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第62話 お仕事大成功で大ピンチ!
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1枚のはんこなしをファランさまが、うんうん、として受け取ってくれる。
「サファ、ありがとう。とても助かったよ」
「……っ!」
ぼくをみてニコッとしてくれたファランさまの目に、うわわ、となった顔のぼくが写ってる。
「ぼく、お手伝いできましたか?」
「ああ、もちろんだ。サファは優秀だな」
「わぁぁぁぁ」
ぼく、優秀って! 助かったって! とても助かったって!!
わぁぁぁぁ!
「えへへへ……よかったです」
なんか照れちゃう。ふふふふ。
あ、でも、いつまでもここにいたらダメね。ファランさまの書斎だから、ぼくがはしゃいだら邪魔になっちゃう。
「じゃあ、あの、ぼく、戻ります。お手伝いできて、よかったです!」
どう考えても手伝ったというより、手伝いをさせてもらった立場なのでね、わきまえないと。
「そうか、それはよかった。よかったら、また手伝ってくれ」
「え……」
いいの? ほんとに? ぼく、またお手伝いさせてもらえる?
「わぁ……ぼくまたやりたいですっ!」
あ、もしかして、これは前世で言うとこの「社交辞令」というやつ? 本気ではない? つい勢いこんじゃったけどぉぉ……。
「ああ、頼むよ」
でも、ファランさまは、またニコッとなってうんうんしてくれて、ホッとする。イヤな感じになってなさそうだから、きっと平気よね、うん。
「じゃあ、ぼく――」
「ああ、そうだ。少し待ってくれ」
「……? はい」
ファランさまは、立派な木の机の引き出しを引っ張って、なにかゴソゴソ。
「確かここに――」
んん? の顔で奥の方を覗き込んでゴソゴソ。
「――あ、ああ、これだ」
出てきたのは、銀色のきれいな細長い箱。
「これなんだが――」
「……?」
Gさまの手がパカン、と箱を開けると、中にあったのは――
「わ……きれい、すごい、これ……ペンですか?」
「ああ、私のこれと、揃いのものだ」
ファランさまは、机の上にコロンとなっていた、ペンを手にとって見せてくれる。
「わぁぁぁ……すごい、色ちがいのですねっ! きれいぃぃ」
透き通った薄いペンの中に、インクの半透明の黒みたいな濃い青色みたいなのが見える。
てっぺんには金色の羽の飾りがついている。金属なのに、さわったらふわふわしそうな感じだ。
箱の中にあるのは薄い緑色、同じ羽の飾りは銀色だ。
「透き通ってるペンなんて、はじめて見ました。ガラスみたいで、きれいー」
「気に入ったか」
「はいっ。羽の飾りもとってもかわいいです」
「そうか、ならよかった」
「……?」
なんでぇ? ぼくが気に入るとなんで、よかった、になるのぉ?
「手伝ってもらった礼に、こっちをサファにあげよう」
ファランさまは箱のふたをパタン、と閉じですっとこっちに差し出す。
「えっっ」
え、そん、こんな……宝物みたいなペン、しかもファランさまのと色ちがいののを、ぼく……そんな、えっ!?
「まだそなたには少し早いかもしれないが、いずれ使うようになるだろう」
「ええっっっ!」
ぼく、え? ぼくが使うの、これ? ええっ?
「さあ、受け取れ」
「え、でも、ぼく、こんな宝物みたいな……きれいなペン、あの……」
恐れ多くて受け取れないぃぃぃ……!
「いい。今日の礼だ」
えええ、ぼく、ページ揃えてはんこ見ただけよ? 労働に対して報酬が過多! 過重労働じゃなくて、逆に過重報酬!
「2つあっても使わないからな。受け取ってほしい」
ファランさまはぼくの手を取って、箱をぎゅっとさせる。
「え、あの……ありがとうございますっ!」
あ、持たされちゃったから言っちゃった! けど、でも、ほんとにこんな大事そうなもの……。
「ああ、いつかこれを使うような手伝いもしてくれるといい」
「わぁぁ……」
いつか、ペンを使うような大事なお仕事も!
