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第一章
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俺、セシェル・ランローズには秘密がある。
それは、前世の記憶があるということ。
と言っても、名前がなんだったのか、どういう生活を送っていたのか、までは全く覚えていないんだけれど。
ただ、前世の俺は男ながらに腐男子という存在で、男同士のカップルものの漫画やアニメやゲームが大好きな男子高校生だったということだけは思い出していた。
記憶が戻ったのは3歳の時に階段から足を滑らせて落ちて頭を打った時だった。
その時に、俺はセシェル・ランローズという人間がどういう人物か、理解した。
セシェルは、前世の俺が一番好きで何周も遊んだBLゲーム《クランベルの鐘》の登場人物であり、主人公の邪魔ばかりするライバルキャラである闇魔法の使い手の悪役令息なんだという事を。
物語の内容は主人公であるアルマ・テーゼルは、元々は庶民の生まれなんだけれど、とある事件に巻き込まれたことからそのうちに類い稀なる魔法力を秘めていることが分かり、特例で【クランベル魔法学院】に、入学することになるんだ。
そして入学式の属性検査で1000年に一度産まれるか産まれないかと言われている全属性の魔法が使える体質だということが発覚し、学院で三年間自分の腕を磨きながら、その中で知り合う数々の攻略キャラ達と絆を深め、共に勉強し、共に魔物と戦いあう中特別な相手を見つけて行くという、まあ、オーソドックスな内容ではあるんだけれど。
けど、本格的なRPGタイプの戦闘はあるし、攻略キャラがかなり多くて、全クリするにはかなりやりがいのあるな内容になってるんだよな。
エンディングを迎えるキャラによって最終的に主人公がどの属性に特化した魔法使いになるのかっていうのも、変わってくるし。
話もよく出来ていて俺は夢中になって隠しキャラ含めた全クリ目指してプレイしてたんだよな。
その中で、メインの攻略キャラクターである、この国の第一王子アレイズの攻略を進めて行くと、特にお邪魔キャラとして主人公を陥れようとしてくるのが、婚約者であるこの俺セシェルだったりする。
ゲーム中では本当に嫌なやつで、かなり酷い虐めみたいな事をやってのけるんだけれど、アレイズルートは入るとそれが明るみになって、最終的に断罪され学園を追い出されて家からも絶縁されてしまうんだけれど、そこを元々セシェルの闇魔法の強力さに目をつけていた、魔王配下の四天王の1人闇魔導師に心の隙をつかれて洗脳され最終的には闇魔獣にされて、主人公とアレイズ達に倒され死ぬんだよな。
齢三歳にして自分の悲惨な終わりを知ってしまった俺はというと、大きくガッツポーズをとっていた。
それは仕方ない。
だって、大好きだったゲームの世界に転生して、しかも、最推しであるアレイズ王子を筆頭に推しである攻略キャラ達を生で堪能できる立場に転生したのだから。
なかでも、アレイズ×アルマのカップリングは数あるカップリングの中でも、最推しのカップリングなのだから。
その2人が仲良くイチャイチャする姿を間近で見られるなんて夢のように美味しい立ち位置じゃないか。
とはいえ、流石に魔獣になって殺されるのは、勘弁被りたいので俺はゲームのように二人の中を邪魔したりするつもりはない。
主人公のアルマがアレイズ様を選ぶなら喜んで身を引いて応援しよう。
そして他の推しカプ達と同じように陰ながら様子を見守って堪能させてもらおう。
なんて気楽に考えていたんだ。
俺が邪魔さえしなければ、俺が追放されることもないだろうし。
万が一、追放されても魔獣にさえならなければ死なないんだから、闇魔導師に洗脳されないほどの実力を身につけていれば問題ないだろうと。
それから俺は闇魔法の勉強に励みに励んで、今では闇魔法なら右に出る者がいないほどの使い手になったし、洗脳魔法にかからない宝具も自ら生み出したんだ。
それであとは、アルマとアレイズ様が出会い惹かれあう展開になってくれれば、俺としては万々歳ってところでの、アレイズ様からの報告に、完全に浮かれた俺はスキップしながら廊下を歩く勢いで寮の自室へと向かったのだった。
