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24 へ、変態 ※
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「ぎゃあっ!? ちょっ、ええ!? 何してんですか!」
「固定の仕方が間違ってる。じっとしてろ」
あ、あり得ない!
ルルシェは命令を無視して後ずさったが、イグニスは何のためらいもなくドレスの中に潜り込んでしまった。大きな手が太ももをがしりと掴む。
「やだやだ、やめて! 恥ずかしい!」
相手が王子だという認識はふっ飛び、言葉づかいも荒っぽくなったがそれどころではない。
この馬鹿王子――いや、変態王子め!
「大人しくしろ、紐が固定できないだろ」
ドレスの下からくぐもった声。ルルシェは「あなたこそいい加減にしなさいよ」と思いながら、布地の上から太い腕をぐいぐい押して逃げようとした。放してくれない。しつこい。
「ひっ!?」
突然太ももに軽い痛みが走り、口から悲鳴がもれる。ぬるっとした熱いものと、太ももに食い込む硬いもの。
「いたぁっ、噛まないで!」
「おまえが大人しくしないからだろ」
下からすねているような声が返ってきた。この変態には言葉が通じそうにない。
ルルシェは震えながらイグニスが出てくるのを待った。
「やぁ、もう……は、早くしてください!」
太もものあたりで彼の手がごそごそ動いていてくすぐったいし、ドレスのスカートが人の形に盛り上がっているのを見るのは屈辱的だ。恥ずかしさに目が潤んでくる。
しばらくしてやっとイグニスがドレスの中から出てきた。満足そうな顔をしているが、ルルシェは他の部分に目を奪われた。彼が履いているズボンの、一部分。そこが山のように膨らんでいる。
「へ、変態……」
思わず率直な感想をもらすと、イグニスは一瞬ムッとし、
「そん――そう、かもな…………」
急に元気がなくなった。多分、「そんなことはない」と言いたかったのだろうが、途中で冷静に自己分析したらしい。たとえいかなる理由があろうと、女性のドレスに潜りこんで股間を膨らませるなんて変態である。
しおれた花のようになった主君を見てルルシェは少し慌てた。彼に自信をつけさせるためのトレーニングだったのに、逆の効果を与えてしまっている。
「気にしないでください、大丈夫です! 殿下は男としての魅力に溢れています!」
「……無理やり褒めるな。でもまあ、男として機能しているという事だからいいよな」
自分を納得させるように呟き、ルルシェに口付けてきた。部屋を移ってからというもの、眠る前にキスをするのは習慣になっている。
(今夜はこれでお仕舞いかな)
ホッとしていたから、唇を割って入ってきた舌に驚いてイグニスを押し返してしまった。しかし背中に回された腕が、がっちりとルルシェの体を固定しているので逃げられない。
「んむ、ん……」
イグニスの寝間着をにぎる手が震える。キスというのは舌を入れるものなのか。父と母も、他の恋人たちもこんなことをしているのか?
熱い舌が口腔を探り、奥で縮こまっているルルシェの舌に絡む。歯列をなぞり、唇の裏を舐められると腰から全身へぞくんと何かが走り抜けた。
「ん、ふ……やめ、あ、ん……っ」
舌を強く吸われて涙が滲む。唇を解放したイグニスは舌を耳に滑らせ、ルルシェの耳孔に舌を差し込んだ。
「ひっ……!」
ぐちゅぐちゅと音が響き、熱くぬめったものが耳朶を舐める。
脚から力が抜けて、ふにゃふにゃになったルルシェを王子が抱き上げて寝台へ運んだ。うつ伏せにして背中のボタンを外している。
(せっかくドレスを着たのに……)
文句を言いかけたルルシェだったが、うなじを舐める舌の感触に体をこわばらせた。背中がぞわぞわして変な声が出そうになる。
「あ、いっ……」
いやです、と言いかけて口をつぐんだ。今の自分はイグニスの練習台だ。王子が自信を取り戻し、由緒正しい家柄の妻を迎えるための練習台。そういう約束をして、伯爵家を守ると言ってもらえたのだ。
(我慢、我慢……!)
むき出しになった背中に唇や舌がふれる間も、口に手をあてて変な声と体が逃げそうになる衝動に耐えていた。
――しかし。
「ああっ!」
ざらつく大きな手にぎゅっと乳房を握られると、とうとう口から高い声が漏れてしまった。以前も温泉のなかで胸を触られたけれど、あの時とは触り方が全然ちがう。
イグニスは男の情欲をむき出しにしてルルシェの乳房を揉んでいる。愛しげに背中にキスをされ、獣のように肩に歯を立てられ。そうしながら胸の尖りをくりくりと捩られると、下腹がきゅぅうんと切なく疼いた。
(何これ? 何が起こってるの? 怖い……!)
ルルシェはぶるぶる震えながらイグニスの愛撫が終わるのを待った。食いしばった歯の隙間から、ふう、ふうと荒い息がもれる。
「気持ちいいか?」
「ひっ……わ、分かりません。こんな事、されるの、初めてなので……」
熱い吐息が耳にふれるだけでもぞわっとする。なんで耳に唇をくっ付けて声を出すのだろう。嫌がらせかと思う。
「固定の仕方が間違ってる。じっとしてろ」
あ、あり得ない!