「がんばりますっ!」
わぁぁぁ、わぁぁぁ……。
すごい、また、お手伝いさせてもらえるかもしれないんだ。
わぁぁぁ……。
***
「今日は頑張りましたね、サファさま」
「ふぇ?」
――しまった、なんかぼんやりしてた。
わぁぁぁ……ってフワフワしてるうちに、ファランさまの書斎を出てお部屋に帰ってきてたね。どうやってここまで無事歩いてきたんだろうね、ぼんやりさんはほどほどにしないとぉ。
「ふわぁ……」
ちゃんと、手にはいただいたペンの箱。
ひぇぇぇ……ほんとに、ほんとにこんなもらった良かったのぉぉぉ?
「本当に、しっかりお手伝いなさって」
「素晴らしいですわ」
「あは、あはは……そうかなぁ」
ページ揃えて、はんこ見ただけなんだけど……なにしろ5才なので、全体的に評価が極甘!
「それにしても、ファランさまはずいぶんとサファさまを信頼してくださってるようで」
「え?」
「そうですわね。そこまで重要なものというわけでもないでしょうけれど、国家に関する書類の確認をお任せくださったのですから」
「……!?」
「ええ。サファさまがお小さいから何を見せても大丈夫、ということでもないでしょうし」
「はわ……」
えええええ? ぼく、もしかして、えっ、あの、国の重要な書類とか、見ちゃった感じ……だったりします?
「…………」
考えてみれば、王太子のファランさまがわざわざ目を通してる書類って……大事じゃないわけないよね!?
ええええ? ぼく、これ、大丈夫な……やつ?
ぼくって一応、他国の人質……だよね。
これ、将来的に国同士が敵対したりしたら……
ひぇぇぇぇ……!?
これ、国家の重要書類を盗み見た罪で、処罰し放題なのでは!?!?
え?
ええ?
ええええええ!
ファランさまは大丈夫でも、誰かにダメって言われてとか、ぼくのこと邪魔なので処したい!みたいな人がでてきた、とかなったら……
格好の処刑材料なのでは!?!?
うわぁぁぁぁん。どどどど、どーしよーーー!
ほんと、うっかりさんにもほどがあるでしょ!
なぁぁんにも考えないでほいほい大事な書類預かったりして、ぼくの、おばかさーーん!!
「サファ、ありがとう。とても助かったよ」
「……っ!」
ぼくをみてニコッとしてくれたファランさまの目に、うわわ、となった顔のぼくが写ってる。
「ぼく、お手伝いできましたか?」
「ああ、もちろんだ。サファは優秀だな」
「わぁぁぁぁ」
ぼく、優秀って! 助かったって! とても助かったって!!
わぁぁぁぁ!
「えへへへ……よかったです」
なんか照れちゃう。ふふふふ。
あ、でも、いつまでもここにいたらダメね。ファランさまの書斎だから、ぼくがはしゃいだら邪魔になっちゃう。
「じゃあ、あの、ぼく、戻ります。お手伝いできて、よかったです!」
どう考えても手伝ったというより、手伝いをさせてもらった立場なのでね、わきまえないと。
「そうか、それはよかった。よかったら、また手伝ってくれ」
「え……」
いいの? ほんとに? ぼく、またお手伝いさせてもらえる?
「わぁ……ぼくまたやりたいですっ!」
あ、もしかして、これは前世で言うとこの「社交辞令」というやつ? 本気ではない? つい勢いこんじゃったけどぉぉ……。
「ああ、頼むよ」
でも、ファランさまは、またニコッとなってうんうんしてくれて、ホッとする。イヤな感じになってなさそうだから、きっと平気よね、うん。
「じゃあ、ぼく――」
「ああ、そうだ。少し待ってくれ」
「……? はい」
ファランさまは、立派な木の机の引き出しを引っ張って、なにかゴソゴソ。
「確かここに――」
んん? の顔で奥の方を覗き込んでゴソゴソ。
「――あ、ああ、これだ」
出てきたのは、銀色のきれいな細長い箱。
「これなんだが――」
「……?」
Gさまの手がパカン、と箱を開けると、中にあったのは――
「わ……きれい、すごい、これ……ペンですか?」
「ああ、私のこれと、揃いのものだ」
ファランさまは、机の上にコロンとなっていた、ペンを手にとって見せてくれる。
「わぁぁぁ……すごい、色ちがいのですねっ! きれいぃぃ」
透き通った薄いペンの中に、インクの半透明の黒みたいな濃い青色みたいなのが見える。
てっぺんには金色の羽の飾りがついている。金属なのに、さわったらふわふわしそうな感じだ。
箱の中にあるのは薄い緑色、同じ羽の飾りは銀色だ。
「透き通ってるペンなんて、はじめて見ました。ガラスみたいで、きれいー」
「気に入ったか」
「はいっ。羽の飾りもとってもかわいいです」
「そうか、ならよかった」
「……?」
なんでぇ? ぼくが気に入るとなんで、よかった、になるのぉ?
