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【1】Rose quartz
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「……おい、おまえ」
「何だよ? 文句あるなら、それなりの学業を修めてから言って貰おうか?」
「そうそう。俺たち、特選科は忙しいの。ほら、早くしないと休憩終わっちゃうじゃん。キミらと違って、休憩時間短いしさ」
並んでいた者は皆、黙ってこの二人に場所を譲った。
征人はでも、頭にきたからもやし男を捕まえようとしたのだが、その瞬間。
「そっかー、特選科って休憩、短いんだー。大変だね」
征人の腕を掴み、ふんわりとした笑顔を見せながら成親が言った。
「どおぞ、お先に」
目は、全然笑っていないけれど。
でも成親のまるで天使のような微笑みに、黒ぶち眼鏡がたじろいで。
「……じゃ、お先」
もやし男と二人、食券機にスマホをかざし、逃げるように奥へと消えて行った。
見送った成親は、征人に向き直ると今度は正真正銘の笑顔を見せる。
「ダメだよ、相手にしちゃ」
「なる……」
「しょーさんも、ゆってた。ああいう人たちがいるから、あんましクラスの連中とは関わらないって」
実際、翔の所属する特選科――特別選抜進学科というクラスは、国立大学や海外の有名大学、プラス有名私立大学受験希望者のみで構成されている、特別進学科の中でもトップクラスの成績を持つ約十名(成績によるので十名に満たない場合もある)のみが所属する少数精鋭のクラスで。
彼らが学校の進学率を上げることでこの学校の知名度が上がり、私立だから経営もそれによって回っているということもあり。
勉強を最優先にする為に取られている措置が、彼らを特権意識を過剰に持つ要因となっているから、必死で成績を向上させる意欲に繋がる者ばかりではなく、こうしてその特権を悪用する者も少なからず、いるのだ。
「ちょっと、ヤな空気になっちゃったけど、でもパンケーキはあの人達とは関係ないし、とりあえず俺らは俺らで楽しも?」
成親の笑顔は、こういう時に最強だと征人は思う。
心にやましいものを抱いている者にはまぶし過ぎて眩んでしまうけれど、征人や翔のようにその愛情を共有できる仲間には、総ての癒しのように感じられるから。
「なる。おまえ、やっぱすげえわ」
「何が?」
「いや……なんでもない」
翔が、これに惹かれたのだろう、と征人は実感する。
老若男女問わず、成親を取り巻く友人たちは皆、この笑顔に癒されるのだ。
「俺、パンケーキとロコモコ丼にする。なる、パンケーキはシェアして、他にちゃんとしたもの、食え」
「あー、そーしよっかな。なんかメニュー見てたらこの、ローストビーフサンドにめっちゃ惹かれた!」
「うわまじかよ。俺もそれと迷ったんだけどな」
「じゃあ、三つ、シェアしよーよ」
「いいねー!」
結局その三品はどれも美味しくて、嫌なことなんて完全に忘れ去ることができたのだった。
「何だよ? 文句あるなら、それなりの学業を修めてから言って貰おうか?」
「そうそう。俺たち、特選科は忙しいの。ほら、早くしないと休憩終わっちゃうじゃん。キミらと違って、休憩時間短いしさ」
並んでいた者は皆、黙ってこの二人に場所を譲った。
征人はでも、頭にきたからもやし男を捕まえようとしたのだが、その瞬間。
「そっかー、特選科って休憩、短いんだー。大変だね」
征人の腕を掴み、ふんわりとした笑顔を見せながら成親が言った。
「どおぞ、お先に」
目は、全然笑っていないけれど。
でも成親のまるで天使のような微笑みに、黒ぶち眼鏡がたじろいで。
「……じゃ、お先」
もやし男と二人、食券機にスマホをかざし、逃げるように奥へと消えて行った。
見送った成親は、征人に向き直ると今度は正真正銘の笑顔を見せる。
「ダメだよ、相手にしちゃ」
「なる……」
「しょーさんも、ゆってた。ああいう人たちがいるから、あんましクラスの連中とは関わらないって」
実際、翔の所属する特選科――特別選抜進学科というクラスは、国立大学や海外の有名大学、プラス有名私立大学受験希望者のみで構成されている、特別進学科の中でもトップクラスの成績を持つ約十名(成績によるので十名に満たない場合もある)のみが所属する少数精鋭のクラスで。
彼らが学校の進学率を上げることでこの学校の知名度が上がり、私立だから経営もそれによって回っているということもあり。
勉強を最優先にする為に取られている措置が、彼らを特権意識を過剰に持つ要因となっているから、必死で成績を向上させる意欲に繋がる者ばかりではなく、こうしてその特権を悪用する者も少なからず、いるのだ。
「ちょっと、ヤな空気になっちゃったけど、でもパンケーキはあの人達とは関係ないし、とりあえず俺らは俺らで楽しも?」
成親の笑顔は、こういう時に最強だと征人は思う。
心にやましいものを抱いている者にはまぶし過ぎて眩んでしまうけれど、征人や翔のようにその愛情を共有できる仲間には、総ての癒しのように感じられるから。
「なる。おまえ、やっぱすげえわ」
「何が?」
「いや……なんでもない」
翔が、これに惹かれたのだろう、と征人は実感する。
老若男女問わず、成親を取り巻く友人たちは皆、この笑顔に癒されるのだ。
「俺、パンケーキとロコモコ丼にする。なる、パンケーキはシェアして、他にちゃんとしたもの、食え」
「あー、そーしよっかな。なんかメニュー見てたらこの、ローストビーフサンドにめっちゃ惹かれた!」
「うわまじかよ。俺もそれと迷ったんだけどな」
「じゃあ、三つ、シェアしよーよ」
「いいねー!」
結局その三品はどれも美味しくて、嫌なことなんて完全に忘れ去ることができたのだった。
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