ルルシェは命令を無視して後ずさったが、イグニスは何のためらいもなくドレスの中に潜り込んでしまった。大きな手が太ももをがしりと掴む。
「やだやだ、やめて! 恥ずかしい!」
相手が王子だという認識はふっ飛び、言葉づかいも荒っぽくなったがそれどころではない。
この馬鹿王子――いや、変態王子め!
「大人しくしろ、紐が固定できないだろ」
ドレスの下からくぐもった声。ルルシェは「あなたこそいい加減にしなさいよ」と思いながら、布地の上から太い腕をぐいぐい押して逃げようとした。放してくれない。しつこい。
「ひっ!?」
突然太ももに軽い痛みが走り、口から悲鳴がもれる。ぬるっとした熱いものと、太ももに食い込む硬いもの。
「いたぁっ、噛まないで!」
「おまえが大人しくしないからだろ」
下からすねているような声が返ってきた。この変態には言葉が通じそうにない。
ルルシェは震えながらイグニスが出てくるのを待った。
「やぁ、もう……は、早くしてください!」
太もものあたりで彼の手がごそごそ動いていてくすぐったいし、ドレスのスカートが人の形に盛り上がっているのを見るのは屈辱的だ。恥ずかしさに目が潤んでくる。
しばらくしてやっとイグニスがドレスの中から出てきた。満足そうな顔をしているが、ルルシェは他の部分に目を奪われた。彼が履いているズボンの、一部分。そこが山のように膨らんでいる。
「へ、変態……」
思わず率直な感想をもらすと、イグニスは一瞬ムッとし、
「そん――そう、かもな…………」
急に元気がなくなった。多分、「そんなことはない」と言いたかったのだろうが、途中で冷静に自己分析したらしい。たとえいかなる理由があろうと、女性のドレスに潜りこんで股間を膨らませるなんて変態である。
しおれた花のようになった主君を見てルルシェは少し慌てた。彼に自信をつけさせるためのトレーニングだったのに、逆の効果を与えてしまっている。
「気にしないでください、大丈夫です! 殿下は男としての魅力に溢れています!」
「……無理やり褒めるな。でもまあ、男として機能しているという事だからいいよな」
自分を納得させるように呟き、ルルシェに口付けてきた。部屋を移ってからというもの、眠る前にキスをするのは習慣になっている。
(今夜はこれでお仕舞いかな)
ホッとしていたから、唇を割って入ってきた舌に驚いてイグニスを押し返してしまった。しかし背中に回された腕が、がっちりとルルシェの体を固定しているので逃げられない。
「んむ、ん……」
イグニスの寝間着をにぎる手が震える。キスというのは舌を入れるものなのか。父と母も、他の恋人たちもこんなことをしているのか?
熱い舌が口腔を探り、奥で縮こまっているルルシェの舌に絡む。歯列をなぞり、唇の裏を舐められると腰から全身へぞくんと何かが走り抜けた。
「ん、ふ……やめ、あ、ん……っ」
舌を強く吸われて涙が滲む。唇を解放したイグニスは舌を耳に滑らせ、ルルシェの耳孔に舌を差し込んだ。
「ひっ……!」
ぐちゅぐちゅと音が響き、熱くぬめったものが耳朶を舐める。
脚から力が抜けて、ふにゃふにゃになったルルシェを王子が抱き上げて寝台へ運んだ。うつ伏せにして背中のボタンを外している。
(せっかくドレスを着たのに……)
文句を言いかけたルルシェだったが、うなじを舐める舌の感触に体をこわばらせた。背中がぞわぞわして変な声が出そうになる。
「あ、いっ……」
いやです、と言いかけて口をつぐんだ。今の自分はイグニスの練習台だ。王子が自信を取り戻し、由緒正しい家柄の妻を迎えるための練習台。そういう約束をして、伯爵家を守ると言ってもらえたのだ。
(我慢、我慢……!)
むき出しになった背中に唇や舌がふれる間も、口に手をあてて変な声と体が逃げそうになる衝動に耐えていた。
――しかし。
「ああっ!」
ざらつく大きな手にぎゅっと乳房を握られると、とうとう口から高い声が漏れてしまった。以前も温泉のなかで胸を触られたけれど、あの時とは触り方が全然ちがう。
イグニスは男の情欲をむき出しにしてルルシェの乳房を揉んでいる。愛しげに背中にキスをされ、獣のように肩に歯を立てられ。そうしながら胸の尖りをくりくりと捩られると、下腹がきゅぅうんと切なく疼いた。
(何これ? 何が起こってるの? 怖い……!)
ルルシェはぶるぶる震えながらイグニスの愛撫が終わるのを待った。食いしばった歯の隙間から、ふう、ふうと荒い息がもれる。
「気持ちいいか?」
「ひっ……わ、分かりません。こんな事、されるの、初めてなので……」
熱い吐息が耳にふれるだけでもぞわっとする。なんで耳に唇をくっ付けて声を出すのだろう。嫌がらせかと思う。
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