「手伝ってもらった礼に、こっちをサファにあげよう」
ファランさまは箱のふたをパタン、と閉じですっとこっちに差し出す。
「えっっ」
え、そん、こんな……宝物みたいなペン、しかもファランさまのと色ちがいののを、ぼく……そんな、えっ!?
「まだそなたには少し早いかもしれないが、いずれ使うようになるだろう」
「ええっっっ!」
ぼく、え? ぼくが使うの、これ? ええっ?
「さあ、受け取れ」
「え、でも、ぼく、こんな宝物みたいな……きれいなペン、あの……」
恐れ多くて受け取れないぃぃぃ……!
「いい。今日の礼だ」
えええ、ぼく、ページ揃えてはんこ見ただけよ? 労働に対して報酬が過多! 過重労働じゃなくて、逆に過重報酬!
「2つあっても使わないからな。受け取ってほしい」
ファランさまはぼくの手を取って、箱をぎゅっとさせる。
「え、あの……ありがとうございますっ!」
あ、持たされちゃったから言っちゃった! けど、でも、ほんとにこんな大事そうなもの……。
「ああ、いつかこれを使うような手伝いもしてくれるといい」
「わぁぁ……」
いつか、ペンを使うような大事なお仕事も!
「がんばりますっ!」
わぁぁぁ、わぁぁぁ……。
すごい、また、お手伝いさせてもらえるかもしれないんだ。
わぁぁぁ……。
***
「今日は頑張りましたね、サファさま」
「ふぇ?」
――しまった、なんかぼんやりしてた。
わぁぁぁ……ってフワフワしてるうちに、ファランさまの書斎を出てお部屋に帰ってきてたね。どうやってここまで無事歩いてきたんだろうね、ぼんやりさんはほどほどにしないとぉ。
「ふわぁ……」
ちゃんと、手にはいただいたペンの箱。
ひぇぇぇ……ほんとに、ほんとにこんなもらった良かったのぉぉぉ?
「本当に、しっかりお手伝いなさって」
「素晴らしいですわ」
「あは、あはは……そうかなぁ」
ページ揃えて、はんこ見ただけなんだけど……なにしろ5才なので、全体的に評価が極甘!
「それにしても、ファランさまはずいぶんとサファさまを信頼してくださってるようで」
「え?」
「そうですわね。そこまで重要なものというわけでもないでしょうけれど、国家に関する書類の確認をお任せくださったのですから」
「……!?」
「ええ。サファさまがお小さいから何を見せても大丈夫、ということでもないでしょうし」
「はわ……」
えええええ? ぼく、もしかして、えっ、あの、国の重要な書類とか、見ちゃった感じ……だったりします?
「…………」
考えてみれば、王太子のファランさまがわざわざ目を通してる書類って……大事じゃないわけないよね!?
ええええ? ぼく、これ、大丈夫な……やつ?
ぼくって一応、他国の人質……だよね。
これ、将来的に国同士が敵対したりしたら……
ひぇぇぇぇ……!?
これ、国家の重要書類を盗み見た罪で、処罰し放題なのでは!?!?
え?
ええ?
ええええええ!
ファランさまは大丈夫でも、誰かにダメって言われてとか、ぼくのこと邪魔なので処したい!みたいな人がでてきた、とかなったら……
格好の処刑材料なのでは!?!?
うわぁぁぁぁん。どどどど、どーしよーーー!
ほんと、うっかりさんにもほどがあるでしょ!
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