【完結】君を繋ぎとめるためのただひとつの方法

みやこ嬢

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追加エピソード

第15話:反応した理由

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*同居開始~本編最終話ラストに至る迄の物語*



 会社の飲み会を終えた謙太けんたは、ほろ酔い気分でマンションのエントランスでエレベーターの到着を待っていた。

 時刻は日付が変わる少し前。
 こんな遅い時間まで帰れなかったのは寧花ねいかと結婚していた時……前の部署にいた時以来だ。当時は何とも思わなかったが、帰宅時間が遅くなれば出来なくなることが増える。

「リュウ、今日は何食ったのかな」

 いつもなら、平日は定時に帰って龍之介が作った夕食を一緒に食べ、皿洗いは謙太が担当している。風呂を洗って湯張りするのも謙太の役目だ。しかし、今日のように帰宅が遅くなると家事が何も出来なってしまう。

 龍之介と暮らすようになって、そんな当たり前のことにようやく気が付いた。

「ただいま」
「おかえり」

 玄関のドアを開けて声を掛ければ、寝間着姿の龍之介が洗面所から顔を出して出迎えた。風呂から上がったばかりなのか髪がまだ濡れている。

「遅かったな」
「同僚が悪酔いしたんで送ってきた」
「そっか。早く風呂入れよ、冷めるぞ」
「うん」

 寝室に寄ってスーツを脱ぎ、シャツとトランクス姿で洗面所に行くと、髪を乾かし終えた龍之介が歯を磨いている最中だった。洗面所の奥に浴室がある。そこで服を脱ごうとして、謙太はふと手を止めた。

「ん? 入らねーの?」
「あー……その前に水飲んでくる」
「ハハッ、また飲み過ぎたんだろ」
「そうかもしれん」

 一旦洗面所から出て台所に行き、コップに水を注いで一気に飲む。そうこうしている間に龍之介が歯磨きを終えてリビングに来た。ソファに座り、テレビをつけ、興味なさそうにチャンネルを変えていく。先にベッドに入ってもどうせ眠れないから、起きて謙太を待つつもりなのだろう。

 その様子を見てから再び洗面所に戻り、風呂に入る。

「…………ヤバい」

 湯船に顔半分まで浸かりながら、謙太は眉間に皺を寄せた。視線を下に向ければ、しっかりと反応を示した部分が目に入った。


──ここ最近朝勃ちすらしなかったのに。


 酒に酔ったせいか、疲れ過ぎたからか。
 それとも単なる誤作動か。

 精がつくようなものを食べた覚えもないし、性的な刺激を受けるようなものを見たわけでもない。しばらく枯れていたはずの欲求が唐突に復活してしまい、謙太は戸惑いを隠せなかった。

「バレてなかった、よな?」

 洗面所で服を脱ぐ直前に気付き、龍之介に見つかる前に回避した。

 性欲がなくなったという話を今朝したばかりだ。それが何故突然こうなったのか。

 謙太には、なんとなく原因が分かっていた。
 風呂上がりの濡れた髪のまま出迎えてくれた親友の姿に、不覚にもドキッとしてしまったのだ。一度意識してしまえばもうダメだった。

「とにかく、コレをなんとかしないと寝らんねーな……」

 風呂から上がれば龍之介と一緒のベッドで眠ることになる。その時に、もしこんな状態だとバレたら布団から叩き出されるだろう。龍之介と一緒に寝られなくなるのは死活問題だ。

 数ヶ月ぶりに自慰をして痕跡を綺麗に片付けた後、謙太は素知らぬ顔で風呂から上がった。
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