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my girl
my girl -5-
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いつものように学校終わりにバイトを終えて帰宅すると、どうやら七海が家に来ているようで。
それは珍しいことではないが、平日だし本来ならもうゆかりが迎えに来て連れて帰っている時間だから。
「あれ? ななちゃんこんな時間にどうしたの?」
ルカが美紅に問うと。
「んー、ちょっとゆかりと喧嘩しちゃったみたいでね。さっきやっと落ち着いて、今お風呂入ってるトコ。今夜はさやの部屋に泊まるから」
「珍しい。ゆかりちゃんが喧嘩って」
「あー、だよねー。ゆかり、七海のことちょー大事にしてるもんね。あ!」
「何?」
急に美紅の表情が強ばった。
「慣れてないよね、ゆかりも。じゃあ今頃パニクってるかー」
とりあえずウチにいるし、今夜は泊めるとだけ伝えたらしいが、七海のフォローでゆかりに手が回っていないことが気になったのだ。
「ルカ、悪いけどゆかりのフォローお願い! あんたならゆかりも話しやすいだろうし」
「そりゃ別に構わないけど。あ、じゃあ美紅、車貸してよ」
「はあ?」
「俺まだメシ食ってねーし、ゆかりちゃん連れてメシ食いに行ってくる」
美紅は少し悩んで、「しょーがない、今回だけ特別ね」
非常事態ということでキーをくれた。
本来なら、まだルカ一人で勝手に車を使うことは許されていない。だが、さすがに状況から考えてここは譲るしかないだろうと思ってくれたようだ。
そして美紅の愛車に乗り込むと、とりあえずゆかりに電話。
「あ。ゆかりちゃん? 大丈夫?」
殆どコールすることなくゆかりが出た。どうやら携帯を構えていたらしい。
「るーちゃん! どうしよう!」ゆかりが電話の向こう側で泣きながら言う。
「大丈夫だよ、ゆかりちゃん。俺今から行くからさ、着いたらライン入れるし、降りてきてよ」
さすがに女性二人暮らしのマンションにルカが入ったことはなく、セキュリティがしっかりしているゆかりのマンションにはオートロックが完備されている。
「あれ? ゆかりちゃん?」
車で五分ほど走った先のゆかりのマンション。の、エントランスの外でゆかりが待っていた。
「ダメじゃん、夜遅くに一人で出てたら」
既に二十三時を過ぎている時間である。いくら治安のいい地域だとは言え、そんな時間に女性が一人で立っているなんて不用心でしかない。
とにかくゆかりを助手席に乗せると。
「美紅が、るーちゃん寄越すから好きなだけサンドバッグにしていいよって」
涙でぐずぐずの顔で、少しだけ笑いながらゆかりが言った。
「はいはい、いくらでも殴られてあげますよー。あ、でもちょっとだけ。バイト上がりで貰ったサンドイッチ食っていい?」
さすがに腹が減って仕方ない。
近くの公園の駐車場に車を停めて、とりあえず腹拵え。
少し落ち着いて来たゆかりも、ルカからコーヒーを貰って飲んでいた。
「さて。俺、バイトから帰ったらななちゃんがウチに来てたってゆー事実しか知らないんだけど。どーする? 説明聞いたげるのがいいのかな? サンドバッグになる方がいいのかな?」
ゴミを捨てて、コーヒー飲み干して。ルカはゆかりに向き直った。
気分転換に少し歩く? と車を降りて人気のない公園へと入る。
幸い無駄に騒いでいる若者もいないらしく、公園内は静かだった。
「サンドバッグもいいなー。けどるーちゃん、ハグして」
はいはい。
ゆかりの小さな体をぎゅっと抱き締めて。
何の下心もなく、いつもの挨拶。
「はー。少し、落ち着いたよ。ありがとね」
本音を言えば、放したくはない。が、勿論そんなことは表には出さない。
それは珍しいことではないが、平日だし本来ならもうゆかりが迎えに来て連れて帰っている時間だから。
「あれ? ななちゃんこんな時間にどうしたの?」
ルカが美紅に問うと。
「んー、ちょっとゆかりと喧嘩しちゃったみたいでね。さっきやっと落ち着いて、今お風呂入ってるトコ。今夜はさやの部屋に泊まるから」
「珍しい。ゆかりちゃんが喧嘩って」
「あー、だよねー。ゆかり、七海のことちょー大事にしてるもんね。あ!」
「何?」
急に美紅の表情が強ばった。
「慣れてないよね、ゆかりも。じゃあ今頃パニクってるかー」
とりあえずウチにいるし、今夜は泊めるとだけ伝えたらしいが、七海のフォローでゆかりに手が回っていないことが気になったのだ。
「ルカ、悪いけどゆかりのフォローお願い! あんたならゆかりも話しやすいだろうし」
「そりゃ別に構わないけど。あ、じゃあ美紅、車貸してよ」
「はあ?」
「俺まだメシ食ってねーし、ゆかりちゃん連れてメシ食いに行ってくる」
美紅は少し悩んで、「しょーがない、今回だけ特別ね」
非常事態ということでキーをくれた。
本来なら、まだルカ一人で勝手に車を使うことは許されていない。だが、さすがに状況から考えてここは譲るしかないだろうと思ってくれたようだ。
そして美紅の愛車に乗り込むと、とりあえずゆかりに電話。
「あ。ゆかりちゃん? 大丈夫?」
殆どコールすることなくゆかりが出た。どうやら携帯を構えていたらしい。
「るーちゃん! どうしよう!」ゆかりが電話の向こう側で泣きながら言う。
「大丈夫だよ、ゆかりちゃん。俺今から行くからさ、着いたらライン入れるし、降りてきてよ」
さすがに女性二人暮らしのマンションにルカが入ったことはなく、セキュリティがしっかりしているゆかりのマンションにはオートロックが完備されている。
「あれ? ゆかりちゃん?」
車で五分ほど走った先のゆかりのマンション。の、エントランスの外でゆかりが待っていた。
「ダメじゃん、夜遅くに一人で出てたら」
既に二十三時を過ぎている時間である。いくら治安のいい地域だとは言え、そんな時間に女性が一人で立っているなんて不用心でしかない。
とにかくゆかりを助手席に乗せると。
「美紅が、るーちゃん寄越すから好きなだけサンドバッグにしていいよって」
涙でぐずぐずの顔で、少しだけ笑いながらゆかりが言った。
「はいはい、いくらでも殴られてあげますよー。あ、でもちょっとだけ。バイト上がりで貰ったサンドイッチ食っていい?」
さすがに腹が減って仕方ない。
近くの公園の駐車場に車を停めて、とりあえず腹拵え。
少し落ち着いて来たゆかりも、ルカからコーヒーを貰って飲んでいた。
「さて。俺、バイトから帰ったらななちゃんがウチに来てたってゆー事実しか知らないんだけど。どーする? 説明聞いたげるのがいいのかな? サンドバッグになる方がいいのかな?」
ゴミを捨てて、コーヒー飲み干して。ルカはゆかりに向き直った。
気分転換に少し歩く? と車を降りて人気のない公園へと入る。
幸い無駄に騒いでいる若者もいないらしく、公園内は静かだった。
「サンドバッグもいいなー。けどるーちゃん、ハグして」
はいはい。
ゆかりの小さな体をぎゅっと抱き締めて。
何の下心もなく、いつもの挨拶。
「はー。少し、落ち着いたよ。ありがとね」
本音を言えば、放したくはない。が、勿論そんなことは表には出さない。
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