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第一章
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「すまない。セシェル。お前のことを嫌いになったわけじゃない。けれど、俺は運命の相手に出会ってしまった」
「分かりました。アレイズ様。それでは婚約破棄をいたしましょう!そして、是非とも運命の出会いをなされたその方とお幸せになられてください!」
「……え?」
(よっしゃああああ!これで俺は誰の邪魔をすることもなく推しカプ達の恋愛を堪能出来る!!)
心の中で大きくガッツポーズを決める俺。
そんな俺の目の前には、今まさに婚約を破棄された元婚約者であるこの国の第一王子であるアレイズ様が呆気にとられたような顔で立って居る。
(うん、こんな間の抜けた顔をしても超絶イケメンはやっぱり超絶にイケメンだよな!)
なんて心の中で納得して頷く俺。
透けるような銀色の髪に、紫水晶の瞳が神秘的な雰囲気を醸し出し、整い過ぎるほどに整い過ぎた容姿を持つ誰もが憧れる超絶美形の王子様。
見ているだけで本当に目の保養になる。
こんなイケメンが俺の婚約者だなんて、本当に信じられないよな。
いや、もう元婚約者なんだけれど。
「い、いや。あの、セシェル……?」
「はい?」
「それは、本気、なのか?」
「はい、勿論です。ああ、父上には俺の方からちゃんと話はつけますのでご安心ください!」
「いや、そうではなくて。お前は、俺のことを愛してくれていたと思っていたんだが……?」
「はい、愛しておりますよ」
それは間違いではない。
俺、セシェル=ランローズにとって、アレイズ様はたった一人の愛する人物であることに間違いはない。
(けれどそれは最愛の推しという意味だけれどな!)
「そ、それならどうして…!?」
「愛しているからこそに決まっているではありませんか。愛する人には本当に心から愛する方と幸せになっていただきたいのです。アレイズ様はお優しく誠実なお方ですから、俺とその運命のお相手の方二人を同時に愛することなど出来はしないこともよく存じております。であれば、俺は喜んで身を引きましょう。俺は今までもう十分愛して頂きましたしよくして頂きました。ですから、これからはアレイズ様のその暖かい愛情は運命の出会いをなされた方にのみ注いであげてください。俺の分まで」
「い、いや、待て、待ってくれ、セシェル。俺はまだ……」
「アレイズ様!!」
「は、はいっ!?」
戸惑う様に伸ばされた手を俺は両手でガシッと強く握りしめる。
「大丈夫です!俺はお二人の味方ですから!全力でお二人のことを応援させていただきます!」
(なんてったって数ある推しカプの中でも俺の最推しのカップリングだからな!)
「いや、だ、だから話を……!」
「大丈夫です。ちゃんとしたお話はまた後日改めてさせていただきますので。アレイズ様も陛下達にお話ししないといけないでしょうから、正式なお話はその時にということで。申し訳ございません。アレイズ様。時間が来てしまいましたので、今日はこれで失礼いたしますね。他の者達には正式に婚約破棄されるまでは内密にしておきますのでご安心ください。それではまた明日お会いしましょう」
「おい、せしぇ……!」
深くお辞儀すると、何か言いかけていたアレイズ様を置いて部屋を出たのは、勿論ショックを受けたことを隠したいがためなどではなく元々本当に用事があったから。
けれど目的の場所に向かう足取りが羽が生えたように軽かったのは、思っていた以上に展開がいい方向へと動いてくれたからだった。
俺の念願の推しカプ堪能学園生活を送る為に。
「分かりました。アレイズ様。それでは婚約破棄をいたしましょう!そして、是非とも運命の出会いをなされたその方とお幸せになられてください!」
「……え?」
(よっしゃああああ!これで俺は誰の邪魔をすることもなく推しカプ達の恋愛を堪能出来る!!)
心の中で大きくガッツポーズを決める俺。
そんな俺の目の前には、今まさに婚約を破棄された元婚約者であるこの国の第一王子であるアレイズ様が呆気にとられたような顔で立って居る。
(うん、こんな間の抜けた顔をしても超絶イケメンはやっぱり超絶にイケメンだよな!)
なんて心の中で納得して頷く俺。
透けるような銀色の髪に、紫水晶の瞳が神秘的な雰囲気を醸し出し、整い過ぎるほどに整い過ぎた容姿を持つ誰もが憧れる超絶美形の王子様。
見ているだけで本当に目の保養になる。
こんなイケメンが俺の婚約者だなんて、本当に信じられないよな。
いや、もう元婚約者なんだけれど。
「い、いや。あの、セシェル……?」
「はい?」
「それは、本気、なのか?」
「はい、勿論です。ああ、父上には俺の方からちゃんと話はつけますのでご安心ください!」
「いや、そうではなくて。お前は、俺のことを愛してくれていたと思っていたんだが……?」
「はい、愛しておりますよ」
それは間違いではない。
俺、セシェル=ランローズにとって、アレイズ様はたった一人の愛する人物であることに間違いはない。
(けれどそれは最愛の推しという意味だけれどな!)
「そ、それならどうして…!?」
「愛しているからこそに決まっているではありませんか。愛する人には本当に心から愛する方と幸せになっていただきたいのです。アレイズ様はお優しく誠実なお方ですから、俺とその運命のお相手の方二人を同時に愛することなど出来はしないこともよく存じております。であれば、俺は喜んで身を引きましょう。俺は今までもう十分愛して頂きましたしよくして頂きました。ですから、これからはアレイズ様のその暖かい愛情は運命の出会いをなされた方にのみ注いであげてください。俺の分まで」
「い、いや、待て、待ってくれ、セシェル。俺はまだ……」
「アレイズ様!!」
「は、はいっ!?」
戸惑う様に伸ばされた手を俺は両手でガシッと強く握りしめる。
「大丈夫です!俺はお二人の味方ですから!全力でお二人のことを応援させていただきます!」
(なんてったって数ある推しカプの中でも俺の最推しのカップリングだからな!)
「いや、だ、だから話を……!」
「大丈夫です。ちゃんとしたお話はまた後日改めてさせていただきますので。アレイズ様も陛下達にお話ししないといけないでしょうから、正式なお話はその時にということで。申し訳ございません。アレイズ様。時間が来てしまいましたので、今日はこれで失礼いたしますね。他の者達には正式に婚約破棄されるまでは内密にしておきますのでご安心ください。それではまた明日お会いしましょう」
「おい、せしぇ……!」
深くお辞儀すると、何か言いかけていたアレイズ様を置いて部屋を出たのは、勿論ショックを受けたことを隠したいがためなどではなく元々本当に用事があったから。
けれど目的の場所に向かう足取りが羽が生えたように軽かったのは、思っていた以上に展開がいい方向へと動いてくれたからだった。
俺の念願の推しカプ堪能学園生活を送る為に。
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