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【1】Rose quartz
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「お姉ちゃん、なんて名前?」
二人の様子をにやにやと笑って見ていた征人が、話を戻した。
「成美。俺の成は成ちゃんと同じ。今は遠くの大学行ってるから一緒には住んでないけど、しょーさんは会ってるもんね」
「ん、まあ入り浸ってたしさ。でもなるちゃん、部屋に籠ってること多かったからあんまし話はしたことないな」
「そおだっけ? 俺としては、しょーさんはなるちゃん狙いだと思ってた」
「え! 何で? 俺、そんな素振り見せたっけ?」
「見せてない。全然。だから余計に、なるちゃんにマジなんだろーなーって思ってた」
「なるちゃん、大人っぽかったからね。なんか、いろんなこと見透かされてる気がして、ちょっと怖かったよ。多分、俺がなるのこと狙ってんの、なるちゃんは気付いてんじゃね?」
「えー、そんなことないよ。ただ、なるちゃん、美人だからめっちゃモテてたし、俺をダシにするヤツは結構いたから、そーゆー人たちには結構冷たかったかも」
「なんか、いろいろちゃんと見れる人だよね、なるちゃんって」
成親と二人で見つめ合って話をしているから、
「俺にもそのなるちゃん紹介してよ。俺、翔くんと違って成親より女の子のがいい」
と征人が突っ込んだ。
「ま、俺としてもなるの一番近くにいるまあが、そう言ってくれるのは助かるけど。でも、なるは姉ちゃん紹介できる? このおばかちゃんに」
「ひっでー。俺、そんなばかじゃねーし」
「まーくん、イイコだけど、なるちゃんは賢いコだからおばかは嫌いかも」
「なるまで!」
「だって、こないだまーくん、授業中に居眠りしてて派手にコケたよね」
「あ、おま、ばか、言うなってば!」
くふくふ笑いながら暴露した成親の口を慌てて手で塞いだ征人だったが、その仕草に却って翔に睨まれる結果となり。
「もおやだ。この二人といたら、俺の味方誰もいないじゃん」
「そんなことないよ。俺、まーくんのこと好きだし」
「なるがそんなこと言ったらまた、翔くんが俺のこと睨むし」
「大丈夫、翔くんもまーくんのこと好きだから」
「そうそう、まあにはなるに変な虫が付かないよう見張っててもらわないといけないからな」
「俺って虫よけ?」
「蚊取り線香よりは役に立ってもらわないと、俺の大事ななるが傷物になったら俺はおまえごとシメる」
「翔くん、目がマジなの、怖いから」
成親と友達になってすぐ、俺の彼氏だと翔を紹介された征人は。
“カレシ”ってどーゆーこと? なんて思っていたら、その紹介されたオトコが特選科の上級生だったことで、何も言えなくて。
色んな意味で驚いた征人だったが、思っていた以上に翔が気さくである意味全然“特選科”っぽくないから、なんとなく普通に友達が増えたくらいにしか思えない。
彼氏、なんて言っているけれど学校でいつもイチャイチャしてるわけでもないので――たまに征人の前でだけはわざとくっついて見せたりはするけれど――、自分といる時の成親と同じくらいにしか考えられなくて。
だから、こうやって“俺の”なんて言っているけれど、征人にしてみれば昔から可愛がってる後輩なんだろうとしか思っていなかったりする。
「しょーさん、もう帰れる?」
「ん。教室行ってカバン取ってくるから、ちょっとだけ待ってろ」
「じゃ、俺は先に帰るよ。これ以上邪魔したら、マジで翔くんに絞め殺されかねない」
「とりあえず、俺がココ戻ってくるまでなるのことを守っとけ」
「へえへえ」
誰も成親を襲ったりしませんよ、と小さく呟いてまた翔に睨まれたが、そんなやりとりを見ていた成親がくふくふ笑っているのが可愛くて。
