25 / 27
-25-
-25-
しおりを挟む
別に、会えないから淋しいとか、会いたいとか考えたことなんてなかった。
そんなに長い時間一緒にいたわけでもないし、四六時中付きまとわれてたわけでもない。
そこまで考えて、あの日の自分の行動を思い出して一人赤面する。
こんな、見るからにサル顔の自分に「抱いてくれ」なんて言われた埴生。
言った自分も自分だが、言われた本人だってかなり赤面モノではないだろうか?
――オレのことそういう意味で“好き”なんじゃなかったら、あれってかなり……うわ!
恥ずかしいことこの上ない、と思い至る。
和泉はPCに向かいながら一人赤くなっていた。
「お? どした、和泉ちゃん。昨夜のカノジョとのひと時でも想いだしてんのか? 顔に似合わずやーらしいヤツだなあ」
村田にそんな風に突っ込まれ、拳骨を一つお返しして和泉はすっくと立ち上がった。
「なに? どしたの、マジで」
「オレ、ちょいあっち行ってくる」
あっちってどっちだよ、という村田を放ってつかつかと事務所をあとにする。
向かう先は開発部である。
最近姿を見せない埴生の動向がどうしても気になって、直接敵地に乗り込もうと考えたのである。
寮に帰ってからでも遅くはないかもしれないが、思い立ったら動かないではいられないのが和泉の性質。
「え? 埴生? ああ、あいつなら藤田さんと一緒に2ヶ月くらい東京出張だよ」
ところが意気込みも虚しくあっさりとそんなことを言われ、和泉は回れ右で事務所に戻った。
最近の音沙汰無しの理由が出張ならば仕方がないとほっとし、また出張なら出張と一言言ってくれてもいいじゃないかと思ってみたり。
実際そんな長い出張は工事部ではまずないし、長期出張というには短いこの中途半端な遠出は開発独特のものである。
ほとんどバイト以上の扱いになっている埴生なので、藤田と二人での出張なのだろう。
結局顔を合わせることのないその期間、和泉は埴生の存在が自分の中でどんなものなのかじっくり考えることにしたのだった。
そんなに長い時間一緒にいたわけでもないし、四六時中付きまとわれてたわけでもない。
そこまで考えて、あの日の自分の行動を思い出して一人赤面する。
こんな、見るからにサル顔の自分に「抱いてくれ」なんて言われた埴生。
言った自分も自分だが、言われた本人だってかなり赤面モノではないだろうか?
――オレのことそういう意味で“好き”なんじゃなかったら、あれってかなり……うわ!
恥ずかしいことこの上ない、と思い至る。
和泉はPCに向かいながら一人赤くなっていた。
「お? どした、和泉ちゃん。昨夜のカノジョとのひと時でも想いだしてんのか? 顔に似合わずやーらしいヤツだなあ」
村田にそんな風に突っ込まれ、拳骨を一つお返しして和泉はすっくと立ち上がった。
「なに? どしたの、マジで」
「オレ、ちょいあっち行ってくる」
あっちってどっちだよ、という村田を放ってつかつかと事務所をあとにする。
向かう先は開発部である。
最近姿を見せない埴生の動向がどうしても気になって、直接敵地に乗り込もうと考えたのである。
寮に帰ってからでも遅くはないかもしれないが、思い立ったら動かないではいられないのが和泉の性質。
「え? 埴生? ああ、あいつなら藤田さんと一緒に2ヶ月くらい東京出張だよ」
ところが意気込みも虚しくあっさりとそんなことを言われ、和泉は回れ右で事務所に戻った。
最近の音沙汰無しの理由が出張ならば仕方がないとほっとし、また出張なら出張と一言言ってくれてもいいじゃないかと思ってみたり。
実際そんな長い出張は工事部ではまずないし、長期出張というには短いこの中途半端な遠出は開発独特のものである。
ほとんどバイト以上の扱いになっている埴生なので、藤田と二人での出張なのだろう。
結局顔を合わせることのないその期間、和泉は埴生の存在が自分の中でどんなものなのかじっくり考えることにしたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
《完結》僕が天使になるまで
MITARASI_
BL
命が尽きると知った遥は、恋人・翔太には秘密を抱えたまま「別れ」を選ぶ。
それは翔太の未来を守るため――。
料理のレシピ、小さなメモ、親友に託した願い。
遥が残した“天使の贈り物”の数々は、翔太の心を深く揺さぶり、やがて彼を未来へと導いていく。
涙と希望が交差する、切なくも温かい愛の物語。
鈴木さんちの家政夫
ユキヤナギ
BL
「もし家事全般を請け負ってくれるなら、家賃はいらないよ」そう言われて鈴木家の住み込み家政夫になった智樹は、雇い主の彩葉に心惹かれていく。だが彼には、一途に想い続けている相手がいた。彩葉の恋を見守るうちに、智樹は心に芽生えた大切な気持ちに気付いていく。
キミがいる
hosimure
BL
ボクは学校でイジメを受けていた。
何が原因でイジメられていたかなんて分からない。
けれどずっと続いているイジメ。
だけどボクには親友の彼がいた。
明るく、優しい彼がいたからこそ、ボクは学校へ行けた。
彼のことを心から信じていたけれど…。
幸せな復讐
志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。
明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。
だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。
でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。
君に捨てられた僕の恋の行方は……
それぞれの新生活を意識して書きました。
よろしくお願いします。
fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる