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追加エピソード
第13話:枯れた20代
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*同居開始~本編最終話ラストに至る迄の物語*
目覚まし時計のアラームに叩き起こされ、謙太と龍之介は同時に目を覚ました。
眠りについた時と同じ体勢である。慌てて身体を離し、謙太は先に寝室から出て行った。一人ベッドに残された龍之介は恥ずかしさのあまり頭まで布団を被った。
なんだかんだ言って今までにないくらいに快眠出来た。三時間弱しか眠れていないにも関わらず、頭はスッキリと冴えている。だからこそ、明け方のやり取りを鮮明に思い出してしまった。
一緒じゃないと眠れないのはまだ分かるが、抱きつく必要はないのでは?
しかし、くっついて眠ると安心感が違う。
「……悪化してんじゃねーか!」
一人で寝る練習のはずが、とんでもない事態になった。下手に抗ったせいでこうなった。大人しくおなじベッドで眠っていればこんなことには……と、ここまで考えてまた正気に戻る。
謙太が泊まりの出張の度に眠れないのでは生活に支障が出る。そもそも、そんな状態は健全とは言えない。だから何とかしようと努力しているのだ。
二度寝しようにも、謙太がいなければ眠れない。のそりとベッドから降り、龍之介もリビングに向かった。
「おはよ」
「……おはよう」
起きてきた龍之介を見て、謙太はトースターに食パンを一枚追加した。それに淹れたてのコーヒーとゆで卵をつければいつもの朝食の完成だ。
「もう少し寝ててもいいのに」
「いや、いい」
どうせ一人では眠れない。それを分かっているからか謙太もそれ以上は言わなかった。
「あ、オレ今日晩メシいらない」
苺ジャムをたっぷり塗ったトーストをかじりながら、思い出したように謙太が口を開いた。
「飲み会の日だっけ」
「そ。独身に戻ったから断りきれなくて」
離婚以来、奥さんに捨てられた寂しい仲間を慰めようと度々誘われるようになったという。
特殊な事情はあるが円満離婚である。断じて捨てられた訳ではない。しかし、同僚に詳しい事情を教えてやる義理もない。謙太は適当に話を合わせ、数回に一度は誘いに乗るようにしている。
「合コンとかじゃないんだ?」
「合コン~~~?」
新しい出会いを探さないのかと軽い気持ちで尋ねてみたところ、ものすごく渋い顔で返された。
「朝からする話じゃないけどさ、オレそういう欲がなくなったかもしれん」
「…………マジか!」
離婚したばかりで精神的に不安定だからかもしれないが、謙太は性欲の減退を自覚していた。そういった処理を行うまでもなく、まず勃たないのだ。
それを聞いて龍之介は心底驚き、そして同情した。
一度目の結婚で失敗したとはいえ、まだ二十五歳。次を考えてもいいというのに、肝心の性欲が無いのではどうしようもない。
「そういうおまえはどうなんだよ」
「は? ……んん?」
言われてみて、しばらく抜いてないことに気付き、龍之介は沈黙した。その態度で全てを察した謙太は、ゆで卵の殻をむきながら大きな溜め息をついた。
「枯れてんな~オレたち」
「……ヤバいな」
謙太に同情している場合ではない。
「……飲み会、スッポン鍋の店に行けば?」
「なんでだよ」
目覚まし時計のアラームに叩き起こされ、謙太と龍之介は同時に目を覚ました。
眠りについた時と同じ体勢である。慌てて身体を離し、謙太は先に寝室から出て行った。一人ベッドに残された龍之介は恥ずかしさのあまり頭まで布団を被った。
なんだかんだ言って今までにないくらいに快眠出来た。三時間弱しか眠れていないにも関わらず、頭はスッキリと冴えている。だからこそ、明け方のやり取りを鮮明に思い出してしまった。
一緒じゃないと眠れないのはまだ分かるが、抱きつく必要はないのでは?
しかし、くっついて眠ると安心感が違う。
「……悪化してんじゃねーか!」
一人で寝る練習のはずが、とんでもない事態になった。下手に抗ったせいでこうなった。大人しくおなじベッドで眠っていればこんなことには……と、ここまで考えてまた正気に戻る。
謙太が泊まりの出張の度に眠れないのでは生活に支障が出る。そもそも、そんな状態は健全とは言えない。だから何とかしようと努力しているのだ。
二度寝しようにも、謙太がいなければ眠れない。のそりとベッドから降り、龍之介もリビングに向かった。
「おはよ」
「……おはよう」
起きてきた龍之介を見て、謙太はトースターに食パンを一枚追加した。それに淹れたてのコーヒーとゆで卵をつければいつもの朝食の完成だ。
「もう少し寝ててもいいのに」
「いや、いい」
どうせ一人では眠れない。それを分かっているからか謙太もそれ以上は言わなかった。
「あ、オレ今日晩メシいらない」
苺ジャムをたっぷり塗ったトーストをかじりながら、思い出したように謙太が口を開いた。
「飲み会の日だっけ」
「そ。独身に戻ったから断りきれなくて」
離婚以来、奥さんに捨てられた寂しい仲間を慰めようと度々誘われるようになったという。
特殊な事情はあるが円満離婚である。断じて捨てられた訳ではない。しかし、同僚に詳しい事情を教えてやる義理もない。謙太は適当に話を合わせ、数回に一度は誘いに乗るようにしている。
「合コンとかじゃないんだ?」
「合コン~~~?」
新しい出会いを探さないのかと軽い気持ちで尋ねてみたところ、ものすごく渋い顔で返された。
「朝からする話じゃないけどさ、オレそういう欲がなくなったかもしれん」
「…………マジか!」
離婚したばかりで精神的に不安定だからかもしれないが、謙太は性欲の減退を自覚していた。そういった処理を行うまでもなく、まず勃たないのだ。
それを聞いて龍之介は心底驚き、そして同情した。
一度目の結婚で失敗したとはいえ、まだ二十五歳。次を考えてもいいというのに、肝心の性欲が無いのではどうしようもない。
「そういうおまえはどうなんだよ」
「は? ……んん?」
言われてみて、しばらく抜いてないことに気付き、龍之介は沈黙した。その態度で全てを察した謙太は、ゆで卵の殻をむきながら大きな溜め息をついた。
「枯れてんな~オレたち」
「……ヤバいな」
謙太に同情している場合ではない。
「……飲み会、スッポン鍋の店に行けば?」
「なんでだよ」
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