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「これって、自主的にエントリーするわけじゃ、ないんだね」
涼が苦笑しながら言うと、恵那が「みたいだな」と鼻で笑う。
「羽山先輩、どっかで聞いてんのかな、コレ。あの人どんな反応してんだろ」
「意外に喜んでたりして。踊ってるの、楽しそうだったよね」
「ほんっと、わっかんない人だよなー。超絶マジメキャラなのかと思いきや、ノリノリでふざけてくれるし」
子供の頃から一人で舞台に載ってコンクールに出場していたから、キモだけは座っていると本人が言っていた。
緊張感すらも楽しんでステージに上がれるというだけで、涼にしてみれば尊敬しかない。
「近藤先輩、振り回されてそうだね。今も俺のだーって叫んでんじゃないの?」
「それな。近藤先輩もよく見たら結構イケメンなんだぜ? あの人、ちょっと目つき悪いけどトランペットめっちゃ上手いし。軽音楽部でも演奏してるって」
「軽音楽部って、バンドとかやってんだよね。野外ステージでめっちゃかっこよかった」
「涼、聴きに行ったんだ? 俺、ダンスの打合せとかで全然屋外ステージ見れなかったからなー」
「盛り上がってたよー。なんか、地元の芸人さんも来てたみたい。僕は知らない人達だったけど」
「ローカル番組とかでMCやってたりするアレだろ。俺結構好き。あー、見たかったな」
二人で焼きそばを食べながらそんな話をして。
イベントというものにとにかく全力で乗っかる恵那だから、昨日も今日も一人東奔西走していたのを涼も知っている。
「それでは本年度、クイーンの発表と参ります」
ステージではドラムロールが鳴り響き。
もったいぶってダララララと流れるその音に恵那が「奏先輩がやってんのかな」と突っ込んだ。
「すらりとした身長に華奢な体格、美しく整った顔に華やかなドレスがこれ以上なくプリンセスとして似合っていて。その見た目に反して口はちょっとだけ悪いけれど、誰よりも文化祭を楽しんでいたこのお姫様。そう、一年C組、瑞浪恵那!」
バン、と映し出されたのは白雪姫姿の恵那の全身写真。
いったいいつ撮ったのか、涼に負けず劣らずうるうるの目で上目遣いに微笑んでいるその写真の恵那は、どこからどう見ても可憐な白雪姫で。
恵那が固まった。
涼が苦笑しながら言うと、恵那が「みたいだな」と鼻で笑う。
「羽山先輩、どっかで聞いてんのかな、コレ。あの人どんな反応してんだろ」
「意外に喜んでたりして。踊ってるの、楽しそうだったよね」
「ほんっと、わっかんない人だよなー。超絶マジメキャラなのかと思いきや、ノリノリでふざけてくれるし」
子供の頃から一人で舞台に載ってコンクールに出場していたから、キモだけは座っていると本人が言っていた。
緊張感すらも楽しんでステージに上がれるというだけで、涼にしてみれば尊敬しかない。
「近藤先輩、振り回されてそうだね。今も俺のだーって叫んでんじゃないの?」
「それな。近藤先輩もよく見たら結構イケメンなんだぜ? あの人、ちょっと目つき悪いけどトランペットめっちゃ上手いし。軽音楽部でも演奏してるって」
「軽音楽部って、バンドとかやってんだよね。野外ステージでめっちゃかっこよかった」
「涼、聴きに行ったんだ? 俺、ダンスの打合せとかで全然屋外ステージ見れなかったからなー」
「盛り上がってたよー。なんか、地元の芸人さんも来てたみたい。僕は知らない人達だったけど」
「ローカル番組とかでMCやってたりするアレだろ。俺結構好き。あー、見たかったな」
二人で焼きそばを食べながらそんな話をして。
イベントというものにとにかく全力で乗っかる恵那だから、昨日も今日も一人東奔西走していたのを涼も知っている。
「それでは本年度、クイーンの発表と参ります」
ステージではドラムロールが鳴り響き。
もったいぶってダララララと流れるその音に恵那が「奏先輩がやってんのかな」と突っ込んだ。
「すらりとした身長に華奢な体格、美しく整った顔に華やかなドレスがこれ以上なくプリンセスとして似合っていて。その見た目に反して口はちょっとだけ悪いけれど、誰よりも文化祭を楽しんでいたこのお姫様。そう、一年C組、瑞浪恵那!」
バン、と映し出されたのは白雪姫姿の恵那の全身写真。
いったいいつ撮ったのか、涼に負けず劣らずうるうるの目で上目遣いに微笑んでいるその写真の恵那は、どこからどう見ても可憐な白雪姫で。
恵那が固まった。
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