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【1】Rose quartz
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翔は部活をしていない。
正確に言うと、する暇がない。
中学時代はサッカー部だったが、高校に入ってからは基本的に部活ができる状況になく。
というのも、翔がいる特選科には普通科や特別進学科とは違ったカリキュラムが組まれていて。
授業のコマ割りの時間も違う上に、朝夕の補講だけではなく更に別枠で講義が行われるのである。
このクラスにいる者にだけ、部活動の時間を使って行われるその講義は、全学年同時に受講する。
受験に特化しているわけではないので、参加は自由ではあるが、各界の著名人が専門授業を行うそれはこの学校が近隣で人気を得た一番の特長で、それを受講できる限られたメンバーである者たちはどんな部活も蹴ってこれを受ける。
翔は一年の時からこのクラスに所属していて、実は学年主席だったりするので、高校に入ってからは帰宅部という立場にならざるを得ず。
仕方がないとは言え、この特別講義は何よりも知的好奇心を擽られるため、今まで欠かさず出席している。
そんな特別講義を終える時間は、大抵どこの部活も帰宅する時間となり、校内のあちこちで「おつかれっしたー」的な声が聞こえてきて。
最新設備満載の新校舎の視聴覚室から出た翔は、そのまま小腹を満たすために、同じ新校舎の一階にある大食堂に立ち寄った。
「あ。しょーさん」
立ち寄ったことが大正解だった、と思わず破顔してしまう。
声をかけてきた成親を見ると。
「あれ? 約束してた?」
成親の横にいた征人が訊いてきた。
「んーん、偶然。俺今日、たっさんに掴まって手伝わされてただけだし」
「たっさん人使い荒いよなー。生物で使う道具、大抵生徒捕まえて運ばせるし」
「俺今日、メダカの世話、させられたよー。そろそろ卵産んでるから、別の水槽に移すの手伝えって」
「帰宅部は全員ヒマだって思ってるよな、たっさん」
二人で笑っているのを見て、
「なる、部活はともかく生徒会、入んない?」
翔が誘った。
部活こそできないが、生徒会活動は会長以外は大きなイベントさえなければそんなに忙しいものでもなく、翔は副会長としてそちらに参加している。
学年も科も違うから学校では殆ど逢えないけれど、生徒会なら少しでも一緒にいられる時間が作れるから。
「なるちゃんが生徒会って、なんか想像つかない」
「なるちゃんはやめて、姉ちゃんだから。俺はなるくん」
「え? なるってお姉ちゃんいるんだ?」
「美人だよー。ね、なる。写真持ってるんじゃない?」
翔が言うと、成親がスマホを開いた。
「わ、まじで美人さんだ。ま、なるも可愛いから、そりゃそーだよなー」
「まあが言うなよ。なるは俺の」
「翔くん、大人げない」と征人が言うと、
「なるに関しては大人げなんてクソくらえ、だ」
翔は成親を抱き寄せた。
「翔くん、ここでらぶらぶすんの、やめよーよ。あなたそこそこ有名人なんだから」
いくら部活終わりで三々五々帰宅している状態とは言え、大食堂には小腹を満たさんとする面々がちらほら残っているわけで。
「俺としてはなるは俺のモンだっつーのは、世に知らしめたい事実だけど?」
「しょーさん、気持ちはありがたいけどさすがにこれ、ココでは困る」
翔のいる特選科だけは名札に印が付いているからすぐにそうとわかるわけで。
しかもネクタイの色で上級生だとすぐに判別できるから、一介の普通科一年風情がそんな特権階級な上級生に抱きしめられて頬ずりされている姿を見られるなんて、立場的につらいものがある。
成親が少し身を引いたことで少なからずショックを受けた翔だが、さすがにその気持ちをわかってやれない程狭量ではない。
ぽんぽん、と頭を撫でるだけに抑えて、とりあえず隣の席に座った。
正確に言うと、する暇がない。
中学時代はサッカー部だったが、高校に入ってからは基本的に部活ができる状況になく。
というのも、翔がいる特選科には普通科や特別進学科とは違ったカリキュラムが組まれていて。
授業のコマ割りの時間も違う上に、朝夕の補講だけではなく更に別枠で講義が行われるのである。
このクラスにいる者にだけ、部活動の時間を使って行われるその講義は、全学年同時に受講する。
受験に特化しているわけではないので、参加は自由ではあるが、各界の著名人が専門授業を行うそれはこの学校が近隣で人気を得た一番の特長で、それを受講できる限られたメンバーである者たちはどんな部活も蹴ってこれを受ける。
翔は一年の時からこのクラスに所属していて、実は学年主席だったりするので、高校に入ってからは帰宅部という立場にならざるを得ず。
仕方がないとは言え、この特別講義は何よりも知的好奇心を擽られるため、今まで欠かさず出席している。
そんな特別講義を終える時間は、大抵どこの部活も帰宅する時間となり、校内のあちこちで「おつかれっしたー」的な声が聞こえてきて。
最新設備満載の新校舎の視聴覚室から出た翔は、そのまま小腹を満たすために、同じ新校舎の一階にある大食堂に立ち寄った。
「あ。しょーさん」
立ち寄ったことが大正解だった、と思わず破顔してしまう。
声をかけてきた成親を見ると。
「あれ? 約束してた?」
成親の横にいた征人が訊いてきた。
「んーん、偶然。俺今日、たっさんに掴まって手伝わされてただけだし」
「たっさん人使い荒いよなー。生物で使う道具、大抵生徒捕まえて運ばせるし」
「俺今日、メダカの世話、させられたよー。そろそろ卵産んでるから、別の水槽に移すの手伝えって」
「帰宅部は全員ヒマだって思ってるよな、たっさん」
二人で笑っているのを見て、
「なる、部活はともかく生徒会、入んない?」
翔が誘った。
部活こそできないが、生徒会活動は会長以外は大きなイベントさえなければそんなに忙しいものでもなく、翔は副会長としてそちらに参加している。
学年も科も違うから学校では殆ど逢えないけれど、生徒会なら少しでも一緒にいられる時間が作れるから。
「なるちゃんが生徒会って、なんか想像つかない」
「なるちゃんはやめて、姉ちゃんだから。俺はなるくん」
「え? なるってお姉ちゃんいるんだ?」
「美人だよー。ね、なる。写真持ってるんじゃない?」
翔が言うと、成親がスマホを開いた。
「わ、まじで美人さんだ。ま、なるも可愛いから、そりゃそーだよなー」
「まあが言うなよ。なるは俺の」
「翔くん、大人げない」と征人が言うと、
「なるに関しては大人げなんてクソくらえ、だ」
翔は成親を抱き寄せた。
「翔くん、ここでらぶらぶすんの、やめよーよ。あなたそこそこ有名人なんだから」
いくら部活終わりで三々五々帰宅している状態とは言え、大食堂には小腹を満たさんとする面々がちらほら残っているわけで。
「俺としてはなるは俺のモンだっつーのは、世に知らしめたい事実だけど?」
「しょーさん、気持ちはありがたいけどさすがにこれ、ココでは困る」
翔のいる特選科だけは名札に印が付いているからすぐにそうとわかるわけで。
しかもネクタイの色で上級生だとすぐに判別できるから、一介の普通科一年風情がそんな特権階級な上級生に抱きしめられて頬ずりされている姿を見られるなんて、立場的につらいものがある。
成親が少し身を引いたことで少なからずショックを受けた翔だが、さすがにその気持ちをわかってやれない程狭量ではない。
ぽんぽん、と頭を撫でるだけに抑えて、とりあえず隣の席に座った。
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