ま、確かにある程度守ってやんないと、変な虫が湧かないとも限らんな、と思い直した。
二人の様子をにやにやと笑って見ていた征人が、話を戻した。
「成美。俺の成は成ちゃんと同じ。今は遠くの大学行ってるから一緒には住んでないけど、しょーさんは会ってるもんね」
「ん、まあ入り浸ってたしさ。でもなるちゃん、部屋に籠ってること多かったからあんまし話はしたことないな」
「そおだっけ? 俺としては、しょーさんはなるちゃん狙いだと思ってた」
「え! 何で? 俺、そんな素振り見せたっけ?」
「見せてない。全然。だから余計に、なるちゃんにマジなんだろーなーって思ってた」
「なるちゃん、大人っぽかったからね。なんか、いろんなこと見透かされてる気がして、ちょっと怖かったよ。多分、俺がなるのこと狙ってんの、なるちゃんは気付いてんじゃね?」
「えー、そんなことないよ。ただ、なるちゃん、美人だからめっちゃモテてたし、俺をダシにするヤツは結構いたから、そーゆー人たちには結構冷たかったかも」
「なんか、いろいろちゃんと見れる人だよね、なるちゃんって」
成親と二人で見つめ合って話をしているから、
「俺にもそのなるちゃん紹介してよ。俺、翔くんと違って成親より女の子のがいい」
と征人が突っ込んだ。
「ま、俺としてもなるの一番近くにいるまあが、そう言ってくれるのは助かるけど。でも、なるは姉ちゃん紹介できる? このおばかちゃんに」
「ひっでー。俺、そんなばかじゃねーし」
「まーくん、イイコだけど、なるちゃんは賢いコだからおばかは嫌いかも」
「なるまで!」
「だって、こないだまーくん、授業中に居眠りしてて派手にコケたよね」
「あ、おま、ばか、言うなってば!」
くふくふ笑いながら暴露した成親の口を慌てて手で塞いだ征人だったが、その仕草に却って翔に睨まれる結果となり。
「もおやだ。この二人といたら、俺の味方誰もいないじゃん」
「そんなことないよ。俺、まーくんのこと好きだし」
「なるがそんなこと言ったらまた、翔くんが俺のこと睨むし」
「大丈夫、翔くんもまーくんのこと好きだから」
「そうそう、まあにはなるに変な虫が付かないよう見張っててもらわないといけないからな」
「俺って虫よけ?」
「蚊取り線香よりは役に立ってもらわないと、俺の大事ななるが傷物になったら俺はおまえごとシメる」
「翔くん、目がマジなの、怖いから」
成親と友達になってすぐ、俺の彼氏だと翔を紹介された征人は。
“カレシ”ってどーゆーこと? なんて思っていたら、その紹介されたオトコが特選科の上級生だったことで、何も言えなくて。
色んな意味で驚いた征人だったが、思っていた以上に翔が気さくである意味全然“特選科”っぽくないから、なんとなく普通に友達が増えたくらいにしか思えない。
彼氏、なんて言っているけれど学校でいつもイチャイチャしてるわけでもないので――たまに征人の前でだけはわざとくっついて見せたりはするけれど――、自分といる時の成親と同じくらいにしか考えられなくて。
だから、こうやって“俺の”なんて言っているけれど、征人にしてみれば昔から可愛がってる後輩なんだろうとしか思っていなかったりする。
「しょーさん、もう帰れる?」
「ん。教室行ってカバン取ってくるから、ちょっとだけ待ってろ」
「じゃ、俺は先に帰るよ。これ以上邪魔したら、マジで翔くんに絞め殺されかねない」
「とりあえず、俺がココ戻ってくるまでなるのことを守っとけ」
「へえへえ」
誰も成親を襲ったりしませんよ、と小さく呟いてまた翔に睨まれたが、そんなやりとりを見ていた成親がくふくふ笑っているのが可愛くて。
ま、確かにある程度守ってやんないと、変な虫が湧かないとも限らんな、と思い直した。
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