それは、前世の記憶があるということ。
と言っても、名前がなんだったのか、どういう生活を送っていたのか、までは全く覚えていないんだけれど。
ただ、前世の俺は男ながらに腐男子という存在で、男同士のカップルものの漫画やアニメやゲームが大好きな男子高校生だったということだけは思い出していた。
記憶が戻ったのは3歳の時に階段から足を滑らせて落ちて頭を打った時だった。
その時に、俺はセシェル・ランローズという人間がどういう人物か、理解した。
セシェルは、前世の俺が一番好きで何周も遊んだBLゲーム《クランベルの鐘》の登場人物であり、主人公の邪魔ばかりするライバルキャラである闇魔法の使い手の悪役令息なんだという事を。
物語の内容は主人公であるアルマ・テーゼルは、元々は庶民の生まれなんだけれど、とある事件に巻き込まれたことからそのうちに類い稀なる魔法力を秘めていることが分かり、特例で【クランベル魔法学院】に、入学することになるんだ。
そして入学式の属性検査で1000年に一度産まれるか産まれないかと言われている全属性の魔法が使える体質だということが発覚し、学院で三年間自分の腕を磨きながら、その中で知り合う数々の攻略キャラ達と絆を深め、共に勉強し、共に魔物と戦いあう中特別な相手を見つけて行くという、まあ、オーソドックスな内容ではあるんだけれど。
けど、本格的なRPGタイプの戦闘はあるし、攻略キャラがかなり多くて、全クリするにはかなりやりがいのあるな内容になってるんだよな。
エンディングを迎えるキャラによって最終的に主人公がどの属性に特化した魔法使いになるのかっていうのも、変わってくるし。
話もよく出来ていて俺は夢中になって隠しキャラ含めた全クリ目指してプレイしてたんだよな。
その中で、メインの攻略キャラクターである、この国の第一王子アレイズの攻略を進めて行くと、特にお邪魔キャラとして主人公を陥れようとしてくるのが、婚約者であるこの俺セシェルだったりする。
ゲーム中では本当に嫌なやつで、かなり酷い虐めみたいな事をやってのけるんだけれど、アレイズルートは入るとそれが明るみになって、最終的に断罪され学園を追い出されて家からも絶縁されてしまうんだけれど、そこを元々セシェルの闇魔法の強力さに目をつけていた、魔王配下の四天王の1人闇魔導師に心の隙をつかれて洗脳され最終的には闇魔獣にされて、主人公とアレイズ達に倒され死ぬんだよな。
齢三歳にして自分の悲惨な終わりを知ってしまった俺はというと、大きくガッツポーズをとっていた。
それは仕方ない。
だって、大好きだったゲームの世界に転生して、しかも、最推しであるアレイズ王子を筆頭に推しである攻略キャラ達を生で堪能できる立場に転生したのだから。
なかでも、アレイズ×アルマのカップリングは数あるカップリングの中でも、最推しのカップリングなのだから。
その2人が仲良くイチャイチャする姿を間近で見られるなんて夢のように美味しい立ち位置じゃないか。
とはいえ、流石に魔獣になって殺されるのは、勘弁被りたいので俺はゲームのように二人の中を邪魔したりするつもりはない。
主人公のアルマがアレイズ様を選ぶなら喜んで身を引いて応援しよう。
そして他の推しカプ達と同じように陰ながら様子を見守って堪能させてもらおう。
なんて気楽に考えていたんだ。
俺が邪魔さえしなければ、俺が追放されることもないだろうし。
万が一、追放されても魔獣にさえならなければ死なないんだから、闇魔導師に洗脳されないほどの実力を身につけていれば問題ないだろうと。
それから俺は闇魔法の勉強に励みに励んで、今では闇魔法なら右に出る者がいないほどの使い手になったし、洗脳魔法にかからない宝具も自ら生み出したんだ。
それであとは、アルマとアレイズ様が出会い惹かれあう展開になってくれれば、俺としては万々歳ってところでの、アレイズ様からの報告に、完全に浮かれた俺はスキップしながら廊下を歩く勢いで寮の自室へと向かったのだった。
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