜な夜な泣き崩れる少女ミランダ。もう一滴の涙も流れない。そんな絶望の淵、部屋の片隅にあった熊のぬいぐるみが彼女に話しかけていた。
『こんなの絶対おかしいよね。君だけが不幸な世界、そんなもの僕はあってはならないと思うんだ』
『ひぃっ……くまが……喋った!?』
『怖がらなくていいんだ。僕はメフィスト。君の味方だよ』
『メフィ……スト?』
そして、世界に絶望した少女は、悪魔からこの世界の歴史と理を教わる事となる。
『ね? どう、僕と契約しようよ。きっと君が望む世界を提供出来るよ?』
『でも……そんな……人の心を操るなんて、私には……』
『簡単だよ、明日、この屋敷に君の主と密売をやっている商人が来る。試しにその商人を操ってみるといい』
そして、商人は彼女の手足となり、商人から貰った悪魔の鏡で、ミランダは家に閉じ籠もって居ながら世界各地の現状を把握する術を身につける。
『ねぇ、どうして君を虐める彼女達を殺さないんだい?』
『え? だって簡単に殺したら面白くないじゃない? それに、表向きには私を虐めているように仕向けた方が、悲劇のヒロインを演じる事が出来るでしょう?』
既にショーン伯爵家は彼女の手中に堕ちていたのだ。もうそうならば、ある疑問が浮かぶ。ヴァイオレッタ様が彼女を追放したあの日も、彼女の姉達は操られていたのか、と。
景色は白い光に包まれ、眼前にミランダ姿の彼女が薄っすら浮かび上がる。
「そう、あのとき私はヴァイオレッタを試したのよ。もし、あのとき彼女がモブメイド、あなたのように私を助けていたならば、一家諸共追放まではしなかったかもしれないわね」
「そう言う事だったの」
「でも、高飛車に、そして、悠々自適に振る舞うヴァイオレッタ様を妬んでいたのは事実。そして、モブメイド。あなたの事もね」
「え、わたし?」
「そう、あなたは聖女候補だと言う真実を隠されたまま、護られていた。私は愛情というものを知らないの。同じ聖女候補として産まれ、この仕打ちは何? だから私はヴァイオレッタもモブメイドも、燃やす事にした」
一体どうすれば、彼女を救う事が出来たのだろう。虐められていたその時に、もっと早く彼女へ手を差し伸べる事が出来たのなら、彼女も教会でわたしと一緒に暮らしていたのなら……。
「どうして……どうして……あなたが涙を流すのよ!」
「もっと早くに出逢えていたなら……あなたを救えたかもしれなかった……だからごめんなさい」
「なんでよ! 私はあなたを一度殺してるのよ! あなたが仕えていたヴァイオレッタも! 私は悪魔なの。救う価値なんてないのよ!」
「そんなことはないわ」
「ヴァイオレッタ……あんた!」
精神世界へヴァイオレッタ姿の彼女が顕現する。彼女はゆっくりとミランダの精神へと近づき、そして、心から謝罪する。
「謝って済むものではないけれど、ごめんなさい。生前のワタクシは傲慢だった。周りが全く見えていなかった。あなたがワタクシを追放し、殺してくれたお陰で、皮肉にも女神様がワタクシへチャンスをくれたの。あなたに感謝はすれど、もう恨んではいないわ」
「馬鹿な! そんなことがある訳」
モブメイド姿でわたしはミランダをそっと抱き締める。そして、ヴァイオレッタ様もわたしとミランダをそっと包み込む。
「やめて……やめてよ……こんな温もり……私は知らない……⁉」
彼女の精神が光に包まれた瞬間、彼女の精神体から黒い靄が噴き出し、上空で霧散する。温かい光に包まれた彼女は、顔を上げ、一筋の雫を零す。
「……ママ」
『……そう簡単には終わらせないよ?』
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上空に浮かんでいたモブメイドが、そのまま地面へと落下する。クラウン王子が素早くモブメイドの身体を受け止める。
「あなた……まさか⁉」
蠢く黒い塊はやがて、城の遥か上空にて異形の姿となり……。
「お初にお目にかかります。吾輩はメフィスト。ミランダの魂は吾輩がいただきました。これからこの世界は吾輩の力で終焉を迎える事でしょう」
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